【感想・ネタバレ】双頭の悪魔のレビュー

あらすじ

娘を連れ戻してほしいのです――山間の過疎地で孤立する芸術家のコミュニティ、木更村に入ったまま戻らないマリアを案じる有馬氏。要請に応えて英都大学推理小説研究会の面々は四国へ渡る。かたくなに干渉を拒む木更村住民の態度に業を煮やし、大雨を衝いて潜入を決行。接触に成功して目的を半ば達成したかに思えた矢先、架橋が落ちて木更村は陸の孤島と化す。芸術家たちと共に進退きわまった江神・マリア、夏森村に足止めされたアリスたち――双方が殺人事件に巻き込まれ、川の両側で真相究明が始まる。読者への挑戦が三度添えられた、犯人当て(フーダニット)の限界に挑む大作。妙なる本格ミステリの香気、有栖川有栖の真髄ここにあり。

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Posted by ブクログ

二つの話を同時に読んでる感じが良い。
マリアがあの村に受け入れられたのがまず納得いってないけれど、美女ならまぁしゃあないか?そしてあそこまで他人に迷惑をかけてるマリア、もう大人なんだからさぁ…って。
香水のトリックや郵便物のトリック、この作者のトリックは突飛なものじゃなくて好き。

分厚さも気にならないくらい面白かった。

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2025年12月09日

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学生アリスシリーズ三作目。
隔絶された二つの村で起こる複数の殺人事件。

分厚い本なので、これは時間かかるかなぁと思っていたけど、読み始めると止まらなかった。一つの小説だけど、二作読んでいるみたいなところもあって、なかなかの充足感。

EMCメンバーも分断され、それぞれが立ち向かう推理が面白い。江神さんの華麗な推理も、アリスたちのあーでもないこーでもないと話し合いながらの推理も、どちらも楽しめた。
傷心のマリアが、またEMCに戻ってきますように。

設定も絶妙だし、トリックもなるほどだし、個人的にはアリスたちの会話のノリがけっこう好き。
有栖川有栖、読み始めてよかったなぁ。読む作品がたくさんあって、楽しみ。

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2025年10月30日

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ネタバレ

再読。何回読んでも最高に面白い。傑作!
ただ以下疑問(ネタバレあり!!!)







室木による相原殺人ですが、江神推理によると
「室木が相原に「千原の写真を買いたい」と呼びかけ(殺害するタイミングを作るため)、相原が室木を呼び出し、その商談中に室木が相原を殺した」てな感じでしたが、取引になった写真は千原ではなく鍾乳洞ですかね。

相原はそもそも撮れてない千原の写真を渡せないし、撮れてたとしても売らなそう。
室木は相原を呼び出すためにはなんの写真でもよかったし、千原より鍾乳洞の方が怪しまれない。

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2025年09月17日

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91点:「どうして僕に彼女の声を聞かせてくれないんですか?」思わずそんなことを言ってしまった。

中だるみすることなく最後までおもしろい大傑作。個人的に好きなパートはやはりアリス、もち、信長がそれぞれの推理を話したりそれにツッコミをいれたり、意外と真相に近づいていたりするかけあいのところ。
登場人物も作者も、事件の謎=ミステリということに関してなんとなく誤魔化したりあやふやにしたりメタに逃げたりせず、正面から堂々と立ち向かおうという姿勢はどんなに賞賛してもしすぎるということはない。30年以上売れ続けているのは驚異!

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2025年07月23日

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初読はおそらく単行本刊行時。著者の作品で最も印象に残っている。
改めて驚くのは犯人やそのトリックというよりも、とことんストイックな論理展開。
圧巻。

余談。
アリスもマリアも一人称で、そもそも割とフラットな文体のため、ぼうっと読んでいるとどちらの視点かわからなくなるときがある。
もしかしてこれもなんらかの狙い?そんなことはない。

