あらすじ
取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家・有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深い悲しみに包まれた殺人事件に遭遇する。臨床犯罪学者・火村英生に応援を頼み、絶妙コンビが美人画家姉妹に訪れたおぞましい惨劇の謎に挑む。大好評〈国名シリーズ〉第2弾! 長編ミステリ。
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Posted by ブクログ
面白かった!3分の1ぐらいは中々物語が進展しなくて悶々としたけれど、後半からの火村の登場シーンほんとにいい。「風のように」とかキザなこと言って登場したけど、親友の大ピンチかと思ってすぐ新幹線飛び乗って駆けつけてくれたの、本当に愛おしすぎる。謎解きも点と点が繋がる感じで気持ちよかった。
Posted by ブクログ
半分ぐらいずっとアリスが1人で調査や推理を頑張っていてちょっと新鮮だった。
少々女性(美人)に弱めなアリスがかわいい。
男の子の心を開く火村先生が意外だった。すごく刺さったので、子供とのからみもっと見たい気持ち。
子供の頃の「僕に任せて」を忘れないで生きていきたい。
Posted by ブクログ
雪に閉ざされたペンションでの密室殺人となると、いかにも新本格モノが好きそうなテーマだが、 本作の場合はとにかく文体が飄々としているためか、あまり凄惨な事件だという気がしない。 そもそもこういったテーマが新本格モノでよく使われるのは、 雪に閉ざされてしまうクローズドサークルの中で次々と殺人が起こってしまうというモチーフがいかにも謎解きに向いているからだ。
ところが本書の場合は、主人公たちも含めて自由に外に出かけることが出来るので、まず緊迫感というものがほとんどない。何せ探偵役である火村からして、有栖川に呼ばれて福島県まで来るという設定なので、出入り云々は問題にすらならないのだ。
またこういった作品では連続殺人が起こるというのは一つの定石のようなものなのだが、本作の場合は被害者が実質的には1名(もう1名は未遂)ということで、どちらかというとテレビの2時間ドラマものっぽい雰囲気が溢れている。
ただし本作の場合は、謎解きについてはフェアかつ本格的なもので、そこに関しては流石に有栖川有栖というところだろう。「離れで人が殺されたが、足跡は残っておらず実質的な密室殺人だった」という古典的なテーマに対して、ちゃんと独創的な解を提示している。(ネタバレになってしまうが) 作者がちゃんと綿密にこの謎を計算しているのは、 登場人物の外見や特徴ということを考慮に入れると、犯人は論理的に一人に絞られるというところからも明らかだ。
同期となる部分に関してはやや弱いというか、もう少し違う書き方があったのではないかという気もするのだが、そこも含めて飄々としたミステリーであるという評価を得るものだとすれば、全体として統一感がある書き方であったと思う。
Posted by ブクログ
国名シリーズ第2弾。今度は長編ミステリです。
有栖川有栖がペンションを舞台にしたミステリ小説を書くために泊まっていた宿のお隣のスウェーデン館で殺人事件が起きてしまう。臨床犯罪学者の火村英生に助けを求めて事件解明に乗り出す。
1995年に刊行された本作、今読んでも面白かったです。(有栖のカメラがフィルムカメラで現像に出さないと写真が見られないという部分には時代を感じましたが)
雪の上の足跡トリックになるほど!となりました。
ペンションの息子さん(大地くん)の心のつっかえが取れたのは救いかなぁ。
Posted by ブクログ
有栖川有栖が小説の題材として泊まったペンションの隣には通称「スウェーデン館」と呼ばれる建物があり、その持ち主である絵本作家と美人な妻、彼らの友人と知り合うが、そこで殺人事件が起きてしまう、という内容。
前半はその場にいるのが有栖川有栖だけなのでかなりもどかしい部分が多かったけど、有栖川有栖というキャラクターを考えるとあれくらいうだうだと考え込んでしまうのも納得、という感じ。後半で火村英生が来た途端の勢いが気持ちよく、一気に読んでしまった。
友人の言葉にすぐ駆けつけてくれる火村先生がいいですね……。殺人事件に巻き込まれた友人の「嫌な予感がする」をここまで信じてくれる人いないんじゃないかな。あと沼を見たいと言った時にアリスに正論で返されて、アリスに雪を落としてごちる火村先生と呆然とするアリスの図が可愛かったです。男友達っていいなぁ。
解説が宮部みゆきさんなのも最高でした!火村先生は動機がはっきりした探偵なのは確かにな、と。だからこそ感情移入して読みやすいのかもですね。リュウの狡さに触れていたのも良かった。私もあの言い方本当に狡いと思います。
前半のもどかしさと読後のスッキリ感で結果的に面白かったと思います。