サザンや桑田佳祐の楽曲を歌詞の観点から分析した一冊。バラエティ番組にも積極的に出るメディア露出のイメージから大衆的、清濁の濁の文脈で語られがちな存在だが、それは完全に過小評価だと分かる。そういったタイアップ戦略もあって恐らく日本人なら(少なくとも受動的には)聴いたことのあるサザンの歌詞がこんなに深い...続きを読むものだったとは。でも本書が素敵なのはそういった考察をしながら「まぁでも難しいこと考えずに聴いてみなよ。気持ちいい名曲ばかりだよ?」というスタンスを採っていることだと思う。自分自身もソロ2枚目のベストアルバム『TOP OF THE POPS』のCDを学生時代に買って聴いてた頃の記憶が蘇ってきた。カラオケで何度も歌ってきた「芥川龍之介がスライを聴いて“お歌が上手”とほざいたと言う」が声に出して歌いたい日本語の最高峰という評価には首肯しかないw