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Posted by ブクログ
「得体のしれない小説」を書く作家がかつて失踪したロッジへ移り住んだ元編集者。折れた岬のある町を舞台に、失踪の謎を追う─
沁みた〜〜〜!
「謎を解く物語であるミステリからどんな要素を抜けばミステリではなくなるのか」という疑問をテーマに書かれた小説で、そのテーマと出来上がった作中がちゃんと噛み合った滋味深い小説でした。
もうひとつのテーマである「白秋小説」の部分もよくて、60代の主人公のキャラクターもよくて人物の作り方にめちゃくちゃ"有栖川さん"を感じた。
奥さま、ご主人、という呼びかたへの考えや明確なレズビアンが出てくることなど、要所要所に作者の考え、社会への眼差しが自然なかたちで出てくるのが"有栖川さんの味"がしてすごくよかった。
この作品をミステリと取るかどうか、については自分は「ミステリだった」と残します。
Posted by ブクログ
すごく良かった…。
有栖川有栖先生の描く人物が好き。
あと先生の目を通して見える景色が好き。
エンタメとしてのミステリというより、有栖川有栖のエッセイをフィクション仕立てで読ませてもらったような気分。
改めて、有栖川有栖という作家はミステリというものや、小説を書くということに対してとても真摯に向き合っているのだなぁとしみじみ感じた。
事件が起こって、颯爽と探偵が登場して、スカッと解決して!というミステリではなく、どちらかといえば人物の心象にフォーカスをしていて、テンポとしてはとてもスローな作品であるけれど、それでも脇道にそれすぎて迷子になったり、スローすぎて飽きさせるようなこともなく、
最初から最後まで一貫して一つの大きな謎に読者を捕らえ続ける手腕はさすがとしか言いようがない。
お、こいつが探偵役か?ちがうんか〜い!とか、主役がそのまま真相にたどり着く流れ???にしては諦めつつあるな…とか、終盤こ、ここにきてやっと真打(探偵)登場?!いや解決せんのかーい!!!とか、ミステリ慣れをした読者をうまく振り回しつつ、もうこれは解決とかそういう結末じゃないのかもしれないな…と思っていたら最後の最後で急に解決編が始まって仰天したりと、本当に面白い読書体験で、
読み終えた時に、良いものを読ませていただいて本当にありがとうございました。とお礼を伝えたくなるような作品だった。
これからも先生が書くミステリをたくさん読みたい。
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