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Posted by ブクログ
季節は冬。磐梯山の麓のペンションに取材旅行中の有栖川有栖は、ペンションの隣に建つスウェーデン館で起こる事件に巻き込まれる。物語は3年前の悲しい事故から始まったのだった。
いやもう、今まで読んだ有栖川有栖の本(と言っても6冊しかないが)で一番好きかも!頭に描かれる景色が美しくて、事件が悲しくて。有栖がヴェロニカに想いを寄せてしまっていたのも切ない・・・。
火村のミステリアスな雰囲気も、いつもより素敵!
「来てくれ」電話で即日来てくれるのも、愛想のない素っ気なさでどんどん事件を解明していくのもすごい。
読者に提供される情報と同じものを提供される火村が、それを違う視点から見て考察展開していく流れは、読んでいて「あ!」と思わされてしまう。
「そうか、そういうふうに考えたら、そう展開されていくな?」という感じ。
おもしろかったー!
磐梯山の美しい情景が浮かぶ
磐梯山に訪れたことはない。
五色沼も見たことがない。
全く知らない場所なのに今や見てきた様な気になっている。
それくらい情景の描写が美しかった。
登場人物の描写も、もはや「登場人物」ではなく、有栖川有栖の知り合いではないかと思うくらい豊かに生きている。
だから、火村が謎を解き始めた時はすごく辛かった。
解決はしたいけど悲しい結末が待っているのはわかっている、だから知りたくない、と思ってしまった。
トリックは極めてシンプルなのに全く気が付かなかった。
ヒントは全部出ていたというのに。
等々力の出題したパズルと一緒で、シンプルな事こそ見え難い、と言ったところか。
読了後、磐梯山を眺める火村やアリスの心が流れ込んでくるようだった。
Posted by ブクログ
完全には閉ざされてないけど、人里離れた雪山の山荘というクローズドサークル!
この閉塞感の中で進むミステリーがたまらなく好き。
館・雪・「あなたが犯人です!」という大好物三拍子が揃った、王道の本格ミステリー。
スウェーデン館に住む、あざらしのような体型の童話作家と美しいスウェーデン人の妻ヴェロニカとその両親。
さらにはペンションのオーナー家族に他の招待客たち。
自分はトリックに重きを置かないので、彼らのどこか訳ありの空気と会話だけで、事件が起きなくてもずっと読んでいたいと思った。
今回は火村の登場はだいぶ後になってから。
火村は子どもへの接し方も優しくて魅力的。
どこまで完璧なんだと思っていたら、 過去に何かあったような匂わせが気になる。
アリスの電話1本で風のように駆けつける火村。言葉にはしないけど、お互いに深く信頼しているのが伝わってきて、このコンビを読むのはまだ2作目なのに、もう2人のことが好きになっている。
「スウェーデンでは子供と同居することがない。滅多にないではなく、全くない。」
というスウェーデンの自由な個人主義の老後の考え方など、文化の違いの話も興味深かった。
次は発行順に『ロシア紅茶の謎』を読む予定。
Audibleにて。
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