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高校の漫画研究会のたった二人の部員である葵と由利。デビューを夢見る二人だが、歌舞伎町のビルから女子高生が転落した事件をきっかけに人生の歯車が軋(きし)み始める。『殺した夫が帰ってきました』の著者が贈る、だまされること必至の泥沼青春ミステリー。
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Posted by ブクログ
騙されないようにと思ってたが騙された。 ミステリー要素もあるけど漫研の2人のやりとりも青春要素も好きだったなぁ。読みやすく面白かったです。
あなたは、騙されたことがあるでしょうか? 今の世の中何をするにも注意が必要です。”オレオレ”と言って電話がかかってきても息子や孫とは限りません。警察署の電話番号が表示されても警察署からの電話とは限りません。一体何を信じれば良いのだろうか?騙されないようにするにはどうすれば良いのだろうか?なんとも嫌...続きを読むな時代になったものだと思います。 現実世界で騙されることは単にマイナスでしかありません。しかし、必ずしも騙されることがマイナスと言い切れない場合もあります。それこそが、”ミステリー”小説を読む場合です。読者を騙そうと数々の仕掛けを用意される作家の皆さん。この場合、下手に仕掛けを見抜いてしまうより、鮮やかなまでに騙されてしまった方が間違いなく幸せな読書の時間を楽しむことに繋がるのではないでしょうか? さてここに、”ミステリー”を得意とされる桜井美奈さんの最新作な物語があります。 “騙され注意警報発令中!” 出版社がそんな風に読者を煽るこの作品。騙されないぞと頑張っても鮮やかに騙されてしまうこの作品。そしてそれは、「復讐の準備が整いました」という書名に隠されたまさかの真実に驚愕する物語です。 〈プロローグ〉 『全身を黒一色で統一したリリが広場に姿を現すと、『街灯に引き寄せられる夏の虫のように、人々が近づいてき』ます。『二週間ぶりにもかかわらず』『目的はたった一つしかないため』、『挨拶は』ありません。『長い付けまつ毛にたっぷりとマスカラを塗った』『リリより一つ上の十六歳』、『半年前までは高校に通っていた』少女の『ある?』という問いかけに『あるよ。でも、やめたほうがいいよ』、『お酒と一緒に飲むのは危ないよ』とリリが返すも『うるさいなあ。そんなこと知ってるし』と『吐き捨てるように』言う少女。『相手をするのが面倒になった』リリは『で、どれだけいるの?』、『今、一回に何錠飲んでいるの?』と訊きます。それに『五十くらいかな』と答える少女に『増えてるね』と返すリリは『少女が求めた量をカバンから出すと、金と引き換え』ます。『そのお金でまた、シュウのところへ行くんでしょ』、『アンタが何をしているかを、シュウに教えようかなあ?』と言う少女に『そんなことしたら、もう二度と売らないから』と『きつく睨』むリリ。離れていった少女を見送るリリは『薬で一時的に寂しさを埋めるのも、薬を売って得た金で寂しさを埋めに行くのも、どちらもバカのすることだ』、『あとには必ず、むなしさと寂しさが襲ってくるとわかっているのに…』と思います。 〈第一部〉 『入部希望?』と『擦れもシワもない、身体よりも少し大きいサイズの制服に身を包んでいる』『訊ねるまでもなく一年生』に後ろから声をかけるのは高校二年生になった小野川葵(おのがわ あおい)。『あ、はい』と『振り返りながら不安そうな顔を見せ』る『葵よりも小柄』で『華奢な体型』の生徒に、『ここ、漫研の部室だけど大丈夫?昨日、部室間違った人がいたから』と訊く葵。『担任に訊いてきたので、大丈夫です。…えっと、入部したいって意味です。漫研に』、『部長さんですか?』と訊かれ『部員、私しかいないの』と答える葵は、自身が『唯一の漫研部員』で現在は『同好会で予算もゼロ』であることを説明します。『新入生の顔に不安の色』を見る葵が『顧問はいるから』と説明すると『担任が、その顧問をしていると言っていました』と言う新入生。そんな新入生に『漫画本はたくさんあるの。ホラ!』と『ぎっしりと漫画本が入っ』た本棚を見せる葵は、『ね、悪くないでしょ?』と訊きます。『返事はなかったが、新入生の目が輝いている』のを見る葵。そんな時、『ゆりー』と『廊下の遠くから、やはり、真新しい制服を着た生徒の声がし』、『ハッと我に返ったように振り返る』新入生。