あらすじ
取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家・有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深い悲しみに包まれた殺人事件に遭遇する。臨床犯罪学者・火村英生に応援を頼み、絶妙コンビが美人画家姉妹に訪れたおぞましい惨劇の謎に挑む。大好評〈国名シリーズ〉第2弾! 長編ミステリ。
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面白かった!3分の1ぐらいは中々物語が進展しなくて悶々としたけれど、後半からの火村の登場シーンほんとにいい。「風のように」とかキザなこと言って登場したけど、親友の大ピンチかと思ってすぐ新幹線飛び乗って駆けつけてくれたの、本当に愛おしすぎる。謎解きも点と点が繋がる感じで気持ちよかった。
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季節は冬。磐梯山の麓のペンションに取材旅行中の有栖川有栖は、ペンションの隣に建つスウェーデン館で起こる事件に巻き込まれる。物語は3年前の悲しい事故から始まったのだった。
いやもう、今まで読んだ有栖川有栖の本(と言っても6冊しかないが)で一番好きかも!頭に描かれる景色が美しくて、事件が悲しくて。有栖がヴェロニカに想いを寄せてしまっていたのも切ない・・・。
火村のミステリアスな雰囲気も、いつもより素敵!
「来てくれ」電話で即日来てくれるのも、愛想のない素っ気なさでどんどん事件を解明していくのもすごい。
読者に提供される情報と同じものを提供される火村が、それを違う視点から見て考察展開していく流れは、読んでいて「あ!」と思わされてしまう。
「そうか、そういうふうに考えたら、そう展開されていくな?」という感じ。
おもしろかったー!
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46番目の密室に続き、推理に必要な情報はすべて探偵役が知ると同時に知ることができるのでいっしょに推理をたのしめる作品だった。
終盤で情報が開示されてからの解決までのスピード感がよかった。
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雪の降り積もる館で起きた、足跡の無い殺人。国名シリーズ第二作。本格ミステリの王道的展開で、謎は全く解けなかった。特に犯行動機の動機の伏線回収に驚いた。
磐梯山の美しい情景が浮かぶ
磐梯山に訪れたことはない。
五色沼も見たことがない。
全く知らない場所なのに今や見てきた様な気になっている。
それくらい情景の描写が美しかった。
登場人物の描写も、もはや「登場人物」ではなく、有栖川有栖の知り合いではないかと思うくらい豊かに生きている。
だから、火村が謎を解き始めた時はすごく辛かった。
解決はしたいけど悲しい結末が待っているのはわかっている、だから知りたくない、と思ってしまった。
トリックは極めてシンプルなのに全く気が付かなかった。
ヒントは全部出ていたというのに。
等々力の出題したパズルと一緒で、シンプルな事こそ見え難い、と言ったところか。
読了後、磐梯山を眺める火村やアリスの心が流れ込んでくるようだった。
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完全には閉ざされてないけど、人里離れた雪山の山荘というクローズドサークル!
