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下町曳舟 お直し処ぼたん
墨田区曳舟の一角にある、扉を閉ざした小さな洋服のお直し工房。亡き父から店を継いだ、少々気難しく滅多に依頼を受けない職人気質な店主・牡丹のもとにはワケありな洋服のお直しの依頼がやってくる。 亡くなった兄の一張羅のスーツ、認知症の祖母が初デートで着たスカート、入院した父が手編みしたセーター。愛する人の思い出が詰まった服を直したいと願う依頼人たちの想いを、牡丹は様々な方法で叶えていき――。涙なしでは読めない、感動の物語。 【主な登場人物】 ・織本牡丹(おりもと ぼたん) 縫製職人。やや気難しく人付き合いと片づけが苦手。甘党。 ・平野浅海(ひらの あさみ) 平凡な大学三年生。牡丹が借りる物件の大家の息子。趣味は菓子作り。 -
六法推理
その悩み、一人で抱え込まずお気軽に無法律へ。 学園祭で賑わう霞山大学の片隅。法学部四年・古城行成が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)に、経済学部三年の戸賀夏倫が訪れる。彼女が住むアパートでは、過去に女子大生が妊娠中に自殺。最近は、深夜に赤ん坊の泣き声が聞こえ、真っ赤な手形が窓につくなど、奇妙な現象が起きているという。戸賀は「悪意の正体」を探ってほしいと古城に依頼するが……。リベンジポルノ、放火事件、毒親問題、カンニング騒動など、法曹一家に育った「法律マシーン」古城と、「自称助手」戸賀の凸凹コンビが5つの難事件に挑む! -
失失失楽園殺し
21世紀の最先端研究施設で、キュートな天才が挑む、現代本格ミステリの限界突破! 最先端の研究者が集まる瀬戸内無境界大学院大学。 アカデミックな孤島に一匹のカエルの死体が現れた時、知の〈楽園〉に崩壊の足音が聞こえだす。 事件解明に乗り出した坂口庵子と幻月幽香だが、今度は舌を切られた研究仲間の死体が密室で発見される──。 さらにはネズミの大量死。予測不能の死、死、死……。 知の〈楽園〉は犯人の手で〈失楽園〉となるのか? 特異と驚きに満ちたミステリ、ここに開幕! ●目次 プロローグ 第一章:嵐の中、国家の犬の犬の三匹が知恵の実の下一堂に会する 第二章:カエルの死、その暗号性を精査するプロセスで、量子神が降臨する 第三章:ケルビムとは誰か、またそう名付けた者は誰か? 第四章:二十九の大量死とともに失失楽園が始まる 第五章:知恵の実が落ち、果汁が地に溢れて失失楽園が終わる 第六章:観測者が崩壊を起こすとき、別解の公式が現れる 第七章:失失失楽園で、世界の終わりを目撃する エピローグ ●著者 ミステリ作家。1979 年、静岡県生まれ。第1 回アガサ・クリスティー賞を受賞し、2011 年に『黒猫の遊歩あるいは美学講義』( 早川書房) でデビュー。「黒猫」シリーズのほか、「偽恋愛小説家」シリーズ(朝日新聞出版)、「花酔いロジック」シリーズ(KADOKAWA)、『超短編! ラブストーリー大どんでん返し』( 小学館)、「名探偵の顔が良い」シリーズ(新潮社)、「殺戮理論」シリーズ(星海社)など多数刊行。 -
願うのは私に禁じられたこと
だから私は、彼を監禁する──。 韓国で累計150万部。 20代30代の女性読者に支持され続け、 破壊力では『82年生まれ、キム・ジヨン』を超える と評される韓国女性文学最大の問題作。 女性のための電話相談員を務める大学院生カン・そんな彼女には大きな計画があった。男に対する幻想を女に抱かせる男に復讐するために、人気男優ペク・スンハを拉致し、監禁する。それは男たちが女たちにやってきたことであり、知性に秀でる自分が挑むに足る完全犯罪だから。そう彼女は信じる。 そして周到な準備が完了したある日、カン・ミンジュはペク・スンハを誘拐する。ソウルの集合住宅の一室で、奇妙な監禁生活がはじまって……。 1992年に発表されるや、韓国で激烈な賛否両論を引き起こした本書は、刊行以来、韓国の若い女性読者の支持を受けて版を重ね、現在では累計150万部を達成。韓国女性文学最大の問題作、ついに日本解禁です。 -
県警の番人
伏線完全回収の連作×警察組織ミステリー! ・ Q県警の誰もが逃れられない、首席監察官・鏡真人とは何者だ? ・ 【推薦コメント】 繋がってからが真の闇。これが《連鎖式》警察ミステリの新定番だ! ──法月綸太郎氏 ・ 見たいもの、信じたいこと、守るべきなにか。それぞれの正義が事実を少しずつ歪め、事件を解くべき者たちが、次々と事件に搦めとられてゆく。すべては首席監察官・鏡真人の描いたシナリオなのか──? 高密度の謎解きに、一筋縄ではいかない警察組織の論理と倫理が絡み、連作ミステリーとしての読み応えは抜群だ。短編ひとつひとつが高い完成度を誇っているうえ、新たな視点で各エピソードをみつめなおした最終話は圧巻。なにより、読み進めるほど虚像のように思えてくる鏡真人という人物の実体を知りたくて、本を閉じることができなかった ──櫻田智也氏 ・ 【内容紹介】 Q県警内の不祥事を容赦なく暴き出し、市民からの信頼を劇的に回復させた異能の監察官・鏡真人。 〈県警の番人〉の異名を持つ彼に狙われた者は、絶対に逃れられない……。 定年前のハコ番巡査部長、所轄の生活安全課捜査員、刑事課の女性警部補、県警本部監察官警視、鏡の直属部下──五人の警察官視点で浮上する、〈県警の番人〉の正体とは。 ・ *本作は伏線上の意図により、必ず第一話から順にお読みください。 ・ [目次] ●第一話 組織の論理 定年目前の交番巡査部長の元へ、十年前に同僚が発砲した事件を想起させる手紙が送られてきた。 ・ ●第二話 正義の味方 鏡の命で、週刊誌の取材を受けさせられた生活安全課捜査官。彼に思い当たるのは、一本の通報だった。 ・ ●第三話 虚像の選択 鬱病で休職中の刑事課女性警部補が、痴漢容疑をかけられた同期警部補について再捜査を行う決意を。 ・ ●第四話 人事の波紋 女性がストーカーに襲われたらしき事件。監察官警視が、所轄の事前対応状況を鏡に報告すると思わぬ答えが──。 ・ ●第五話 番人の番人 鏡の直属部下である女性巡査部長は、彼の失脚を狙う。〈あの事件〉の真実を隠蔽させないために。 ・ 眼前の“真実”は、必ず第五話でくつがえる。 -
