あらすじ
「臨床犯罪学者・火村英生」斎藤工×窪田正孝で2016年1月より連続ドラマ化
お笑い芸人志望の若者、アンチエイジングのカリスマ等、「若さ」をモチーフとした作品集。学生時代の火村英生の名推理もキラリ
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「若さ」が共通の要素として組み込まれた中短編集。やはり火村英生の鋭い推理は読んでいて楽しい。成長段階の若い人間を描いた三作と、成長しきった上で「若さ」を追い求める人間を描いた表題作。ミステリ好きだけでなく、若い人が読んでも楽しめる作品。
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短編集ではあるけど、とても読み応えがあって長編好きでも大満足できる一冊。
個人的には「雛人形を笑え」が一番おもしろかった。
全体を通して感じたのは、結果よりも過程が印象的であったなと。
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短編。
初めて有栖川有栖さんだったから、実際に小説に出てきてエッセイかな?と思ってしまった。
でもそれがよかった。
どの話も若さが共通。
この本は、「若さ」をテーマに4つの作品がまとめられている。4作品とも、従来通りの論理的推理で犯人わ導きだしている。さらに、どの作品の作者(火村)が考える年齢について触れている。とても面白く読みごたえがあった。
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爽やかな読後感が好きで、有栖川さんの本を読んでいます。
今回の短編集で印象に残ったのは「雛人形を笑え」と「探偵、青の時代」。自分の若い頃のもがいていた苦しいような気持ちを思い出しました。多分、アリスの感傷的な独白に引きずられてます。
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若さがテーマの短編集
作家アリスシリーズらしく、犯罪についての火村の見解が語られるシーンが多くあり、ファンとしてはとても楽しい。特に少年犯罪についてのアポロンのナイフでの語りは興味深かった。犯人たる人物への口には出さない「いい大人が」という心境、この事件ではいかにも彼らしいと感じられてますますファンになった。
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火村英生の作品は久しぶりだ。
「アポロンのナイフ」
しょっぱなからわりと重めのテーマ。
ご都合主義ではなく、あっちはあっち、こっちはこっち。
「雛人形を笑え」
大阪の風景や、若い漫才師の姿が目に浮かぶ。
若手漫才師に造詣の深い女性刑事が印象的。
「探偵、青の時代」
短編なのに登場人物が多く、全員覚えきれんわー、と思ったが、
覚える必要はそれほどなく、サクッとオチてくれる。
自分が火村青年(?)と同じような仕打ちをうけた気ぃわるいな、と。
「菩提樹荘の殺人」
表題作。わりと所謂「胸糞」な被害者。
登場人物たちとのやり取りは興味深いが、
その割には犯人の動機が短絡的であっさりしすぎというかなんつーか。
どの作品にも言えることがだ、
関西の風景や世相が丁寧に描かれている。
ここのところ
「孤島の古城密室で起きた見立て殺人に名探偵が挑む!」
みたいな本が続いていたから、とても楽しく読めた。
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何回目かわからない再読。
「探偵、青の時代」は火村先生の学生時代の話。
ちょっとほろ苦いなお話。
先生、友達いたんだなって失礼なこと思ったわw
「雛人形を笑え」での火村とアリスの漫才は普通に笑っちゃう。
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臨床犯罪学者・火村英生 シリーズ
「若さ」をモチーフにした短編四篇
「若さ」に対して、いろいろな切り口があり、短編の軽さの中にも、火村の推理は被害者や犯人の人柄に迫っており、面白かった。
少年法への憤り。若さ故の軽率さ。切なさ。歳を取ることへの捉え方。それぞれの話でちょっと考えさせられました。
火村と有栖川有栖の距離感が程よく、二人の掛け合いが読んでいて楽しかったです。
『未熟な少年が殺人などの重大事件を起こすと、大人たちは驚いたり恐れたりしますけど、それもおかしな話ですね。成人して、より分別がついた人間が殺人を犯す方が驚きや恐怖の対象になるはずなのに』
『彼はまたもや「しょうがない、すんでしまったことだ」と自分をあっさり赦し、すべてを流してしまおうとする。同じことの繰り返しです。そして─────アリバイまで捏造しようとした。人の心の弱さは、このような凶暴性を発揮するんですよ』
『人間というのは、波に乗っていたら余裕綽々で他人に優しくできますよね。謙虚になることも難しくない。不遇な境遇にある時にそういうふるまいができるかどうか、で本当の姿が判ります』
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有栖川有栖という作家の名前は存じていたものの、初めて作品を読む。
タイトルの「菩提樹荘の殺人」を含む短編の殺人事件からなる1冊で、作家の有栖川と古くからの友人の火村教授が警察からの協力を仰ぎ事件の解決に挑む。作者と同じ名前の登場人物が出てくるのも面白かったし、いずれも解決編及び後日談がさらりと語られており、事件解決までのやり取りを楽しむ作品だった。
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最近は少し長編を読み続けていた感が自分の中であったので、久々に短編を読みたいなぁと本棚を見てたら自然と手が伸びました。
ほぼほぼミステリーしか読まない私ですが、やはり火村とアリスのコンビが漫才みたいな会話を繰り返しつつ事件を解決するのを見ているのが一番好きな時間かもしれません。
今回の4つの作品、全て「若さ」がモチーフになっていたんですね(作者さんもあとがきで言っていたので間違いないかと)。
それとは別に今回の事件は誰かの思い出も絡んでいたような気がするなぁ。
私はこの作品テレビドラマ版を先に観ているのもあって、原作だと火村の大学生時代の話はアリスが聞かせてもらうパターンだったんだ!?に一番驚きました……ドラマの方ではアリスが婆ちゃんに話してるストーリーだったのでてっきりそうなのかと……いやでも面白さは変わらないのですが。
火村は学生の時から全く変わってなくて何よりです。
個人的にそろそろ火村に纏わる過去が知りたくなって来ているのだけど、そこは明かされないままになるのかなぁ……たまーに「おっこれはそろそろ明かされるのか?」みたいな展開になったりすることもあるけど火村黙っちゃうもんね……あぁでも火村の謎が解ける時がこのシリーズの終わる時、とか見たことがある気もするのでまだ終わって欲しくないような……!!!
