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毎天町中華 谷中暮らしの二人
心身を壊し勤めていた会社を辞めた青年・千秋は、祖父がかつて谷中で営んでいた中華料理屋「春夏冬軒」跡を間借りし移り住んだものの、生きる気力が湧かず、食べ物を義務的に口に押し込むだけの日々が続いていた。ある雨の夜、傷だらけの怪しい男・小虎が現れ、料理をするかわりに泊めて欲しいと頼み込んでくる。彼が作る炒飯は、千秋が幼い頃に「春夏冬軒」で食べた思い出の味そのものだった。「おいしい」という感情を取り戻した千秋は、小虎を雇い入れ、ふたりでかつての「春夏冬軒」のような町中華を始めるべく奮闘するが!? 居場所探しも生きる意味も、まずはお腹いっぱいになってから。巨大食品会社の子息×野良中華料理人青年が東京下町で繰り広げる、おいしくてちょっとほろ苦い口福人情譚。 -
したう
父母も、社員も、犬も。 大切なひとを、慕う。 わたし、小玉小鉄は、 社長の息子と同じ日に生まれた柴犬だ。 その縁で、株式会社こだまの一員となった――。 本屋大賞発のベストセラー『ひと』からつながる感涙のドラマ わたしにとって大事なときに、そこにいてくれた人。 その人を、したう。 株式会社こだまは、主に塩化ビニル管をつくっている中小企業だ。社員数、24人。当然、皆が知り合いだ。社長は、2代目の小玉新一郎がつとめている。 わたしは、新一郎の息子優一郎と同じ日に生まれた。5月5日生まれ。偶然そのことを知った新一郎にもらわれてきた、柴犬だ。小鉄と命名されたわたしと優一郎は、こだまの社員に囲まれ、双子のように育った。 わたしを散歩に連れ出してくれるのは、小玉夫妻だけではなかった。事務仕事をこなす大江都子。若手オス社員の高桑雅永。やらされるわけではない。自らやってくれるのだ。 そんな彼らにも、悩みはあるようだ。仕事、子育て、恋……。そしてわたしにも、ある異変が訪れていた。 -
下町曳舟 お直し処ぼたん
墨田区曳舟の一角にある、扉を閉ざした小さな洋服のお直し工房。亡き父から店を継いだ、少々気難しく滅多に依頼を受けない職人気質な店主・牡丹のもとにはワケありな洋服のお直しの依頼がやってくる。 亡くなった兄の一張羅のスーツ、認知症の祖母が初デートで着たスカート、入院した父が手編みしたセーター。愛する人の思い出が詰まった服を直したいと願う依頼人たちの想いを、牡丹は様々な方法で叶えていき――。涙なしでは読めない、感動の物語。 【主な登場人物】 ・織本牡丹(おりもと ぼたん) 縫製職人。やや気難しく人付き合いと片づけが苦手。甘党。 ・平野浅海(ひらの あさみ) 平凡な大学三年生。牡丹が借りる物件の大家の息子。趣味は菓子作り。 -
失失失楽園殺し
21世紀の最先端研究施設で、キュートな天才が挑む、現代本格ミステリの限界突破! 最先端の研究者が集まる瀬戸内無境界大学院大学。 アカデミックな孤島に一匹のカエルの死体が現れた時、知の〈楽園〉に崩壊の足音が聞こえだす。 事件解明に乗り出した坂口庵子と幻月幽香だが、今度は舌を切られた研究仲間の死体が密室で発見される──。 さらにはネズミの大量死。予測不能の死、死、死……。 知の〈楽園〉は犯人の手で〈失楽園〉となるのか? 特異と驚きに満ちたミステリ、ここに開幕! ●目次 プロローグ 第一章:嵐の中、国家の犬の犬の三匹が知恵の実の下一堂に会する 第二章:カエルの死、その暗号性を精査するプロセスで、量子神が降臨する 第三章:ケルビムとは誰か、またそう名付けた者は誰か? 第四章:二十九の大量死とともに失失楽園が始まる 第五章:知恵の実が落ち、果汁が地に溢れて失失楽園が終わる 第六章:観測者が崩壊を起こすとき、別解の公式が現れる 第七章:失失失楽園で、世界の終わりを目撃する エピローグ ●著者 ミステリ作家。1979 年、静岡県生まれ。第1 回アガサ・クリスティー賞を受賞し、2011 年に『黒猫の遊歩あるいは美学講義』( 早川書房) でデビュー。「黒猫」シリーズのほか、「偽恋愛小説家」シリーズ(朝日新聞出版)、「花酔いロジック」シリーズ(KADOKAWA)、『超短編! ラブストーリー大どんでん返し』( 小学館)、「名探偵の顔が良い」シリーズ(新潮社)、「殺戮理論」シリーズ(星海社)など多数刊行。 -