プレデター
都市再開発計画の名のもとに首都が七つのゾーンに区切られ、格差社会化が進む2032年の日本。web情報誌の記者・明海和(あけみ・かず)は、独自に子ども狩と人身売買の取材を続けていたところ、カササギと名乗る人物に突き当たる。和が待ち合わせ場所に行くと、そこに現れたのはまだ10代の男性だった。彼は、これ以上取材を続けると「殺されますよ」と警告する。なぜ、子どもたちの取材をすることが危険なのか? なぜ、国際的なモデル都市でストリートチルドレンが生まれるのか? 和は、自身の父も“闇の子どもたち”の取材をしていたことを明かすが・・・・・・。ジュブナイル小説の名手による新たな代表作誕生!! 格差社会の闇に切り込む、ディストピア長編。 -
贄の森
エドガー賞、ブラム・ストーカー賞ファイナリスト 親友の結婚パーティのため、しぶしぶ故郷の寂れた町に戻ってきたリズ。そしてパーティの夜、親友の娘が会場の森で姿を消した。それはリズのトラウマにも関わる過去の事件と酷似しており、恐怖したリズは独自に捜査を開始することに。やがて、この地に潜む恐ろしい秘密が明らかになるのだが……。解説/杉江松恋 -
月とコーヒー
人気作家が腕によりをかけて紡いだ、 24篇の「とっておきのお話」。 生きていくためには 必要ではないかもしれない。 でも、日常を繰り返していくためには はならないものたち。 喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。 世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。 映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。 トランプから抜け出してきたジョーカー。 赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。 三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使。 終わりの風景が見える眼鏡──。 全作品、原稿用紙10枚程度。 寝る前の5分間、この本をめくってみてください。 必ずお気に入りの1篇が見つかるはずです。 -
野球が好きすぎて 2021‐2025
トリックは、あの愛犬の始球式!? カープファンの著者が全力投球する、プロ野球ミステリー! 世界的メジャーリーガーの愛犬が始球式をする、 というテレビニュースを観ていた「私」の脳裏に、ある不穏なひらめきが宿った…(「あの犬に憧れるのはやめましょう事件」)。 総合商社の社長として君臨した老人が今わの際に口にした「きつねダンス!」という遺言に一族は大混乱し…(「狼と狐のダンス」)。 不可思議な事件に臨むのは、捜査一課の神宮寺つばめと、熱烈なヤクルトファンの父親の親子コンビ。 捜査が暗礁に乗り上げそうになると、謎のカープ女子の安楽椅子探偵が現れて――!? 2021年から2025年まで、プロ野球界で起こった実際の出来事が事件のカギとなる、超ユーモア短編ミステリ! 【目次】 第1話 2021年 日本シリーズの幻影 第2話 2022年 狼ときつねのダンス 第3話 2023年 死に際のアレの問題 第4話 2024年 あの犬に憧れるのはやめましょう事件 第5話 2025年 バット折れすぎ問題の罠 著者あとがきつき。 -
ぼくらは回収しない
数十年に一度の日食が起きた日、名門大学の学生寮で女子学生が亡くなった。密室状態の現場から自殺と考えられたが、小説家としても活躍し、自信と才気に溢れた彼女がはたして死を選ぶだろうか? 三年間をともに過ごしながら、孤高の存在だった彼女の内心を何も知らないまま二度と会えなくなったことに思い至った四人の寮生たちは、独自に事件を調べ始める。第十九回ミステリーズ!新人賞受賞作「ルナティック・レトリーバー」を含む全五編を収録。大胆なトリックと繊細な心理描写で注目を集め、新人賞二冠を達成した新鋭による、鮮烈な作品集。/【目次】街頭インタビュー/カエル殺し/追想の家/速水士郎を追いかけて/ルナティック・レトリーバー/解説=法月綸太郎 -
七、八月のストローク
「ままならぬ現実を生きる彼らのしんどさを、私たちはよく知っている。けれど、ほんの少しの希望があれば前に進めることにも、私たちは気付いているのだ。」――恩田 陸 「新たな一歩」を踏み出す人々のひと夏を描いた感動作!長嶋有デビュー25周年記念作品。 築50年の大規模マンションの子供用プールで、監視員のアルバイトをする高校生の少女二人、ある日漫画が描けなくなった元人気漫画家、万引き癖をもつシングルマザー、突然高校を自主退学した息子とその父、年下の友人を亡くした漫画好きの老嬢……。ささやかな悩みを抱えた老若男女が過ごす夏の日々。老朽化し利用者も減る一方のプールに廃止の危機が迫り、 少女二人が立ち上がる。大好きなプールを守るために。 -
沙を噛め、肺魚
ここに生きている そう叫ぶために 沙に埋まりつつある世界、芸術は機械が創るものになった 若者たちは、内に秘める「やりたいこと」を突きつめてゆく 青春小説の旗手がおくる、きらめくディストピア長編 いい物語からは、いい音がする。 鯨井さんの物語からは、眩しく澄んだ音がする。 ――ふうね(読書インフルエンサー/「解説」より) 世界は沙嵐に襲われ、芸術は機械が創るものになった――。 オアシスで父と暮らすロピは、好きな音楽の道を模索する。 やりたいことが見つからないルウシュは、母と同じ気象予報士になるため勉強する。 二人は、ここに在ることの意味を問い続ける。 小説現代長編新人賞受賞作家がおくる青春ディストピア長編。 -
頭を木魚に
