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アンクルトリス交遊録
柳原さん、開高さんらが描いたアンクルトリスに込められた「人間らしさ」こそが、どんな時代にあっても人間が忘れてはならない、欠かすことのできない本質である (サントリーHD会長 佐治信忠〈特別寄稿〉「人間らしくやりたいナ」より) アンクルトリスのモデルはいない、しかし、強いて探すとすれば、それは私自身のような気がする。私の思っていた事、私のするくせ、私の見たものがアンクルトリスのストーリーの中に、動きの中に、背景の中に出ていたかもしれない。きっとそのうちに私もアンクルトリスみたいにハゲ頭になるだろう、私のモデルはアンクルトリスなのです。 (巻末エッセイ 柳原良平「私はアンクルトリス」より) 「人間」らしくやりたいナ――昭和三三年、柳原良平、開高健、山口瞳、そして酒井睦雄が生み出したアンクルトリス。サントリーの前身・寿屋宣伝部で、数多くの伝説的広告を作り上げた熱く賑やかな日々を描く。多彩な人物のエピソードから広告論、イラストレーション論まで。イラスト37点収録。 〈特別寄稿〉佐治信忠〈巻末エッセイ〉山口瞳 -
七つの大罪
人を罪に陥れる七つの悪徳を 「七」に縁のあるミステリー作家が描く。 驚愕、恐怖、狂気……一気読みの七編! 【七つの大罪】 「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」を示し、 キリスト教において、人を罪に導くとされる七つの悪徳。 「罪の名は傲慢」中山七里/傲慢 名を馳せ人望も厚い一方で、弟子や秘書に対するパワハラが常態化している人気ジャーナリストに性的暴行された新人ジャーナリストは警察に駆け込む。 「手の中の果実」岡崎琢磨※7月7日生まれ/怠惰 突然不登校になった息子。原因がわからず不安が募る妻と私。私は葡萄農家である妻の実家に、息子と二人で滞在することを提案すると、息子は――。 「移住クライシス」川瀬七緒/憤怒 自閉スペクトラム症を抱える息子の療育のために山梨の集落へ移住した矢先、息子が池に落ちて死亡した。悲嘆に暮れる夫婦の前に、大鎌を持った老婆が現れた。 「オセロシンドローム」七尾与史/嫉妬 久呂恵は夏目漱石の『こころ』で意気投合したKと交際に発展するが、嫉妬深さが原因で別れを告げられる。Kに言い寄る女がそそのかしていると疑った久呂恵は……。 「十五分」三上幸四郎/強欲 20万人超の登録者数をもつ動画配信者のイッツミーは、同業者であるQRお雪の殺害容疑をかけられていた。週刊誌記者の綺ヶ崎は、判決待ちのイッツミーの取材に訪れる。 「父親は持ってるエロ本を子どもに見つからないようにしろ」カモシダせぶん/色欲 隠しているエロ本を高校生の息子が読んでいた。叱ろうとすると「謝るのは父さんのほうだ」と言い始め……。 「最初で最高のひとくち」若竹七海/暴食 野放図で我儘な公介のため、ママはたくさんの料理をし、掃除をし、後片付けをし、工場で働く。そんなある日、葉村晶という探偵が人捜しにやってきた。 【著者について】 ●中山七里 なかやま・しちり。一九六一年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』にて第八回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し二〇一〇年デビュー。ほかの著書に『いまこそガーシュウィン』『連続殺人鬼カエル男』『総理にされた男』『護られなかった者たちへ』『境界線』(以上、宝島社)、『能面検事』(光文社)『氏家京太郎、奔る』(双葉社)、『棘の家』(KADOKAWA)、『ヒポクラテスの困惑』(祥伝社)、『作家刑事毒島毒島の暴言』(幻冬舎)、『彷徨う者たち』(NHK出版)など多数。 ●岡崎琢磨 おかざき・たくま。一九八六年七月七日生まれ。京都大学法学部卒業。第十回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(宝島社)で二〇一二年デビュー。同書は二〇一三年、第一回京都本大賞に選ばれた。同シリーズのほか、著書に『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』(実業之日本社文庫)、『鏡の国』(PHP研究所)など多数。 ●川瀬七緒 かわせ・ななお。一九七〇年福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。第五七回江戸川乱歩賞を受賞し、『よろずのことに気をつけよ』で二〇一一年デビュー。二〇二一年に『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』(本書)で第四回細谷正充賞を受賞し、二〇二二年に同作が第七五回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門の候補となった。また二〇二三年に同シリーズの本書所収の「美しさの定義」が第七六回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。ほかの著書に、「法医昆虫学捜査官」シリーズをはじめ『四日間家族』『詐欺と詐欺師』など多数。 ●七尾与史 ななお・よし。一九六九年、静岡県生まれ。第八回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『死亡フラグが立ちました! 