少女を埋める

少女を埋める

1,500円 (税込)

7pt

著者初の自伝的小説集。
因習的な故郷に、男性社会からのいわれなき侮蔑に、メディアの暴力に苦しめられた時に、
「わたし」はいつも正論を命綱に生き延びてきた――

7年ぶりに声を聞く母からの電話で父の危篤を知らされた小説家の「わたし」は、最期を看取るために、コロナ禍の鳥取に帰省する。
なぜ、わたしの家族は解体したのだろうか?
長年のわだかまりを抱えながら母を支えて父を弔う日々を通じて、わたしは母と父のあいだに確実にあった愛情に初めて気づく。
しかし、故郷には長くは留まれない。そう、ここは「りこうに生まれてしまった」少女にとっては、複雑で難しい、因習的な不文律に縛られた土地だ。
何度埋められても、理屈と正論を命綱になんとかして穴から這い上がった少女は東京に逃れ、そこで小説家になったのだ。

「文學界」掲載時から話題を呼んだ自伝的小説「少女を埋める」と、
発表後の激動の日々を描いた続篇「キメラ」、書き下ろし「夏の終わり」の3篇を収録。
近しい人間の死を経験したことのあるすべての読者の心にそっと語りかけると同時に、
「出ていけ、もしくは従え」と迫る理不尽な共同体に抗う「少女」たちに切実に寄り添う、希望の書。

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少女を埋める のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    例の事件からずっと気になっていたのでようやく。めちゃくちゃ面白くて一気に読み。前半「少女を埋める」は、主人公と母親、祖母の関係性を自分と照らし合わせる部分もあったり。噛み合わない部分があることと、好き嫌いは別物だよね。きちんと尊重できるかって大切ね。

    後半「キメラ」「夏の終わり」は、文学を齧った者

    0
    2025年04月29日

    Posted by ブクログ

    すごく「今」読みたい本だった!!!!!
    親の喪失を通して色々考えたり経験したことを私小説に落とし込んでいる作品。
    「わきまえろ、同化しろ、さもなくば立ち去れ」というメッセージを送ってくる共同体(個人よりも共同体の維持が優先され変革をもたらす存在を排除する)に対し、わきまえないし、出て行かない、そのま

    0
    2024年09月25日

    Posted by ブクログ

    私小説の面白さ、「読み」の面白さを伝えてくれると同時に、今を生きる女性たちに、ひとつの戦い方を教えてくれる。確かに、勇気付けられた。

    0
    2023年05月14日

    Posted by ブクログ

    読んでいる最中はいろいろと考えて「しんどいな~(._.)」と思ったけれど、読み終えると良い感じに脳みそを使えてスッキリとした感じに♪ヽ(´▽`)/そうやって再定義しながら生きていくんだなぁ(゜ー゜)

    0
    2022年07月09日

    購入済み

    少女を埋める

    直木賞作家の冬子は父の死に際し、7年間帰っていなかった地元鳥取に戻る。
    そこで触れる母や地元の人の姿を通して、根強い家父長制や母子密着、共同体や個人に思いを馳せる。

    自分なりに「少女を埋める」のあらすじとして上記のようにまとめてみたのですが、作品の魅力が伝わらないことがあるかと思いますので、とにか

    0
    2022年03月19日

    Posted by ブクログ

    大好きな桜庭一樹さんのエッセイ?私小説?
    冷たくてヒヤリとする物語を編む桜庭さんの感情や矜持が見えた

    0
    2025年11月29日

    Posted by ブクログ

     これは、小説なのか?私小説とはなんなのか?

     地方の、この押し潰されていく感じ、箱に入れられる感じ、話ができない様。自分の一部でもあるから捨てられないんだけど、うんざりする思い。この息苦しさが、わからない人がいることがショックだった。
     そして、自分が肌感覚でわからない、頭でどうにか想像してわか

    0
    2025年09月19日

    Posted by ブクログ

    田舎帰省。家父長制。Cさん嫌だ。論点をすりかえるな。
    明るくネガティヴなことを言うとしらける確かに気をつけよう

    0
    2025年08月04日

    Posted by ブクログ

    なんて言葉と深く向き合って、責任を持っているのだろう!無責任な言葉ダダ漏れの私が「本が好き、本に携わる仕事がしたかった」なんて言うのも憚られる。美容院でこんな髪型でって上手く伝わらなかったり、伝えたつもりが違う意味で取られたり。言葉や文章難しい。言葉とも世間とも自分自身とも対峙する冬子、かっこいい!

    0
    2025年01月18日

    Posted by ブクログ

    ここは森の中だろうか?
    穴の中にうずくまる動物がいる。裏表紙を開くと小さな赤ちゃんもいてびっくりした。『少女を埋める』は淡いピンク色の本で、厚さや手触りはまるで"日記"のようだ。

    『私の男』で著者を知り、上手い作家さんだと思っていたら、第138回直木賞を受賞された。
    本書には、

    0
    2022年09月22日

少女を埋める の詳細情報

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