誰もが心の奥に抱える闇と社会への違和感を哲学とユーモアで昇華させた、笑い飯・哲夫が贈る愛と悟りに溢れる渾身の長編小説! なぜ、こんなにも生きづらいのか――。 お笑い界の知性派・笑い飯の哲夫が、現代人が抱える自己嫌悪と社会への違和感の正体に迫る。 独自の哲学と鋭いユーモアを注ぎ込み、「僕たちは人間をやるのが下手なのではないか」という痛切な問いに挑んだ長編小説。 主人公は、組織という檻を脱ぎ捨て、ハンドルを握ることで個の静寂を手に入れたはずのタクシードライバー。 しかし、理不尽な社会の牙は、そのささやかな聖域すらも無慈悲に食い破る。 最後に待ち受けるのは、破滅か、それとも――。 【編集長よりコメント】 すごい原稿を頂いてしまった。いつもの仕事のつもりで読み始めた原稿なのに、めくるめく展開に感情が先走り、ついに仕事が手につかなくなってしまった。 笑い飯 哲夫(ワライメシ テツオ):1974年、奈良県桜井市生まれ。関西学院大学文学部哲学科卒。2000年、西田幸治と「笑い飯」を結成し2010年、M-1グランプリ優勝。自称“仏教マニア”で関連番組・催事の出演多数。スポーツ、農業、料理、写経、純文学、学習塾、花火鑑賞など趣味多彩。著書に『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』『ブッダも笑う仏教のはなし』ほか。 【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 -
猫君 りんねの輪
波瀾万丈! お江戸猫又ファンタジー! 二十年生きた猫は、人に化けて言葉を操る妖怪「猫又」となる――。 花のお江戸には、密かに猫又達が暮らす六つの陣があり、将軍様の庇護のもと、江戸城内の学び舎「猫宿」で新米たちが妖怪修業をする「猫宿」があった。 茶虎のみかんは、仲間と力をあわせて様々な難関を乗り越えて無事、二年生に進級した。 ところがある日、かつて“魔王”と呼ばれた武将であり、すべての猫又を司る“猫君”だったとも噂される猫宿の長(おさ)が惨殺される恐ろしい凶事が起きて・・・・・・。 新米猫又を狙う強大な“敵”と猫又二年生たちとの明日を賭けた戦いが今、始まる。 【著者プロフィール】 畠中恵(はたけなか・めぐみ) 高知生まれ、名古屋育ち。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。病弱な若だんなと摩訶不思議な妖たちが様々な事件を解決する同シリーズで2016年、第1回吉川英治文庫賞を受賞。その他に、揉めごとの裁定をする町名主の跡取りが幼馴染とともに難問奇問に立ち向かう「まんまこと」シリーズ、『うずら大名』『猫君』『まろ丸伊勢参り』など著書多数。 -
後宮の弔妃
中津国の後宮で、一人の貴妃が二〇ヶ月ものあいだ身籠り続けていた――。先代帝の呪いと噂されるその怪異を解くため、皇帝はある人物の元へ向かう。それは三〇〇年もの時を生きる不老不死で、「弔妃」と呼ばれる少女だった。 -
書物を楽しむ あえて今、紙の本を読む理由
電子書籍なんてまっぴらだ! 「電子書籍は一切見ません」「電子は読んだ気がしない」「本は借りずに買って読みます」と公言されている林先生に、本との付き合い方・読書の醍醐味について徹底的に語っていただく。 70年に及ぶご自身の読書遍歴についても言及。本書に登場する書名と著者名の一部を書き出すと、 万葉集、源氏物語、伊勢物語、大和物語、今昔物語集、徒然草、宇治拾遺物語、平家物語、日本名山図会、世阿弥、兼好法師、田中冬二、川本三郎、長井荷風、西脇順三郎、佐藤春夫、夏目漱石、森鴎外、丸谷才一、池波正太郎、江戸川乱歩、藤沢周平、大藪春彦…… 以下は本書からの引用。 ●紙の本のよさとは やっぱ本は紙だねぬくぬく冬の床 これは、私の最新句集『ひとりみち』の中にある一句です。この句は、たとえば文庫本だとかを持って、布団の中にぬくぬくと包まれている様子を詠んだもの。本を読むともなく寝るともなく、だらだらとしている。 そうしたことを考えるだけで、なんだか気持ちよさそうじゃないですか。でも、これは電子本だったらありえないことです。 スマホでは目が痛くなるし、タブレットでは重くて嫌になってしまいます。やはり本というのは、その形、存在の有りさまが何千年という歴史をかけて自己完結してきている世界なので、それをたかだか数十年の電子ものが凌駕することは想像すらできません。 なんといっても、「紙の本というのは安定である」と思うわけです。電子ものと違って、紙の本は壊れません。多少手荒に扱っても大丈夫だし、電源が必要ないから随時、何十時間でも読んでいられるんです。 そして、スマホなんていうちんちくりんなものと違い、紙の本には手触りに大変に愛すべきものがある。 スマホは手に持って縦にすれば変に縦長だし、横にすれば足りないし、なんとも落ち着きの悪い形。こういうメディアで読むということは、一つがほんの10分で読める程度の文章を見るならいいけれど、継続的なもの読むには本質的に適していないのです。 これは何も本ばかりではなく、画像データにしてもTikTokのようにスマホに特化したものはだいたい1つが1分くらい。要するに、見る側はそれだけの忍耐力しか持てないわけです。3、4分になったら、もう途中で「いいや」となってしまう。 そうしたことが、人間の意識に非常に悪い影響を及ぼすことになるのではないか。なんでも短くて、ちょろちょろっと簡単にまとまるようなこと、つまり軽薄なことしかここには盛り込むことができないのです。 ●紙ならではの利便性 端的に言えば、『源氏物語』のように1つの文章が何ページにもわたるような、非常に息の長いものを電子本で読むとします。すると、「あれ?これはどこからだった?」といってページを指でスワイプしているうちに、どこを読んでいるのかわからなくなってしまうこともある。 それが紙であれば、付箋を貼っておくなり、自分の本であればちょっとマークしておくこともできます。これに使うのが、昔で言うところの不審紙(ふしんがみ)です。赤や青い色で染めた和紙を繊維に沿って破いて5ミリ角くらいの破片を作って舌にのせ、これはという箇所にピュッと貼り付ける。 そうすると、唾液の粘着力でポストイットのように紙に引っ付きますが、粘着はしてないので乾いてしまえば剥がれるし、爪などで擦らない限りは紙と紙で付いたまま。そういうふうにして、何ページかにわたるものにちょっとマークしておきたいときに紙同士を唾液で引っ付ける、これは日本人の知恵です。 それから、本で言えばこよりだとかを栞(しおり)代わりに挟んでおくこともあります。昔の本を見ていると、よく木の葉が差し挟んである。椛(もみじ)やきれいな落ち葉を拾ってきて、栞代わりにピュッと挟んでおく。実に風雅ではありませんか。 そうしたものは読み終われば退けるにせよ、さまざまな利便性――読書という営為の中で紙の本しか持ち得ない非常に便利な属性――がある。それを知ってしまうと、タブレットやスマホに栞は貼れないし、椛を乗せてもしょうがないと思ってしまうのです。 電子本に栞のようなマークを付けることをしても、どこに付けたか探すのがまた大変です。けれども、紙であればパラパラとめくるだけで、「あ、ここだ」とすぐにわかる。だから、読書というものをきちんと経験した人、読書の楽しさを知っている人たちにとっては、電子本はもうフラストレーションでしかない。「ああ、紙ならこんな面倒くさいことしなくて済むのにな」と、常に思います。だから、やはり私が読むのは紙の本です。電子本は買いません。 -