『由利は漫研に入部?』、『うん』、『昔から絵、上手かったし、やっぱそうなんだ』と会話すると、『その生徒はすぐに廊下を駆けて行』きました。『友達?』と問う葵に、『小学校のころの同級生です。中学は違いましたけど、高校でまた会って…』と説明する新入生。『なるほど。で、由利…さん?』と訊く葵に『呼び捨てでいいです』と返す新入生に『そう?じゃあ、由利って呼ぶよ?』と『本人の希望』を尊重する事にした葵。そんな葵に『入部させて下さい』、『漫研に入ると決めていましたから』と語る由利に、『そう。じゃあ、よろしくってことで』と葵は右手を差し出します。そして、席を向かい合わせて座る二人。そんな中、『ええと、最初にこの部の決まり事を説明するね。私は小野川葵って言うんだけど、葵って呼ぶのがこの部の決まり』と『今作ったばかりの規則』を説明する葵。そして、二人の部員だけの『漫研』の活動を描く日々の先に、まさかの『復讐』を見る物語が始まりました。 2025年4月7日に刊行された桜井美奈さんの最新作でもあるこの作品。”発売日に新作を一気読みして長文レビューを書こう!キャンペーン”を勝手に展開している私は、2025年1月に村山由佳さん「PRIZE」と彩瀬まるさん「嵐をこえて会いに行く」の二冊、2月には湊かなえさん「C線上のアリア」と町田そのこさん「月とアマリリス」の二冊と、私に深い感動を与えてくださる作家さんの新作を発売日に一気読みするということを毎月一冊以上を目標に行ってきました。そんな中に、デビュー作「きじかくしの庭」で第19回電撃小説大賞を受賞、その後も「殺した夫が帰ってきました」、「私が先生を殺した」などインパクトある書名の作品を発表し続けていらっしゃる桜井美奈さんの新作が出ることを知り、これは読まねば!と発売日早々この作品を手にしました。 そんなこの作品は、内容紹介にこんな風にうたわれています。 “漫画賞入選の過去を隠し、漫画研究会に入部してきた新入生の由利。部長兼たった一人の部員だった葵は、その事実に嫉妬と羨望を抱いてしまう。そんな二人の関係は、歌舞伎町のビルから女子高生が転落した事故を境に大きく歪み始めて…。悲しみが果てしない悪意に変わる、「殺した夫が帰ってきました」の著者が贈る、泥沼青春ミステリー!!” そうです。この作品は“ミステリー”を得意とされる桜井美奈さんの王道の一冊とも言える作品なのです。そして、そんな作品の表紙を飾るインパクトあるイラストを描かれたのが、MBS/TBS系列で放送されている「プレバト!!」で素敵な水彩画の数々を描かれている光宗薫さんです。”あ、私が書いた登場人物のイメージ通りだ”と、そんなイラストを初めて見た時の感想を語られる桜井美奈さん。”あなたをずっと、許さない”という本の帯の言葉と共に本を開く前から期待が膨らみます。 さて、そんなこの作品は、内容紹介に”青春”という二文字が入る通り、”青春物語”的な色合いも見せます。上記で作品の冒頭をご紹介しましたが、少なくとも〈第一部〉は高校生活を描く物語であることは間違いありません。そんな物語で秀逸だと思ったのはたった一文で新入生を頭の中に思い浮かべさせてくれる次の表現です。 『擦れもシワもない、身体よりも少し大きいサイズの制服に身を包んでいる姿は、訊ねるまでもなく一年生だ』。 入学、入社…と、春はさまざまなところで人の入れ替わりが発生します。そのような中でたった一年の違いにも関わらず特に高校一年生と二年生の差は思った以上に大きいように思います。 『華奢な体型』で『短い髪から覗く肌は白く、幼さが残る顔立ちをしている。大きな瞳が何か問いたそうに葵を見ていた』 新入生の姿を冷静に見る一年先輩の余裕感を感じさせますが、葵はストレートにこんな思いを抱きます。 『一歳しか違わないとはいえ、葵は思わず、かわいい、と言いたくなった』 物語は、そんな新入生の由利が『漫研』に入部するところから動き始めます。たまたまなのかはわかりませんがこの作品を新年度の始めである4月7日刊行としたのは演出の一つかもしれない、そんな風にも感じました。 そんな物語は、『漫研』の二人だけの活動を描いていきます。とは言っても五人以上必要という部の要件を満たさずあくまで『同好会』という『漫研』はとにかくユルいのが特徴です。 『休みたければ休めばいいし、描きたくなければ描かなくていい。