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Posted by ブクログ
岩手に住んでいた学生時代、終電の終わった人気のない小さな駅舎でストーブに当たりながら、大学の先輩と話こんでいたことがあった。結局現れたのは、家出を疑った近所の人の通報でやって来たお巡りさんだけだったけど、何故だろう、誰もいないホーム、田舎の小さな駅舎、自分以外姿が見えない車両、どこまでも続くトンネル、カンカンと響く踏切‥、鉄道に関するものは死者の世界に繋がっている気がするんだろう。
もしあのまま真夜中までいたら、私も作中の高校生のように、別の世界の何かが電車に乗ってやって来るのが見えただろうか。死者の世界を少しでも覗き見られただろうか。
Posted by ブクログ
有栖川有栖さんといえば、もちろんミステリー作家。
でも、この本は怪談短編集。
10編すべてが鉄道を舞台にした怪談で、そのうち8編は『幽』に掲載されたものだそうです。
かなりの鉄道ファンという事で、鉄道の絡ませ方が豊富。廃駅、列車、線路、駅員、切符……鉄道そのものが怪談の舞台装置になっています。
私が好きだったのは「密林の奥へ」と「テツの百物語」。こういう、怪談と幻想の境目にあるような話が好みです。
そして全体に漂うのは 「あの硬い切符にハサミを入れていた頃」の鉄道の雰囲気。
怪談×幻想×鉄道。
恒川光太郎さんが古民家ホラーなら、有栖川有栖さんには、鉄道ホラーをもっと書いていただきたいと思いました。
Posted by ブクログ
BRUTUSの「怖いもの見たさ特集」で取り上げられていたので、てっきりホラー小説だと思って読んだら怪談小説だった。ホラーと呼べるのは、表題作くらいかな。
正直、怪談小説はホラー小説の1ジャンルくらいにしか思っていなかったので、なんだかあまり怖くないなぁと思いながら読み切ってしまったのだけど、あとがきで著者が怪談小説とホラー小説の違いを説明してくれていて、自分の認識の誤りに気づけた。
怪談は、ただ怖がらせるだけのものではない。奇奇妙なもの・幻想的なものを描くものだったり、もの寂しさや切なさを味わうものだったりする。『ばけばけ』での怪談の描かれ方がそうだったな、と思い出す。
ホラー小説だと思って読むと拍子抜けしてしまうかもしれない(でも角川ホラー文庫じゃなくて角川文庫の時点で気づくべきだった)けど、奇譚だと思って読めばしっくり来る。そんな作品だった。
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