』(宝島社)で二〇一〇年デビュー。他の著書に「ドS刑事」シリーズ(幻冬舎)、「バリ3探偵 圏内ちゃん」シリーズ(新潮社)、『全裸刑事チャーリー』(宝島社文庫)など多数。 ●三上幸四郎 みかみ・こうしろう。鳥取県生まれ。大学卒業後、三年間のサラリーマン生活を経て、脚本家として活躍。これまでに『名探偵コナン』『電脳コイル』『特命係長 只野仁』『特捜9』など数多くのテレビドラマ、アニメの脚本を執筆する。二〇二三年度第六九回江戸川乱歩賞を受賞し、「蒼天の鳥」で小説家デビュー。 ●カモシダせぶん かもしだ・せぶん。一九八八年、神奈川県川崎市生まれ。松竹芸能タレントスクール東京校出身。二〇一三年、「松竹お笑いビブリオバトル」で優勝。お笑いコンビ「デンドロビーム」のメンバー。現在は東京都内の書店で働く、現役の書店員芸人。お笑い芸人初の日本推理作家協会所属。著書に『探偵はパシられる』(PHP研究所)、『書店員芸人~僕と本屋と本とのホントの話~【売れてない芸人(金の卵)シリーズ】』(Kindle版)がある。 ●若竹七海 わかたけ・ななみ。一九六三年、東京生まれ。立教大学文学部卒。一九九一年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。二〇一三年、『暗い越流』で第六六回日本推理作家協会賞”短編部門”を受賞。二〇一五年、葉村晶シリーズ『さよならの手口』でミステリファンクラブ・SRの会による“SRアワード二〇一五”国内部門を受賞、『このミステリーがすごい!』(宝島社)四位。二〇一六年、同シリーズ『静かな炎天』が『このミステリーがすごい!』(宝島社)二位、“SRアワード二〇一七”国内部門、ファルコン賞を受賞。二〇一八年、同シリーズ『錆びた滑車』が『このミステリーがすごい!』(宝島社)三位。著書に『悪いうさぎ』(日本推理作家協会賞“長編及び連作短編集部門”候補)など多数。 -
ルリユール
風早の街でひと夏を過ごすことになった中学生の瑠璃は、ふと訪れた古い洋館でクラウディアという不思議な女性と出会う。彼女は手作業で本の修復や造本をするルリユール職人、どんなに傷んだ本でも元通りに修復できるという。ぼろぼろになった依頼人の本を魔法のように美しく綴じなおすクラウディア。手伝いをするうちに、瑠璃のなかに秘められていた悲しみも温かく包みなおされていく。本を愛する人たちの美しく不思議な物語。 -
誓いの簪
大藪春彦新人賞受賞作家が綴る、 心揺さぶる感涙の時代小説。 天涯孤独の少女が本当の愛に触れたとき、 ひとり心に誓ったのは――。 命を狙われ、西国から遠く江戸まで逃れてきた少女のおりんは、 錺職人を目指しているお園の住む長屋で暮らし始める。 根っからの世話焼きで、おりんのことを家族のように大切にしてくれるお園。 束の間の幸せに浸るおりんだが、何者かがお園に矢を放ったことでその暮らしは一変してしまう。 もう二度と、自分のせいで人が死ぬところを見たくない。 今度こそ大切な人を守ると心に決めたおりんは、 長屋の隣人である武士の佐伯とともにお園の周囲に目を光らせる。 西国から追っ手が迫っていることも知らずに――。 -
踊れ、かっぽれ
最高で最強の、夏。 つらい過去も自分の弱さも、踊ればきっと、みんな輝く。 静岡の風物詩〈港かっぽれ〉に夏を捧げた高校生の、汗と涙はじける感動作。 地元出身作家が放つ、祭×青春小説! ダサい――。熱血顧問の不格好なダンスに、望月夏希らはめまいを覚えた。 静岡の清水みなと祭りで港かっぽれを踊る部活に集まった、やる気なし、体力なし、連帯感なしの十人の高校生。練習を重ねサマにはなってきたものの、ひた隠す過去の傷や虚勢のせいで部員の気持ちはすれちがったまま。 汗と一緒に本音も弱音も大噴出して迎えた本番、彼らは最高のかっぽれを踊れるか!? -
スノードームの捨てかた
10年後に思い出す。そんな日は突然やってくる。 『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『湯気を食べる』がロングヒット&話題沸騰!! ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごも――。 エッセイで日常のシーンを鮮やかに切り取り掬い上げてきたくどうれいんが描く、風味絶佳な初の小説作品集。 「そうだ。この間、酔って穴掘ったんだよ」「穴?」「どこに」 高校時代からの三人の友情は、公園の穴に吸い寄せられてゆく。(「スノードームの捨てかた」) 「いいんだよ、バイキングって『ご自由に』って意味なんだから」 同じヨガ教室に通う美女・ようこさん。彼女の“秘密”を知った私は――。(「鰐のポーズ」) 「どういうことですか」「こういうことです」 別れた恋人との指輪の処分に迷うまみ子が出会った、しゃがみ込む男。(「川はおぼえている」) 「すみません相席いいですか」 美術館の監視係をするわたしに舞い込んだ恋の予感、のはずが……。(「背」)」 「なにか直してほしいところ聞きたい、時間つくるから、つくって」 ――結婚目前の彼女からの不穏な質問。(「湯気」) 「あら、じゃあもう決定だ、正解だ、運命だ」 仕事を辞め、虚ろな毎日で見つけたのは、一枚の祖父の絵だった。(「いくつもの窓」) 思ってもみなかった。こんなに心ざわつく日がくるなんて。 くどうれいんが描く傑作6篇。 -
あなたのためのショコラショー