ザ・ミッション
球団広報の奮闘を描く 堂場野球小説の真骨頂! 食品会社からプロ野球「横浜パイレーツ」広報部へ出向した三上。 古巣に復帰した元大リーガー石岡の専属広報となり、引退後の監督就任へと導くのが、彼に課された極秘任務(ミッション)だ。 打撃絶好調の石岡はなぜか取材拒否を貫き、三上は番記者との間で板挟みに。 チーム内にも不穏な空気が漂う。石岡の不可解な行動の真意は? 三上は業務を完遂できるのか!? 巻末に、現役球団広報・横浜ベイスターズ小泉匡さんと、本作品著者・堂場瞬一さんとの対談を掲載。 プロ野球界を陰で支える広報業務のリアルな舞台裏に迫ります。小説本編と合わせ、ぜひお楽しみください! -
幸福のバトン
人生の宝物にしたい1冊!! 未来が見える少女の、絆と成長の物語。 「わたしは、生まれてきて、生きてきて。……よかったのね」 人生には小さな奇跡が、きっと、星の数ほど。 さあ、数奇な人生を走り抜け! 受け取った愛を、次の誰かへと繋ぎながら―― 中学生の山村真菜にはときどき、少し先の未来が見えてしまう。 この不思議な力を授かったせいで、それからというもの、彼女の人生には常にかすかな喪失の予感がつきまとった。 実母とのすれ違い、親友との別離、恋人からの逃避…… 様々な葛藤と哀しみが交錯する日々の果て、最後に手にした自分史上最高に大切な「奇跡」とは!? ――感涙必至の人生讃歌!! 加藤 元が贈る《奇跡》と《癒し》の物語。 本当の幸せに気づかせてくれる、心温まるヒューマンファンタジーの傑作 -
30代後半、独身、ひとり暮らし
わたしの自由は、ここから加速する。 お金の使い所、物価高、PMS、更年期、結婚するのか、子供は産むのか…… 胸の奥でくすぶる不安の正体を、一緒に探ってみませんか? 漫画家の藤波夏帆は、『月収十五万円、六畳一間で夢をかなえる』でデビューして以来、節約・ライフスタイルエッセイを中心に、そこそこの人気を保ってきた。 だが38歳を前に、これまでの作品で伝えてきたメッセージや世間でのイメージ、そして脚本家の彼氏との間にズレを感じ始める。 自分が本当に描きたいものは、何だろう。 新連載に向けて始めた取材と観察は、やがて夏帆の生活にも波を起こし始め……。 わたしの自由は、ここから加速する。 生活も身体も変わり、生き方が様々に分岐する時。 エッセイ漫画家と女性たちの、恋と、経済と、決意の物語。 【畑野智美デビュー十五周年記念作品】 -
恋と王冠
様々な問題を抱える小国、ヴァルイーダ国の新しい女王となったのは、たった16歳のいたいけな少女イザベルだった。 そんな彼女の摂政として、イザベルの従兄弟で元皇太子のリュシアンが王宮に呼び戻される。 3年前に不義の子と発覚し王位継承権を取り上げられたリュシアンは、女王を傀儡とし、いずれは王冠を奪い取る算段でイザベルを支配しようとする。 一方、イザベルは初恋の人で憧れのお兄さまでもあるリュシアンとの再会に歓喜していたが、彼の腹黒い一面を偶然知り、ショックを受ける。 怒りに震えるイザベルは、リュシアンに自分を侮ったことを後悔させ、心から忠誠を誓わせ支配すること、そして絶対に王冠は渡さないことを固く決意する。 そして持ち前の頭脳と女王としての才覚を遺憾なく発揮し、画策を巡らせ始める。 こうして、表向きは女王と摂政として友好的な関係を築きつつも、裏ではお互いを手中におさめるべく激しい頭脳戦と駆け引きを繰り広げる日々が始まった。 そんな中、数々の国を傀儡にし支配を広げている大国の女王の魔の手が、ヴァルイーダ国にも迫ろうとしていてーー。 -
佐々木事務所シリーズ
失敗続きの就職浪人生・島本笑美。 原因は分かっている。彼女は物心ついた時から生きている人間とそうでないものの区別がつかないのだ。 街に溢れ返った異形のモノたちは、自分の姿が見えていると分かるや否や、笑美に纏わり付いてくる……。 ある日、ダメ元で受けた大手食品会社「モリヤ食品」の面接で、笑美はヤンと名乗る青年社長と出会う。 出会ったその瞬間から、何故か自分に惚れ込んでいるヤンに心奪われ、笑美はそのままモリヤに就職することを決める。 しかし「研修」という名のもと、ヤンに伴われて笑美が見たのは、「ケエエェェェエコオオォォオオ」と奇声をあげながら這い回る人々だった――。 一方、笑美の様子を心配した兄・陽太は、心霊案件を専門とする佐々木事務所へ相談に訪れ……。 ページを開いた瞬間、あなたももう「取り込まれて」いる。 カクヨム発の「ほねがらみ」がTwitterでバズり大反響! ネット民を恐怖の底に叩き落とした驚異の新人作家が放つ、民俗学カルトホラー! -
ふつうの家族
大停電の夜、 玄関で倒れていた見知らぬ青年。 意識朦朧の彼は何者なのか? 招き入れたのは誰? 桜石一家には、全員裏がある。 「あなた」も「私」も、みんな嘘をついている。 「ふつうの家族」に隠された秘密。暗闇の中、照らし出される「過去の記憶」。 湘南の地に一戸建てを構える桜(さくら)石(いし)家。何か特別なところがあるわけではない、絵に描いたような「ふつうの家族」の、はずだった。ある嵐の夜、桜石家に現れたのは一人の若い男。高熱をだして倒れ込んでいた男は家族の誰かが引き入れたに違いない。誰が、なんのためにこんなことをしたのか? 家族が互いに疑念を募らせていくうちに、それぞれ家族には言えなかった「秘密」があぶり出されていく――。 四国新聞、大分合同新聞、愛媛新聞、神奈川新聞、千葉日報、沖縄タイムス、山梨日日新聞、秋田魁新報、北日本新聞、福井新聞に連載され、多くの読者の心をつかんだ、令和の家族のカタチ。 読み終えたとき、あなたも私も、みんな家族に秘密を打ち明けたくなる! -