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若さが今回の短編のキーワード。少年犯罪。若き夢見るお笑い芸人、火村の大学時代の話、若々しいアンチエイジングの50代男性。それぞれ異なる若さでバラエティに富んだ短編集。特に面白かったのは、火村の大学時代の「探偵、青の時代」。短い作品ながらも火村の探偵能力の断片を見ることができ、よかった。
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4編の作品が収録。
少年犯罪を取り扱った『アポロンのナイフ』は、色々考えさせられる。
少年犯罪の増減や報道や個人の偏った正義感、なるほどなぁと思う。
表題作は若さについて2人の考え方を知ることが出来た。
老いというものをポジティブに受けいれていくことは大事だよなぁ。
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軽快な軽口を言い合うこのコンビが好きです。ある意味もうなんの心配も無く読めるミステリー。学生時代の火村さんもいい感じに変わった人で人気者でした。漫才のくだりは、笑いました。
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若さをモチーフにした4篇のお話。
どの話も様々な年代における「若さ」について考えさせられた。
特に表題作は、老いに抗うようなアンチエイジングの第一人者が被害者の話。
その流れで若さを考え、アリスが自分を創作の世界へと掻き立てた青春時代の苦い思い出を火村に吐露する場面が好き。揶揄するでもなく、それは辛かったなって受け止める火村先生も好き。2人の関係性が出ててとても好き。
「探偵、青の時代」も大好き。ツンツンツンツンな火村青年が、疎外感を感じながらもちょっと申し訳なさそうに謎解きする感じがなんともいえないね!
最後の現在のアリスの謎解きも可愛い。「俺の方がわかってんのさ」的などや感?的な(笑)
私は2人に高校生の時に出会ったけど、いつのまにか2人の年齢に追いつき、追い越してしまって、ちょっと寂しかったのだけれども、それは恙無いことでよかったなと、後書き読んで思い直した。
火村先生とアリスとほぼ同年代の今読むのと、もっと若い時に読むのと、更に歳を重ねてから読むのではきっとこの本の感じ方は違う気がする。今読めて良かった。また歳を重ねてから若さへ思いを馳せるために読み直そう。
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中学生の頃に読んでた有栖川作品を久々に読んだけど、火村と有栖と自分が同い年になっててショック…そんなに時が過ぎてたんだな…
子供の頃から現在までシリーズが続いてるのは嬉しい。作中の登場人物が年齢を重ねないのもありがたい。新しい作品なのに、昔懐かしい気分になれる。
何年経ってもやっぱ有栖川さんの本は面白いな。新シリーズも始まってるそうだし、そっちも読んでみたい。
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アポロンのように美しい少年、と噂される連続通り魔事件の容疑者。お笑い芸人志望の若者達の悲劇。大学生時代の火村英生の秀逸な推理、そしてアンチエイジングのカリスマ殺人事件。「若さ」を持て余す者、「若さ」を羨望する者達の恩讐に振り回されつつ謎に立ち向かう火村とアリスを描く、美しい本格推理四篇!
