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十年近く専業主婦だった八重樫靖羽は40路を前にして、尊敬する年上のキャリア女性から公益財団法人で働かないかと誘われ、新たな環境に思い切って飛び込むことに。しかし慣れない仕事で失敗の連続。これまで自分を中心に回っていた家庭や、その周囲にも思いがけないトラブルが巻き起こる。だが、小学校6年生の次女が「チョコレート」を自由研究のテーマにしたことから、チョコの歴史や製造工程を知って仕事や人間関係のアイデアを得たり、美味しいチョコを一緒に食べて励まされたりして、前に進もうと奮闘していく。海外のさまざまな子育て事情にも興味を持ち、合理的でフラットな考え方をもつ靖羽の目を通じて、仕事をすることで女性が抱える悩みを描きつつ、多様な価値観を描く勇気をもらえる物語。
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Posted by ブクログ
自分の価値観が、一度洗濯されて太陽の匂いを吸収しながら乾いていく、そんな一冊だと感じた。
人間誰しも、私も、周りの人々にレッテルを貼って見ていた。誰々の友達、この会社の人、こんな病気をもっている人…
これは、その人自身を見ているとは言えない。“個”を尊重するとはどういうことなのかを改めて考えさせられた。それに、「仕事は苦痛をもたらすものではなくその人の人生を豊かにするものであるべきだ」という考え、なんて優しくて救われるような言葉なんだろう。
この一冊から私はたくさんのことを考えて、感じることができた。チョコも元々好きだが、大好きになった。私もホットチョコレート、淹れてみたい。
Posted by ブクログ
40歳を機に仕事復帰を希望していた八重樫靖羽は、小金井にある《ショコラティエ・プティ・ポワン》で、堤マチ子から仕事に誘われる。
靖羽の再就職先は、公益財団法人千代子・レイド財団。
昭和中期に建てられた美しい洋館で働き始めた靖羽は、家庭で母としての役割も果たしながら、ひとつずつ前向きに仕事をこなしていきます。
幼い頃から靖羽の傍らには大好きなチョコレートがあって、何かにつまずいた時にはいつもチョコレートに励まされていました。
困っている人にそっと手をさしのべて心を開かせてくれる。
そのような財団を立ち上げた千代子さんの信念と、大昔は"薬"だったというチョコレートの歴史がうまく組み合わされた、人の心に寄り添うようなとても温かい物語です。
Posted by ブクログ
チョコレートが大好きな靖羽の人生には、いつだって色んな形のチョコレートが寄り添っている。人生の転機にも日々の困りごとにも傍らにはチョコレートがある。
うまくいかないときのラングドシャ。辛い心をほどくホットチョコレート。ご褒美のつややかなチョコレート。姿を変えて目を、舌を楽しませてくれる。
長い時間をかけて、たくさんの人による様々な試行錯誤があったがゆえに、今のおいしいチョコレートができている。チョコレートのことを知っていく中でもっともっとチョコレートの魅力に気づいていくのだ。
この物語を読み終えて、早速チョコレートを一つ口に運んだ。甘く溶ける素敵な茶色の宝石は私に幸せを運んでくれた。
Posted by ブクログ
初めましての作家さん。
角川ごちそう文庫、新刊の1冊です。
とても読みやすい文章で、内容も身近なもので親しみやすかったです。
主人公、八重樫靖羽の仕事復帰の話の中に、支援がいる子の話、学校でハブられている話、親戚の介護や家の格の話、職場でのパワハラの話、等などが深刻になりすぎない感じに描かれています。
その時の靖羽さんの対応というか物の捉え方がとても良くて真似したいと思いました。私自身に何かあったら思い出して、乗り切れたら良いなと思っています。
また、靖羽さんの家族がとても自然体で家族の温かい繋がりが感じられて、柔らかい気持ちになりました。
内山純さんの他の作品も読んでみようと思います。
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小説・文芸
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