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友人二人が刺殺された現場近くで、アンナはナイフを手にしたまま昏睡状態に陥ってしまう。以来四年間、容疑者とされたまま眠り続けていた。睡眠が関連する犯罪の専門家ベンは、彼女に刑事責任を問うために覚醒させる任務を受ける。だが、アンナが目覚めたとき、事件は思わぬ方向へと転がり落ち……。目に映る真相が幾度も覆される驚異のクライマックス。全英の話題をさらった超弩級のデビュー作!(解説・三橋曉)
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Posted by ブクログ
超★5 四年間も眠り続ける容疑者を目覚めさせよ!彼女は事件に関係していたのか… #眠れるアンナ・O ■あらすじ 心理学者で睡眠が関わる犯罪が専門のベンは、ある日上司から内密に呼び出される。かうてに発生した刺殺事件の容疑者の治療を引き受けなくてはならなくなった。 容疑者の名前はアンナ・オグルヴィ。...続きを読む彼女は二人を刺殺された現場の近くでナイフを手にして発見されるが、その後四年もの間ずっと眠り続けているのだった。責任を問えるか見極める必要があるため、彼女を目覚めさなければならない。 ベンはアンナを治療するにあたり、彼女の家族、過去、事件などを調べていくのだが… ■きっと読みたくなるレビュー 超★5 おもろいすね~、こりゃ世界中で話題になるのもわかる! まず素晴らしいのは密度満点のストーリーですね。重厚な海外ドラマを楽しんでるようです。 本作では四年間も眠り続けている殺人容疑者の女性アンナ・Oを中心に物語が展開する。心理学者のベンは目覚めさせるべく奔走しながらも、彼女の家族や過去、事件の背景などと向き合っていく。 さらにベンの別れた妻のクララは、アンナ・O事件の現場を捜査した警察官でもあるのです。この治療を機会に二人の関係が再び変化することに。 またアンナの治療と並行して、彼女が過去に書いた日記が提示されていく。刺殺された友人のこと、20年前に発生した関連事件、睡眠に関する調査記録など、事件への関与を独白するような記述がみられ、読み手としてはどんな真相が待ち受けるか翻弄されるのです。 果たしてアンナは目覚めるのか、彼女と事件の関連は…?! というのがメインの筋立て、既に十分なプロットだと思うんですが、実はまだまだ序盤なのです。全体からするとまだ2~3割くらいで、ここからさらに3回転か4回転くらいストーリーが展開します。実際にドラマ化もされるようですので、こちらも楽しみですねー。 そして、こんな睡眠障害なんてあるの?と思いましたが、読み進めてみると実際に「生存放棄症候群」として存在するようですね。背景や原因、対策などもお話の中に出てきて、とても勉強になりました。 後半にはいってくると、前半までとは違ったスリラー要素が物語を支配してきます。詳しく何がどうってのは、ネタを割っちゃうんで言えないんですが、もちろん事件の根幹に関することです。 もうね、しつこいくらいの粘り強さで読者を惹きつけてくる&締めつけてくるんですよ。この重厚な読み応えがたまらないすね、ぜひ頑張って読み切ってください。そしてラストにかけては怒涛のひとこと、どんな結末かは… お楽しみに。 今年を代表するサイコサスペンススリラー、読み逃せない一冊ですね。 ■ぜっさん推しポイント この作品で唯一の救いは、ベンとクララの娘キットカットの存在。我が子を想う気持ちだけは純粋な愛情で表現されていて、彼女のおかげで作品全体に柔らかさが出てるんです。 本作は動機が大きなテーマだと思うのですが、その反対側にあるものが彼女だと思うんすよね。読み終わって振り返ってみると、人間の心の深度、スケール感みたいなものを感じさせてくれる作品でした。
二人の人間が刺殺された事件で最重要容疑者となったアンナ・オグルヴィ、通称〈アンナ・O〉は、発見直後には深い眠りについていて、以来、四年近く目覚めることなく眠り続けている。殺人罪として起訴したいという思惑が絡んで、睡眠による犯罪の専門家であるベネディクト・プリンスは、彼女を目覚めさせるために、治療を...続きを読む行うことになる。政治家の母を持つアンナ・Oの罪の有無をめぐっては世論が対立している。果たして彼女は殺人鬼なのか。そして彼女が執拗に調べていた事件とは――。 というのが本書の導入になるでしょうか。なんという魅力的な導入、そしてどこに行き着くか分からない終盤の衝撃的な展開。ここまでやるのか、と感動を覚えるようなラストでした。カポーティ『冷血』をはじめ、様々な文芸作品が作中に挟み込まれているのも、物語の雰囲気に合っていて、とても印象的でした。最後の最後までどう転ぶか分からない。そういうタイプの作品が好きなひとには絶対に読んで欲しい、と思うような作品でした。
