あらすじ
モスクワ音楽院で起きた密室殺人。
国際情勢が音楽家たちの人生を変える。
文化的鎖国状態のロシアで、「他国の音楽は不要」と主張するモスクワ音楽院の学部長が殺された。
海外巡業中の日本人ピアニスト・岬だけが気づいた事件の真相とは。
累計190万部突破! 大人気シリーズ最新刊
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ウクライナとロシアの戦争が身近に感じられ、とても怖い‼️
だが、やはりやられました!中山先生の大ドン返し、何回やられた事か!今回も例外ではありませんでした
面白過ぎます‼️
Posted by ブクログ
冒頭に70年前のチャイコフスキーコンクール、米国人ヴァン・クライバーンが優勝する場面が描かれ、実話?と錯覚する。読み進むにつれ、小説と理解していくのだが、現在進行系の現実と重なり、度々胸が詰まる。学院内に起こる不穏な対立、芸術での高みを目指す若者たちに立ちはだかるイデオロギーの壁。分断、対立、戦争へと堕ちていく様はとても他人事と思えない。
ソビエト連邦崩壊時の混乱と、音楽芸術の名家に生まれたものの才能に恵まれなかった父親の強烈なコンプレックス…苦悩の根は深い。ヴァレリーに自然と気持ちが寄り添ってしまう。岬洋介との関係性が唯一の救い。
クライマックス、洋介のピアノと学内選抜メンバーで行われるコンサートはアドレナリン全開。
終章は予期せぬ展開に泣かされる。
ヒポクラテスの憂鬱に続いて、2冊目の中山七里作品なんですが、読み順間違えてますね、ワタシ…。子どもの頃夢中になった少女漫画「アラベスク」を、なぜか読み返したくなりました。
Posted by ブクログ
下手に戦争の物語を読むより、こうやってふっと日常から戦火に飛ぶ方がよっぽど残酷さが際立つ。
やっちゃいけないことなんだ、って気がつかされるのです。その点で少しセンチメンタルなラストが私は好きです。
あとは演奏のシーン。
楽器の演奏は本当に体力勝負。
必死さが伝わってきてとても良かった。
音楽の力を信じている私には色々グッとくるものがある作品でした
2026.6.9
86
音楽音楽は人の魂を救うのか?
今の世情を見事に音楽の世界に落とし込んだ作品です。泣けます。ピアノを弾いた手で銃を持つ。まさにリアルな現状ではないでしょうか?音楽で、国は守れないとするヴァレリーの父親の言葉がズシンときますが、人の心を癒すものは音楽であってほしいし、人は音楽に耳を傾けるられる存在であってほしい。
いつものミステリーのハラハラ感は少ない作品だと思います。ミステリー感というよりは、投げかけのように感じました。
Posted by ブクログ
中山七里さんの音楽シリーズ最新作
もともと読書とは無縁の生活だったのだけど、中山七里さんの「さよならドビュッシー」を勧められて読んだことが読書するきっかけになったので、この音楽シリーズが大好きです。
いや、正直に言おう。
岬洋介というキャラクターがとても好きなのだ。
そして装丁も好き。
今回の舞台はロシア、ロシアの偉大なる作曲家といえばチャイコフスキー!
チャイコフスキー自身や彼が作曲した協奏曲について詳しく書いてくれていることがとても興味深く、また演奏を文字だけでここまで表現できてしまうのか、という驚きと感動で、このシリーズが本当に大好きです。
クラシック音楽好きはきっとはまる作品です。
〜追記〜
岬洋介とそのピアニズムを通して、中山さんの平和を願う思いが伝えられているのかな。
特に今回はこのタイトル中の言葉「届け(make a wish)」にも込められているのかな。
Posted by ブクログ
音楽の表現がいつもすごいなーと原曲が聴きたくなります。
社会情勢とロシアとウクライナ問題も交わり、考えさせられる部分も多い。
岬シリーズは、犯人がわかってスッキリとはしないが、よ見返したくなるシリーズ
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズ全制覇
しばらく岬洋介はお預けになるので(?)心して読んでみたが…
なんとも切ないラストに締め付けられた
さよならドビュッシーもだけど、とどけチャイコフスキーもタイトルが切ない
つぎの岬洋介が待ち遠しい
中山七里先生期待してます
ありがとうございました
Posted by ブクログ
大好きな中山七里さん、
そして、大好きな岬洋介シリーズ!