十年近く専業主婦だった八重樫靖羽は40路を前にして、尊敬する年上のキャリア女性から公益財団法人で働かないかと誘われ、新たな環境に思い切って飛び込むことに。しかし慣れない仕事で失敗の連続。これまで自分を中心に回っていた家庭や、その周囲にも思いがけないトラブルが巻き起こる。だが、小学校6年生の次女が「チョコレート」を自由研究のテーマにしたことから、チョコの歴史や製造工程を知って仕事や人間関係のアイデアを得たり、美味しいチョコを一緒に食べて励まされたりして、前に進もうと奮闘していく。海外のさまざまな子育て事情にも興味を持ち、合理的でフラットな考え方をもつ靖羽の目を通じて、仕事をすることで女性が抱える悩みを描きつつ、多様な価値観を描く勇気をもらえる物語。 -
運命の終い
運命もロマンも信じない今の大人の恋愛とは。 花屋でパート勤務をしている主人公の彩香は、30代で未亡人となった。高校生の頃恋焦がれた20歳以上年の離れた数学教師との出会いを運命と信じ、想い続け、卒業後に2人は結ばれた。 娘も授かり幸せな生活を送っていたが、その最愛の夫はガンで他界。当時の彩香にとってすべてだった夫。 喪失感を抱え「もう運命なんて信じない。ロマンも要らない」とすべてを諦めて暮らしていたが、ある日、自分が失ってきたものの大きさに気づく。そして、焦燥感にも近い熱い衝動から偶然出逢った男性・今井と「雑な大人の恋愛」をすることに。 ほどよい距離感と大人のルールを決めて始まった二人の恋。だが、徐々にその関係性は歪に綻び始める。お互いを、「運命の果てに立ち尽くしていた者同士」と実感していたはずだったが、徐々に彩香の心には違和感が生じる。そして今井にも、打ち明けられずにいた「真実」があった・・・・・・。 不倫、泥沼、女性が悩み泣き濡れる恋愛・・・・・・。そんな「昭和・平成までの大人の恋愛」とは一線を画す、現代<いま>の大人の恋愛に「本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」受賞の著者が真っ向から取り組んだ渾身の一作。 -
SAT-light 警視庁特殊班
SATを出すまでもないが警官には危険と思われる、凶悪事件に発展しそうな事案を担当する組織が新設された──新・警察ミステリー誕生! 警視庁特殊班は新設部署である。庁内では「SAT-light」と呼ばれている。SATやSITなどの特殊部隊が出動するまでもないが、一般の警察官が対処するには危険すぎる事案を担当する。具体的には、カジノや裏風俗店への着手支援、一般人の身辺保護、反社会勢力の組織の摘発などだ。そんな特殊班が今回出動したのは、都内で起きた地下アイドルへのストーカー案件。生活安全課ストーカー対策室からの要請を受け、対象女性の保護に出向いたものだった。ナイフを向けて保護対象に接触しようとした被疑者を班員が無事確保。ミッションは完了したかに思われた。だが、被疑者の自供から芸能事務所による「管理買春」の疑惑が持ち上がる。SAT-lightは真相究明に乗り出すことになった……。 -
風の港
ときには羽を休めよう。 あなたにいい風が吹くまで。 そこに降り立ち、飛び立つまでのひととき。 旅人たちの人生が交差し、奇跡が起こる。 『桜風堂ものがたり』シリーズの著者が贈る 珠玉の空港物語。 【著者からのコメント】 コロナ以前は、たまに空を飛ぶことが わたしの日常で、空港で過ごす時間も また日常でした。 滞在の時間を長めにとって、カフェで 版元さんと打ち合わせしたり、 大きな窓から空や飛行機を見ながら ラウンジでのんびり仕事をしたり、 本を読んだりしたものです。 ある日、羽田空港のレストランで、 ひとり昼食をとりながら、 ふと、行き交うひとびとの足音や声に、 耳を澄ませたことがありました。 みんな旅の途中なんだな。 それぞれの旅の。そして人生の。 ひとときここで翼を休めて、 またそれぞれに飛び立つんだな――。 そう思うと、みなが同じ大きな船に 乗り合わせた旅人のように思えて、 愛しくなりました。 その時の気持ちが核になり、 『風の港』は生まれました。 第一話 旅立ちの白い翼 夢破れて、故郷の長崎へ戻る亮二は荷物を まとめて空港へ。似顔絵画家の老紳士と出会い 思わぬ言葉をかけられる。 第二話 それぞれの空 「本は魔法でできているの」小さな書店を 営んでいた祖母の言葉。いま空港の書店で 働く夢芽子が出会う、ちょっと不思議な物語。 第三話 夜間飛行 恵と眞優梨は33年ぶりに空港で再会する。 少女の日のすれ違いと切ない思い出を 名香の香りに乗せて。 第四話 花を撒く魔女 老いた奇術師幸子は、長い旅の果て、 故国の空港に降り立つ。 自分の人生が終わりに近いことに気づき、 来し方を振り返る。 -
最悪の相棒
少年時代に姉がストーカーに殺された男、潮崎。被害者家族によりそいすぎたため、心身を壊し、若くして亡くなってしまった警察官の父を持つ女性刑事の広中。潮崎に対して、一方的に憎しみをいただいている広中は、捜査一課にいきたいという夢があった。その夢がやっとかなう。しかし、捜査一課での相棒は、信じられないことに、潮崎だった――。 介護疲れによってひきおこされた犯罪、オレオレ詐欺に、ひきこもり。巨大団地で連鎖する事件は、やがて最悪の結末をむかえる――。先読み不能のストーリーテラーが用意した、極上の物語ラビリンス。そして最高のカタルシス! 「あなた」も刑事も気づかないうちに、事件はもう始まっていた――。 -
ゾンビがいた季節
