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Posted by ブクログ
「ダンデライオン」とは、たんぽぽのことですが、たんぽぽと聞くと黄色い花を想像してしまいます。この本でのダンデライオンは白い綿毛のイメージです。子供の頃、よく息を強く吹きかけて飛ばした綿毛です。風にのればどこまでも飛んでいきそうな感じでしたね。
本のストーリーは、過去に戻って見知らぬ少女を助けるというものですが、構想がしっかりしていて楽しく読めました。
もし、過去に戻れるとしたら人は何をするのでしょうか?不慮の事故や病気で亡くなった大事な人を何とか救いたいと考えるでしょうし、地震や台風とかの自然災害の被害を小さくしようとするかもしれません。そして自分自身の人生をやり直すためにちゃんと勉強するという人も少なくないかもしれませんね。
でも現実は過去には戻れないので、なんとか今を精一杯生きたいと思います。(そんなことはすぐに忘れて時に流されていってしまうのですが...)
人間も綿毛と同じように、その時に吹いた風の強さや方向によって人生が変わってしまうのかもしれません。それでも着地したところに根を張って、もがきながら生きていくしかないですね。
Posted by ブクログ
何だか少し前に読んだ『フーガはユーガ』と重なるところがあるんだけど、本作では11歳/31歳の主人公同士の精神が入れ替わる、一般的に言うところのタイムスリップ(タイムワープ)を扱っている。
個人的にタイムスリップ作品は大好きなのと、中田永一名義なので当然切なさ要素も入ってくるはず、というわけで期待して読み始めた。
本作ではタイムスリップでは必ず発生する諸問題、例えば「過去に戻って歴史を変えたら今の自分はどうなるの?」あたりはあまり深く突っ込まれることはない。そういったSF事象の理屈付けに終始するような展開ではなく、とりあえずタイムスリップすることを前提条件に据えて、謎解きミステリの要素を前面に出し、主人公が関わる事件のプロットを相当細かく作り込んでいる点が面白かった。
20年間のインターバルがあるわけだから、長くしようとすればいくらでも長くできたと思うけど、本筋とは関係ない部分を極力削ぎ落とした構成も好印象。それがかえってライトすぎるとか、深みがないとか見られてしまっている向きもあるみたいだけど、個人的にはこれくらいのシンプルさが好みだ。
そしてタイムスリップ後の、誰も知ることのない「未来」は自分自身で切り開くんだという、ありがちっていえばありがちなメッセージを陳腐にならず読者の前に提示しているあたりも素晴らしい。
著者らしさが溢れる、期待通りいや期待以上の作品で大満足だ。
本屋大賞のトップ10にも入らなかったのが不思議なくらいで、個人的にはこれまで読んだ中田永一名義本の中でも最高作に近いんじゃないかと思う。
Posted by ブクログ
31歳の主人公が我が身に起きる時間跳躍現象を利用して11歳の自分に入り込み、20年前の世界である目的のために現在の恋人の家へと向かって…というお話。
過去は変わらないという設定のようだか、それでも“観測”通りに事が運ぶのか、何かアクシデントがあって歴史が変わることがないか、ちょっとドキドキ。
この時間跳躍現象の設定、図にした説明があって、ちゃんと辻褄あっているのか、あっていると思うのだけど、何故Dが分かっているのか、ちょっとモヤモヤ。
裏表紙に『ミリ単位でひかれた』とあり、確かにその設計図は精緻で凄いと思うけど、何かその構成がピタリと嵌ることのほうに気が向いちゃって、お話としての情緒的なものへの共感が薄くなったように思えた。
★は3.5くらい。ちょっと甘め。
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小説・文芸
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