今回は、なんと、ロシアのモスクワ音楽院が舞台。
ロシアの音楽教育が書かれている。
そして、じわじわとウクライナ問題に近づいて、
胸の中がチクチク、ザワザワしっぱなし。
なぜに戦争は無くならないのか?
犠牲になるのはいつも力の弱い民間人だ。
鉛筆の拷問場面、涙が出てきた。
誰かを救いたい、守りたいという気持ちは、誰しも持っている。
ただ武力や戦闘では対等に戦うことは当然無理だ。
岬洋介は、音楽で救おうとピアノを武器に果敢に立ち向かった。
それにしても、彼の生い立ちにロシアがこんなにかかわっていたなんて。
ラストはまるで映画を視ているようで、感動的だった。
Posted by ブクログ
背景にあるのは音楽と戦争。
1958年モスクワで開催された第一回チャイコフスキー国際コンクールでの優勝はアメリカ人のクライバーンで2位に甘んじたのがロシア人のナディア・ガガリロフ。彼女と岬洋介のつながりに驚いた。
ロシア人のチャイコフスキーは祖父の故郷であるウクライナをこよなく愛していたという。そのチャイコフスキーの協奏曲第一番を選曲した岬洋介は聴衆に、そして一番はヴァレリーに思いを届けたかったのかも。
あの時タクトを振っていたピアニストのヴァレリーが銃を持ち、同じくピアニストを志していたビクターと戦場で出会うなんて…なんかやりきれない。
ラストシーンのふたりの連弾に作者の願いが込められているのかな
Posted by ブクログ
高頭冴子にチャイナをクソミソに叩きのめし今度は岬洋介にロシアを徹底的に批判させた、残念ながらミステリーとしては単純な物だったが、まさか洋介がロシアの血が流れていたとはそれにまさかヴァレリーとはとこだったとは、冒頭のナディアのシーンとどう関わるのだろうか思っていたが今回はミステリーと言うよりも洋介の数奇な運命の話だった、次作は日本に亡命したナディアの話になって、おばあちゃまは名探偵シーズン再びって事にならないだろうか、しかし残念ながら海外公演をこなす洋介が日本で活躍するのはむずかしそうである。
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズ。
最新作だと飛びついたら、どうも2冊ほど読んでないらしい。
ロシアのモスクワ音楽院が舞台。
音楽の名家の出で客員教授を務めるピアニストのヴァレリーは、
岬洋介とショパン・コンクールで競った仲だった。
岬がロシアに来ると聞いて、音楽院での演奏を依頼する。
折しも音楽院の中では、ウクライナとロシアの生徒がもめたりと、
ロシアの戦争が影を落としていた。
そんな中、岬の学内での演奏に反対していた学部長が殺された…。
ロシアがウクライナに侵攻した現実に対して、
作者としては書かずにはいられなかったのかもしれないが、
戦地の学校に無傷のグランドピアノがあって、
それを元先生と生徒が連弾するラストはドラマチックすぎる。
それとヴァレリーと岬がはとこだというのも唐突。
読んでいない2冊の伏線回収なのか?
