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縫製工場で働く大神は、受注した制服のデザインを盗作ではないかと疑うが、指摘できずにいた。ある日、職場体験に来た中学生キクチと触れ合ううち、事なかれ主義になっていた自分に気づく。俺はいつからこうなった? 自問する大神の中で、何かが少しずつ変わっていく……(「一匹羊」)。職場で、家庭で、小さな町で。新しい一歩を踏み出す人々を描く、傑作短編集。
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Posted by ブクログ
一歩前へ踏み出せば、新しい景色や違う自分が発見できるかもしれない。流されるまま日々を過ごしかねない私たちに、ビタミン補給してくれる短編集。 大きな出来事が起きる訳ではないけど、「ああ、いいなあ」としみじみさせる物語ばかり。山本さんの真骨頂的展開を九つも楽しめる。文庫版のお楽しみである書き下ろし短編も...続きを読む付いて、とてもお得。
短編集。どれも読後感がよくて、疲れた時に少しずつ読むといいかも。 表題作である「一匹羊」が、私は好きだ。山本幸久の、お仕事の話が好きなんだと思う。半径3メートルくらいの出来事をきちんと自分事としてまっすぐとらえ、自分の意思で歩いていくような人たちを見て、少し元気になって本を閉じる。
短編集。 職場や現状に対する鬱屈とした主人公の苛立ちと、 その中で起きる事件によるちょっとした心情の変化 について書かれる構図が多い。 (そして個人的には好みの構図である。) 「どきどき団」、「テディベアの恩返し」 あたりが面白かった。 著者はお水の人となんかあったのか、 と思うくらいお水関係...続きを読むの人が良く登場する。 あとがきの解説がたまたま最近読んだ本の 著者だったので、あわせて応援したくなる。
山本幸久の何を最初に読んだのだったか。『ある日、アヒルバス』だったか『男は敵、女はもっと敵』のどちらかだったように思います。どハマりして大人買いしたけれど、読み切れず積んだままになっていたものが多数。 久しぶりに読んでみたら、ハマったときほどの面白さは感じない。だけどやっぱり落ち着ける。突飛なこと...続きを読むは何もない、私を含めてその辺に居そうな人たちの、日々の些細な不満。そしてそれをほんの少しだけ向こうに吹き飛ばしてくれるささやかな幸せ。 読み終わった後に頭の中に流れるのは、第一章のタイトルのせいで本文とはあまり合わない石野真子(笑)。
ホッコリする話の詰まった短編集。 何が言いたいのかわからない話から、元気をもらえる話と、ムラがありながらもすんなり読める。 得るものはないが、のんびりしたい時にはよい本だと思います。 私は最後の町おこしの話が良かったです。
読後、「明日、今までやらなかったことを1つやってみようかな。」と思う。「現実的な前向き」とのレビューに同感! 無理はしてないけど、誠実な登場人物達にキュンとしました。
短編集。 モヤモヤした気分がスッキリするような話が多かったような気がする。 私の気分に合っていたのかも。 山本さんの作品は別の作品の登場人物が出てくるのが、密かな楽しみ。 2018.2.11
夜中に紫葉漬と一匹羊がよかった。 「失礼だがあなたは自由に見えません。」 自由って、なんなんだろう。
山本幸久の短編集、どの作品の主人公も、どこにでもいそうな、人間臭い人たちばかり。そしてどこにでもありそうな話で、とんでもない不幸があったりとか、ゴールデンラッキーがあったりということは一切ない。街中にあふれている普通の話ばかりである。 が、そういうのを書かせると上手いのが、この作者。どの作品も余韻...続きを読むがいいねんなぁ。「この後、この人はもう人頑張りするんやろな」とか「ちょっと一息入れるんかな」ってな終わり方。 こういうのを読むとじゃ俺も、今抱えているちょっとした(でも俺にとっては少々やっかいな)問題に手を付けてみよっかな…みたいな勇気が湧く。 山本作品の常連キャラもちょいちょい出ていて、そういうお楽しみもある。
2016/2/17 この人の本はいい。 現実的に前向きなお話だ。 私もちょっとだけがんばろうって気になる。 短編で、そのどれもがそうだった。 この人たちがちょっとがんばってその後どうなったのかまた教えて欲しい。 ちょっとがんばれる人になろう。
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