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2025年03月20日

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ネタバレ

学生アリスシリーズ第3弾。
音信不通の麻里亜を追って芸術家が集まる木更村へ向かった江神一行。そこで災害に巻き込まれ木更村と隣の夏森村にメンバーが別れてしまう。復旧を待っているとそこで奇妙な殺人事件が双方で発生し...という物語。
非常に濃厚で面白かったです!!絶妙に怪しい登場人物達、隔絶されている木更村、現場に巻かれた香水 etc...。ミステリー好きには堪らない内容でとても満足です。今回は超長編と言うことも有り、『読者への挑戦状』が3回も登場し、その後の解決編もキチンと伏線を回収していくところがとても清々しかったです。そして2つの挑戦状の答えが出ても、それを凌駕する真相にはとても驚かされました。
○○殺人はなんとなくピンときていたものの、真相である○○殺人のプロデューサーXの正体にはミスリードもあり分からなかったです。江神と対峙しているときは話し方が、冴子っぽいなと思っていたらまさかの人物で引っかかってしまいました。最後のシーンの苦さもこのシリーズ特有でとても良かったです。次回は江神二郎が居なくなるようで...。どうなるのかとても楽しみです。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
江神二郎:宮野真守
有栖川有栖:岡本信彦
望月周平:八代拓
織田光二郞:古川慎
有馬麻里亜:釘宮理恵
木更菊乃:小山茉美
小野博樹:子安武人
鈴木冴子:小清水亜美
八木沢満:松岡禎丞
小菱静也:小山力也
志度晶:内山昂輝
香西琴絵:斉藤貴美子
千原由衣:東山奈央
前田哲夫:関智一
前田哲子:井上麻里奈
相原直樹:小野大輔
保坂明美:高橋李依
西井悟:梶裕貴
羽島公彦:森久保祥太郎
中尾君平:三木眞一郎
室木典生:細谷佳正
沼井:三宅健太
藤城:飛田展男

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2025年01月05日

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 芸術家たちが創作に没頭する木更村と外側の夏森村で殺人事件が起き、木更村に居る江神さんとマリア、夏森村に居るアリス、織田、望月がそれぞれ事件を解決する新本格ミステリーを代表する一冊で、全く繋がりが見えない事件が繋がった時「確かに『悪魔』としか言いようがない。」という思いと、意外な犯人に対する驚きに溢れた。最後のビターな余韻も良かった。

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2024年12月09日

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【ミステリーレビュー600冊目】謎解き本格ミステリーの歴代1位! 学生アリス第三弾 #双頭の悪魔

■あらすじ
四国の山間、外部の人間を寄せ付けない芸術家がこもる木更村。マリアがこの村を訪問したまま帰ってこない。英都大学推理研究会メンバーがマリアを連れ戻すよう木更村を訪れるも、取りつくしまもなく面会を断れてしまう。

その後、その地域は大雨に見舞われて交通が断絶、研究会メンバー、マリア双方とも外界との接触が断たれた状況となり…

■きっと読みたくなるレビュー
みんな大好き、学生アリスシリーズ第三弾。シリーズ最高峰と言われる作品ですね。約20年ぶりに読んだんですが、あらためて高品の高さにビックリしました。

ここ最近いろんなミステリーを読み散らかしてるので、あらためて名作を読み返してみるとレベルの高さを肌で感じます。文章が綺麗で可憐なんすよ、ホント読んでてうっとりする。

構成やプロットも良く練られてますね。導入からいきなり引き込まれる。外側と内側の互いに連絡が取れない二視点進行が面白過ぎるでしょ。

前提として登場人物のメインが学生なので関係性や会話のやりとりはライトなんだけど、内容が濃厚すぎるのよ。EMCメンバーは相変わらずで、アホなのか秀才なのかわからない会話を繰り広げる。もう読んでるとニコニコしちゃうのよね。

木更村のキャラクター陣も変な奴ばっかりで、色んなエピソードを交えつつ魅力たっぷりに深々と描かれるんです。私のイチ推しキャラは音楽家の八木沢さん、爽やかイケメンなんだけど、元アイドルの由衣ちゃんに入れ込んでる彼。真面目で一本気、優しさが必要以上に溢れていて、バランスが取れない芸術家の最たる人すね。

そして本作は何と言っても「読者への挑戦状」が3回もあるという、本ミスファンが泣いて悦ぶ設定。推理フェーズの捜査も会話も考察も議論も、まるごと全部面白い。しかも全部真正面からロジカルに推理して解き明かしていく謎ばかりなので、正々堂々と推理を楽しむことができます。

3つ目の「読者への挑戦状」は、もはや伝説。どういうことかさっぱりわからない森の中を彷徨ってる中、終盤に大きめのヒントらしき情報が提示される。これがキーだろうと予想はつくんだけど、結局どういう構造なのかわからないんすよね、どういうこと…?