オイディプース王
ギリシア悲劇の最高傑作と評される本作は、詩人ソポクレース(前496頃-前406年頃)によって、前441年から前432年のあいだに書かれたと推定される。 フロイトの「エディプス・コンプレクス」をはじめ、後世に多大な影響を及ぼし、今日まで読み継がれてきた本作のあらすじは、よく知られている。 ――劇の冒頭、オイディプースはテーバイの王として登場する。かつてスピンクスによるテーバイの危機を救った王は、新たに疫病が国を襲った今、神のごとき救い主として市民たちの嘆願を受け、自信にあふれた姿でこれに対処しようとしている。それは劇の最後で、父を殺し、母と交わって恥ずべき子供をつくったことが判明し、わが手で目をつぶし、みずから呪われた身となる男とはあまりにも対照的な姿である。そして、冒頭の姿がオイディプースの「非・真実」、最後の姿が「真実」であり、詩人は「非・真実」と「真実の対照」を示しているように見える。しかし、冒頭の姿はスピンクスを退治した功績によるものである以上、「非・真実」とは言いきれない。ここにあるのは真実を恐れると同時に真実を求めるオイディプース自身に重なる。訳者は言う。 「この劇においてわれわれの心をはげしく揺さぶるのは、真実を恐れて逃げようともがき、かえって真実に引きつけられて破滅するオイディプースの姿である。父を殺し母と交わる定めを告げられたとき、誰がこれを恐れずにいられようか。〔…〕だが真実にたいする恐怖が真実を見失わせるのはオイディプースだけではない。〔…〕われわれの中には暗い未知のものがある。われわれは、自分が何者なのか本当に知っているのか。日常の生活において見せかけ(非・真実)の中で暮らしているのではないか。〔…〕 『オイディプース王』がわれわれの心を揺さぶってやまないとすれば、それはわれわれ自身の中にオイディプースが宿るからにほかならない。」(「訳者解説」より) このあまりも有名な作品には数々の日本語訳があり、文庫版も複数存在している。しかし、1990年に『ギリシア悲劇全集』のために訳し下ろされた名訳が、顧みられないままになっていた。キケロー『国家について 法律について』に続き、碩学が残した貴重な仕事を学術文庫に収録し、後世に継承するべく、ここに刊行する。 [本書の内容] [プロロゴス] [パロドス] [第一エペイソディオン] [第一スタシモン] [第二エペイソディオン] [第一コンモス] [第二スタシモン] [第三エペイソディオン] [第三スタシモン] [第四エペイソディオン] [第四スタシモン] [エクソドス] [第二コンモス] ヒュポテシス(古伝梗概) 訳者解説 -
やるせない昼下がりのご褒美
あの人と過ごす「おやつ」の時間が、今日を乗り切る力をくれる。 妻子ある相手と夜をともにした伊豆の山奥のホテルで。忘れられない同級生と屋上前の踊り場で。さまざまな果樹が茂る瀬戸内海の島の庭で。もうすぐ卒業するメンバーと取り組む最後の仕事で。幼い息子との思い出のドーナツショップで。憧れの女性たちと出かけたいちご尽くしのピクニックで。心とおなかの空腹をあたたかく満たしてくれる珠玉の6篇! -
黒い滝
町の腐敗に挑む女性刑事を描く社会派ミステリ 米西部の町で移民の少女が殺された。地元企業や教会、保安官すら刑事の捜査を妨害する中、事件の裏には戦慄の事実が潜んでいた。 -
母にさよならを言えなくて
自死遺族の著者が描く、渾身の家族小説。 娘と夫と幸せに暮らす主婦の未来。しかし、彼女にはある悩みがあった。それは近所に暮らす母・美香子との関係だ。未来は幼少期から美香子の過度な期待と愛情に縛られ、複雑な想いを抱いていた。 そんなある日、未来のもとに父から電話が入り、美香子が首を吊り亡くなったと知らされる。自分が冷たくしたせいで、母は死んでしまったのではないか。大きな悲しみと後悔が未来を襲う一方、彼女はなぜか、安堵の念も抱いてしまい――。 大切な人の死と残された家族を襲う深い罪悪感と喪失感。自死遺族の著者が心の傷と向き合い描いた、渾身の家族小説。 -
モンキーハンティング
10万部突破の 『シャトゥーン』著者が描く 圧倒的恐怖! 狩るか、狩られるか―― 850頭の猿 VS. 人間 凶暴化した猿の群れ。 クローズド・サークルと化した限界集落で 生き延びることができるか!? (あらすじ) ジビエレストランを経営する父・誠一郎に連れられ、人里離れた集落に狩猟にやってきた高校一年生の加藤英輔。両親は離婚しており、母親は来月再婚する。離れて暮らしている父と、親子水入らずの最後の時間を過ごすなか、英輔は森に何か不穏な影を感じていた。やがて忍び寄る野生の脅威……。ひときわ大きな黒い猿をボスとした八百五十頭もの群れは凶暴化し、二人に襲いかかる! 『猿と人間』改題。 【著者について】 増田俊也 1965年愛知県生まれ。北海道大学中退後、新聞記者。第5回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、2007年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)でデビュー。2012年、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で第43回大宅壮一ノンフィクション賞と第11回新潮ドキュメント賞をダブル受賞。他の著書に『七帝柔道記』(KADOKAWA)、『木村政彦 外伝』(イースト・プレス)、『北海タイムス物語』(新潮社)、『警察官の心臓』(講談社)などがある。 -
ラストライン
定年まであと10年のベテラン刑事・岩倉剛。 その特異な記憶力と勘を武器に、相棒の若い女性刑事とともに事件を追う! 定年まであと10年の岩倉剛は50歳になる誕生日の目前、捜査一課から所轄の南大田署に異動となる。 その直後に管内で独居老人が殺される事件が発生。 彼は、元交番勤務で同じく異動してきたばかりの後輩女性刑事・伊東彩香と共に事件の捜査に加わる。 一方、さらに管内では新聞記者の自殺が発覚し――。 行く先々で事件を呼ぶと言われるベテラン刑事。 アナザーフェイス・シリーズに次ぐ新たな警察小説の誕生! 週刊文春に連載され話題となった、待望の新作第一弾。 -
