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「80年代」と書いて、「EPICソニー」と読む――。先進的な音楽性により80年代の音楽シーンを席捲したレコード会社「EPICソニー」。レーベルの個性が見えにくい日本の音楽業界の中で、なぜEPICだけがひと際異彩を放つレーベルとして君臨できたのか? そして、なぜその煌めきは失われていったのか? 佐野元春《SOMEDAY》、渡辺美里《My Revolution》、ドリカム《うれしはずかし朝帰り》など名曲の数々を分析する中でレーベルの特異性はもちろん、当時の音楽シーンや「80年代」の時代性が浮かび上がっていく。佐野元春ロングインタビュー収録。
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Posted by ブクログ
これまでも著者の音楽についての著作を楽しんできました。軽くて深くてマニアックでメジャーな語り口は相変わらず。だけど今回は今までとちょっと違った切り口です。「サザンオールスターズ 1978-1985」「中森明菜の音楽1982-1991」のように特定のアーティストに焦点を当てたもの、「カセットテープ少年時代 80年代歌謡曲解放区 (1)」「イントロの法則80's 沢田研二から大滝詠一まで」のように楽理に焦点と当てたもの、「恋するラジヲ」のように著者自らの個人史で音楽を語るもの、そのどれもが新鮮で、まさにマキタスポーツが言うように「音楽評論はスージー鈴木 以前以後で分けられると思う、マジで。」ですが、今回の着目はレーベル。「80年代」と書いて、「EPICソニー」と呼ぶ、は本書の帯の惹句ですが、その当時、なんとなくしかわかっていなかったEPICの音楽の革命性を40年遅れで腹落ちしました。佐野元春のアンジェリーナがFMから流れてきた時の新鮮な感覚を思い出しました。そういう意味では本書に収められている「ミスターEPICソニー」佐野元春の相変わらず歯切れのいいインタビューは本当にこれが文字になって後世に残ったよかった!著者ならではの質問に佐野元春ならではの答え、面白いです。アーティストだけではなく、もうひとりの「ミスターEPICソニー」、このレーベルの創業者である丸山茂雄を取り上げたのも、この新書の功績だと思います。彼のインタビューはないですが、彼の部下のプロデューサー、小坂洋二へのインタビューも面白いです。著者いわく、「ニューミュージック」と歌謡曲とロックの中間地点、それは「ニューミュージック」と「Jポップ」をつなぐものー歴史としてレーベルが作り上げたものを、あらためて著者自身が発見していく感動に巻き込まれました。
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