この真相、20年経過してもバッチリ記憶に残ってます。そのくらい衝撃的だった。

たしかに想像力は必要だけど、しっかりとヒントは出てるし、関連する言及もちゃんとある。しかも単純な発想ではなく、さらに一歩深めた構造なのもスゴイ。動機も目からウロコだった。完璧な解答はできなくても、アレなんじゃないかという着想すら無理でしたね。んー、悔しい…

未読の方は、ぜひ挑戦して欲しい。個人的には純粋な謎解き本格ミステリーとしては歴代トップレベル、というか1位だと思ってます。

さて久しぶりに学生アリス読んでたら、まだまだ彼らの物語に浸ってたいな~ 新刊のトリビュートアンソロジー『有栖川有栖に捧げる七つの謎』は読むとして、第四弾『女王国の城』も再読しようと思いました!

■私とこの物語の対話
私が本格ミステリーを読み続けている理由の‭ひとつとして、この作品を超えるような謎に出会いたいから。そして解き明かしてみたいという欲求からです。

謎解きの沼に引きずり込まれてしまった私… 有栖川先生、全くどうしてくれるんだと。しかし私にとって、こんなにも楽しい体験は他にはないんですよね。まだまだミステリーを楽しみたいと思います。ありがとうございました。

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2024年11月27日

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有栖川有栖先生の学生有栖川シリーズ
第三弾!
ありがとう有栖川有栖先生!
私的、有栖川有栖先生の最高傑作です。
いや〜
面白い!
かなり長い作品で、約300ページまで何も起こらないが、読む手は止まりません。
有栖川有栖先生は何も起こらなくても、面白いですなー笑
もちろん、後半はもっと凄いです。
王道といえば有栖川有栖。
有栖川有栖といえば王道。
前2作品も面白かったが、これはそれ以上です!
有栖川有栖先生、お願いです。
もっと「学生有栖川シリーズ」書いて欲しいです。

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2024年10月15日

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ネタバレ

第一の挑戦
犯人当て→二択まで
トリック→正解

第二の挑戦
犯人当て→正解
トリック→半分正解半分不正解

第三の挑戦
犯人当て→全くわからず
トリック→全くわからず

いやぁ、面白かった。この鈍器のような文庫を食い入るように読み入った。交換殺人だと気付いたのは種明かしの直前だった。全然早くに気付けたはずだったのに、悔しい。ただし動機は全部わかった。動機について悩んだのは、もしかしたら室木も由衣の熱狂的なファンで八木沢と結託した可能性があったから。ただ、理想宮の話が盛り上がってきてからはまぁ遺産だろうという感はあった。

前二作を読んでいないので江神さんがどんな人なのかわからなかったが、最後に犯人を死なせてしまったのはコナン君に言わせれば探偵失格だが、金田一耕助の孫では割とよくあることなので賛否が分かれるのではないだろうか。個人的には自殺はしないでもらいたかった。

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2024年09月12日

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学生アリス3作目。
600ページ以上の長編。
二つの村での事件をアリス、マリアの視点で交互に進む。キャラクターが魅力的で楽しく読めた。

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2024年01月10日

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ネタバレ

一番きついやつだった…
犯人指定は正直アンフェアだろうな…
だけれどもこれは場所が場所なので
不可抗力といえば不可抗力よね…

まあ1ケースは完璧に巻き添えやね。
そりゃあそうなっても文句は言えませんわ。

で、その事件を乗り越えて出てきたのは…
本当に悪魔だろうね。

名探偵の推理すらも嘲る
まさに悪魔に相応しい人間。
負の叡智の塊だろうね。

だけれどもそんな悪魔も
結局はミスにより
命もろとも散らしてしまいますが…

背景情報があるので
なお一層つらい…

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2023年07月25日

Posted by ブクログ

何十年ぶりの再読!
志度晶詩人に再会できて嬉しい。火村先生のモデルですね。
今読むと江神さんの抱える不穏さが、このシリーズの魅力の一つと感じる。

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2023年07月19日

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トリックは分からなかったけど犯人は分かった。
トリックも分かれば完璧だったんだろうけど私には難しかった。

双頭の悪魔というタイトルも読み終わったらなるほどそういうことかと納得。
家賃もなくて、当番で家事して好きなこと出来る生活をしてたら外の世界になんか行きたくなくなるよなあ…