プレデター
都市再開発計画の名のもとに首都が七つのゾーンに区切られ、格差社会化が進む2032年の日本。web情報誌の記者・明海和(あけみ・かず)は、独自に子ども狩と人身売買の取材を続けていたところ、カササギと名乗る人物に突き当たる。和が待ち合わせ場所に行くと、そこに現れたのはまだ10代の男性だった。彼は、これ以上取材を続けると「殺されますよ」と警告する。なぜ、子どもたちの取材をすることが危険なのか? なぜ、国際的なモデル都市でストリートチルドレンが生まれるのか? 和は、自身の父も“闇の子どもたち”の取材をしていたことを明かすが・・・・・・。ジュブナイル小説の名手による新たな代表作誕生!! 格差社会の闇に切り込む、ディストピア長編。 -
月とコーヒー
人気作家が腕によりをかけて紡いだ、 24篇の「とっておきのお話」。 生きていくためには 必要ではないかもしれない。 でも、日常を繰り返していくためには はならないものたち。 喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。 世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。 映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。 トランプから抜け出してきたジョーカー。 赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。 三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使。 終わりの風景が見える眼鏡──。 全作品、原稿用紙10枚程度。 寝る前の5分間、この本をめくってみてください。 必ずお気に入りの1篇が見つかるはずです。 -
七、八月のストローク
「ままならぬ現実を生きる彼らのしんどさを、私たちはよく知っている。けれど、ほんの少しの希望があれば前に進めることにも、私たちは気付いているのだ。」――恩田 陸 「新たな一歩」を踏み出す人々のひと夏を描いた感動作!長嶋有デビュー25周年記念作品。 築50年の大規模マンションの子供用プールで、監視員のアルバイトをする高校生の少女二人、ある日漫画が描けなくなった元人気漫画家、万引き癖をもつシングルマザー、突然高校を自主退学した息子とその父、年下の友人を亡くした漫画好きの老嬢……。ささやかな悩みを抱えた老若男女が過ごす夏の日々。老朽化し利用者も減る一方のプールに廃止の危機が迫り、 少女二人が立ち上がる。大好きなプールを守るために。 -
沙を噛め、肺魚
ここに生きている そう叫ぶために 沙に埋まりつつある世界、芸術は機械が創るものになった 若者たちは、内に秘める「やりたいこと」を突きつめてゆく 青春小説の旗手がおくる、きらめくディストピア長編 いい物語からは、いい音がする。 鯨井さんの物語からは、眩しく澄んだ音がする。 ――ふうね(読書インフルエンサー/「解説」より) 世界は沙嵐に襲われ、芸術は機械が創るものになった――。 オアシスで父と暮らすロピは、好きな音楽の道を模索する。 やりたいことが見つからないルウシュは、母と同じ気象予報士になるため勉強する。 二人は、ここに在ることの意味を問い続ける。 小説現代長編新人賞受賞作家がおくる青春ディストピア長編。 -
頭を木魚に