1960年代後半、アメリカ西部ネバダ州にある人口50人以下の町・ジェスロー。この町に住む人気小説家のトムはしばらく新作が書けずにいた。やる気のなさをごまかすようにギャンブルに明け暮れるトム。「世界が終わる日が来たら書くかもな」と言う彼を再起させるため、トムの妻であるメグは、ゾンビに扮してトムを襲う計画を立てる。そこに噂を聞きつけた映画監督がやってきて……。 貸したまま戻ってこないイヤリング、信念を曲げて書いた小説、自分を捨て街を去った彼女ーーこんなはずではなかったと思いながら生きる人々に訪れた最大の転機、それはゾンビ映画の撮影だった!! 読後、思わず家族や大切な人に会いたくなる、故郷や過ぎ去った時間についての物語。 -
老害の人
迷惑なの! と言われても。 昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。 そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。 双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。 彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。 「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。 『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾! 定年、終活、人生のあとしまつ……。 自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。 「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。 内館節でさらなる深部に切り込む! -
憂鬱たち
憂鬱=快感! いらいらしている全ての人に 神田憂、ウツイ、カイズ。男女三人が組んずほぐれつする官能的なドタバタコメディ。現実とエロティックな妄想が交錯し暴走する! 神田憂は、今日こそ精神科に行かなければと思いながら、さまざまな事態に阻まれてどうしてもたどり着けない。彼女の周りに出没する年上の男性カイズさんと若者ウツイくんはいったい何者なのか? エロティックな思考が暴走し、現実が歪みはじめる。グルーヴ感のある文体が冴えわたる官能的ブラックコメディ。 単行本 2009年9月 文藝春秋刊 文庫版 2012年6月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
後宮の悪妃と呼ばれた女
簫蘭の帝都・簫京の玄玲帝の皇宮へ輿入れした美しい王女達の中に、砂漠の小国・佳南のカディナ王女は従者と共にいた。だが王女にとって簫蘭は一年前に攻め入られ、父と兄を連れ去られた因縁の国。皇太子妃として皇宮入りし、帝に謁見して彼女が嗜む観相学で凶相を見て以来、簫蘭の波乱をも予感していた。ある夜、カディナは奴婢の泯美の殺人未遂現場に遭遇し、顔相の素晴らしさから助けるも翌日、春鈴淑妃の毒殺遺体が発見されて… -
冷たい骨に化粧
このラスト、中毒必須。 いまもっともアツいBL小説界から一般文芸界へ、新たな才能が花開く! ――残酷な世界を生き延びるため、彼女は唇に嘘を纏った。 夕暮れ時に訪ねてきたのは夫の不倫相手だった。(あやか) 「おじいちゃんを殺した」。母と娘の逃避行ともう一つの秘密。(真夜中のドライブ) 愛する妻に殺されたい。男が挑んだのは命を賭けた悪女の証明。(愛妻家) 作り話が得意なミユは、今日もクラスの人気者。(楽しい話をしてあげる) バス停で出会った不思議な女。その声はどこか懐かしかった。(赤い傘) ほか、全9編を収録。 隠し通すと決めた秘密、守るために握った刃、騙し抜いてほしかった甘い言葉。 その正体に気付くとき、9つの衝撃があなたを射貫く。 衝撃の結末を、心してご堪能ください。 -
マイ・ディア・キッチン
~『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の 大木亜希子が贈る最新作は、“人生が愛おしくなるお料理エンタメ”~ 「ずっと、人に振り回されてきた。私さ、心が空っぽなの。 これからはもっと、自分のために生きたい」 元料理人の主婦・白石葉は、夫のモラハラに耐える日々を送っていた。 財布の紐、交友関係、食事、体型まで徹底的に管理されてきたが、 ある日事件が起きる。家から逃げ出した葉が辿り着いたのは、 街の小さなレストランだった。 ☆大人気料理家・今井真実さんのレシピつき!☆ 自立とはなにか。その答えを葉とともに追う、旅のような物語――寺地はるな(作家) 食べることは、生きること。一つのお店を通して交差するいくつもの人生を追体験して、 何度も心が揺れました。――深川麻衣(女優) -
夜に星を放つ
直木賞受賞! やさしく煌めく傑作短編集 コロナ禍のさなか、閉塞感と、婚活アプリで出会った恋人との進展しない関係に悩む綾。 月に一度、綾の早世した双子の妹の恋人だった村瀬と話すことで気持ちを保っている。 重い喪失感を共有する二人が、夜空を見上げた先には――(真夜中のアボカド) どうしようもないことに対面した時、 人は呆然と夜空を見上げる。 いつか再び、誰かと心を通わせることができるだろうか――。 5つの優しい物語が光を紡ぐ 第167回直木賞受賞作。 【目次】 真夜中のアボカド 銀紙色のアンタレス 真珠星スピカ 湿りの海 星の随に 解説・ カツセマサヒコ 単行本 2022年5月 文藝春秋刊 文庫版 2025年2月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
京都上賀茂、神隠しの許嫁
