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死にたい、と願うのはエゴですか?
生きていて、と望むのは愛ですか?
~死と向き合っている医師だから書けた、現代人のエゴイズム、そして愛と情~
このごろ、「早く日本でも安楽死を認めてほしい」という人が増えた。
その先にどんな未来が待ち受けているのか、書きたかった。(著者)
あらすじ:2024年、オリンピックで疲弊した東京はすっかり元気を失っていた。
人気女流作家の名をほしいままにしていた澤井真子はアルツハイマー型認知症と診断をされ、
小説が書けなくなる前に死にたいとある決断をする。一方、補助人工心臓手術の名医として
名を上げた尾形紘は、緊急搬送された大手自動車メーカー会長の手術執刀を拒否し、心臓移植
待機中の少女の手術に向かったため、大学病院内外から批判の矢を浴びる。失意の中、医師を
辞める決意をした彼に下されたミッション。それは、安楽死特区の主治医となり自殺幇助に
加担せよ、という受け入れがたいものであった。さらに、かつての東京都知事、池端貴子は
日本初の孤独担当大臣に国から任命されると、末期がんであることを明かし、
「私が、安楽死特区の第一号として死にます」と記者会見を行う…
女と男、それぞれの「死にたい」物語が交差したとき、前代未聞の事件は起きた。
Posted by ブクログ 2021年02月28日
読みやすくも感情が伝わってくる文章。
作者が医者で本作が小説としては処女作だと知り驚いた。
2024年の日本に安楽死特区が作られ、そこに関係する数人の人物を通して、安楽死は本当に正しいことなのか?また、辛く痛い思いをしている人を無理に生かすことは必要なのか、その両方を描いている。
正直最後のどんで...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月13日
めちゃめちゃ近未来の4年後のお話。東京五輪が失敗し、もうすぐそこに見えているのが恐ろしい。書いてるのがお医者さんだけあってその辺リアリティが凄い。
日本の超高齢化社会の財政逼迫の解決手段として、安楽死特区を作ってみてそれをスタンダードな政策に出来ないかと実験的にやってみたお話。いわゆる緩和ケア、ホ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月21日
既に日本の医療保険制度は崩壊してると思う。医療の進歩、高価な薬、高齢者の増加など。これからは、一定の年齢になったら、濃厚治療を保険で行わず、自費で行うのも仕方ない。金持ちが長生きする時代が来るのだと思う。
そこにこの安楽死問題は欠かせない。筆者はあとがきで「現実にならないことを祈る」そうだが、それで...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月06日
ちょっと、いや…だいぶ重~いタイトル!東京オリンピック後の日本…高齢社会により社会保障費が増大し国の財政状況は悪化の一途を辿っていた…。2024年、国と東京都はオリンピック関連施設やその周辺住宅地や施設を買収するとともに、法整備をすすめて「安楽死特区」をスタートさせた。末期がんで余命宣告を受けてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月28日
コロナ禍前に書かれた医療小説。
人はいかに生きるか、いかに死ぬか。
苦しみ抜いて、苦しませ続けて、生きる、生かすべきなのか。どこまで自己決定が許されるのか。
枯れるように死ぬ。それが叶えばベストだと思う。
ただ恐れ遠ざけるのではなく、死を見つめ、受け入れ、生をよりよいものにするのが大事だと思う。
死...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月19日
長尾先生の小説。
先生の本音があちこちに書かれている。
安楽死をテーマにした本はいろんな方が書かれているが、やはり考えても悩んでも答えが出ない
実際にどんながんも完全に完治する未来がきたとしたら、亡くなる人が減ってますます超高齢化が進み、社会が立ち行かなくなると気がする
将来、死に時を選べる日...続きを読む
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