誰もが心の奥に抱える闇と社会への違和感を哲学とユーモアで昇華させた、笑い飯・哲夫が贈る愛と悟りに溢れる渾身の長編小説! なぜ、こんなにも生きづらいのか――。 お笑い界の知性派・笑い飯の哲夫が、現代人が抱える自己嫌悪と社会への違和感の正体に迫る。 独自の哲学と鋭いユーモアを注ぎ込み、「僕たちは人間をやるのが下手なのではないか」という痛切な問いに挑んだ長編小説。 主人公は、組織という檻を脱ぎ捨て、ハンドルを握ることで個の静寂を手に入れたはずのタクシードライバー。 しかし、理不尽な社会の牙は、そのささやかな聖域すらも無慈悲に食い破る。 最後に待ち受けるのは、破滅か、それとも――。 【編集長よりコメント】 すごい原稿を頂いてしまった。いつもの仕事のつもりで読み始めた原稿なのに、めくるめく展開に感情が先走り、ついに仕事が手につかなくなってしまった。 笑い飯 哲夫(ワライメシ テツオ):1974年、奈良県桜井市生まれ。関西学院大学文学部哲学科卒。2000年、西田幸治と「笑い飯」を結成し2010年、M-1グランプリ優勝。自称“仏教マニア”で関連番組・催事の出演多数。スポーツ、農業、料理、写経、純文学、学習塾、花火鑑賞など趣味多彩。著書に『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』『ブッダも笑う仏教のはなし』ほか。 【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 -
猫君 りんねの輪
波瀾万丈! お江戸猫又ファンタジー! 二十年生きた猫は、人に化けて言葉を操る妖怪「猫又」となる――。 花のお江戸には、密かに猫又達が暮らす六つの陣があり、将軍様の庇護のもと、江戸城内の学び舎「猫宿」で新米たちが妖怪修業をする「猫宿」があった。 茶虎のみかんは、仲間と力をあわせて様々な難関を乗り越えて無事、二年生に進級した。 ところがある日、かつて“魔王”と呼ばれた武将であり、すべての猫又を司る“猫君”だったとも噂される猫宿の長(おさ)が惨殺される恐ろしい凶事が起きて・・・・・・。 新米猫又を狙う強大な“敵”と猫又二年生たちとの明日を賭けた戦いが今、始まる。 【著者プロフィール】 畠中恵(はたけなか・めぐみ) 高知生まれ、名古屋育ち。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。病弱な若だんなと摩訶不思議な妖たちが様々な事件を解決する同シリーズで2016年、第1回吉川英治文庫賞を受賞。その他に、揉めごとの裁定をする町名主の跡取りが幼馴染とともに難問奇問に立ち向かう「まんまこと」シリーズ、『うずら大名』『猫君』『まろ丸伊勢参り』など著書多数。 -
後宮の弔妃
中津国の後宮で、一人の貴妃が二〇ヶ月ものあいだ身籠り続けていた――。先代帝の呪いと噂されるその怪異を解くため、皇帝はある人物の元へ向かう。それは三〇〇年もの時を生きる不老不死で、「弔妃」と呼ばれる少女だった。 -
ザ・ミッション
球団広報の奮闘を描く 堂場野球小説の真骨頂! 食品会社からプロ野球「横浜パイレーツ」広報部へ出向した三上。 古巣に復帰した元大リーガー石岡の専属広報となり、引退後の監督就任へと導くのが、彼に課された極秘任務(ミッション)だ。 打撃絶好調の石岡はなぜか取材拒否を貫き、三上は番記者との間で板挟みに。 チーム内にも不穏な空気が漂う。石岡の不可解な行動の真意は? 三上は業務を完遂できるのか!? 巻末に、現役球団広報・横浜ベイスターズ小泉匡さんと、本作品著者・堂場瞬一さんとの対談を掲載。 プロ野球界を陰で支える広報業務のリアルな舞台裏に迫ります。小説本編と合わせ、ぜひお楽しみください! -
幸福のバトン
人生の宝物にしたい1冊!! 未来が見える少女の、絆と成長の物語。 「わたしは、生まれてきて、生きてきて。……よかったのね」 人生には小さな奇跡が、きっと、星の数ほど。 さあ、数奇な人生を走り抜け! 受け取った愛を、次の誰かへと繋ぎながら―― 中学生の山村真菜にはときどき、少し先の未来が見えてしまう。 この不思議な力を授かったせいで、それからというもの、彼女の人生には常にかすかな喪失の予感がつきまとった。 実母とのすれ違い、親友との別離、恋人からの逃避…… 様々な葛藤と哀しみが交錯する日々の果て、最後に手にした自分史上最高に大切な「奇跡」とは!? ――感涙必至の人生讃歌!! 加藤 元が贈る《奇跡》と《癒し》の物語。 本当の幸せに気づかせてくれる、心温まるヒューマンファンタジーの傑作 -
