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Posted by ブクログ
冒頭に70年前のチャイコフスキーコンクール、米国人ヴァン・クライバーンが優勝する場面が描かれ、実話?と錯覚する。読み進むにつれ、小説と理解していくのだが、現在進行系の現実と重なり、度々胸が詰まる。学院内に起こる不穏な対立、芸術での高みを目指す若者たちに立ちはだかるイデオロギーの壁。分断、対立、戦争へと堕ちていく様はとても他人事と思えない。
ソビエト連邦崩壊時の混乱と、音楽芸術の名家に生まれたものの才能に恵まれなかった父親の強烈なコンプレックス…苦悩の根は深い。ヴァレリーに自然と気持ちが寄り添ってしまう。岬洋介との関係性が唯一の救い。
クライマックス、洋介のピアノと学内選抜メンバーで行われるコンサートはアドレナリン全開。
終章は予期せぬ展開に泣かされる。
ヒポクラテスの憂鬱に続いて、2冊目の中山七里作品なんですが、読み順間違えてますね、ワタシ…。子どもの頃夢中になった少女漫画「アラベスク」を、なぜか読み返したくなりました。
Posted by ブクログ
中山七里さんの音楽シリーズ最新作
もともと読書とは無縁の生活だったのだけど、中山七里さんの「さよならドビュッシー」を勧められて読んだことが読書するきっかけになったので、この音楽シリーズが大好きです。
いや、正直に言おう。
岬洋介というキャラクターがとても好きなのだ。
そして装丁も好き。
今回の舞台はロシア、ロシアの偉大なる作曲家といえばチャイコフスキー!
チャイコフスキー自身や彼が作曲した協奏曲について詳しく書いてくれていることがとても興味深く、また演奏を文字だけでここまで表現できてしまうのか、という驚きと感動で、このシリーズが本当に大好きです。
クラシック音楽好きはきっとはまる作品です。
〜追記〜
岬洋介とそのピアニズムを通して、中山さんの平和を願う思いが伝えられているのかな。
特に今回はこのタイトル中の言葉「届け(make a wish)」にも込められているのかな。
Posted by ブクログ
背景にあるのは音楽と戦争。
1958年モスクワで開催された第一回チャイコフスキー国際コンクールでの優勝はアメリカ人のクライバーンで2位に甘んじたのがロシア人のナディア・ガガリロフ。彼女と岬洋介のつながりに驚いた。
ロシア人のチャイコフスキーは祖父の故郷であるウクライナをこよなく愛していたという。そのチャイコフスキーの協奏曲第一番を選曲した岬洋介は聴衆に、そして一番はヴァレリーに思いを届けたかったのかも。
あの時タクトを振っていたピアニストのヴァレリーが銃を持ち、同じくピアニストを志していたビクターと戦場で出会うなんて…なんかやりきれない。
ラストシーンのふたりの連弾に作者の願いが込められているのかな
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