個人的には双頭の悪魔も面白かったけど孤島パズルのが好き。




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2023年05月11日

Posted by ブクログ

中学生時代ミステリを読んでいたら後輩に有栖川有栖を読んでください先輩!!と言われていたもののあんまり手をつけてなかったアリスシリーズ
面白い!!!
読者への挑戦が3回差し込まれていて自分の推理が当たった時のミステリファンのアハ体験たるや脳内麻薬。

分厚いミステリの場合
とにかく前半、事件が起こるまでの人物や舞台の描写シーンは丁寧な伏線と知りながら進まない展開に耐えるしかないので正直前半を乗り切れれば何回も読み返して推理をしたい1冊。
いやー名作。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

700ページくらいあるので、こりゃ大変だな…と思ってたけど、おもしろくて最後までスルスルと読み進められた!

所々で出てくる過去の事件については後半で明かされるのかなと思ってたら、これはまた別のお話なのね。前作も気になってしまった。

読み終えるまでが長いけど、舞台が交互に入れ替わるので意外と飽きないのがよかった。
元々1999年刊行らしく、スマホはもちろんガラケーも個々で持っていない設定なんだけど、有栖たちのやり取りとかを見ているとそこまで古めかしさを感じさせないから、抵抗感なく読めたのもよかった。

推理研究会のメンバーも良かったなぁ〜と思いつつ、読み終えた今も織田と望月の区別は全くついていない。彼らのビジュアルとか人物的背景に関する説明があまりなく、深掘りもされなかったので、最後までどっちがどっちか分からず「相棒の二人のどちらかが話してる」認識のまま終わってしまったんだよなぁ〜。
この辺は前シリーズ読んでいる人はもっとよくわかるのかな?
今思うと、夏みかんとむき卵?だっけ?のほうがしっかり紹介されてた気すらする。
でも江神さんカッコ良すぎるし、夏森村三人衆も等身大の大学生らしくてよかったし、マリアもよくがんばってた。

ちなみに冒頭のマリアは普通にイライラする。過去シリーズで何があったか知らないから、序盤はなんやこいついい加減にせーよって思いながら読んでた。
あとは有栖が魅力的な主人公と感じる要素がちょっと少なかったんだよな〜もちろん嫌なやつでも無いんだけど、可もなく不可もなくというか、害もないけど魅力も薄いというか…!この辺も前シリーズ読んでたら大きく印象が変わるのかも…!
でも彼らの絆は見ていてホッコリするしみんないい子たちだから、
たぶんみんなの魅力をもっと知るには過去作読んだ方がよいのかも。

トリックとかは、どれもなるほどー!ってなるし、伏線も含めて読み応えあるものだった。
夏森村三人衆がいろいろ推理していく過程は、江神さんみたいに瞬間的で鮮やかでお見事!みたいな神技ではないんだけど、逆にそれがすごくよかった。読んでいる自分も一緒になって捜査・推理しているような体験ができるので、有栖たちと一緒にハラハラドキドキしながら一つずつ考え、推理できるのが楽しい。
反対に江神さんパートはもう神の所業と言わんばかりの観察力・洞察力・推理力で、こっちはこっちでおもしろい!マリアが視聴者視点になってくれていて、マリアと同じ気持ちで江神さんに付いて行く気分を擬似体験できてよかった。

全ての謎が解けた時、江神さんの「悪魔」という言葉は最もやな…と鮮やかな推理に感動しながらも、
犯人、この村が解散するかもってだけでそこまでする…?!という衝撃と若干の違和感があったんだけど、自分の安住の地を奪われるかもという恐怖はやっぱり計り知れないんだろうし、経緯がどうであれ「理不尽」と感じてしまうものなのかなぁ?
生活もかかっているのであれば尚更、文字通り生死に、もしくは快適な生活からの転落に関わってくる?と考えると、何をしてでも阻止せねば、となる気持ちも分かるけど、普通人殺そうとは中々ならんし、ましてやあれだけの事を一気にやり切る行動力と執念が恐ろしい…。
にしても舵の切る方向間違えすぎよな…追い詰められると冷静な判断できないとはいえ、とんでもない方に思い切ったな…という恐怖。
長くなったので結論。生涯ここで暮らせますとか契約書交わしてたわけでもなさそうだし、衣食住養ってもらっていながら、目立った結果や功績が出せずにいる中で、菊乃の結婚により環境が変わりそう!イヤ!という至極身勝手な理由で人を殺すのはさすがに擁護できません…!
でもな〜急に世に放り出させるのかもという不安は計り知れないだろうからなぁ〜。まぁでもみんな何かしらイヤなことにも耐えながらなんとか働いたりしてるんだと思うよ〜!!!!!!!!