電子書籍オリジナル【特典SS付き】 幼い頃、神隠しにあい、その記憶を失った人見紅緒は祇園祭前、智積院で洋傘を見つけた。瞬間、見知らぬ見目麗しい白髪の男性と出会い、「迎えに来てくれた」と懐かしさを覚える。翌日、傘に導かれ上賀茂神社近くの『古どうぐや ゆらら』に辿り着き、昨日の彼――眞白と再会。突如、結婚準備を始められそうになり、過去に婚約したと告げられて……? 京都が舞台の、記憶を取り戻そうとする少女が愛を知る和風あやかしストーリー。 -
冥官・小野篁の京都ふしぎ案内
悠久の都、京の町の不思議を紐解く私立移動図書館。現世と天道をつなぐ冥官として現代に生きる平安時代の文人・小野篁が、愛弟子・時子を伴い開いたそこは、迷いや悩みを抱える人や神様の使いたちを導くように、忽然と彼らの前に現れる。 移り行く季節の花々の力を借りながら篁が編み出した本は、手に取った彼らのためだけに向けられた大切な思い出が詰まっていて――。 異界と人とをつなぐライブラリ・ファンタジー“からくさ図書館”の新たなる物語。 -
ついでにジェントルメン
なぜ、私たちは社会と噛み合わないの? 分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。 編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする十九歳女性……などなど、なぜか微妙に社会と歯車の噛み合わない人々のもどかしさを、しなやかな筆致とユーモアで軽やかに飛び越えていく短編集。 目次 Come Come Kan!! 渚ホテルで会いましょう 勇者タケルと魔法の国のプリンセス エルゴと不倫鮨 立っている者は舅でも使え あしみじおじさん アパート一階はカフェー 単行本 2022年4月 文藝春秋刊 文庫版 2025年1月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
もしもわたしがあの子なら
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 平凡な自分にモヤモヤとした気持ちを抱えていた中学2年生のひとみは、交通事故に遭い、気づいた時にはクラス1の美少女で人気者のしずかになっていた。そしてしずかはクラス1の嫌われ者押川さんに、押川さんはひとみになっていて……。接点がなかったクラスメイト3名が入れ替わることで、他人の苦労や葛藤を知り、相手も自分も“ありのまま”を肯定できるようになる物語。第12回ポプラズッコケ文学新人賞大賞受賞作! -
激震
阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と未曾有の災厄が相次いだ一年、 戦後五十年かけてこの国が築き上げたあらゆる秩序が崩れ去っていく……。 昭和史の闇を抉った傑作『地の底のヤマ』の著者が描き出す平成の奈落。 雑誌記者として奔走した自身の経験が生んだ渾身の力作長編。 年明け早々に阪神地方を襲った大地震に衝撃を受け、被災地に駆けつけた ヴィジュアル月刊誌「Sight」記者の古毛は、その凄まじい惨状に言葉を失う。 神戸でも火災被害の激しかった長田地区では焼け跡に佇む若い女と遭遇。 夕方の光を背にこちらを振り向いたときの眼はかつて戦場で出会った少年兵とそっくりだった。 果たして彼女は何者なのか? -
皇后は闘うことにした
結婚は「始まり」に過ぎない。今も昔も―― 「好きでもない女と結婚するのは絶対に嫌だ」「自分たちは宮家に生まれて、あれこれ苦労した」「あの女王さまでは、子どもをお産みになることは出来ないでしょう」――。 さまざまな立場に葛藤する皇族を描いた5つの短編には、読む者を圧倒する”心の内”が綴られる。これまで描かれたことのない、衝撃の短編集。 * 妹の友人に恋焦がれ、ようやく結婚目前まで漕ぎつけた久邇宮朝融王は、彼女にまつわる“ある噂”を耳にし、強引に婚約を破談にした。その後、別の宮家の子女と結婚したものの……(「綸言汗の如し」) 徳川家の若き未亡人・実枝子は、喧嘩の絶えなかった夫・慶久が妾との間に遺した子に愛情を注げず苦悶していた。思い起こせば、あの頃は本当に幸せだったのに。(「徳川慶喜家の嫁」) まもなく結婚の沙汰が下るのではないかというある日、久邇宮家の息子たちは声を潜めて話していた。「内親王はご免こうむりたい」――(「兄弟の花嫁たち」) 九条家の子女・節子は15歳の時に嫁いだ。のちの大正天皇の后(貞明皇后)である。夫は妻を顧みないにもかかわらず子ばかりが生まれ、節子は悲しみに歯を食いしばる。(「皇后は闘うことにした」) 貞明皇后の秘蔵っ子・秩父宮に嫁いだ勢津子もまた、皇后によって選び抜かれた秘蔵の嫁だった。だが、2人の間に子はできず、秩父宮も病を得てしまう。(「母より」) -
赤羽せんべろ まねき猫
ヒット作『妻の終活』の著者が贈る最新の人情ドラマは「親の終活」 父が脳出血で倒れた。 折り合いの悪い父・時次郎と、この10年連絡すら取り合っていなかった42歳の篠崎明日美。実家からは勘当されとっくの昔に母に逃げられている時次郎にとって、一人娘である明日美は唯一の身内である。変わり者の父は16年前から「まねき猫」という立ち飲み屋を営んでいるが、医師には「回復後も麻痺が残る」と言われ、店に立ち続けるのは難しそうだ。「まねき猫」を閉めるしかないと考えていた明日美だったが、時次郎の友人で店の回転資金として300万円貸しているという「宮さん」によると、返済に関しては「『まねき猫』が続くかぎり無期限」ということらしく、簡単に閉店するわけにはいかず……。 果たして、明日美の選択は――。 ※「せんべろ」とは:1000円でべろべろに酔える酒場などの俗称。 -