Posted by ブクログ
ショパン・コンクールで入賞し、現在はモスクワ音楽院で客員教授として教壇に立つヴァレリー。
ロシアは国際情勢の影響で文化的鎖国ともいえる状況にあり、学生に様々な音楽に触れさせたいヴァレリーはもどかしさを抱えていた。
そんな折、ショパン・コンクールで共に競った岬洋介がロシアにいることを知る。
ヴィレリーは、院内で演奏してもらう約束をとりつけるが、ロシア大統領と親しい学部長のボリスは「他国の音楽は不要」と猛反対。
その晩、ボリスは密室状態の宿舎で殺害された。
我らが岬洋介様の出番は少ないが、最後の学内コンサートの描写は、相変わらず、圧巻。
国制だとか親大統領側だとかの理由で、外国の音楽を排斥する。日本がそんな国でなくて良かったと、心から思う。(ただし今のところは)
チャイコフスキーの〈ピアノ協奏曲 第一番 変ロ短調 作品23〉
聴きながら、読んだ。
Posted by ブクログ
戦争と文化交流が完全に分離できない事に切り込んだ作品となっている
ロシアとウクライナの問題がリアルタイムで描かれています
ロシアの音楽学校にウクライナの生徒も留学しているという、現実にもありそうなシチュエーションで起こる殺人事件
日本の岬がいつも通り解決していきます
いつも通りとても楽しく読めました
Posted by ブクログ
ピアニスト・岬洋介が今回訪れたのは、ロシア。華々しいロシア音楽(作中では、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏する)と、音楽院で起こった殺人事件やウクライナ侵攻の暗黒さの対比が印象的でした。
チャイコフスキーが作曲したもので、好きな曲が私も沢山あるのに、「これはロシアの音楽…」と、何だかテンション下がるのは本当に悲しい。国も世代間も超える音楽の力、希望の光も、平和への祈りも、届いてほしいです。どこまででも!Σヽ(`д´;)ノ
『岬も今のロシアとウクライナの政治状況を知っている。それならばチャイコフスキーの曲を選択した別の理由があって然るべきだろう。あなたたちが愛し誇りに思っているチャイコフスキーも、ウクライナをこよなく愛していた。そう気づかせることでロシアの聴衆に、平和を訴えかけようとしているのではないか。-Ⅲ スラルガンドストレット〜徐々に緊迫して〜-』
まだまだツアー巡業して世界を渡り歩くんだろうか。生まれの背景もだいぶ明らかになってきて、このシリーズも目が離せないです!
2026.3
Posted by ブクログ
読みはじめは、ソ連冷戦時代の古い話かと思いきや、時間が一気に飛んで、世情の不透明不安定な現代に。
登場人物とほぼ同じ時を生きているだろうと思うと、平和ボケした自分が恥ずかしくなった。
それにしても、自分もホールで聴いている錯覚に陥るような、終盤のチャイコフスキーのオーケストラ演奏の描写、情景が目の前に浮かぶようで、感覚を麻痺させてくれた。
衝撃的なエピローグが、早く現実になってほしいと願う。
ったく、国というコミュニティ、国民主権であれ、そうで無かろうと、どんなに人類が進歩しても、治める為政者たちの大義に勝る倫理は何処?。
心がささくれてザラついた一文
▪大いなる不安や恐怖と対峙したとき、安寧を保つために考えることを放棄する
▪愚かな国の国民全員が愚かなのではない、好戦的な国の国民全員が好戦的なのではない
▪草原を駆け、山に登り、川遊びをした原体験が人格を形成しているのなら、慣れ親しんだ大地はもう一人の親のような存在であり、自分のDNAの一部である。
▪戦争というのは、いくら近代兵器が幅を利かせても、人を殺す行為に変わりはない。
戦争の本質は、旧石器時代からいささかも変わっていない。
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズの9作目。約2年振りに読んだが、相変わらず音楽の描写が素晴らしい。チャイコンの1番、久し振りに聞いてしまった。高校時代に、父のレコードでよく聞いたわ。話は悲しい。また、こんな時代が来るとは思わなかったなあ・・・
Posted by ブクログ
何だって。彼がくるのか。
「ヴァレリーさん、案内してくれませんか」
「学部長が殺害された現場にです」
岬洋介です。またです。
何かが起きて、飄々とクライマックスへ向かう。