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

学生アリスシリーズの第三弾。
あまりの分厚さに驚愕しました。
第一、第二と読み進めてからの第三弾だったので、なぜマリアが傷心なのかも、すんなり理解できました。
この第三弾だけでも読めるのだけど、特に第二の『孤島パズル』を読んでからの方が分かりやすいと思います。
とにかく、タイトルが秀逸と思ったこの内容。
今回は、一人称がアリスだけではなく、マリアと交互に訪れ、殺人事件もそうだし、まさに双頭でした。
名探偵江神先輩の論理的な推理と、アリス達ただのミステリー好きの凡人達が紆余曲折しながらも真実に近付く推理の違いが興味深いです。
そして、やはり最後は再び登場の江神先輩の名推理による鮮やかな幕引きは、全てが氷解する爽快さです。
マリアはね、単に個人的に好きなタイプでは無いので、最初はあまり共感出来なかったんだけど、最後にはやはり推理研を形作るピースの一つなんだなぁと、思うに至りました。
第一弾の『月光ゲーム』の時には、青春してる青臭いアリス達があまり好きではなかったけど、第三弾まで読んで、学生アリスには学生アリスなりの色と味が感じられるようになった気がします。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

学生アリスシリーズ3弾
面白かったです! 難解でした!
有栖川先生の作品は読みやすくて面白い!
今回は二つの場所で事件が起こる感じでどう繋がってるのかとドキドキしましたね!
アリスも確約して嬉しかったです!

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2025年03月03日

Posted by ブクログ

学生アリスシリーズ第三弾。
今回は、江神とアリスが別々の事件を推理します。
アリス側とマリア側の視点が入れ替わりながら物語が進行します。
色々な可能性を否定しながら、犯人を絞り込んでいくフーダニットでした。
しかも、読者への挑戦が3回もありました。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

犯人の名前を明かされた時に「うわっ!」と思った。双頭の悪魔というタイトルはまさに内容を表している。
鍾乳洞に行ってみたいよ。

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

1992年。学生アリスシリーズ3冊目。再読。
前作でショックを受けたマリアは大学を休学し、東京へ戻る。四国にある木更村(創作に没頭する芸術家たちが閉鎖的に暮らしている村)に行き、そのまま帰ってこない。マリアパパに頼まれ、救出?に行く推理研究会の4名。
芸術家たちと、傷ついた芸能人女の子。彼女を追うパパラッチ。
大雨により分断された木更村(マリアと江神)と夏森村(アリスと2名)。それぞれで殺人が起こり、それぞれで推理する。

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2024年12月14日

Posted by ブクログ

学生アリスシリーズ3作目。
約700頁の大作でした。読むのに少し時間がかかってしまいましたが、面白く読めました。
相変わらず、江神さんはカッコ良いですね。今回はアリスもカッコ良く見えました。

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2024年05月27日

Posted by ブクログ

全然論理的な推理には基づいてないけど、今回は10分の1くらいは真相に辿り着けた気がする。シリーズを読み進めるうちに段々と主要人物のひととなりが分かって、一緒に謎に挑んでいる気分になってきた。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

有栖川有栖先生の本を読むのは2冊目。

700ページ弱の長編だが、面白く読み通せた。

江神やマリアなどのキャラクターも魅力的。

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2023年12月20日

Posted by ブクログ

正攻法の犯人あて本格ミステリの傑作。シリーズ3弾にして700ページに迫る大ボリューム。その中で「読者への挑戦」が3度も挿入されており全てが違うパターンでのアプローチされているのが凄い。加えて精緻でフェアなのがこのシリーズの良い点。犯人へと至る道標が分かりやすく示されている。それを如何に料理するかが読者への挑戦に繋がるのだが今作は絶妙なバランスとなっている。犯人あてに特化しているので物語は希薄となるのだが青春小説としての味もあり笑える部分もある。特に第3の「読者への挑戦」部分は一読の価値あり。

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2023年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