この閉塞感の中で進むミステリーがたまらなく好き。
館・雪・「あなたが犯人です!」という大好物三拍子が揃った、王道の本格ミステリー。
スウェーデン館に住む、あざらしのような体型の童話作家と美しいスウェーデン人の妻ヴェロニカとその両親。
さらにはペンションのオーナー家族に他の招待客たち。
自分はトリックに重きを置かないので、彼らのどこか訳ありの空気と会話だけで、事件が起きなくてもずっと読んでいたいと思った。
今回は火村の登場はだいぶ後になってから。
火村は子どもへの接し方も優しくて魅力的。
どこまで完璧なんだと思っていたら、 過去に何かあったような匂わせが気になる。
アリスの電話1本で風のように駆けつける火村。言葉にはしないけど、お互いに深く信頼しているのが伝わってきて、このコンビを読むのはまだ2作目なのに、もう2人のことが好きになっている。
「スウェーデンでは子供と同居することがない。滅多にないではなく、全くない。」
というスウェーデンの自由な個人主義の老後の考え方など、文化の違いの話も興味深かった。
次は発行順に『ロシア紅茶の謎』を読む予定。
Audibleにて。
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肌寒い時期に読むのがオススメ
(真夏にエアコン効かせたなかで読んで若干雰囲気出なかった)
真冬にしんしんと雪降るなかの惨劇
進行もしんみりと。
終末もやりきれずしんみりと。
やはり冬に読むのがおすすめ
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国名シリーズ2
今度は冬の長編
中盤までアリス1人での推理なのが新鮮だった
インスタントカメラの写真を現像しないと確認出来ない辺りに時代を感じる
トリックは分からなくても犯人はこの人かな?というのはなんとなく分かりつつ読み進めた
終盤で火村が来てくれるのアツい
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半分ぐらいずっとアリスが1人で調査や推理を頑張っていてちょっと新鮮だった。
少々女性(美人)に弱めなアリスがかわいい。
男の子の心を開く火村先生が意外だった。すごく刺さったので、子供とのからみもっと見たい気持ち。
子供の頃の「僕に任せて」を忘れないで生きていきたい。
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雪に閉ざされたペンションでの密室殺人となると、いかにも新本格モノが好きそうなテーマだが、 本作の場合はとにかく文体が飄々としているためか、あまり凄惨な事件だという気がしない。 そもそもこういったテーマが新本格モノでよく使われるのは、 雪に閉ざされてしまうクローズドサークルの中で次々と殺人が起こってしまうというモチーフがいかにも謎解きに向いているからだ。
ところが本書の場合は、主人公たちも含めて自由に外に出かけることが出来るので、まず緊迫感というものがほとんどない。何せ探偵役である火村からして、有栖川に呼ばれて福島県まで来るという設定なので、出入り云々は問題にすらならないのだ。
またこういった作品では連続殺人が起こるというのは一つの定石のようなものなのだが、本作の場合は被害者が実質的には1名(もう1名は未遂)ということで、どちらかというとテレビの2時間ドラマものっぽい雰囲気が溢れている。
ただし本作の場合は、謎解きについてはフェアかつ本格的なもので、そこに関しては流石に有栖川有栖というところだろう。「離れで人が殺されたが、足跡は残っておらず実質的な密室殺人だった」という古典的なテーマに対して、ちゃんと独創的な解を提示している。(ネタバレになってしまうが) 作者がちゃんと綿密にこの謎を計算しているのは、 登場人物の外見や特徴ということを考慮に入れると、犯人は論理的に一人に絞られるというところからも明らかだ。
同期となる部分に関してはやや弱いというか、もう少し違う書き方があったのではないかという気もするのだが、そこも含めて飄々としたミステリーであるという評価を得るものだとすれば、全体として統一感がある書き方であったと思う。
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夜眠れなかったので、一晩で読んでしまいました。
割と読みやすい話だったかな。
最初に登場人物説明があったので、分かりやすかったです。
犯人や被害者は、ぼんやりとこの人かなぁ、と割と早いうちから見当がついたのですが、そのトリックは分かりませんでした。
最初のうちはアリスしかいなかったので、もしかして火村は登場しないのか?それなら残念だと思いましたが、無事登場。
来てくれ、の一言ですぐさま駆けつけてくれるところが、二人の絆の深さをを窺えて萌える。