岬洋介です。
鍵盤の音に誘われ、久しぶりに読んだシリーズ最新刊。
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズ。小説は、小説によって、戦争をやめさせたいと言うことを伝える。
岬洋介は、ピアニストになり、ロシアで講演する。そして、ロシアでは排外主義が巻き起こっている。その中で、岬洋介はモスクワ音楽院で演奏することになる。岬洋介の出生の系譜が明らかになる。
チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番についての深い意味を語る。
相変わらず、曲の説明が、丁寧で細かく綴られる。言葉を読みながら、音楽が見えてくる。
1958年、モスクワでフルシチョフの肝煎りの第1回のチャイコフスキー国際コンクールが行われた。前年、ソビエトはスプートニクを打ち上げ優位性を誇っていた。そのコンクールで、アメリカ人のヴァン・クライバーンが優勝する。アメリカ人にチャイコフスキーがわかるわけないと言う意見がある中での優勝だ。クライバーンと競ったのが、ナディア・ガガリロフで、音楽一家の血筋を持っていた。
ナディアは、クライバーンの演奏を褒め、「音楽には国境がない」とクライバーンに言う。
ヴァレリー・ガガリロフは、2015年からモスクワ音楽院の客員教授をしていた。モスクワ音楽院は1866年、ニコライ・ルービンシュタインによって創設された。
ヴァレリー・ガガリロフは、2010年ショパンコンクールで五位入賞を果たした。そのショパンコンクールには、岬洋介も参加していた。ヴァレリーガガリロフと岬洋介は競争者であり、友人だった。
2014年にロシアがクリミア侵攻をした。モスクワ音楽院では、ロシア人とウクライナ人が音楽の勉強をしていて、ウクライナ人は、ウクライナからロシアは出て行けと言う。そして、ロシア人はウクライナはもともとロシアだと言う。音楽学院の中で政治が吹き荒れていた。ヴァレリーガガリロフは、そんな生徒の争いに手を焼いていた。ボリス音楽部長は、ロシア大統領と親しく、徹底した排外主義だ。外国人の音楽は音楽ではないとも言い切る。そして、ヴァレリーは、岬洋介を呼んで学内コンサートをしようとするが、音楽部長に拒絶される。そんな時に、ボリス音楽部長は殺される。
音楽部長が突然亡くなったことで、岬洋介のモスクワ音楽院のコンサートが実現する。岬洋介は、その演奏する曲を、チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番とする。
チャイコフスキーという姓は祖父ピョートル・フョードロヴィチの代にチャイカで、伝統的なウクライナの姓で、カモメを意味することから改めたものであり、家系は現在のポルタヴァ州に領地を持っていたウクライナ・コサックのチャイカ家に出自を持っている。ピアノ協奏曲第1番は、ウクライナの情景も醸し出される。チャイコフスキーの作曲時には、ロシアもウクライナも良好な関係にあった。
岬洋介は、ロシアとウクライナとの険悪な状況に対して、メッセージとしてチャイコフスキーを奏でるのだった。だから、本の題名は、『とどけチャイコフスキー』なのだ。
そして、岬洋介は、目が青色かかっている。ロシアの著名なナディア・ガガリロフは、1959年、日本の駐ソ連外交官である神崎勇実と、電撃的に結婚。ナディアは日本で暮らすことになり、ピアノ教師として活躍。その神崎とナディアの間に遥子が生まれた。そして、ピアノの才能があった。遥子が22歳の時に、若き検察官岬恭平と結婚する。そして、岬洋介が生まれた。つまり、岬洋介は、ガガリロフの血筋が流れていたのだ。はじめて、岬洋介の血統が明らかにされ、ヴァレリー・ガガリロフ教授もびっくりし、同じ血統の中にいることを知る。
モスクワ音楽院では、岬洋介のピアノとヴァレリーガガリロフの指揮で、学生と教官のオーケストラで、ピアノ協奏曲第1番を演奏する。多くの聴衆者が集まり、圧倒的に成功するのだった。
そして、岬洋介は、ボリス音楽院長が、誰に殺されたのかを解明する。
中山七里の音楽によって、国境はなく、平和のメッセージを伝えようとする姿の岬洋介とチャイコフスキーの音楽解説が実に素晴らしい。やはり、岬洋介シリーズはいい。
Posted by ブクログ
待っていました〜!岬洋介シリーズ最新刊!
