江神二郎の洞察

江神二郎の洞察

小説・文芸
865円 (税込)

4pt

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、ある人とぶつかって落ちた一冊――中井英夫『虚無への供物』――が、僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)入部のきっかけだった。アリス最初の事件ともいうべき「瑠璃荘事件」、著者デビュー短編「やけた線路の上の死体」、アリスと江神の大晦日の一夜を活写した「除夜を歩く」など、全九編を収録。昭和から平成へという時代の転換期を背景に、アリスの入学からマリアのEMC入部まで、個性的なEMCメンバーたちとの一年を瑞々しく描いたファン必携の傑作短編集。/解説=皆川博子

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江神二郎の洞察 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    英都大学推理小説研究会の日常と彼らの推理が短編でまとめられていておもしろかった。彼らがどんな人物なのか、どう出会って仲を深めていったのか読みながら楽しむことができた。

    0
    2026年08月25日

    Posted by ブクログ

    シリーズの長編を読んでいるとサラッと流してしまうが、よく考えるとあの事件があって平然とはしていられないよなあ。その過程がわかるのは面白かった。

    0
    2025年10月08日

    Posted by ブクログ

    有栖が入学してからの1年で起きた出来事を時系列順に並べた短編集。

    実際に作品が書かれた順ではなく、時系列順にしているのが良い。

    作品内の時期的には長編1作目と2作目の間にあたる。

    内容としては長編のように実際に殺人事件に遭遇して解決すると言うよりは、日常の謎であったり、殺人事件だとしても安楽椅子探偵的に推理していく内容なので、読者への挑戦状など長編作品のような内容はあまり期待しないほうがよい。

    0
    2022年04月03日

    Posted by ブクログ

    若き学生時代の日常ミステリー、緻密な推理の凄さとフレッシュな仲間達が素敵すぎ! 学生アリス短編集、シリーズ第5弾。

    本シリーズの主人公である新大学生となった主人公が、様々な事件や変わった出来事に巻き込まれる短編物語集。主人公のアリスが推理小説研究会に入ってから、マリアが参入するまでの約一年間のストーリー。

    いやー、やっぱり学生アリスシリーズは最高っすね。また月光ゲームから読みなおしたくなりました。今はライト文芸と本格ミステリーを組み合わせた作品がたくさんありますが、起源はこのシリーズですよね。新本格第一世代の貢献ぶりったら、すさまじいと思いました。

    どの話もどっぷり本格ミステリーで面白すぎ! ホームズの赤毛連盟ばりの推理が次々と体験できます。
    作者のデビュー作である「やけた路線の上の死体」なんてもう最高、これ普通に長編で一冊できますよね。作中作、そしてミステリ議論がされる「除夜を歩く」も、すげー面白かった。これ以上言いようがない、まさに"ミステリーを楽しませてくれる"という作品です。

    そしてなんといっても四人の登場人物ですよ、みんな真面目で可愛い。そして部長の切れ味が凄まじすぎ。最終話でマリアが登場しますが、ここから孤島パズルに繋がっていくんすね~

    若干の思い出補正もあって、ほめ倒しですが、学生アリスシリーズはマジ面白いので本格ミステリー好きにも関わらず、まさか読んでない人がいれば、今すぐに読みましょう。まずは月光ゲームからです、そして3作目の双頭の悪魔はもう芸術の域です。

    0
    2022年01月26日

    Posted by ブクログ

    有栖川有栖作品の二大看板。「作家アリスシリーズ」の火村英生と「学生アリスシリーズ」の江神二郎。

    共通点としては二人ともミステリアスで、意外と茶目っ気があるやり取りをする、というのが自分の中であります。
    と言っても、火村は作品数も多いのでミステリアスながらもなんとなくキャラは掴めるのですが、江神さんは未だに謎が多い印象。

    『女王国の城』で彼の家族なんかも少しだけ分かったものの、やはりどこか超越しているというか、まだまだ彼の本質を掴み切れてない印象があります。

    そしてこの『江神二郎の洞察』は、シリーズ五作目にして、『月光ゲーム』事件前の英都大学推理小説研究会(EMC)の日常から、『孤島パズル』以降、活躍するマリアこと有馬麻利亜の出会いと入部までを時系列ごとに描いた短編集になります。

