無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
娘を連れ戻してほしいのです――山間の過疎地で孤立する芸術家のコミュニティ、木更村に入ったまま戻らないマリアを案じる有馬氏。要請に応えて英都大学推理小説研究会の面々は四国へ渡る。かたくなに干渉を拒む木更村住民の態度に業を煮やし、大雨を衝いて潜入を決行。接触に成功して目的を半ば達成したかに思えた矢先、架橋が落ちて木更村は陸の孤島と化す。芸術家たちと共に進退きわまった江神・マリア、夏森村に足止めされたアリスたち――双方が殺人事件に巻き込まれ、川の両側で真相究明が始まる。読者への挑戦が三度添えられた、犯人当て(フーダニット)の限界に挑む大作。妙なる本格ミステリの香気、有栖川有栖の真髄ここにあり。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
【古今東西、これを超えるミステリーはあるのか?】
ついに読んでしまった…!
学生アリスシリーズのみならず、有栖川有栖作品のみならず、日本のミステリーの中でも最高傑作の一つであろう本作。
本作の素晴らしいところは、なかなか語り尽くせないが。
読者への挑戦が3度も差し込まれるという驚き、そしてその挑戦はしっかりと超えられる可能性があるハードルだ。
マリアと犯人との対比も素晴らしい。作品に一本軸を通す結果をもたらしている。
かつ、秀逸すぎるタイトルにも表象されているように、頭を二つ持つ悪魔により、二局面が別々に、または絡み合い…事件は展開する。
ミステリーファンにはたまらないワクワクがずっと続く。
困ったことに、この作品を超える、ことは難しくとも、並び得る作品を探す旅が始まってしまった。
旅路は果てしないらしい…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
孤島パズルを読んでから気づけば約二年も経過していたが、
その間、ようやく森博嗣のFを読んで感動したり、館シリーズにはそこまでハマれなかったり、法月綸太郎が結局好きなのかもと思ったり、色々あったなぁと思いを馳せている。
それぞれの作品性の違いについても考えたいところ。
Posted by ブクログ
「皆さんに、娘を連れ戻してほしいのです」
外部の人間が入ることを許されない、芸術家の村へ行ったまま戻らないマリア。
交通手段が途絶された大好物のクローズドサークルに、さらに鍾乳洞まで登場する。
閉所恐怖症なので、ひとつ道を間違えたら戻れなくなりそうな空間のドキドキと、ミステリが重なって楽しさが倍増した。
探偵不在の中で織田・望月・アリスの3人が手探りで必死に頑張る姿が微笑ましい。
読んでいる途中で、何だか既視感があると思ったら、過去に読んだあの作品はこの『双頭の悪魔』がモチーフだったんだと気づいた。
古典的な雰囲気と、最後まで犯人が誰なのかわからないという、王道の本格ミステリをしっかり味わえる一冊だった。
「読者への挑戦」が3回も用意されていて、論理的な謎解きが好きな人にはかなり挑み甲斐があると思う。
シリーズ最高峰と言われるのも納得。
だけど、自分の好きなタイプかと考えると、ちょっと違うんだよなぁ。
自分は論理的なことより心情の方に興味が向くタイプなので、犯人の動機や芸術家村での人間ドラマがもっと読みたかった。
あとは、前作同様に大学生の江神1人にちょっと背負わせすぎでは……と、気の毒にも感じてしまった。江神は辛い過去がありそうなので、これ以上重荷を背負わせないでほしい。
3作品を読んでみて、江神シリーズはロジック寄りのように感じて、火村シリーズの方が合ってると実感したので、次はいったん火村シリーズに戻ろうと思う。
大学生たちの青春模様も楽しいけど、火村&アリスのコンビに会いたくなってしまう。
Posted by ブクログ
学生アリスシリーズ三作目。
隔絶された二つの村で起こる複数の殺人事件。
分厚い本なので、これは時間かかるかなぁと思っていたけど、読み始めると止まらなかった。一つの小説だけど、二作読んでいるみたいなところもあって、なかなかの充足感。