今回の舞台は、緊迫するロシア・モスクワ音楽院
モスクワ音楽院という音楽の聖地を舞台に
国際情勢という抗えない荒波に
翻弄される音楽家たち…
岬洋介の静かな、けれど熱い信念が
美しくそして切ない旋律が
響きわたるミステリー作品
色彩豊かな装丁からは
想像もつかないような緊迫した情勢と
音楽家たちの命がけのプライドをかけた
チャイコフスキー協奏曲を奏でるシーンは
大きく心を揺さぶられました…
いつもは物語が終わると
続編の仮題名が記載されているのに…
今回は仮題名が記されていなかった!!
物語のラストも…
ロシアとウクライナで起こっている
戦争のある世界に警鐘を鳴らす終わり方
そして今回のタイトルに
“とどけ” と付くところも
チャイコフスキーの音楽が届け〜だけではなく
平和を願う中山七里さんの想いもタイトルに
込められているのではないかと感じた!
これから私たちが歩む世界によって
岬洋介のシリーズが動き出すのかもしれない!!
Posted by ブクログ
リアルな社会情勢が物語に反映されていて
社会の勉強をしている気持ちにもなる。
まぁ直接的な言葉は使われていないから
読み手次第だろうけれど、時事問題取り入れる作品が
多いのが中山七里作品の特徴でもありますね。
さて、今回はとんでもないサプライズ?
伏線回収がありまして、岬洋介の素性が明らかになった事が事件よりも驚きました(笑)
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズはもはやミステリはおまけなので動機も犯人も薄いのは気にしないようにしている。本作で言いたいことはロシアとウクライナのことだろうし。改めて中山七里は時代に合わせた作品を描くなぁと思った。
岬のルーツがいきなり明かされたのが本作一番の驚き。
Posted by ブクログ
ロシアの音楽院で起きる殺人事件を軸に、ロシアとウクライナの戦争も描いていた。
作中に何度も登場する”文化的鎖国”という言葉に、胸が締め付けられた。戦争はどこまで人の心を引き裂き、人々の生活を壊していくのだろう…先日話題になった、カンヌ国際映画祭の審査委員長のスピーチが頭をよぎったのも、決して偶然ではない気がする。
最後のコンサートシーンは、まるで本当に音が聴こえてくるような臨場感があり圧巻だった。
音楽、映画、絵画。国や言葉の壁を越えて分かち合える芸術の無限の可能性を、これからも信じていたいと思わせてくれる作品。
Posted by ブクログ
ショパン・コンクールで5位入賞し、現在はモスクワ音楽院で教壇に立つヴァレリー。ロシアはウクライナとの国際情勢の影響で海外アーティストの公演を取り止めるなどの文化的鎖国ともいえる制裁をとっており、他国の音楽に触れることが生徒の成長に繋がると考えるヴァレリーにとってはもどかしさを抱えていた。そんな折、ショパン・コンクールで競った岬洋介がロシアでコンサートを開催することを知り、岬に学内で演奏してもらう約束をとりつけるが、ボリス学部長からは猛反対を受ける。そしてその晩、ボリス学部長は密室状態の宿舎で何者かに殺害された。警察は学院内部の犯行を疑い、ヴァレリーをはじめ、学生にも疑いの目を向け拷問し――。岬はヴァレリーたち音楽家を守るため、そして自身のルーツを辿るために事件の真相を追う!