木更村と夏森村。
二つの別々の村で起きた別々の事件。
唯一繋がる橋を落として無関係かに見せた事件に繋がりを見せた有栖川先生の技術にただただ感服。
月光ゲーム以来のEMCフルメンバーにテンションがあがる。今回はマリアもいるしね。
ただやはりというか、メンバーを分断することは忘れない。全員揃う日は来るのか。
マリアの語り部はいいなあ。まだまだ女性というよりは少女といった心の揺れ方にいちいち共感してしまう。そういえば始まりは父親の捜索願からのスタートだったけれど、最後はそんなことは忘れていたな。次作で拾われるのだろうか。
犯人について月光、孤島では潔く犯行を認めた犯人たちとは違い、最後までシラを切り続ける犯人に少し嫌気がさした。それまではとても好印象だっただけに尚更。悪魔。

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2023年11月01日

Posted by 読むコレ

頁数は多いですが長いとは感じさせません。
それは単に二つの事件が平行して進行しており二本分のボリュームがあったからですが、それを1+1>2にしてしまう所が本作の凄み。
両話を交互に良い所で場面転換させる事と、二つの一見無関係な事件にさりげなく関連性を差し込む事で、兎に角先が気になり頁を捲らせてくれます。
更に一方の視点しか無い江神が他方の事件の関連性と本質まで捉えて纏めて解決する様には舌を巻きます。
期待感溢れる題材と展開にお得意の消去法理論。
信頼できる二枚看板を得た氏の作品は最早磐石、そう感じさせる一冊でした。

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2014年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょっと長かったけど、おもしろかった!!
前作から読んだので、江神先輩含むメンバーたちにまた会えたのが嬉しかった。

交換殺人だけじゃなく合間に1人はいっていたとは、、そして郵便局員さん。夢が本当に夢だったんだね。

トリックをまた忘れたころに読み返したいなあ。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人1人は予想できたが最後の謎解きは全くわからず。最終章は、もし「声」が聞こえれば犯人Xの正体がすぐわかる構成。ジリジリ引き伸ばされる分、文字を追いかける楽しさを味わえた作品だった。ただフーダニットの仕掛けの反面、動機はちょっと弱いかな。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

事件に入るまでかなり長い。けど一気に謎が解けていくのは気持ち良い。注意深く読んでれば読者も謎が解ける様にはなってるが無理だった。

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2024年02月06日

Posted by ブクログ

話自体は面白いけれど、マリアの行動が自己中心的で苦手だった。
両親に毎日電話をする約束でお金を貰って放浪する話だったのに、少ししたら電話はしなくなり、心配しないでください、という手紙をたまに寄越すのみ。わざわざ両親が会いに行っても橋で少し話すだけ。両親から虐待されていた話や、どちらかが病気だったり問題のあるような話も出ないので、普通に優しい両親のようだし。絵のモデルが終わるまで帰れないとのことだが、アリス曰く、絵のモデルになっていると伝えるのが恥ずかしくて両親に具体的なことを話さなかったのだろう、とあるが、いや、恥ずかしいとかの問題ではない。ショックな事件があったにしろ(前作?)、放浪のお金まで工面してもらって、大学も休学にしてもらって、大学の友人達に娘を見てきて貰えないかと頼むほど両親を心配させる。
でも本人はそこまで深く考えていない様子で、絵のモデルが終わったら帰らなきゃいけないのか〜帰りたくないな〜とボヤキ、気まぐれに両親に電話。金のある家の現代っ子と言ってしまえばそこまでだが、甘やかされて育ったんだなとしみじみ。

まぁ具体的なことはボヤかさないとこの話は始まらないのかもしれないが、解せない。

結構な長編で読むのに時間がかかったが、話自体は飽きさせることなく面白かった。また、読者への挑戦という形で、合間合間に入るのも良かった。
しかし、頑張って長編を読み進めた割には驚きの真相!というほどではなく、プロデューサーという言い回しは面白いものの、普通の読後感だった。
長編であればあるほど真相への期待値が高くなるし、ここまで長くする必要はあったのかと思ってしまう。
また、事件が起きて本編が盛り上がってきても、どうしても冒頭で自己中だったマリアの挙動が気になってしまう。
他、小野が死んだ時はその死体を不憫に思い「降ろしてあげて!」と誰か女性陣が口にして男性陣が黙って降ろしていたが、男性陣でさえ死体なんぞあまり触りたくないだろうに、何を偉そうに、と思ってしまった。

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2023年09月22日

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