老令嬢探偵の事件簿
【1910年、ハレー彗星の降る夜。誰が子爵を殺したか?】 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得!! 79歳の老令嬢と少年院帰りの召使いが挑む。 フーダニット×孤島×密室×貴族の館=どんでん返しの連続殺人!? 解説・若林踏 【誰が子爵を殺したか? 容疑者リスト】 No.1 エドウィン ケチな下院議員。 No.2 ミスター・ストークス 優秀な執事。 No.3 レティス 子爵の従姉(いとこ)。 No.4 ジョリオン 大酒飲みの海軍少将。 No.5 ミュラー教授 ドイツ人科学者。 《探偵チーム》 ミス・デシマ 79歳の毒舌老令嬢。 スティーブン 少年院帰りの召使い。 テンペランス 泣き虫メイド。 《ロンドン警視庁》 ジャーヴィス警部 【あらすじ】 1910年の英国。少年院帰りのスティーブンは謎の手紙に導かれ、孤島の館で従僕(じゅうぼく)として仕えることに。 その日は奇(く)しくもハレー彗星が地球に到達する日で「毒ガスが広まり、世界が終わる」と騒動が起きていた。主の子爵は館中の窓や扉を板で密閉させ、スティーブンに嫌われ者の老令嬢デシマの世話を任せる。 その夜、事件が起きる。子爵が書斎で殺されたのだ。犯人は誰(フーダニット)? 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得した超期待作! The Murder at World's End by Ross Montgomery カバーイラスト/原田俊二 カバーデザイン/鈴木成一デザイン室 -
今昔奈良物語集
奈良への屈折した愛と、卑屈なユーモアが炸裂! Xアカウント「卑屈な奈良県民bot」中の人による古典文学パロディ集。 黒須は激怒した。友人を人質としてぼったくりバーに残し、奈良の実家へ現金を取りに夜通し疾走する(「走れ黒須」)。竹をメルカリで売っていた翁は、かぐや姫を拾い動画配信で広告収入を得るも、彼女が月の都の住人と知る(「ファンキー竹取物語」)。奈良公園で鹿を轢いた官僚・稲田が聞いたのは、ユーチューバーを志した高校時代の親友の声だった(「若草山月記」)。古典名作と奈良が交差する抱腹絶倒のパロディ短編集! 森見登美彦、応援! ときには近代文学風、ときには歴史小説風、ときには童話風というように、あをにまる氏は多彩な音色を奏でている。(解説より) -
軍神の花嫁
貴方への想いと、貴方からの想い。 それが私の剣と盾になる。 「剣は鞘にお前を選んだ」 美しい長女と三女に挟まれ、目立つこともなく生きてきたオードル家の次女サクラは、「軍神」と呼ばれる皇子カイにそう告げられ、一夜にして彼の妃となる。 課せられた役割は、国を護る「破魔の剣」を留めるため、カイの側にいること、ただそれだけ。屋敷で籠の鳥となるサクラだが、持ち前の聡さと思いやりが冷徹なカイを少しずつ変えていき……。 すれ違いながらも愛を求める二人を、神々しいまでに美しく描くシンデレラロマンス。 【登場人物紹介】 サクラ 名門貴族の不遇な令嬢。散歩と、小さな使い魔アシュと戯れることが好き。 カイ 大国キリングシークの第二皇子。数々の戦を制し、「漆黒の軍神」と呼ばれる。 -
若旦那さんの「をかし」な甘味手帖 北鎌倉ことりや茶話
家事代行サービスの会社で働く秋月都。ある日、北鎌倉に派遣された。辿りついたのは、住み込みの家政婦がいてもおかしくなさそうな大きなお屋敷。出迎えた和装の青年は羽鳥一成という名の若き和菓子職人で、この屋敷は彼の工房兼住居だった。一成の作る和菓子は見事な出来映えで、常連客も多い。人知れず、和菓子に苦い思い出のあった都だが、彼の作る和菓子に触れるうち、心の変化を自覚するようになり…。日々鍛えた料理の腕で、羽鳥家の“定期契約プラン”を勝ち取った都は、いっとき閉店してしまっていた甘味処「ことりや茶房」の再開にも関わることになるが…。 -
暗黒の彼方
二角川春樹事務所30周年&堂場瞬一デビュー25周年記念作品 闇に葬り去られた政治的取引 警察庁官僚の謎の死、残された暗号、地検、法相、FBI…… 矜持を賭け、新聞記者たちが駆ける! 新聞の役目は――ダムを打ち壊すことだ。 渾身の書き下ろし長編 新鋭の新聞記者・古山孝弘は、かつてコンビで千葉・埼玉連続女児殺害事件の真実を暴いた先輩記者・松島慶太に呼び出された。松島はがんを患い、定年退職後、自宅で療養中。松島は余命宣告を受けている、と告白し、古山にあるメモを託した。メモには暗号のような文章が書かれていて……。薫陶を受けた先輩が「心残りだ」と告げるその暗号を解き、隠された謎を暴くため、古山の取材が始まる。「三十年、喉に刺さった棘。それを我慢したまま死なせない」 -
白百合(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第52弾は、文豪・徳田秋聲×イラストレーター・チェリ子のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 私何だか、こういう寂しいところが、かえっていいのよ。 望太郎は、山から一輪の百合を持ち帰った。その日から、彼は奇妙な夢を見るようになる。 徳田秋聲の名作が、MVイラスト制作をはじめ、現在ではキャラクターデザインや装画など幅広いジャンルにて活動中の大人気イラストレーター・チェリ子によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
てのひらの父
弁護士を目指す司法浪人生の涼子、アパレルのデザイナーとして働く撫子、そして不条理なリストラにより職を失った柊子。彼女たちが住む下宿に、春の訪れとともに現れた臨時管理人・トモミさんの存在が、三人が抱える問題をはからずも浮き彫りにしていく。“家族の森”で迷子になっているすべての娘たちに贈る「父と娘」の物語。 -
新装版 ボランティアバスで行こう!