今回も、火村とアリスの掛け合いが見られて面白かったです。
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衝撃的な面白さというほどではないが、☆3.7ほどで無難に面白かった。有栖川有栖作品は累計7冊目くらい?だが、こちらはいつになく情景が繊細で美しい描写に寄っている印象。物語チック。
方向性としてはオリエント急行殺人事件みたいな感じかな
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館に雪密室という本格ミステリー好きを唸らせるのに充分なパーツが散りばめられていて、「この謎は、そして物語はどのように帰結するのか」を楽しみながら読んだ。火村先生の優しさも印象的だった。
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国名シリーズ第2弾。今度は長編ミステリです。
有栖川有栖がペンションを舞台にしたミステリ小説を書くために泊まっていた宿のお隣のスウェーデン館で殺人事件が起きてしまう。臨床犯罪学者の火村英生に助けを求めて事件解明に乗り出す。
1995年に刊行された本作、今読んでも面白かったです。(有栖のカメラがフィルムカメラで現像に出さないと写真が見られないという部分には時代を感じましたが)
雪の上の足跡トリックになるほど!となりました。
ペンションの息子さん(大地くん)の心のつっかえが取れたのは救いかなぁ。
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丁寧な描写と徹底した本格ミステリー。
先生の特徴である軽妙洒脱な物語でサクサク読めます。内容は少し悲しい終わりが余韻を残していて大好きな作品です。
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有栖川有栖が小説の題材として泊まったペンションの隣には通称「スウェーデン館」と呼ばれる建物があり、その持ち主である絵本作家と美人な妻、彼らの友人と知り合うが、そこで殺人事件が起きてしまう、という内容。
前半はその場にいるのが有栖川有栖だけなのでかなりもどかしい部分が多かったけど、有栖川有栖というキャラクターを考えるとあれくらいうだうだと考え込んでしまうのも納得、という感じ。後半で火村英生が来た途端の勢いが気持ちよく、一気に読んでしまった。
友人の言葉にすぐ駆けつけてくれる火村先生がいいですね……。殺人事件に巻き込まれた友人の「嫌な予感がする」をここまで信じてくれる人いないんじゃないかな。あと沼を見たいと言った時にアリスに正論で返されて、アリスに雪を落としてごちる火村先生と呆然とするアリスの図が可愛かったです。男友達っていいなぁ。
解説が宮部みゆきさんなのも最高でした!火村先生は動機がはっきりした探偵なのは確かにな、と。だからこそ感情移入して読みやすいのかもですね。リュウの狡さに触れていたのも良かった。私もあの言い方本当に狡いと思います。
前半のもどかしさと読後のスッキリ感で結果的に面白かったと思います。
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雪の積もる場所で起きた殺人事件。
犯人と動機は分かりやすかったけどトリックでこの人には無理だなと決めつけていたから驚いた。
アリスだけでも面白かったけど火村助教授が登場するとぐーんと面白さがアップする。
また二人にはスウェーデン館に行って皆に会ってほしい。
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割と簡単な御涙頂戴に引っかかりがちな私にとっては、本作は苦味のあるミステリとしてお手本になるようなバランス感覚を持った作品だと思う。
寒々とした情景、美しい登場人物、同情を禁じ得ない動機などがトリックと上手く絡められている。僕に任せてと言う男が、女に死体を担がせて雪の中を歩かせるという情景の皮肉さはたまらないものがある。
また火村の内面に迫るような告白や、殺人者のその後に思いを馳せるような描写は、人物が描けていないという誹りを受けがちな新本格の中で果敢に抵抗してやるという作者の意志を感じる。
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国名シリーズ2作め。やっぱミステリは長編のほうが好き。殺人事件、雪の密室の足跡、登場人物の過去に何があったのか…。など起こっていることはそんなに複雑じゃなくて、色んな可能性を推理して、排除して、を繰り返して真実にたどり着いていくさまがまさに推理小説、という感じがした。有栖川有栖の作品は、すごく登場人物に血が通っていて、ガッツリ入り込めるので、読んでいて妙に心に残る。トリックに関してはそんな方法もあるのね、と面白かった。