    そしてこの短編集を読んで、江神さんも何だかんだ推理研を楽しんでるんだな、と実感。
    廃病院で後輩を捕まえようと走り回る江神さんは、想像すると結構シュールだけど(笑)

    最初に収録されている『瑠璃荘事件』では、EMCの先輩、モチこと望月の住む下宿で起こったノート盗難事件の推理が描かれます。
    ノートが盗まれたと思われる時間、望月の下宿先である瑠璃荘では、望月しか犯行が可能と思われた人物がいないらしく……

    犯行時間をめぐる瑠璃荘の電球のロジックが見事だったのと、アリスの無垢な一言が望月と織田よろしく、ミステリに毒された自分にはまぶしい短編。

    「ハードロックラバー」
    顔なじみの女性にハンカチを返そうと声をかけたアリス。しかし、女性はアリスが大声で呼びかけたにも関わらず立ち去ってしまい……

    ハードロックラバーとは、アリスの大学の近くにある音楽喫茶のこと。大音量でロックをかけるその店と、女性の謎が江神さんの一言でつながり、アリスが女性の動作に新たな意味を見つけ思い馳せるのが印象的。

    「焼けた線路の上の死体」は夏休みを利用し望月の実家へ遊びに行った推理研が、近所でたまたま起こった殺人事件の真相を推理する話。

    他のアンソロジーで既読だったけど、今回読み直すと推理研が電車に乗るまでのバタバタだったり、望月の町を散策してる様子もまた楽しかった。やっぱりこのわいわい感が好きなんだろうなあ。

    「桜川のオフィーリア」は江神と推理研を立ち上げたOBの持ち込んだ相談の推理。友人はなぜ事故死した幼なじみの死体の写真を持っていたか、という謎。

    美少女の美しい遺体、清らかに流るる桜川、そして舞い散る桜の花びら。
    『月光ゲーム』事件後でセンチメンタルになっているアリスの心情と、ラスト二行の抒情がこれもたまらない

    「四分間しかないので急いで。靴も忘れずに。……いや……Aから先です」
    アリスが公衆電話から電話をかけているとき、隣の電話機から聞こえた奇妙な声。それをハリイ・ケメルマンの短編『九マイルは遠すぎる』よろしく、言葉の意味を推理する「四分間では短すぎる」

    四分間の意味するものは、という推理から思考は広がっていく様子は読んでいてとても面白かった! 
    そして江神さんと望月・織田の先輩コンビのバツグンのコンビネーションや、優しさが明らかになる短編でもあります。
    ロジックと合わせて推理研の絆も感じられ、この短編集でも特に好きな短編です。

    「開かずの間の怪」は廃病院に肝試しに訪れた一行に襲いかかる、怪現象を推理する話。
    上述したテンションの高い江神さんや、ビビるアリスとモチさん、信長こと織田の奮闘が読んでいて楽しい短編。

    「ザ・モラトリアム」というべきか、推理研はある意味子どもより全力で子どもしているかもしれない(笑)大学生って多かれ少なかれ、そんなものなのかもしれないけれど。

    「二十世紀的誘拐」はモチさん・信長のゼミの教授の家から誘拐された、絵の真相の推理。
    謎めいたタイトルの意味が、芸術論につながり犯人の動機につながる。ある意味時代を切り取った短編でもあるのかもしれない。

    「除夜を歩く」はモチさんが書いた短編の推理小説の謎を解きつつ、江神さんとアリスが推理小説談義をする話。
    モチさんの推理小説がけちょんけちょんに言われているのが可笑しいけれど、それが問題作(?)とも言うべきか、江神さん曰く「本格ミステリが抱える根源的な問題について考えるにはうってつけ」とのことらしく……

    モチさんの小説については、犯人当てはアリスに任せたけど、トリックはアリスよりも先にたどり着けました(笑)

    そして作中のミステリ論も面白かった。推理小説の祖であるエドガー・アラン・ポーは、一方ですべて理屈で説明しようとする推理小説とは真逆の怪奇やゴシック小説も書いていました。

    そんな矛盾の作家から生まれたミステリに込められたもの。有栖川さんの他の著作でもこのあたりは言及があったけど、「除夜を歩く」ではそれはさらに大きな話になって、ある意味ミステリの根幹を揺るがす問題にまでぶち当たります。