夢遊病、生存放棄症候群という現実にも存在する難病をテーマに繰り広げられるミステリー。 眠り姫ことアンナが本当に殺人を犯したのかを、犯罪心理学者のベンが解明していく展開。 聖書や哲学色強めの作品で人によってはそこがむしろ読みにくさを助長してしまう。 私はそういう作品が好きなので、個人のアイデンティ...続きを読むティや存在価値とは何かを考えるテーマは受け入れやすく、ベンやアンナの心理描写を興味深く読めた。 ベンが感じる"他人の人生を生きている気がすることがある" というワードが最後に繋がる。 人生の三分の一は眠っているというが、言うなれば生の中の三分の一は死であると。 生きることは拷問のように辛い時もあるのだが、生きる希望やつなぎとめるもの、人が幸せと感じられる大切なことは結局は人への愛だと感じた。
友人2人が殺害された現場近くで、昏睡状態で発見されたアンナ・オグルヴィ。生存放棄症候群と診断された彼女を目覚めさせるために指名されたのは、犯罪心理学者のベネディクト・プリンスだった。彼は独自のアプローチでアンナを目覚めさせることに成功するが……。 単純なフーダニットのプロットに、あんなことやこんなこ...続きを読むとをプラスしてサスペンスを盛り上げる手法に唸った。提示される“真実”は疑わしく、当然のようにひっくり返される。理詰めで考えれば犯人ではないとわかるので納得がいく。 最終章で真相が明かされたときには、まったく予想もしていなかった犯人像に呆気にとられてしまった。
非常に読みやすく600ページもあるのにテンポ良く進みました。ラストはびっくり!だけど、こんなにうまくいくかなあ、、と疑問符わきまくり。途中の展開にも、ここまでひねらないといけなかった?という印象。なかなかこういう展開はないかなあ、とは思ったけれど、もう少し前半整理してくれても。精神医学の講義聴いてる...続きを読むみたいです。
アンナ・オグルヴィは将来を嘱望された25歳の雑誌編集長。4年前のある夜、雑誌社を共同で経営していた同僚2人が刺殺され、その現場近くで、ナイフを手にしたまま深い睡眠に落ちていたアンナが発見され、以来彼女は眠り続けている。タブロイド紙に 〝眠り姫〟と呼ばれたアンナの症状は、神経学者には「あきらめ症候群」...続きを読むとして知られる珍しい精神疾患だった。 心理学者で、睡眠が関わる犯罪の専門家のベンは、アンナの治療を引き受けることになり、彼女を目覚めさせ刑事責任を問えるか見極めるのが任務だった。だが、過去の事件との関連が判明し、容疑者の子どもである患者Xの存在も明らかになるに及んで、事件は思いもかけない方向へと転がり落ちていく――。 翻訳のうまさもあって、すいすいと読まされるうちに、ツイストが炸裂。帯の推薦文を書いている作家ほどではないが。
何とも冗長な小説。 作者はこの小説がデビュー作らしいが、自分の文章に酔っているかのように余分な描写が多い。読んでいるうちにフラストレーションが高まるのと反比例して評価がどんどん下がった。一応ミステリーにはなっているので3点つけたが、実感としてはそれ未満。 結末にしても、読んでいてトリックの全ては分...続きを読むからないにしても、真犯人については「こっちかこっちあたりだろうな」程度の見当はつく。 いろいろと腑に落ちない点も多く(例えば、何で「日記」が現在進行形で書かれているのかなど)、この作者の次回作には今のところあまり期待する気になれない。
タイトルを見た時、クセのある作品だろうと思ったら、やっぱりそうだった。 ダラダラと長いと他の人が言っていたけど、そのとおりで、飛ばし飛ばしで読んだ。繰り返しも多い。最後の数ページは無理な設定の言い訳に費やしている感じを持ってしまう。 登場人物も少ないので、犯人は途中でそうかも?と思った。
不確かな記憶による自己同一性の揺らぎとか、自由意志の存在を前提とする法律の限界とか、精神疾患を治療することの難しさとか、物語そっちのけで考え事しながら読み終えた 地の文が絶妙に入ってきづらかったからか、いまいち没入感がなかった。 二転三転する感じは楽しかったけれど、なぜか初っ端から犯人と決めつけて...続きを読むいた人物が結局当たっていたので驚きはうすめ。どこかで読み間違ったか思い込みがあったかなんだろうけれど、後から見直してみても思い当たる記述が見つからず。人間の記憶の不確かさよ……
う~む…でした。 約700ページ、すごく先が気になるでもなく、ただ、ここまで読んだからという意地で読み終えた感じでした。 最後のどんでん返しは面白いとは思うのですが、やりとりや関係が複雑なのと専門的な内容が多すぎて(私的に)面白いというより、教科書を読んでいるような気持ちになる時もありました...続きを読む。 もう少しわかりやすく、端的な内容であれば、もっと気持ち良く読み終えたのかな…と思います。
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眠れるアンナ・O(新潮文庫)
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マシュー・ブレイク
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