30代後半、独身、ひとり暮らし
わたしの自由は、ここから加速する。 お金の使い所、物価高、PMS、更年期、結婚するのか、子供は産むのか…… 胸の奥でくすぶる不安の正体を、一緒に探ってみませんか? 漫画家の藤波夏帆は、『月収十五万円、六畳一間で夢をかなえる』でデビューして以来、節約・ライフスタイルエッセイを中心に、そこそこの人気を保ってきた。 だが38歳を前に、これまでの作品で伝えてきたメッセージや世間でのイメージ、そして脚本家の彼氏との間にズレを感じ始める。 自分が本当に描きたいものは、何だろう。 新連載に向けて始めた取材と観察は、やがて夏帆の生活にも波を起こし始め……。 わたしの自由は、ここから加速する。 生活も身体も変わり、生き方が様々に分岐する時。 エッセイ漫画家と女性たちの、恋と、経済と、決意の物語。 【畑野智美デビュー十五周年記念作品】 -
恋と王冠
様々な問題を抱える小国、ヴァルイーダ国の新しい女王となったのは、たった16歳のいたいけな少女イザベルだった。 そんな彼女の摂政として、イザベルの従兄弟で元皇太子のリュシアンが王宮に呼び戻される。 3年前に不義の子と発覚し王位継承権を取り上げられたリュシアンは、女王を傀儡とし、いずれは王冠を奪い取る算段でイザベルを支配しようとする。 一方、イザベルは初恋の人で憧れのお兄さまでもあるリュシアンとの再会に歓喜していたが、彼の腹黒い一面を偶然知り、ショックを受ける。 怒りに震えるイザベルは、リュシアンに自分を侮ったことを後悔させ、心から忠誠を誓わせ支配すること、そして絶対に王冠は渡さないことを固く決意する。 そして持ち前の頭脳と女王としての才覚を遺憾なく発揮し、画策を巡らせ始める。 こうして、表向きは女王と摂政として友好的な関係を築きつつも、裏ではお互いを手中におさめるべく激しい頭脳戦と駆け引きを繰り広げる日々が始まった。 そんな中、数々の国を傀儡にし支配を広げている大国の女王の魔の手が、ヴァルイーダ国にも迫ろうとしていてーー。 -
ふつうの家族
大停電の夜、 玄関で倒れていた見知らぬ青年。 意識朦朧の彼は何者なのか? 招き入れたのは誰? 桜石一家には、全員裏がある。 「あなた」も「私」も、みんな嘘をついている。 「ふつうの家族」に隠された秘密。暗闇の中、照らし出される「過去の記憶」。 湘南の地に一戸建てを構える桜(さくら)石(いし)家。何か特別なところがあるわけではない、絵に描いたような「ふつうの家族」の、はずだった。ある嵐の夜、桜石家に現れたのは一人の若い男。高熱をだして倒れ込んでいた男は家族の誰かが引き入れたに違いない。誰が、なんのためにこんなことをしたのか? 家族が互いに疑念を募らせていくうちに、それぞれ家族には言えなかった「秘密」があぶり出されていく――。 四国新聞、大分合同新聞、愛媛新聞、神奈川新聞、千葉日報、沖縄タイムス、山梨日日新聞、秋田魁新報、北日本新聞、福井新聞に連載され、多くの読者の心をつかんだ、令和の家族のカタチ。 読み終えたとき、あなたも私も、みんな家族に秘密を打ち明けたくなる! -
やるせない昼下がりのご褒美
あの人と過ごす「おやつ」の時間が、今日を乗り切る力をくれる。 妻子ある相手と夜をともにした伊豆の山奥のホテルで。忘れられない同級生と屋上前の踊り場で。さまざまな果樹が茂る瀬戸内海の島の庭で。もうすぐ卒業するメンバーと取り組む最後の仕事で。幼い息子との思い出のドーナツショップで。憧れの女性たちと出かけたいちご尽くしのピクニックで。心とおなかの空腹をあたたかく満たしてくれる珠玉の6篇! -
母にさよならを言えなくて