    そこまで疑いだしたら……と思う反面、ミステリの根源を揺るがしつつも(?)江神さんが限界に挑んだミステリを「最高やないか。素晴らしく人間的で詩的や」と評するあたり、本当に有栖川さんはミステリを愛しているのだな、と感じます。

    特に学生アリスシリーズの長編はこだわり抜いた犯人当ての印象が強いので、メタ的な意味でも、有栖川さんの目指しているミステリ像というのが垣間見れるように思います。

    あと作中でちらりと言及されたけど、江神さんが書いていると噂される幻のミステリ『赤死館殺人事件』への期待が高まる話でもありました。有栖川さん、作中のモチーフで一冊書いてくれないかなあ。

    そしてここでも、江神さんの優しさが顔を覗かせます。この短編の雰囲気もバツグンに良かった。

    「蕩尽に関する一考察」
    この回でマリアが登場。謎は急に羽振りがよくなった古本屋店主の目的を推理する話。

    この短編集の後半からは時系列で言うと、夏休みでの『月光ゲーム』事件以後を描いています。
    そして、その事件で傷ついたアリスの回復の話でもあると思うのだけど、それが完了したのがこの短編かも。

    殺人事件が起こった後に事件を解決する名探偵のことを、一時「屍肉喰らい」と思うまで墜ちていたアリスが、その名探偵である江神さんの優しさと、推理によって救われていく様子。それと共にマリアのつぶやいた一言も、余韻となって残ります。

    シリーズの長編とは趣が違って、日常の謎であったり、あるいはアリスのセンチなところがクローズアップされたりと、そのタイプの違いが面白かった。

    また『月光ゲーム』と『孤島パズル』の間の時間を埋める、アリスの再生の物語としてもシリーズ読者としては楽しく読めました。

    ミステリアスだった江神さんの優しさが身近に感じられるのも良かった。シリーズ最後の長編と、最終作となる予定の短編集。それを読むときの見方も少し変わってきそうで、早く読みたいと思う反面、シリーズが終わってほしくない、という想いも改めて抱きました。
    これは永遠のジレンマだわ……

    0
    2020年07月25日

    Posted by ブクログ

    良かった!
    基本的には長編が好きなんだけど、このシリーズに関しては短編の方が好きかも!!
    望月と信長の会話が良いし、気負わず楽しく読める。
    どの短編も良かったし時系列なのがいい!!

    0
    2019年02月21日

    Posted by ブクログ

    平成最後の年越しに、昭和最後の日々の話を読んだ偶然にちょっとノスタルジーを感じた
    大好きだった江神部長に四半世紀ぶりに出会えて良かった
    30年前の大学生は、こんな風に言葉を交わしあって関係を築いていたのかと思うと羨ましく感じた
    教養とか、文化とか見につけていたら、人生変わっていたかしらなんて思ったりした年の瀬です

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    2019年01月03日

    Posted by ブクログ

    あまりの懐かしさに涙した。
    いわゆる学生アリスシリーズなのだけど、ひと昔前にその長編を読んでいた。そして、この短編集。
    ドラマ化された『双頭の悪魔』の記憶も朧気だが、マリア役の渡辺満里奈のことがこの本の最後で、思い出された。
    それにても、悲しむべきか喜ぶべきか、再読したくなった学生アリスシリーズは手元にないので(実家にはまだあるはず)、電子書籍で購入してしまいそう。
    あ、そうそう、昭和から平成に変わる時に、次の元号は何かを推理する話がある、ある意味、これはグッドタイミングな話だと思った次第です。

    0
    2018年01月19日

    Posted by ブクログ

    除夜を歩くが良すぎる!
    こんなサークルに入りたかった!
    こんな先輩と出会いたかった!
    江神さぁん!
    学生アリスシリーズもっと読みたいなぁ

    0
    2026年03月30日

    Posted by ブクログ

    学生アリスシリーズ、短編集。
    アリス入学からマリア入部迄の一年間。
    やはりEMCの面々は楽しい。その良い所がギュッと詰まった一冊でした。どの短編も面白く、ベストは選べなかったです。

    0
    2025年11月18日

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