無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
人も町も伝統も、変化しながら生きていく。今の時代の優しい近郊小説。――瀧井朝世(ライター) 未来を照らすのは受け継がれる心意気。温もり溢れた人生賛歌の物語! ――内田剛(ブックジャーナリスト) 後継者不足に悩む老舗人形店に、外国人の若い女性が弟子入り志願!? お人好しな若社長は、仕事に恋に大奮闘! 亡き父のあとを受け、森岡恭平が社長を務める森岡人形は、低迷する売上、高齢化した職人の後継ぎ不在と、問題が山積。さらに恭平自身の婚活問題も難航しており……。そんなある日、職人たちが足繁く通うパブで働くクリシアというフィリピン人女性が、社屋を訪ねてきた。職人の一人が、酔った勢いで「俺の弟子にしてやる」と、彼女に約束したと言うのだが……。笑って、泣いて。読みどころ満載のハートフル・ストーリー。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
雛人形職人や製作現場の現状を通して、伝統工芸やそれに支えられ発展してきた町の変化を描く、お仕事小説。
* * * * *
雛人形職人の世界や製作現場の現状が端的に書かれていて、わかりやすかった。
匠の業の継承や後継者不在という問題は、今やあらゆる伝統文化の世界に共通しているのではないでしょうか。その原因は無意味としか思えない因襲に起因するところが大きいと思います。
昔気質の職人たちの無駄に封建的な意識が変わらない限り、伝統文化は廃れていく一方でしょう。そこに気づいて少しずつでも改革していく必要に迫られているのが、伝統文化の世界だと思います。
本作でも、主人公の恭平が組合の年寄り連中に気遣いつつも、新しい制度作りに心を砕いていました。そして本作の魅力になっているのが恭平を支えるスタッフ、中でもクリシアの存在でした。人物設定の妙。このあたりは作者のうまさだと思います。
山本幸久氏の作品はコミカルで軽いものばかりと思っていたので、本作のような正攻法(?) の作風のものは新鮮で面白く、一気読みしてしまいました。
欲を言えば、恭平と寿々花の仲がもう少し進展したところまで読みたかった。特にモモちゃんをもっとうまく動かして欲しかったと思いました。
Posted by ブクログ
そろそろ雛祭りの時期である。
そして、最近テレビで、水墨画と雛人形について是非見たいと海外から女性が来日している番組を見たところだった。
雛人形は、頭師、着付師、髪付師、手足師、小道具師とそれぞれを分業で作っている。
ひとつひとつ、手作りで魂をこめて作っているのが、よくわかった。
そして、時代によって、代理雛の顔も変化しているのを知り、とても感慨深く伝統の凄さも感じた。
そのあとこの本を手にしたので、最初からすんなりと入り込めた。
この物語は、独身の恭平が、亡き父のあとを継ぎ人形職人をしながら社長として、高齢化した職人たちといっしょに奮闘していく話である。
伝統を継承しながらも今の時流に沿っていくこと、そして繋げていくことが、とても難しいのだと思った。
突然弟子入りした、前向きなフィリピン女性により、新たな風が入ってきたようで、いろいろな角度から物事が見えるようになったのでは…と思えた。
そして、修復した一つの仕事から世界へ向けての新たな仕事へと繋がる。
恭平のプライベートも独身は卒業か?と思わせる彼女の存在。
とても心温まる話だった。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。