自死遺族の著者が描く、渾身の家族小説。 娘と夫と幸せに暮らす主婦の未来。しかし、彼女にはある悩みがあった。それは近所に暮らす母・美香子との関係だ。未来は幼少期から美香子の過度な期待と愛情に縛られ、複雑な想いを抱いていた。 そんなある日、未来のもとに父から電話が入り、美香子が首を吊り亡くなったと知らされる。自分が冷たくしたせいで、母は死んでしまったのではないか。大きな悲しみと後悔が未来を襲う一方、彼女はなぜか、安堵の念も抱いてしまい――。 大切な人の死と残された家族を襲う深い罪悪感と喪失感。自死遺族の著者が心の傷と向き合い描いた、渾身の家族小説。 -
モンキーハンティング
10万部突破の 『シャトゥーン』著者が描く 圧倒的恐怖! 狩るか、狩られるか―― 850頭の猿 VS. 人間 凶暴化した猿の群れ。 クローズド・サークルと化した限界集落で 生き延びることができるか!? (あらすじ) ジビエレストランを経営する父・誠一郎に連れられ、人里離れた集落に狩猟にやってきた高校一年生の加藤英輔。両親は離婚しており、母親は来月再婚する。離れて暮らしている父と、親子水入らずの最後の時間を過ごすなか、英輔は森に何か不穏な影を感じていた。やがて忍び寄る野生の脅威……。ひときわ大きな黒い猿をボスとした八百五十頭もの群れは凶暴化し、二人に襲いかかる! 『猿と人間』改題。 【著者について】 増田俊也 1965年愛知県生まれ。北海道大学中退後、新聞記者。第5回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、2007年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)でデビュー。2012年、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で第43回大宅壮一ノンフィクション賞と第11回新潮ドキュメント賞をダブル受賞。他の著書に『七帝柔道記』(KADOKAWA)、『木村政彦 外伝』(イースト・プレス)、『北海タイムス物語』(新潮社)、『警察官の心臓』(講談社)などがある。 -
今昔奈良物語集
奈良への屈折した愛と、卑屈なユーモアが炸裂! Xアカウント「卑屈な奈良県民bot」中の人による古典文学パロディ集。 黒須は激怒した。友人を人質としてぼったくりバーに残し、奈良の実家へ現金を取りに夜通し疾走する(「走れ黒須」)。竹をメルカリで売っていた翁は、かぐや姫を拾い動画配信で広告収入を得るも、彼女が月の都の住人と知る(「ファンキー竹取物語」)。奈良公園で鹿を轢いた官僚・稲田が聞いたのは、ユーチューバーを志した高校時代の親友の声だった(「若草山月記」)。古典名作と奈良が交差する抱腹絶倒のパロディ短編集! 森見登美彦、応援! ときには近代文学風、ときには歴史小説風、ときには童話風というように、あをにまる氏は多彩な音色を奏でている。(解説より) -
若旦那さんの「をかし」な甘味手帖 北鎌倉ことりや茶話
家事代行サービスの会社で働く秋月都。ある日、北鎌倉に派遣された。辿りついたのは、住み込みの家政婦がいてもおかしくなさそうな大きなお屋敷。出迎えた和装の青年は羽鳥一成という名の若き和菓子職人で、この屋敷は彼の工房兼住居だった。一成の作る和菓子は見事な出来映えで、常連客も多い。人知れず、和菓子に苦い思い出のあった都だが、彼の作る和菓子に触れるうち、心の変化を自覚するようになり…。日々鍛えた料理の腕で、羽鳥家の“定期契約プラン”を勝ち取った都は、いっとき閉店してしまっていた甘味処「ことりや茶房」の再開にも関わることになるが…。 -
てのひらの父
弁護士を目指す司法浪人生の涼子、アパレルのデザイナーとして働く撫子、そして不条理なリストラにより職を失った柊子。彼女たちが住む下宿に、春の訪れとともに現れた臨時管理人・トモミさんの存在が、三人が抱える問題をはからずも浮き彫りにしていく。“家族の森”で迷子になっているすべての娘たちに贈る「父と娘」の物語。 -
新装版 ボランティアバスで行こう!