パンとペンの事件簿
新聞雑誌の原稿に、翻訳、暗号文の解読……。 文章に関する依頼、何でも引き受けます。 どんな無理難題もペン一本で解決してみせる〝売文社″のもとには、 今日も不思議な依頼が持ち込まれて――。 ある日、暴漢に襲われた“ぼく”を救ってくれた風変りな人々。彼らは「文章に関する依頼であれば、何でも引き受けます」という変わった看板を掲げる会社――その名も「売文社」の人たちだった。さらに社長の堺利彦さんを始め、この会社の人間は皆が皆、世間が極悪人と呼ぶ社会主義者だという。そんな怪しい集団を信じていいのか? 悩む“ぼく”に対して、堺さんはある方法で暴漢を退治してやると持ち掛けるが……。 暗号解読ミッション、人攫いグループの調査……。社に持ち込まれる数々の事件を、「売文社一味」はペンの力で解決する! 世の不条理に知恵とユーモアで立ち向かえ。驚きと感動が詰まった珠玉の推理録! -
箱庭クロニクル
『嘘つき姫』で鮮烈デビュー、2作目『海岸通り』で芥川賞候補。 ファンタジックな世界観と異国情緒ただよう文体で読者を魅了する、2024年最大の新人が、文芸界に風穴を開ける。 次世代の「本物」を探すみなさま、この「才能」を、見つけてください。 ~~~~~~ 手のひらのミクロコスモス。地獄の口に何度でも出くわす人生、でも私だけの天国に続く糸も確かに光り、ここにある。この物語の中に。 ーー 一穂ミチ とびきり美しい物語群の中に暗さや裏切りがあって、人間の光と影を同時に見せてくる…才能って“これ”のことね!? ーー佐伯ポインティ 孤立と連帯のあわいを揺れる不器用な人間の心。その迷宮の出口は、意外なところに開いている。 ーー千街晶之 注目作家の変幻自在っぷりが炸裂。一編一編異なる魂を持つ、驚異的な短編集。 ーー瀧井朝世 坂崎さんの紡ぐ、宝石箱がきらめくような言葉づかいに、もう、夢中です!!! ーー三宅香帆 ~~~~~~ ★収録作品★ 「ベルを鳴らして」(日本推理作家協会賞短編部門受賞作) そこにひとつの戯画がある。家一軒ほどの大きさのタイプライターだ。 「イン・ザ・ヘブン」 地獄はどこにでもある。内とか外とか関係ない。 「名前をつけてやる」 これは「バッグ・クロージャ―」これは「ランチャーム」これは「ポイ」 「あしながおばさん」 拝啓 盛夏の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 「あたたかくもやわらかくもないそれ」 ゾンビは治る。マツモトキヨシに薬が売ってる。 「渦とコリオリ」 水流は左に渦を巻いている。 邦文タイピストの少女がついた歴史を変える嘘や、禁書運動家の母親を持つ少女の始祖サンドで繋がれた絆、流行り病「ゾンビ」で親友を亡くした女性の不思議な一晩etc. 人生ベストの一編が、ここに。 -
日の出
「あんなふうになって死ぬのは絶対にいやだ」――明治の終わり、戦争で変わり果てた父を見た13歳の清作は、徴兵から逃れ故郷を飛びだす。北陸から九州、そして横浜へと逃れながらも、商家の息子・幸三郎の協力のもと、鍛冶職人として生きる清作を、数々の試練が襲いつづける。一方、清作を曾祖父にもつ現代の女子大生・あさひは、中学校の社会科教師になったばかり。先祖を調べていたある日、学校で朝鮮半島の歴史問題に直面し…。時代をへだてたふたりの希望の光が、小さく輝きはじめる。各メディアが大絶賛! 数多くの高校受験向けの教材で使用された感動長編!! -
日比野豆腐店
ベストセラー『ひと』の著者による じんわりと心に染みる家族小説 東京の町なかにひっそりと佇む「日比野豆腐店」。 店主の清道を亡くした日比野家は、 厳しいながらも手を取り合って店を切り盛りしていた。 店を終わらせようとしている祖母の初。 亡くなった夫の代わりに店を続けたい母の咲子。 店を継ぎたいのかどうか、将来に悩む令哉。 そして、「ある人」と一緒に三人を見守る飼い猫の福。 「日々の豆腐」という意味も込められた豆腐屋で、 ひたむきに生きる人たちを描いた心揺さぶる家族小説。 ●著者より● 『日比野豆腐店』。僕自身の主食とも言える豆腐を扱った作品です。 何というか、もう、書くこと自体が楽しい小説でした。 つらいことも起きますが、それでも楽しいのだから不思議です。 そしてそれは僕にとってとても大事なことです。 その楽しさは読んでくださるかたがたにちゃんと伝わるでしょうから。 皆好きななかで特に好きな登場人物(?)は日比野福です。 家族に豆腐に福。すべてを楽しんでいただけたらうれしいです。 ●目次● 日比野初 -断章 日比野福- 日比野咲子 -断章 日比野福- 神田七太 -断章 日比野福- 日比野令哉 -断章 日比野福- -
恋とか愛とかやさしさなら
プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。 カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が“出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。 信じるとは、許すとは、愛するとは。 男と女の欲望のブラックボックスに迫る、 著者新境地となる恋愛小説。 わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。 ――高瀬隼子(作家) 僕はこの物語を、生涯忘れることはありません。 ――けんご(小説紹介クリエイター) 女性が置かれている地獄のある側面が突きつけられる。 ――スケザネ(書評家) -