「アポロンのナイフ」の冒頭で、アリスが「情報鎖国」して一日中本読んで過ごす、っていうのをやってて、すごく羨ましい!と思った。集中して本読む時間欲しい!実際に同じことしたら、社会復帰できなくなりそうだけど…
少年Aのはなしはなるほど、と思った。
犯罪者の素性を公開する理由とか、実は少年犯罪は減っていることとか、興味深い。
青の時代
ほんとうに、青いなあ火村、というおはなし。
阿川さんは、あそこで会ったのがアリスじゃなくて火村だったら、声かけなかったんかな…
菩提樹
知ることがなくてもかまわない、境地。
アリスが、ここで自分の過去を火村に告白しちゃうのはすごく意外だったけど、ある程度昇華されて話せるようになったってことなんだろうな。
だからべつに、話したんだからお前も話せ、とはそれほど思ってないのでは。と思う。
ふたりが何か食べてる描写が好きだな。
ハムエッグをつくるアリス。
「ビールがおいしく飲めるように」グラスを用意するアリス。灰皿を催促する火村。
焼売もっと買えばよかったとぼやく火村。
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「若さ」がテーマの四編ということもあってか、火村とアリスの時間の流れについて意識してしまう一冊。いつの間にやら、アリスもしっかりスマホ?を駆使するようになっているのだなぁ……(しみじみ)
という老けた感想はともかく、やはり有栖川さんと言おうか、本格推理作品としての完成度はいずれも高くて満足です。やや異色の「探偵、青の時代」は、探偵役の推理の論理展開を第三者視点で見守る、という作りが新鮮でした。
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(中編)火村&有栖川シリーズ21
目 次
アポロンのナイフ
1
2
3
4
5
6
7
雛人形を笑え
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
探偵、青の時代
1
2
3
4
5
菩提樹荘の殺人
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
あとがき
文庫版あとがき
解説 円堂京都司昭
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何度目かの再読。四編収録されているがどの話も「若さ」がモチーフとなっている。特に火村英生の大学生時代に起こったとあるエピソードを書いた「探偵、青の時代」ではまさに火村先生の若さが書かれている。どの事件もそこまで派手さはないが、火村とアリスの掛け合いが特に面白かった「雛人形を笑え」が、犯人の特定の瞬間の喜劇的要素も相まって面白く感じたかな。
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4つの短編集。
どれも『若さ』をテーマにした
お話だとか。
一つは火村英夫が大学の時の時間で
大学生の頃が垣間見えて面白かったです。
個人的には最初の『アポロン』が好き。
悲しいけど考えさせられる事件だな、と。
感想書いた本、800冊目。
なんとなく記念にw
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テーマ若さ。
アポロンのナイフ
雛人形を笑え
探偵、青の時代
菩提樹荘の殺人(ぼだいじゅそう)
アリスがもしも無事に年齢を重ねる事ができるのなら赤や黄色に染まってから散ってみたい。その方が面白そうだから この言葉好きです。
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若さをテーマにした短編集。
久々に火村シリーズ読んだけど、安定しておもしろかった。
探偵、青の時代が特に好きだった。大学生の頃の火村さんの話ももっと読みたい!
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内容(「BOOK」データベースより)アポロンのように美しい少年、と噂される連続通り魔事件の容疑者。お笑い芸人志望の若者達の悲劇。大学生時代の火村英生の秀逸な推理、そしてアンチエイジングのカリスマ殺人事件。「若さ」を持て余す者、「若さ」を羨望する者達の恩讐に振り回されつつ謎に立ち向かう火村とアリスを描く、美しい本格推理四篇!
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お気に入りは「菩提樹荘の殺人」と「探偵、青の時代」
「アポロンのナイフ」
少年法について触れたり社会派風 通り魔の方の動機も気になるけどそこが語られないからこそ重くなりすぎないのかも
女の子の方の犯人はわかったけどそこで思考が止まって全容は分からなかった…悔しい
今回解き方が綺麗だなって思った
「雛人形を笑え」
推理の方は全く閃かなかったというか解けるかい!笑 伏線は張ってあったとはいえ多少モヤモヤします
火村とアリスの会話が漫才なのは仲がいいのはもちろんとしてやっぱり京阪界隈に住んでるとそうなってくの…か……!?
「探偵、青の時代」
若き火村先生の活躍のお話
これも倒叙?なのか? 火村君の推理は助教時代と変わらず綺麗でした
アリスが真相を見抜くとこは推理というか腐れ縁の成せるものというか…2人揃って初めて読者に真相がわかるのも楽しいなと思いました
「菩提樹荘の殺人」
犯人特定の決め手に思わず唸りました 自分も女だけど全く気づかなかった…!
被害者の服を脱がした理由も動機もなんとなく理解
表題作なだけあって面白かったです
Posted by ブクログ
トリック自体はけっこう拍子抜けのものが多いのだが、有栖川御大の筆力はまったくしょぼさを感じさせない。メロディラインは凡庸だけど、歌がむちゃくちゃすごい、みたいな感じ。さすがである。
表題作、アリスと火村の学生時代を振り返るシーンは、なんだかジーンときた。
Posted by ブクログ
火村&アリスシリーズは昔大好きで読んでいたが、最近は少し遠ざかっていて、久々に読んだ本。内容は普通に面白かったが、若干結末がイマイチだなあと思うものも。この中では火村の学生時代を描いた「探偵、青の時代」が良かった。