部員はここに来て自由に漫画を読んでいいし、持ち帰って読みたければ、ノートにタイトルと巻数を書けばそれも自由』 顧問の本沢が自分が読み終わった漫画を次々持ってきてくれることもあって蔵書だけは充実した『漫研』ですが、一方で読むだけでなく、自ら描くのも『漫研』の活動です。ここで、二人は対比を見せます。『紙とペンのアナログで描いている』という葵に対して、『合格祝い』に買ってもらった『タブレット』で『デジタル』に描く由利。やがて、葵も『タブレット』で描くようになりますが、そんなものなんですね。今の時代…そもそもの漫画を描くことに対しての自分のイメージの古くささを恥じてしまいました。一方で、漫画について深く入っていく物語では、漫画を知らない人が困らないように用語の丁寧な説明も入ります。 『プロットは、漫画の最初の設計図のようなものだ。ネームを作る前に漫画の流れやキャラクターの設定などを固める必要がある』。 そうですよね。『プロット』と当たり前のように記されても漫画に詳しくない私のような人間にはちんぷんかんぷんです。この作品は、この点抜かりなく描かれていますので、戸惑うことなく、それ以上に、知らない世界をゼロから垣間見せてくれる面白さもあると思いました。 一方で、このレビューをここまで読んでくださった方の中には、冒頭に記した〈プロローグ〉の内容に強い違和感を感じられている方もいらっしゃると思います。『漫研』に入部したいと訪れた新入生を迎える葵という〈第一部〉の雰囲気感とのあまりの落差は私も読んでいて、途中から違う作品になったのか?とページを振り返ってしまったほどです。小説において〈プロローグ〉は読者を作品世界に一気に引き込むためにインパクトある演出が施されているものが多いと思います。しかし、どこまでいってもそれはその作品の一部であるはずであり、本編とかけ離れた内容では意味不明です。では、具体的に〈プロローグ〉と〈第一部〉の本文の冒頭を並べて比較してみましょう。 〈プロローグ〉 『全身を黒一色で統一したリリが広場に姿を現すと、その暗い装いとは裏腹に、街灯に引き寄せられる夏の虫のように、人々が近づいてきた。 「ある?」 二週間ぶりにもかかわらず、挨拶はない』。 〈第一部〉 『高校二年生の小野川葵にとって、入学式は特別なイベントではない。在校生は参加せず、春休みの延長のような時間を過ごしていたからだ。とはいえ、本格的に授業が始まり、真新しい制服に身を包んだ一年生を校舎内で見かけると、昨年の自分と重ねて、それがひどく昔のことのように感じた』。 いかがでしょうか?紛れもない”青春物語”の始まりを予感させる〈第一部〉に対して、〈プロローグ〉の場面は否が応にも読者に緊張感を募らせます。この〈プロローグ〉は一体なんなのか?そんな思いが読者を襲います。この独特な雰囲気感が〈プロローグ〉だけならまだわかります。しかし、この怪しく記される展開はその先〈第一部〉に入っても描かれていくのです。 『ロング丈の黒いスカートに、黒のシンプルなTシャツを着て、バケットハットをかぶっている彼女は、黒いサングラスとマスクで顔のほとんどを隠していた』。 高校生の初々しい“青春物語”を見る中に、並行して描かれていく闇の世界を垣間見るかのようなこの記述は一体なんなのか?これこそが、この作品の”ミステリー”の一端をうかがうものでもあります。そうです。この作品の最大の特徴こそが、桜井美奈さんの主戦場とも言える”ミステリー”なのです。桜井美奈さんと言えば、代表作「殺した夫が帰ってきました」、「相続人はいっしょに暮らしてください」、そして「私が先生を殺した」でも”ミステリー”な物語で私たちを魅せてくださいました。そんな桜井さんがこの作品で描かれる”ミステリー”は、”必ず読み返したくなる”系の王道をいく物語です。一方でそのようなタイプの作品はレビューが非常に難しいものがあります。余計なひとことでネタバレしてしまうからです。これから読もうとされる方から恨みを買って、それこそ「復讐の準備が整いました」と言われてしまいかねません(汗)。ということで、このレビューでもあくまで内容紹介のレベルまでに留めたいと思います。そんな内容紹介には”歌舞伎町のビルから女子高生が転落した事故”と意味深な記述があります。 『今日の午後五時ごろ、歌舞伎町のビルから都内に住む女子高校生が転落したとの通報がありました。女子高校生は病院へ搬送され、容体は不明とのことです』。 二部構成を取る物語の〈第一部〉はそんな衝撃的な記述で幕を下ろします。とは言え、上記したどこかほのぼのとした〈第一部〉の冒頭がどうしてこのような緊迫感のある展開になってしまうのか?