累計60万部突破「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ著者が放つ 感動のどんでん返しミステリー ・本作は末永く読み継がれるべき作品である。全国民必読! ――宇田川拓也(ときわ書房本店) ・「SRの会」第1位! ※SRの会:日本最古のミステリーファンクラブ ※2013年ミステリーベスト10/国内部門 東北で大地震が発生した。多くの支援が行われるなか、大学生の和磨は、バスをチャーターして支援活動に参加する「ボランティアバス」を企画することに。 行方不明の父親の手がかかりを探す姉弟に出会った女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内など、さまざまな人が各々の思惑を抱えてバスに乗り合わせるが……。驚きのラストが感動に変わる! -
猫さえいれば、 たいていのことはうまくいく。
いてくれるだけで満たされる―― 猫を愛する作家陣がすべての猫好きに贈る、猫尽くしのオリジナル・アンソロジー! -
八千草の兄妹
どちらが死ぬか。兄か妹か、両方か。 「ことば」が流れる不思議な川を抱く金沢で、十四歳の少女・八千草忠生は美しい兄・笹生と寄り添い、支え合いながら生きていた。しかし八千草一族にかけられた「こうけちさん」と呼ばれる神様の呪いが、兄妹の人生に暗い影を落としはじめ……。 一方、約百年に亘り一族に引き継がれてきた絶対死の呪いを解明すべく勇気をもって行動する者たちの姿があった。 死を糧にして異様な推進力を発揮する二つの物語。呪われた運命を変えるべく絡み合い、驚異の展開を繰り広げる。 -
先生と罪
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作 『レモンと殺人鬼』著者の 狂気の学園サスペンス 「どんでん返しの新女王」が放つ ノンストップ反転劇! この学校には秘密がある。 犯人は生徒? 教師? それとも―― すべての真実は、 三年生の伝統行事 運命の夏合宿 で明らかになる! (あらすじ) 同僚の教師・岩本結衣からかかってきた「助けて、あおられてる」という死の直前の電話。以来、市立新畑中学校に勤める教師・如月晴の周りで不穏な出来事が起こり始める。嫌がらせの張り紙や、実家の周囲をうろつく男の影。岩本の代わりとして三年五組の担任となった如月は、クラスの問題児を抱えながらも奮闘するが……。すべての真実は学校の伝統行事である夏の宿泊学習で明らかになる――! 【著者について】 くわがきあゆ 1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『焼けた釘』(産業編集センター)で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。他の著書に『復讐の泥沼』(以上、宝島社)、『美しすぎた薔薇」(新潮社)など。 -
今日のかたすみ
塾講師として働いている遙は、友人とのルームシェアを解消して気落ちしていた。そこに同僚で恋人の百ちゃんがやって来る。同棲を始めるふたりだが、暮らしの中で明らかになる価値観の違いを原因に、少しずつ、しかし確実にすれ違っていき…? 好きなのに分かり合えないカップルや、距離感のある父と娘、アパートの隣人同士。誰もが記憶の片隅に持つ、人と生きる日々のもどかしさや愛おしさを、優しく掬い上げた傑作短編集。 -
陽だまりランチボックス
30歳の日葵は、疲れきっていた。ブラック企業に疲弊して勢いでやめたものの、再就職しようにも気力がわかない。不安で押しつぶされそうなある日、普段通らない路地裏に、古民家のお弁当屋さんを見つける。イートインもあるらしい。気づけば、いい香りの焼肉の香りに誘われてお弁当屋さんへ。お弁当の中に、牧歌的な雰囲気や安らぎなどがぎゅっと詰まっている気がした。店内にシェアハウスを募集している貼り紙を見つけ、思い切って申し込むことに。弁当屋の店主・菜月は、口数が少なく職人気質で、テキパキと仕事をする。その姿を見ているだけで安心できた。古民家の庭は木や花が植えられていて、猫や野鳥も自由に入ってくる。料理が苦手な日葵は調理の手伝いはできないが、店を手伝ったり植物の世話をしているうちに、地域の人たちと知り合っていく――。 -