登場人物が限られていて描写も少ないので後半から犯人の当たりはついたのですが、動機がいまいちピンとこなくて、岬もそこまでははっきりしないまま内情が明かされたので、ミステリとしては拍子抜けな部分も。ただ岬洋介のルーツが明かされるとともに、ヴァレリーとの関係性も判明する節目のストーリーでした。最後の終わり方が切なすぎて、戦争で引き裂かれるものの大きさや当事者の苦しみが迫ってきた。兵器よりも音楽でつながりあえる、殺し合いではなく友人として生きられる世界であってほしい。
Posted by ブクログ
ロシアとウクライナの紛争という極めて政治的な国際問題を取り上げて、著者なりのメッセージを込めるには、岬洋介シリーズはそぐわないようでふさわしいのかも。彼の底抜けに爽やかで朗らかな振る舞いが、陰鬱なテーマを払拭してくれる。ますますもってピアニストとしての技量を高め、名探偵ばりの明晰な推理力にも磨きがかかる。おまけに彼の意外なルーツが明らかになったりして。もっともこの謎解きと結末には承服しかねるけど。ヴァレリーがあそこまで平然としていられるのか。ミハイル警部をぎゃふんと言わせたかったのに、やつの推察通りとは。
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズ9作目。
ウクライナ侵攻直後のロシアが舞台で、政治問題と文化的鎖国という難しいテーマに切り込んでいます。
作中で描かれているロシアの状況は、今まさに現実世界で起きていることの一端であると思うと本当に胸が痛みます。
作者の平和への願いが伝わってくる1冊でした。
ミステリの観点からは、犯人を明かす岬の一言には驚かされましたが、動機やトリックの部分はなんとなくふわっとしていて物足りないような気がしました。
エピローグ、ラストシーンも頭の中で映像を想像するととても美しく印象的なのですが、やはり悲しく胸の中に重たいものが残る読後感ではありました。
国や政治なんて関係なく、世界中の誰もが一緒に音楽を楽しめる世界が1日も早く訪れますように。
Posted by ブクログ
このシリーズの中では、ストーリー展開とか推理の鋭さとか、そういうのがいまいちでした。あまりワクワクしないうちに終わってしまったというか・・・。
Posted by ブクログ
シリーズ第9弾『とどけチャイコフスキー』です
チャイコフスキーさん、とどきました!
やっとシリーズ最新作にとどきました!
あとは、『さよならドビュッシー前奏曲』が残っていますが、それはまた折を見てにします
チャイコフスキーということで本作の舞台はロシアです
ロシアは国際情勢の影響で文化的鎖国ともいえる状況にあります
バカですね〜
ロシア、バカですね〜
ロシアの音楽も本来は素晴らしいはずなのにバカですね〜
政治や国際紛争のために音楽をはじめとする素晴らしい文化や芸術の才能が奪われていくなんてあってはならないことです
無意味な政治や国際紛争で人々を救うことはできません
しかーし、音楽では誰かを慰めたり、励ましたり、勇気づけることができるのです
国際紛争では、数万人数十万人の人間を殺すことができます
しかーし、音楽では数万人数十万人の人間を心を救うことができるのです
音楽に国境は存在しません
言葉で分かり合えなくても、音楽で理解し合えます
戦場で聞こえるのが銃声ではなく、ピアノの音色になる日を願いたいです
Posted by ブクログ
2025年。岬洋介シリーズ第9弾。チャイコフスキーピアノ協奏曲第一番。
ウクライナ進行直後のロシア。民族主義が幅を利かす。ロシアのモスクワ音楽院も例外ではない。そんな時、音楽院の学長が殺された。
安定のおもしろさだが薄い。そして、次回作のタイトルがない。バッハでもパガニーニでもリストでも、まだまだあると思うんだが。
音楽を文字化、音楽で救えるって物語は必要だと思う。てか読みたい~~~~
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズ。
さよならドビュッシーから何冊も続編がでているようだが
全然読んだことのないまま最新刊を手に取ってしまった。
「あの5分間」といった特筆すべきエピソードに記憶がないのでいまいち入り込めないが
前段の本を読んでいなくても、ストーリーは楽しめる。
ロシアの音楽院での話で、学校内でのウクライナ侵攻にたいする意見の対立や圧力といった昨今の世界情勢が盛り込まれている。
そんな学校内での殺人事件。
犯人はだいぶ前からこの人しかいないというのが
読者にはわかる。だって他に登場しないんだもん。。
岬さんの出自ルーツのエピソードなどで内容に厚みが出た感じはするが、単体でのめりこむといった本ではない。
それがシリーズものなのかもしれないけど。