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ちょっと前のミステリーは展開が整っているのでテンポよく読める。フィールドワークでこんな事件ばっかりだと嫌になりそうだなぁ笑
ホームズとワトソンのサクサクとした会話がよかった。
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国名シリーズ 第2弾
信頼と実績の有栖川有栖 作品
安心して ぐいぐい読んだ
推理小説家のアリス
火村が天才的過ぎるのか
アリスの閃が…ちょっと残念 笑
アリスと一緒に謎を解く
全く思いもしなかったトリックで
簡単に謎の数々がクリアに
物語としては
切ない話。 元はと言えば…と
怒りもわくが
彼女を守る意思が救いだった
シャーロック・ホームズとワトソンの
ような2人の関係が
相変わらず面白い
火村のトラウマにも少し触れていた
昔の作品だけど
今 読んでも全く違和感なく楽しめる
あまり本を読まない人も
これなら楽しめるんじゃないかなーと思う
国名シリーズ一気読みしようかしら…
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作家アリスシリーズ。
ペンションに取材で泊まりに来た有栖が隣のスウェーデン館に住む人々と交流を深めた翌日にその館で死体が発見される話。
事件の情報を頑張って集めようとする有栖に絆される。海豹が好きでやけにその描写が詳しいところに笑う。
事件が複雑で火村に来てくれ、とと言ったその日中に来てくれる火村の友情が熱い。けどその火村がバランスを崩してしまう時は手を差し伸べたいと長年思い続ける有栖の友情も篤い。
木から雪を落として戯れあいのような口論始める仲良さが微笑ましい。
火村の書く童話が、魔法のランプに3つ願いを叶えてもらえるなら、世界の始まりを見せて、世界の終わりを見せて、それを見たことを忘れさせて、というの私も忘れられない気がした。
Posted by ブクログ
国名シリーズ二作目。
雪上の足跡にまつわる謎の解明に主観を置いた、王道系の本格ミステリです。
数多くの作家さんが挑まれたテーマではありますが、事件の背景にある哀切さと端正な謎解きの両立に、作者ならではのものを感じました。
また、火村助教授の子供への接し方も素敵で、新たな魅力が堪能できます。
宮部みゆきさんの解説も良いですね。
このシリーズをもっと読まなくては、という気持ちになりました。
Posted by ブクログ
スウェ-デン館と呼ばれるログハウスに招かれた有栖が遭遇した殺人事件。火村先生は中盤からの登場で、冴える謎解きで美味しいところを持っていく姿はさすが。電話で起こされた火村先生の恨み節がちょっと可愛くて新たな一面を見た気がする(笑)最後に火村先生が犯人にかける言葉も、これまでの作品では無かった温かみのあるものに感じて、その点も意外だった。
Posted by ブクログ
1998年。再読。
会津あたりに立つスウェーデン館。そこには恰幅のよい童話作家とスウェーデン出身の妻が住んでいる。かわいい一人息子は沼で溺れて死んでしまった。
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国名シリーズ二作目
雪と言えばおなじみのアレが出てくる
内容は分かりやすく、可もなく不可もなくといった感じ
印象に残る作品かと言われれば微妙なところ
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作家アリス5作目にして、国名シリーズ2作目。
雪深い館が舞台です。
犯人は、なんとなく予想できましたが、トリックは分かりませんでした。
テンポよくサクサク読めました。
Posted by ブクログ
初めての有栖川有栖作品。
内容は王道の本格ミステリといった感じ。
トリックや動機などはシンプルではあるものの、軽妙洒脱な語り口が楽しく、他の作品も読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
ぶっちゃけ地味なんだけど、その分正々堂々としたミステリが楽しめました! 作者の作品全般に言えることだが、リーダビリティの高さ故にサクサク読むことが出来た。 犯人は正直なんとなく分かってしまったのだけど、トリックは全然分からなくて、解明シーンでそうだったのかと唸らされた。
期待しすぎたかな
評判が良かったので期待しすぎたかも。
他の作品にも言えますが事件が起きるまで長い。
火村先生が来てからはテンポ良かったですが。
そこまで切ない感じもなかったかなぁ。
あと宮部みゆき先生の解説入れて欲しかったです。