累計60万部突破「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ著者が放つ 感動のどんでん返しミステリー ・本作は末永く読み継がれるべき作品である。全国民必読! ――宇田川拓也(ときわ書房本店) ・「SRの会」第1位! ※SRの会:日本最古のミステリーファンクラブ ※2013年ミステリーベスト10/国内部門 東北で大地震が発生した。多くの支援が行われるなか、大学生の和磨は、バスをチャーターして支援活動に参加する「ボランティアバス」を企画することに。 行方不明の父親の手がかかりを探す姉弟に出会った女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内など、さまざまな人が各々の思惑を抱えてバスに乗り合わせるが……。驚きのラストが感動に変わる! -
猫さえいれば、 たいていのことはうまくいく。
いてくれるだけで満たされる―― 猫を愛する作家陣がすべての猫好きに贈る、猫尽くしのオリジナル・アンソロジー! -
冷蔵庫婆の怪談
地方に住む小学生の間でかつて流行していた“冷蔵庫婆(れいぞうこばばあ)”の怪談。それを模倣したような、連続児童殺害事件が発生する。被害者たちの遺体は異様な状態で冷蔵庫の中に遺棄されていた。民俗学のフィールドワークの手法を用いて怪談を執筆する作家・呻木叫子(うめききょうこ)は警察から捜査協力を要請されるが……表題作のほか、大足様(おおあしさま)と呼ばれる神の祟りで、娘が二十五歳になると必ず自殺してしまう蘆野(あしの)家のおぞましい秘密に迫る「蘆野家の怪談」など、四編の本格ミステリ×怪異譚を収録する。/【目次】ハザコ男の怪談/蘆野家の怪談/冷蔵庫婆の怪談/満月館の怪談 -
公務員の怖い話
「受理してください。早くしないと――腐ってしまう」 市役所の窓口に現れた異様な男が差し出した書類は―― 「転居届」より 役所や学校、公共施設など、誰もが安心して利用する場所――日常のすぐそこに潜む怪異の数々。 ・また公務に携わる人々が沈黙してきた恐怖の出来事とは――。市の清掃局に勤める男が焼却場のピットで見たもの「初恋の人」(つくね乱蔵) ・教師が語る、とある市立の学校に纏わる禁忌と怪異「水霊校舎」(川奈まり子) ・夜間の役所の巡回をしている警備員が遭遇した恐怖「部屋の中」(西浦和也) ・水道メーターの検針で訪れた奇妙な家、そこで…「水呑み」(神沼三平太) ・県立の男子校で起きる不可思議「中庭の軌跡」(小田イ輔) ・元自衛官が話す、とある都市伝説「口裂け女の正体の噂」(田辺青蛙)など。 -
死ぬより怖い話
これから、「死ぬより怖い話」をあなたにします――。 都市ボーイズの岸本誠氏も戦慄激推し! 「え、いや、あの…死という逃げ場すら与えないのはエゲつなさすぎません?」 生存本能がアラートを発したギリギリ怪談。 一度聞いたら、誰かに話さずにはいられない怪異体験46 死ぬほど怖かったとはよく言うが、生物が本能的に恐れる「死」よりも怖いものがこの世にはある。 元旦にポストに投函されていた老女の顔を写したコピー用紙。大家に相談に行くと顔色が変わり…「死に顔」 家主が孤独死した家の遺品整理に訪れた男。二階の開かずの間に檻があり、中に入ると…「檻の中には」 終電の車内で聞こえる鈴の音。目の前に転がってきた紅色の鈴を見た瞬間、勝手に手がのびて…「鈴の音を奏でる女」 過去三度飛び降り自殺を試みた女性。地面にぶつかる瞬間見えた光景と死ねない理由…「仏の顔も三度まで」 拝み屋が赤子の名付けを行う変わった方法。どの名前も選ばれなかった時の意味は…「命名」 喉ぼとけの中心に長い金色の毛が一本生える一族。一家の繁栄はこの毛によるものだというが…「幹夫の宝毛」 廃屋の台所の換気扇から聞こえてくる女の声。その声にとり憑かれてしまった女性は…「崩れゆくブロック塀と人格」 ある団地に住む夫婦が退去すると、その後、必ず夫が死ぬという曰くつきの話の真相は…「脱出不可能」 他、著者渾身の取材46話! -
八千草の兄妹
どちらが死ぬか。兄か妹か、両方か。 「ことば」が流れる不思議な川を抱く金沢で、十四歳の少女・八千草忠生は美しい兄・笹生と寄り添い、支え合いながら生きていた。しかし八千草一族にかけられた「こうけちさん」と呼ばれる神様の呪いが、兄妹の人生に暗い影を落としはじめ……。 一方、約百年に亘り一族に引き継がれてきた絶対死の呪いを解明すべく勇気をもって行動する者たちの姿があった。 死を糧にして異様な推進力を発揮する二つの物語。呪われた運命を変えるべく絡み合い、驚異の展開を繰り広げる。 -
雨音
「その不謹慎な美しさを、ぼくは愛していた」 世界に降り注ぐ、雨音のような銃声と、銃声のような雨音。 残された銃弾に導かれて、僕は彼女に出会った。 「この映画は、だれかを救うことになるのだろうか?」 スミヒコは映画同好会〈幻燈〉の仲間たちとともに、いつか自分の映画を撮ることを夢見ていた。しかし、彼らの大学を突然の銃乱射事件が襲う。穏やかなキャンパスを戦場に変えた理不尽な殺戮は〈痩せ烏〉と呼ばれる正体不明の銃撃犯の死亡をもって幕を閉じた。後輩たちの命を奪い、親友に二度と立ちあがれない重傷を負わせた事件のドキュメンタリー映画をつくることを決意したスミヒコの前に、ベニと名乗る謎の女性が現れる。「死はいつも、すぐそばにある。――戦争は、すでにはじまっている」そう告げる彼女に危うさを感じながらも、スミヒコは心惹かれていく。 装画/今井喬裕 装幀/二見亜矢子 -
警視庁追跡捜査係
白昼の新宿で起きた連続殺傷事件―無差別に通行人を切りつける犯人を体当たりで刺し、その行動を阻止した男がいた。だが男は、そのまま現場を立ち去り、そして月日が流れた。未解決事件を追う警視庁追跡捜査係の沖田大輝は、犯人を刺した男の僅かな手がかりを探し求めていた。一方、同係の西川大和は、都内で起きた貴金属店強盗を追って、盗品の行方を探っていた。二人の刑事の執念の捜査が交錯するとき、それぞれの事件は驚くべき様相を見せはじめる。長篇警察小説シリーズ、待望の第一弾。 【堂場瞬一 先行配信作品(2012/12/10より1年間)】 -
先生と罪