EMCメンバーも分断され、それぞれが立ち向かう推理が面白い。江神さんの華麗な推理も、アリスたちのあーでもないこーでもないと話し合いながらの推理も、どちらも楽しめた。
傷心のマリアが、またEMCに戻ってきますように。
設定も絶妙だし、トリックもなるほどだし、個人的にはアリスたちの会話のノリがけっこう好き。
有栖川有栖、読み始めてよかったなぁ。読む作品がたくさんあって、楽しみ。
Posted by ブクログ
順番どおり丁寧に読みたい学生アリスシリーズ。
3作目のこの作品は、前作で心に傷を負ったマリアが旅に出て、ある村から帰ってこなくなったところから始まる。
マリアはなぜ戻ってこないのか?心配したマリアの両親から頼まれ、推理研の4人はマリアがいる木更村へ出かける。四国にあるこの村は、芸術家が集う有名な村だった。心配するアリスたちの話と、マリアの独白という二つの視点から物語は進んでいく。
実は私にとって、この作品は学生アリスシリーズに手を出した切っ掛けだ。
もともと作家アリスシリーズを読んでいたのだけど、この双頭の悪魔に出てくる登場人物の一人が探偵役の火村の原型なのだと知ったために俄然、学生アリスシリーズが読みたくなったのだ。ただし学生アリスシリーズは青春物語でもあるため、シリーズを順に読んでいく必要があった。わくわくしながら読み進めて、ようやくこの作品にたどり着いた。
アリスら4人は木更村、という人を寄せ付けない村に居ついたマリアを、奇襲攻撃をかけて取り戻そうとする。江神部長はなんとかもぐりこむが、大雨で村と外をつなぐ橋が壊れ、村から出られなくなってしまう。そんななか村に集まっている芸術家が殺される。村に入れなかったアリスたちのほうでも、同じ旅館に宿泊していた男が何者かに殺されてしまう。容疑者になりながらも地道な捜査を始めた…。
この作品の面白いところは本来探偵役の江神のそばにいるはずのアリスが二手に分かれていること。マリアが代わりにワトソン役を勤めるが、アリスたちは望月・織田と3人で議論を交わしながら推理を進めていくのだ。江神部長のほうはなんとなく「大丈夫!」と思えるが、アリスたちの迷走しながら真実に肉薄していく様子も面白い。
そして3回もはさまれる「読者への挑戦」!なんとなくこの人かなあ?とアタリを付けることができても、その論理的な根拠が思いつかない…。ミステリの醍醐味だなあ。一応、今回も犯人と理由を考えてはみました。外れました。いいとこいった推理もあったんですけどね…。悔しい。初読の面白さです。しかしながら再読にも耐えうる、厚みのある作品。今回も楽しく読めました。
みんなやんちゃですばらしい。
火村の原型はかなりヘビーな過去を持っているのですが、火村が持つ謎のヒントになったりするんだろうか…。
ところで学生アリスは推理小説を書いていて、そこには「臨床犯罪学者」の人物が描かれている。こういうの、どきどきしますね!つまり作家アリスは学生アリスを書いていて、学生アリスは作家アリスの話を書いているという。(ファンなら周知のことですけど)あー面白い!世界観が面白いなあー!
そしてさらに4作目に飛び込んでいくのです…。
Posted by ブクログ
館シリーズのように2つの場所の出来事が交互に語られる形式で読みやすかった。
前2作では途中で時系列があやふやになってしまったので、今回は簡単にメモを取りながら読み進めた。(〇〇殺害、橋流される、程度のメモだったが、読み終えてから見返すとこの時系列は大事だった。)
木更村と夏森村で起こった事件の真相を知った時はやられたーと思った。3回の読者への挑戦はどれも分かりませんでした。
江神先輩が犯人と対峙して罪を指摘し、犯人のお願いを聞いた時に、それでは嘉敷島と同じ結末になってしまうのでは?と心配したが、江神先輩はその結末を予期した上で慈悲を与えたとのこと。
犯人を悪魔と呼んでおきながら甘くないか?とも思い、正直受け入れがたかったが、探偵役なりの苦悩があるのかと思った。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。