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『竹取物語』の世界に生きる内気な姫さよと勝気な姫ごう。自由を求め物語の神に反旗を翻した二人は、『源氏物語』『蟹工船』など物語の結末を書きかえてゆく!痛快名作エンタテインメント。
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Posted by ブクログ
藤原道綱母、と聞いたときに『こんな有名な人なのに、XXのお母さんとか、Aの娘とかじゃなくて、本名分からないの??』と思ったことがある方は必読の1冊。 かぐや姫や舞姫等の物語世界の中で自我を持ってしまった女二人の冒険譚、なのだが書いてあることが全部現実とあまりにもReflectiveなので、読みながら...続きを読むちょっと辛くなる。これからの物語と女性の中からは、ミソジニーが消失しますように。 そして作者はホラーの名作、トンコ書いた人なのか…作風が幅広くてすごい。
和風ファンタジー小説と思って読んでいたら、和風は和風だけど、日本の女性の権利や扱いを古今の有名作品のパロディから紐解くみたいな話になっていた。 正直なところ、こういう「女性の解放」みたいな話はあまり興味はない。 声を上げたってどうにもならない気がするからだ。 子供の頃から男子が掃除をサボっても大し...続きを読むて咎められないのに対し、女子がそうすればクラス全員がサボったと説教を受け、男女同じように気が付かないことでもそれが女であれば親族や職場から馬鹿にされる。 ごく当たり前のこと、例えば公共の場やいろんな人を対象とするポスターなどで、女性を消費するような性的な含みのあるイラストを使わないで欲しいといった声でさえ、「表現の自由の侵害」「フェミ」などと叫ばれ潰される。 ただTPOを守って欲しいだけなのに。 もちろん、男性には男性の苦しみがたくさんあるのだろう。 それでも日本の政治家も経営者もほとんどは男性で、世の中の実権は男性が握っている。 更に争いになれば肉体的な強さでは女は男に敵わない。 男を殺す女より、女を殺す男の方が圧倒的に多い。 そういう怖さ悲しさは男性にはわからないんだろうなと思うことがしばしばある。 そういうことを、普段考えないようにしていることを思い出してしまうから、「女性の解放」のような話は苦しいのだ。 この本でも心の蓋がぱかっと開いて、とめどなく嫌だったことが溢れ出てとてもしんどかった。
どこまで行けば、めでたしめでたし? 物語の神は男中心の物語を描いていく。その中で、自分たちの幸せを目指そうと、自分の描きたい物語を描こうとする「さよ」と「ごう」。何度も何度も物語の神に挑み、退場させられて、それでも描き続ける物語のハッピーエンドは——。 そうなんだよなぁ、と読み終わって一言。平安...続きを読む時代から脈々と、女の幸せとは〜と"教えてくれる"物語が続いてきた。この令和の今でさえ、幸せな女性の生き方とされる物語はどこかいびつなままだ。「さよ」も「ごう」も、ずっと挑み続けている。それでも相手は「神」だ。幸せな結末はまだ見えない。 しかし、この本で「正しい物語」である「女性の幸せな生き方」が描かれなかったことこそ、答えだと思う。誰かに「正しい物語」を与えられることこそおかしいのだから。
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