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ネット界最恐の情報通〈市民調査室〉。芸能人の醜聞、政財界の不祥事など、様々な暴露ネタで、物議を醸していた。しかし、ネットの炎上が現実に飛び火して、人命に関わる事態に発展する。サイバー犯罪対策課の延藤は、執念深く捜査を進め、特定寸前まで追い詰めるのだが――明日は我が身、体中が粟立つSNSサスペンス!
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Posted by ブクログ
SNSのインフルエンサーに洗脳された浅慮な正義が、フェイクニュースを拡散して無実の人々を追い詰めてしまうお話 フェイクニュースの発起人〈市民調査室〉の正体は途中で勘づきましたが、明日は我が身、戒めとして読み返したい作品でした
これは抉られた。中盤、とあるインフルエンサーによるルサンチマンが凄まじく、燃え上がる頁を見ながら何度も心を刺された。自分が危ういところに立っていて、実はすぐにでも燃える立場になってもおかしくない。それがSNSという道具、インターネットという道具なのだ。 扇動される時は自分たちが操られているなどとは思...続きを読むわない。自分の意思でこれをやっている、そんな風に思うのだろう。 真相についてはやや衝撃が少ないものの、車に乗ると人格が変わる人物がいるのと同じでネット上になるとおかしくなる人間もいるのだ。
面白かった!SNSで拡散されたフェイクニュースが、リアル世界で被害をもたらした時、どういう刑罰の対象になるかがよくわかった。 刑事事件として扱う場合は、名誉毀損や威力業務妨害、偽計業務妨害がそれに当たる。でも罪状は禁錮三年もしくは罰金15万と、実際の被害と照らして軽いことが多いのでは?と思わされる。...続きを読む その後の民事裁判で損害を補填できるかの話になるなら、一般人は泣き寝入りすることが多くなりそう。。。 犯罪も巧妙で終盤までハラハラした! サイバー犯罪対策課は興味深いけど、実際そこで働いてる人のストレスってかなりきつそう。ネットの無政府状態に毎日触れてたら、ある意味洗脳されるのもわかる。自分の関心がトピックの上位に出るようになってることが多いから、世界の話題と勘違いしやすい。 ラストの犯人は、この人でなくても成立したと思うので少し残念。組織的な貢献度合いが非常に優秀な一般職員てところが、どことなく自分に似てた。残念。
サイバー犯罪か… フェイク・ニュースなぁ… もう、一旦、出てしまったら、真実であろうとなかろうと広まって行く〜 どうしたものか… 匿名性に胡座をかいて、ジャンジャンとリツイートとか、ツイートするのは、ええけど、特性されるからね。普通に! なんか、自分の名前を名乗らんから、大丈夫って思ってたら、とんで...続きを読むもない。 今回は、サイバー犯罪専門部署が活躍する。でも、人数少ないし大丈夫なんかな? 今後も含めて。 インフルエンサー「市民調査室」。 はじめは、良心的な情報を配信して、フォロワーを増やす。 そのうち、たまにフェイクニュースを。 そのお陰で、自殺者まで出した! これには、フォロワーも意図してる?してないに拘らず加担した事になる。 追い込んだお前らは、人殺しやからな! 実際に、ナイフとか用意して、グサっと刺すような事は、してないから自覚ないかもしれんけど! キーボードを軽く叩くだけでもな! これからも、こんな犯罪増えていくんかな?実際に、めっちゃ重い罪にはならんようやけど、民事での損害賠償とかを含めると結構、自分の人生詰むからな! もうちょっと自覚せい! 以前ネットは自由空間がなどという評論家がいたが、自由も節度を失くせば無政府状態になる。 いったい、いつからSNSは懲罰意識と薄っぺらい正義の蔓延する空間になってしまったのだろうか。 (本文より)
実際でも起きてそうなストーリー。 犯人の設定はなくても、SNSで悪気なくデマを拡散したり、誰かを攻撃しているつもりはなくても攻撃していたり、ってあると思う。 この作者さんのメッセージ性がストレートに出ている作品だなぁ、と思う。 SNSは見るが見るだけが基本スタンス。 投稿するのはポジなこと、のみ。...続きを読む 事実かどうかわからないことは鵜呑みにしない。 仕事柄SNSとの付き合い方は弁えてると思うけど、改めて情報の取り扱いには気をつけよう、って思いました、っていう謎の戒めモード笑 2025.3.20 63
最後は、え?ってなってもういっぺん読み返した。今の時代ならではの話。数十年前ならこんな小説は生まれなかっただろう。サイバー犯罪対策課って、イタチごっこなんだろうなぁ…でも、負けないでほしい。
現代社会が抱える問題を、実際に起こった事件を交えながら描くのがいつも上手だなぁと思う中山七里先生。今回はSNSが抱える闇や問題について。読んでいてしんどいなー、けど本当にこういうことあるよなー、と思って現実に絶望してしまう。なんとなく結末は想像ついたけど最後まで一気に読めた。
「市民調査室」と名のるインフルエンサーが引き起こした様々な事件を取り扱う物語だが、現代の世相を反映したもので楽しく読めた.「ラーメンいそべ」の突然の繁盛、大学理事長の噂の広まりなどの対応で、延藤慧司がサイバー犯罪対策課を率いて動き始めるが、熱海の旅館がSNSの噂で経営が難しくなり、経営者夫妻が心中....続きを読む製紙会社のオーナーの乱脈に絡む問題.延藤は市民調査室のフォロワーを数名取調べるが何もつかめない.さらに延藤自身も行動を晒される事態となる.旅館と製紙会社の件で株価の妙な動きを察知した延藤が次第に核心に辿り着く過程が楽しめた.犯人は意外な所におり、題名のどこにでも存在する「絡新婦」がそれを示していると感じた.
SNSってホントに怖いな。。 どうやって絡新婦見つけるんだろう?と思っていたら…。 最後は怒涛の追い上げ。 犯人探しと言うより、SNSで起こりうる事象の話がメインだったような気がする。 無意識の悪意って、ホント厄介。。。
本作では血が飛び散るような過激なシーンは出てこない。 しかし、心が物体だとしたら、一本一本針で突き刺され、皮を一枚ずつ剥がれていくような苦しさがある。 幸いにも私の過疎ブログは炎上もせず、ここまで10年以上やってきているが、本作での仮想体験はひどく苦しいものだった。 物語は閑古鳥の鳴くラーメン屋か...続きを読むら始まる。 ネットの力ってすごい! 他にも、主演作を控えた芸能人の薬物犯罪や某大学の理事長の悪(?)を暴くというネットの良い面(?)が出てくる。 けれども、明るい面があれば暗い面もある。 見えない扇動者は誰だ。 それに、イイね!をし続ける、何の責任も負わない無辜の市民たち。 彼、彼女らは自分の何が悪いのか、他人の苦しみを理解できないし見ようともしない。 道端でアリ踏んじゃった、いや、小石を蹴った……踏んだり蹴ったりしたことすら気づいていないのかもしれない。 とにかくそれが恐ろしい。 でも、もっと怖いのは、それが現実世界をただなぞって書いているだけという点だ。 ウェブは便利だ。 今や欠かせないし、誰かの助けにもなっている。 けれど、そこは鬱憤ばらしの場所でもある。 その情報は真実か? あなたが依存するその人はあなたのことなんて1μmたりとも考えていないのに。 結末は苦い。 動機も苦い。 衣食足りて礼節を知る、か。 人間は愚かでどうしようもない。 せめて自分とその周りの人が、辛い思いをさせる側でもする側にもならないように、願い、学び、教えていきたい。
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中山七里
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