ポップ・フィクション
エンタメの深層をつかめ。 大正時代、出版華やかなりし頃。 「市民公論」編集部の松川は、窮地に立たされていた。 担当した企画のせいで、筆者が大学を追われることになったのだ。 奔走する松川に、主幹は驚きの決断を下す。 同じころ、当代きっての人気作家・菊谷は、 「書きたいものを書く」ための雑誌を立ち上げようとして…… 「100万部突破の常勝雑誌を作る」宿願は叶うのか? 徳川夢声、谷崎潤一郎―― 作家や文化人たちが侃々諤々の議論を交わしながら、 面白いものを作ろうと奮闘する様を描く。 刊行点数200冊に迫るエンタメ界のトップランナーが送る、出版お仕事小説。 -
ミニシアターの六人
上映最終日前日、午後四時五十分の回の奇跡。 銀座のミニシアターで、二年前に亡くなった末永静男監督の追悼上映が行われている。二十一年前に公開された『夜、街の隙間』、上映は一週間だけ。最終日前日、午後四時五十分の回。天気は雨、観客は六人だった。 この映画館で働いていた三輪善乃は、公開当時にチケット売場の窓口にいた。山下春子にとっては、大学の同級生と成り行きで観に行った作品だ。自主映画を撮っていた安尾昇治は、末永のデビュー作でその才能を目の当たりにし、道を諦めた過去がある。沢田英和は、この作品に元恋人との苦い思い出があった。誕生日デートのはずだった川越小夏は、一人でスクリーンを眺めている。映画監督を目指す本木洋央は、生物学上の父親が撮った作品を観に来ていた……。 観客たちの人生と、『夜、街の隙間』のストーリーを行き来しながら、出会いとすれ違い、別れを繰り返す日々の中にある奇跡を鮮やかに描く。 『ひと』『まち』『いえ』の著者が、銀座という街とミニシアター、そこに集う人々、そして映画への愛を描き切った渾身の人生讃歌。 限られた人生の中で「映画」と出会えた幸福を、この小説はあらためて教えてくれた。 ──脚本家・向井康介さん(解説より) ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ミニシアターの六人』 の文庫版となります。 -
トラッシュ
いじめ、差別、虚無感、愛されない苦しみ、親との確執……それぞれの理由で集団自殺を試みた6人の若者達。しかし、闇サイトで入手した薬が偽物で、全員生き延びてしまう。「一遍死んだんやから、もう怖いものはない」。自分たちを死の淵に追い込んだ「加害者」に対し、6人は犯罪も辞さない世直し活動を始める。ドラッグ売人狩り、差別団体へのテロ、そして首相暗殺。その過激な行為で世間の賞賛と非難を浴びながら、6人の活動はエスカレートしていき……誰が本当の屑(トラッシュ)なのか。小説すばる新人賞受賞後第一作。雑誌連載時から賛否を巻き起こした問題作。文庫化にあたり結末を大幅に修正した完全版! -
探偵はパシられる
「パシリ」によって培われた、知識と経験で謎を解け! 発売前から話題騒然! 現役書店員芸人であり、「アメトーーク!」で読書芸人として話題のカモシダせぶん氏、まさかの小説デビュー作。 物語史上最弱主人公爆誕。中学時代、カツアゲにあった、あの頃の俺に贈りたい本。――山里亮太さん(南海キャンディーズ・芸人) 令和のパシリと番長は一味違う! 新しいのにどこか懐かしい一冊です。――宮島未奈さん(小説家) 芸人で書店員のカモシダくんがとうとう小説まで書いちゃった!? これは事件です!!――東村アキコさん(漫画家) 〈STORY〉神奈川県立N高校の番長・丸木のパシリである岡部太朗は、「お使い先」で数々の事件に巻き込まれる。丸木のもとに早く戻らなければならない太朗は、最速で事件を解決する!? N高への転校早々、舐められないようにカツアゲをすることにした原田は、岡部太朗という生徒から金を巻き上げることに成功する。しかし太朗から、逆にカツアゲの不手際を指摘されてしまい……(「ファーストカツアゲ」) 仕事前にあんパンを買うことを日課にしている木梨は、残りひとつしかないあんパンを巡り、太朗と取り合いに。番長のために絶対にあんパンを買うと言い張る太朗に対し、木梨にも譲れない理由があり……(「最後のあんパン」) ――など、爆笑と衝撃の全9編を収録。 -
新 謎解きはディナーのあとで2
シリーズ大ヒット!新章始動から3年ぶりの第2弾! 執事探偵×令嬢刑事コンビの国民的ユーモアミステリ、 新章スタートから3年ぶりの第2弾! 「お嬢様の素晴らしすぎるお考えは、 残念ながら『休むに似たり』でございます」 1 笠原邸の殺人 自宅にて、絞殺死体で発見された資産家の老人。 現場にはなぜ割れた大皿が散らばっていたのか。 2 灰色の血文字 アイドルの撮影中にスタジオで芸能事務所の社長が殺された。 ダイイング・メッセージらしき血文字“アキラ”の意味は? 3 浜辺のパラソルの問題 別荘のある島での婚約披露パーティに招かれた麗子と影山。 しかし、主役がビーチパラソルの下で死体となって見つかる。 4 服を脱がされた男 多摩川の河川敷で全裸の変死体が発見された。 犯人はなぜ被害者の衣服を奪ったのか。 5 四回殺された女 ワンルームで見つかった若い女の首吊り死体。 殴って絞めて刺して吊るして――前代未聞の殺し方の理由とは!? “迷”推理を繰り広げる風祭警部に、“空気読めない”後輩の愛里ちゃん。 2人に振り回されながら、麗子は影山と5つの難事件に挑む! (底本 2024年9月発行作品) -
