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Posted by ブクログ
【迷わず逃げよ!】
立場が変わり、置かれている状況が変わると世間の風当たりはここまで違うのかと...何度も読む手が止まった。弱いものや悪いものは、問答無用で攻撃してもいいという空気感、正義の名を借りた憂さ晴らし!これはSNS上でドンドン膨らむ。
そして追い込まれた人間は悲惨な末路を辿る。大人の世界で起きていることが、小学校でも平気で起きている。
イジメなんて絶対にこの世から無くならない。
不都合な事実を隠そうとする組織性もどこも変わらない。関係ない第三者の大人視点で言えば、もう堂々と逃げるに限る。
ただ、もし自分の子供がイジメにあったら、穂刈とは違う選択肢を自分は持つことができるか、冷静でいられるか、残念ながら今の自分には自信はない。
Posted by ブクログ
子どもの純粋な情動と悪意がリアルに描かれていて、現実にもそういう心理状態が起こりそうだと思えて、うん、人間怖いよねってなる作品。
イジメに巻き込まれた被害&加害家族が、メディアによってあることないこと晒され、暇な第三者によって精神的に追い詰められる様が描かれている。
子どもは何かに精神的に追い込まれると、誰かをイジメ社会的優位に立っていると錯覚する。まさにそうかな。
うえに書いたようなことに加えて、母性、職業倫理、職場の雰囲気、権力者の責任逃れ、教育の構造、刑事もの、などのエッセンスで、ストーリにスパイスが加わっておりバランスよく楽しめます。
Posted by ブクログ
主人公の穂刈慎一は中学校の教師だ。
生徒の女子からいじめを受けている者がいて、その証拠を画像に撮っているとの申し出があった。
しかし穂刈は積極的にいじめ問題に対峙せず、一つの画像だけでいじめの存在を認めることはできないと、相談した生徒を宥めるだけで解決するための行動はしなかった。
そんな事なかれ主義の穂刈が授業中に、妻の里美から電話があり、小学六年生の長女・由佳が校舎の3階から飛び降りて救急病院に搬送されたと伝えられる。
穂刈が病院に着く早々、坂東と名乗る刑事から由佳がいじめを受けていたという証言が出ていると伝えられる。
由佳の担任に話を聞こうとするが、歯切れの悪い言葉が返ってくるばかりで肝心なことは何も知ることができない。
ここでも穂刈の学校と同様に、学校組織の隠蔽体質が露わになるばかりだ。
妻の里美は納得せず、未知の加害者に対する憎悪をヒステリックに募らせる。
物足りない行動しかしない父親に対し、妹想いの長男の駿は反感を強め、妹の由佳が入院している病院に毎日見舞いに行き、支えようとする。
そしてその後、事態は意外な方向へと急激に転がって行く。
Posted by ブクログ
崩れかけた家族が抱える「心の棘」。一度刺さった棘は抜けるのか、それとも残り続けるのか。そんな問いが静かに残る物語だった。
いじめを苦に小学生の娘が自殺未遂を図り、その加害者とされる女児が殺される。娘の父であり中学教師の穂刈は、この出来事をきっかけに、これまで目を背けてきたいじめと向き合うことになる。
被害者と加害者は、決して遠い存在ではなく、ふとしたきっかけで入れ替わってしまう。その怖さと、人の中にある悪意がじわじわと浮かび上がってくる展開が印象的だった。また、極限の状況の中で、家族がどこまで互いを理解できているのかも問いかけられる。
物語はテンポよく進み、ミステリとして楽しめた一方で、子どもたちの言動が少し大人びていて、ところどころ現実味に欠けると感じる部分もあった。
それでも、人の心の奥に潜むものを描き出した、読みごたえのある一冊だった。
Posted by ブクログ
『いじめ』をテーマにした中山七里さんの作品。
中学教師の穂刈は、クラス内のいじめ問題にも、余り関与せず、全て事なかれ主義。
ところが、娘がいじめを苦にして自殺未遂を図り、被害者の親となってしまう。
隠蔽主義の学校、加害者の児童への復讐を誓う妻、穂刈を責める息子。四面楚歌のなか、マスコミの誘いにのり、加害児童の名前を伝えてしまう。
そんななか、なんと加害児童が遺体で発見される。
加害者は一体誰なのか、自分の家族の誰かなのか?
二転三転する展開に、ハラハラドキドキが止まりません。真犯人が分かっても、刈穂たち家族は、元の家族に戻れるのか。
いろいろ考えされる内容ですね。
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