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Posted by ブクログ
「若さ」をテーマにした短編4篇。
『探偵、青の時代』
アリスも知らない、火村の大学時代のエピソード。
勉強会と称して集まった社会学部の8人。
みんなが火村に何かを隠している…。
自分も人の表情や感情には敏感で「この人、嘘をついてるな」までは読み取れる。
けれど火村は、そのわずかな違和感を論理的に組み立て、彼らが嘘をつく理由まで鮮やかに解き明かしていく。
まさに、名探偵誕生の瞬間。
ラストのアリスの推察にも「うわーっ、そうか!」と思わず声が出た。
火村のことをよく知っているアリスだからこそ辿り着ける推理で、思わず微笑んでしまう。
初めて語られる火村のエピソードだけでも楽しいのに、さらに自分の大好きな変化球的な倒叙。嬉しくて、思わず二度読んでしまった。
火村の前で、嘘はつけない。
『菩提樹荘の殺人』
アンチエイジングのカリスマと呼ばれる男が殺される。
老いることへの価値観は、人それぞれ。
若さを追い求める人と、年の重ね方を見せてくれる人。
このテーマに対する火村の考え方に共感した。ちょうど紅白歌合戦を観て、同じようなことを考えていた。
さらに老いをめぐる問いをアリスが語る。
「人生が1年やとしたら、34歳っていうのはちょうど今ぐらいの季節かな。7月のはじめ。」
《人生が1年なら、自分は何月何日にあたるだろう……》
つい反射的に考えてしまい、急に現実味が増して怖くなった。
他にも少年犯罪がテーマの『アポロンのナイフ』など、「若さ」という共通のテーマで、ミステリ以外の部分でも考えさせられる短編集だった。
Audibleにて。
この本は、「若さ」をテーマに4つの作品がまとめられている。4作品とも、従来通りの論理的推理で犯人わ導きだしている。さらに、どの作品の作者(火村)が考える年齢について触れている。とても面白く読みごたえがあった。
Posted by ブクログ
有栖川有栖の中短篇ミステリ小説集『菩提樹荘の殺人』を読みました。
有栖川有栖の作品は先月に読んだ『怪しい店』以来ですね。
-----story-------------
「臨床犯罪学者・火村英生」斎藤工×窪田正孝で1月より連続ドラマ化
お笑い芸人志望の若者、アンチエイジングのカリスマ等、「若さ」をモチーフとした作品集。
学生時代の火村英生の名推理もキラリ。
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探偵役である臨床犯罪学者・火村英生と、ワトソン役の推理作家・有栖川有栖(アリス)のコンビが活躍する作家アリスシリーズの作品……2010年(平成23年)から2013年(平成25年)に発表された4篇を収録して、2013年(平成25年)に刊行された作品です。
■アポロンのナイフ
■雛人形を笑え
■探偵、青の時代
■菩提樹荘の殺人
■あとがき
■文庫版あとがき
■解説 円堂郡司昭
アポロンのように美しい少年と噂される連続通り魔事件の容疑者……お笑い芸人志望の若者達の悲劇、、、
大学生時代の火村英生の秀逸な推理、そしてアンチエイジングのカリスマ殺人事件……「若さ」を持て余す者、「若さ」を羨望する者達の恩讐に振り回されつつ謎に立ち向かう火村とアリスを描く、美しい本格推理4篇!
〈若さ〉という共通のテーマをもった作品集……4篇とも愉しめました、、、
連続殺傷犯とされアポロンの呼び名が付けられた高校生が逃走中に、未成年が被害者となる新たな事件が発生……少年法や少年犯罪における匿名性を扱った『アポロンのナイフ』、
人気上昇中の漫才コンビ雛人形の1人が殺される……若いお笑い芸人たちの野心の悲劇を描いた『雛人形を笑え』、
大学生時代の火村英生が名推理で同級生たちを驚かせるエピソードが披露される『探偵、青の時代』、
アンチエイジングのカリスマが邸宅の庭で遺体で発見され、謎解きとともに高校生・アリスの悲恋が明かされる……4人の容疑者から犯人を特定する推理がシンプルだけど印象的な『菩提樹荘の殺人』、
どの作品も青春の明と暗をミステリに巧く織り込んで描かれていてホントに面白かったですねー 作家アリスシリーズ、古書店でみつけたら即購入ですね!
Posted by ブクログ
火村&アリスの短編集。
あとがきによると若さがテーマ。
2人よりもだいぶ若い頃から読んでる読者ですが、34歳の2人をいつの間にかだいぶ越して2人のこと若いなーと思うようになるとは思わなかった。
いつか50代くらいの2人も読んでみたい。
「アポロンのナイフ」
凶器が隠された理由がなるほどねーと。
一般的に社会派ミステリーと呼ばれるジャンルではないけど、ご時世を取り入れるのうまいよね。
「雛人形を笑え」
いろんな轢き逃げ芸能人の顔が頭をよぎる。
コマチさんがお笑い好きというのが判明する。
なんか妙にリアリティのある犯人の性格。
「探偵、青の時代」
アリスが学生時代の知り合いに火村の学生時代のエピソードを聞く話。
殺人事件ではないが、アリス以外の友達いない火村先生の解像度上がるエピソード。
「菩提樹荘の殺人」
『ダリの繭』以来(じゃないかも)のアリスの苦めの初恋エピソードが再び語られる回。
火村先生の過去も気になるといえば気になるけど、アリスと一緒に気長に待とうかと。
Posted by ブクログ
火村英生の作品は久しぶりだ。
「アポロンのナイフ」
しょっぱなから、わりと重めのテーマ。
ご都合主義ではなく、あっちはあっち、こっちはこっち。
「雛人形を笑え」
大阪の風景や、若い漫才師の姿が目に浮かぶ。
若手漫才師に造詣の深い女性刑事が印象的。
「探偵、青の時代」
短編なのに登場人物が多く、全員覚えきれんわー、と思ったが、
覚える必要はそれほどなく、サクッとオチてくれる。
自分が火村青年(?)と同じような仕打ちをうけたら気ぃわるいな、と。
「菩提樹荘の殺人」
表題作。わりと、所謂「胸糞」な被害者。
登場人物たちとのやり取りは興味深いが、
その割には犯人の動機が短絡的であっさりしすぎというかなんつーか。
どの作品にも言えることがだ、
関西の風景や世相が丁寧に描かれている。
ここのところ
「孤島の古城密室で起きた見立て殺人に名探偵が挑む!」
みたいな本が続いていたから、とても楽しく読めた。
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