半島へ
「海松」を超えた、究極の「半島物語」。東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作「海松」を超えた、究極の「半島物語」。谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作! その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで――。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために――。川端賞受賞の名作「海松(みる)」を超えた、究極の「半島小説」 顔を上げると、樹間で朝を待つものたちの気配がした。たぶんメジロやウグイス。どこに巣があるのかわからないが、葉擦れや枝のこすれとは違う音がする。寝覚めの脳に届いたのは身じろぎする鳥たちの気配だったのかもしれない。やがて、森のあちこちに青みを帯びた筋が差しこむ。樹間に広がる光の筋は、やがて明るい金色を帯びていった。途端に森の奥から、鳥の声がにぎやかに聞えてきた。なかに「リッカ、リッカ、ピイィ」と鳴く鳥がいる。そういえば、今日は立夏。東京から半島にきて、もう一ヵ月がたっていた。――<本文より> 第47回谷崎潤一郎賞受賞作 解説・木村朗子 -
後宮に紅花の咲く~濤国死籤事変伝~
入宮した高明珠は、困窮する実家への仕送りのため、他の妃たちに「男児が産まれない」護符や怪しげな品々を密かに売っていた。濤国には、帝の男児を産んだ母は殺される貴母投法という習わしがあり、妃たちは男児を生みたくなかったのだ。十分に気をつけていた明珠だが、突然帝に呼び出され、商売の交換条件として、ある探索を命じられる。帝は貴母投法を廃そうと、密かに動いていたのだった。明珠に課された探索とは――! -
働く女子に明日は来る!
働く女子にエールを!超前向きお仕事小説。 「やれることをやれ、目の前の仕事に全力で取り組め。そうしているうちに…動かねえと思ってたもんが動き出したりするもんなんだ」そんなメッセージが込められた人気小説が文庫化です。 今日も明日も、心身共にハードワークが待っている…! そこは、テレビドラマ制作の現場。主人公の時崎七菜(31才)は、制作会社のアシスタントプロデューサ-(AP)。尊敬するプロデューサー(P)の上司・頼子をお手本に、連続TVドラマ『半熟たまご』の現場で日々格闘中。クセの強い面々との仕事には、毎日トラブルが頻発状態。元来マジメで不器用な七菜は、トラブルがあった時も、美味しいロケ飯を心の支えにひとつひとつ乗り越えていく。そんなある日、先輩の頼子からPを引き継ぐことに。次々と襲いかかるピンチ。そして、ついには前代未聞の大ピンチに!果たして、七菜はどうする? 働き方改革、パワハラ、モラハラ、働く女子の恋愛事情・・・・・・イマドキのお仕事問題をはらみつつも、ハートフル。働く女子の背中を包み込み、優しく押してくれる、令和版前向きお仕事小説です。読めば元気になること、間違いなし、です! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『働く女子に明日は来る!』 の文庫版となります。 -
波の上のキネマ
尼崎に祖父が創業した小さな映画館「波の上キネマ」を継ぐ安室俊介。座席数100余りの小さな映画館は、収益を上げることは年々難しくなっており、ついに新聞に「年内に閉館する見通し」との記事が出てしまう。そんなある日、創業者である祖父の名前を出した問い合わせが入る。それがきっかけとなり、祖父の前半生に興味を持った俊介は南へ向かう。祖父は脱出不可能な絶海の島で苛酷な労働を強いられていたが、そこにはジャングルの中に映画館があったという。祖父はなぜその島に行ったのか。なぜ映画館があったのか。運命に抗う祖父が見たものは……。壮大なスケールで描く驚嘆と希望の長編小説。 -
Phantom ファントム
FIREの先は薔薇色なのか? 幻影に覆われた現代を巧みに描いた傑作小説 外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、 生活費を切り詰め株に投資することで、 給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。 恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、 とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。 そのアップデートされた物々交換の世界は、 マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。 やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、 華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。 高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。 自らの価値観と生き方を問われる、いま読まれるべき傑作小説! ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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