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作 『レモンと殺人鬼』著者の 狂気の学園サスペンス 「どんでん返しの新女王」が放つ ノンストップ反転劇! この学校には秘密がある。 犯人は生徒? 教師? それとも―― すべての真実は、 三年生の伝統行事 運命の夏合宿 で明らかになる! (あらすじ) 同僚の教師・岩本結衣からかかってきた「助けて、あおられてる」という死の直前の電話。以来、市立新畑中学校に勤める教師・如月晴の周りで不穏な出来事が起こり始める。嫌がらせの張り紙や、実家の周囲をうろつく男の影。岩本の代わりとして三年五組の担任となった如月は、クラスの問題児を抱えながらも奮闘するが……。すべての真実は学校の伝統行事である夏の宿泊学習で明らかになる――! 【著者について】 くわがきあゆ 1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『焼けた釘』(産業編集センター)で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。他の著書に『復讐の泥沼』(以上、宝島社)、『美しすぎた薔薇」(新潮社)など。 -
今日のかたすみ
塾講師として働いている遙は、友人とのルームシェアを解消して気落ちしていた。そこに同僚で恋人の百ちゃんがやって来る。同棲を始めるふたりだが、暮らしの中で明らかになる価値観の違いを原因に、少しずつ、しかし確実にすれ違っていき…? 好きなのに分かり合えないカップルや、距離感のある父と娘、アパートの隣人同士。誰もが記憶の片隅に持つ、人と生きる日々のもどかしさや愛おしさを、優しく掬い上げた傑作短編集。 -
ド腐れ怪談
人間を雑巾しぼり――! 殺伐として、爽快。 ド屑から微屑まで、バナナのごとく剥かれた人間の本性が〝クソ眩しい”圧倒的【厭】怪談、誕生! 「こいつら全員、呪い殺してやる。」 SNSで無自覚に放たれた悪意に復讐を。 コロナ禍で生活に窮した彼女が、まず母を始末し、次に手近なアカウントから試した方法とは… ――「佳美さんの新たな地獄」より 〈厭〉にもほどがある怪異体験・事件を聞き集めた怪談集。 公園から憑いてきてしまったモノ。姿は見えないが腐臭と手を握られる感触が…「デリーちゃん」 線路脇に立つ祟りの木。触るだけで体が腐るのを撮り鉄が蹴ってしまい…「七日榊」 参拝すると物忘れが酷くなる神社。若い人まで廃人にする呪力の発端は…「効果は抜群だ」 完璧なまま維持せよという祖父の遺言で受け継いだ田舎の家。売ってしまおうと考えると、途端に恐ろしいことが…「四と六」 気功で肩こりを治せると評判のパートの女性。だが、患部に翳す手をよく見てみると…「我を崇めよ」 DIY目的で購入した中古住宅。そこだけ腐食した台所の床の一部をはいでみると中に…「臭い物には蓋をする」 不気味な母親らしき絵とそれを立体化したような粘土を作る園児。突如退園した後に怪異が…「未完成の粘土」 夫の田舎を訪れた際、サプライズで妊娠を発表した妻。しかも双子と告げるとふいに暗雲が…「ヒトツの神」 庭で首吊りがあった事故物件。幸せな家族がいると恨めしそうに出てきて…「まつぼっくり」 入院中に小児がんの少女にネイルを教えたギャル。退院後に訪れた地獄と希望の怪…「両手に桜」 ほか全31話収録。 -
83歳、もふもふのネズミを拾う。そして人生が変わる。
死を待つだけだったおばあちゃんの快進撃がもふもふの命を救う!? インディーズ出版社発の世界的ベストセラー! 8ヵ国が版権取得 米Amazonで★4.5/3000件超の大好評(※2025年11月現在) 老女とネズミのハートフルな…と思いきや、ジェットコースター展開の奇跡の物語 【あらすじ】 夫と息子を亡くし、長い海外生活から故郷の英国に戻ってきた孤独なヘレン。望みはさっさとこの世を去ることだけ。しかし、ある冬の朝、1匹のもふもふのネズミと出会い、人生が変わる。それもたった2週間で。老女とネズミのハートフルな物語……と思いきや、83歳のおひとり様ヒロインが小さな命を救おうと奮闘する、胸スカ&ジェットコースター展開の奇跡の物語! 勇気をあなたにも。 【絶賛の声】 「小さな文学的奇跡。痛々しく美しい……」――ワシントン・ポスト 「魅惑的……。新鮮で面白い。」――パブリッシャーズ・ウィークリー Sipsworth by Simon Van Booy 《担当編集の感想》 原書の紹介文に「ハートフルストーリー」とあったので、刺激的な作品が好みな私にはものたりなさそう、と思っていたのですが、実際に読んでみると、ゆるやかだと感じられたのは前半部分のみで、後半からすごい展開で、想像していたのと全く違う物語でした。ともかくおばあちゃんが大活躍するので、読んでいてスカっとします。高齢女性が人生をやり直すストーリーなのです。読後感がすばらしいので、米Amazonで高評価なのにも納得。これはぜひともお年寄りにもお若い人にも読んでいただき、年を重ねることに勇気や希望を持っていただきたい、と願い企画しました。誰かが誰かを大切にしたいと思う気持ちは貴いです。それを思い出させてくれる作品でした。 -
名探偵の生まれる夜 大正謎百景
歴史的偉業の裏には、誰にも語られなかった「事件」が隠されている。 『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』が話題を呼んだ、青柳碧人の大正ロマン×ミステリー! 大正五年、「探偵になりたい」と探偵事務所の門をたたいた青年が遭遇した重大事件。 大正四年、アメリカより一時帰国した野口英世の前に現れた自称・娘を巡る一騒動。 大正七年、芥川龍之介が解き明かす、さえない男の恋を叶えた願掛けの謎。 大正七年、元・バンカラ学生が死後に推察した、偉大なる劇作家・島村抱月の秘した想い。 大正七年、与謝野晶子・鉄幹夫妻が大阪で遭遇した、絶体絶命の危機。 大正十四年、世界一有名な秋田犬・ハチと上野教授の一世一代の大捕り物。 大正十三年、遠野で花子という少女が出会った、不思議な言葉を話すざんだ坊主の正体は。 大正十二年、時代を経ていろいろな人の手を渡っていく紙人形「姉さま人形」の数奇な運命。 大正の偉人×不思議な謎を読み解く8編を収録! -
陽だまりランチボックス
30歳の日葵は、疲れきっていた。ブラック企業に疲弊して勢いでやめたものの、再就職しようにも気力がわかない。不安で押しつぶされそうなある日、普段通らない路地裏に、古民家のお弁当屋さんを見つける。イートインもあるらしい。気づけば、いい香りの焼肉の香りに誘われてお弁当屋さんへ。お弁当の中に、牧歌的な雰囲気や安らぎなどがぎゅっと詰まっている気がした。店内にシェアハウスを募集している貼り紙を見つけ、思い切って申し込むことに。弁当屋の店主・菜月は、口数が少なく職人気質で、テキパキと仕事をする。その姿を見ているだけで安心できた。古民家の庭は木や花が植えられていて、猫や野鳥も自由に入ってくる。料理が苦手な日葵は調理の手伝いはできないが、店を手伝ったり植物の世話をしているうちに、地域の人たちと知り合っていく――。
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