桜井さんが描く、読む手を止められない物語は、読者を一気に〈第二部〉へと導いていきます。 『漫画のことを考えているときだけは、自由になれる気がするんだよね』 そんな風に漫画を愛し、『漫研』での充実した日々を送る葵。 『漫画があればそれでいい。自分と由利の間には、それだけがあればいいんだ、とわかった』 新入部員の由利とさまざまに意見を交換しあい、まさしく”青春”ど真ん中な日々を送る葵。しかし、そんな物語は〈第二部〉に入って全く違う様相を見せていきます。余計なことを書くわけにはいきませんが、”青春物語”を読んでいると感じていた読者にはその作品世界は別物になっていきます。とは言え、〈第一部〉の先の物語として、まさしく順当な未来とも言えるその内容は、”ミステリー”とは縁遠い穏やかな日常を描くものです。そしてそんな物語が見せる結末。それは、読者をただただ唖然とさせます。 この作品を紹介する朝日新聞出版のWebサイトにはこんなひとことが記されています。 “騙され注意警報発令中!” はい、結末を読み終えた私が受けた衝撃!それは、気になる箇所をすぐに読み返したことが象徴しています。そこに感じたのは、人の思い込みの怖さです。真実がわかって読み返すと、読者の思い込みを防止するかのような記述があちこちに丁寧に入れられていたことにも気づかされます。それにも関わらず、完全に騙されてしまった私…。「復讐の準備が整いました」という意味深な言葉を書名にしたこの作品。そこには、桜井美奈さんが紡ぎ上げる極上の”ミステリー”に気持ちよく騙される他ない物語が描かれていました。 『漫画のことを考えているときだけは、自由になれる気がするんだよね』。 一人だけの部員だった二年生の葵が、新入生の由利と共に『漫研』での充実した日々を送る姿が描かれるこの作品。そこには、漫画を愛する二人の”青春物語”が描かれていました。そんな物語に並行するかのように怪しげな闇の世界が描かれていくこの作品。騙されないぞ、と用心に用心を重ねていたのにすっかり騙されてしまったこの作品。 “どんな状況なら人は復讐に走るのか”という疑問もテーマにしたとおっしゃる桜井美奈さん。そんな桜井さんの”ミステリー”な物語に素直に騙されることの幸せを感じた素晴らしい作品でした。
読み始めて最初は女子高生二人の漫画研究会の青春ストーリーかと思い読んでいると、とんでもない異色ミステリーなってきました。殺人か自殺か真相はいかに、そしてラストになって題名の「復讐の準備が整いました」の意味がわかるともう愕然でした。あなたもぜひ読んでこの奇想天外な青春ミステリーを堪能して下さい。
月末で誰が誰だか分かるが、途中まではサッパリ分からない。あまりにも意外な結末に戸惑う。 色んなことを隠しすぎて、分かりにくい。
タイトルから読んでいて復讐の要素はどんな?そしてどのように出てくるのか?と思いながら読んでいたらその内容に辿り着くまでにもストーリー上での展開にドキドキしながら読み進みました。終盤の展開は目まぐるしく、まさかややっぱり…が交錯しながら読むスピードも上がりました。なかなか魅惑的な作品だったと思います♪...続きを読む(^_^)
ラストで驚いた。すっかり騙された。 正直、あまり心地いいい騙され方ではなかった。 叙述トリックというか後出しジャンケンに近い気がする。 テンポが良くてサクッと読めたのが良かった。
鮮やかに騙された、、 復讐よりも、騙し方にびっくり 電子で読んでしまったので、ページを戻るのがもどかしく、紙で読むべきだったと 短くはないお話ですが、スルスルとどんどん読める
大どんでん返しって程の大きく心を揺さぶられるものはないのですが、それでも読む手が止まらないのは不思議でした。 復讐心について考えさせられるお話でした。
葵と由利の部分とリリの部分がいつ絡み合うのか興味を持ちながら読み進むことが出来た。 後半のこり1/4くらいで急展開。 最後はもう少し激しさが欲しかった気がしなくもないが、読みやすく楽しめた本だった。
※ 前半は居場所を求めて彷徨う、 諦めと無気力に囚われた状態のお話。 中盤に入り、居場所を作ろうと自ら能動的に 変わっていく辺りから、明るい光がさし始め 展開が楽しみになってきたことろで…。 ラストはなるほどね、という感じでした。
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