異境
一匹狼の記者と孤立した女性刑事のコンビ! 一匹狼の新聞記者甲斐明人と孤立した女性刑事浅羽翔子が追う謎の失踪事件-。 本社社会部を追われた甲斐は横浜支局に着任早々、失踪した後輩の行方を追うことに。スクープをつかんでいたらしい彼の足跡を辿るうちに警察内部の腐敗した実情と謎の外国人犯罪集団の存在に行き着く。そして、その二つは繋がっていた……。 情報の鍵を握っているのは県警内で孤立している女性刑事翔子。 「俺は君の正義感を信じたい」「組織の人間としてじゃなくて君個人の正義感。正しいと思ったことをやるべきだと思う」 立場は違うが思いは同じ二人の孤独な戦いが始まった……。 ベストセラー作家・堂場瞬一が描く渾身の一冊。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『異境』 の文庫版となります。 -
空想の海
“読む楽しさ”がぎゅっと詰まったカラフルな11の物語。奇想と探究の物語作家、デビュー10周年記念作品集。植物で覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるを得ない彼らに、ある事件が起きて――(「緑の子どもたち」)。大地に突如として小さな穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達(「空へ昇る」)など。ミステリ、児童文学、幻想ホラー、掌編小説……書き下ろし『この本を盗む者は』スピンオフ短編を含む、珠玉の全11編。 -
天皇機関説タイフーン
言論はいかに弾圧され、口を封じられるのか。どうやって人々は生き延びるのか。 台風の如く、人々を翻弄し、敗戦に至る日本の行く末を決定した天皇機関説事件。 「昭和百年」に「合法無血のクーデター」の真相に迫る。 評伝『江藤淳は甦える』の著者による、天皇と憲法をめぐる人間ドラマ! 宮沢俊義は蓑田たちから次のターゲットとされていた。昭和十年には危うい位置に座っていたのである。美濃部の後を継いだ憲法学の少壮教授は、いかに巧みにサバイバルしたか。それは当人には棘となり、良心は痛み続け、戦後にまで尾を曳く。美濃部とは違う宮沢の「小さい」ありよう。それを他人事として批判するだけではすまされない。大なり小なりあの「小さい」ありようは当時の人々に内在していた。当時に限定することなく、いまの我々、いや私にもそれがあることを認めざるを得ない。史料を注意深く読んでいくと、その「小さい」ありようは、東京帝大出の官僚にも、政治家にも、それどころか、首相で海軍大将の岡田啓介にも、はるか上の「最後の元老」西園寺公望にも、雲の上の昭和天皇にも分有されていたのではないかとも思えてきた。けっして他人事ではないのだ。(あとがきより) -
深夜バイト(※怪異あり)にご注意を
中学時代に起きた交通事故の影響で日中外に出られなくなったハジメ。夜勤で生計を立てるしかないのだが、怪異に遭いやすい体質になってしまっていた。ある日、警備員のバイトで訪れたビルで怪異に遭遇し、ビルに閉じ込められてしまう。出口を探す中でオカルト系動画配信者の清見と出会い、ビルから脱出するために彼と協力してビルに巣くう怪異と対峙することに!? -
30の短編小説
豪華作家陣、揃い踏み。 文芸誌「小説TRIPPER」の“30”周年を祝した、“30”人の作家による、“30”をテーマにした小説アンソロジー。純文学作家からエンタメ作家、新進気鋭の作家からベテラン作家まで、今をときめく豪華作家が揃いました! 小説好きはもちろん、ふだん小説を読まない人も、きっとお気に入りの一作が見つかるはず! <<執筆陣>> 青山美智子「ストールは赤」 朝井リョウ「三十番目」 朝比奈秋「ネオン魚群」 伊坂幸太郎「30を信じろ/30も信じる」 一穂ミチ「プレゼント」 江國香織「若月寧音(五歳)の三十日――聞き書きにより要点のみ記述」 温又柔「きょうの花婿」 加藤シゲアキ「サーティー・ストライプス」 河﨑秋子「こひつじメリー」 木爾チレン「うちとあんた」 九段理江「30世紀少女」 呉勝浩「檸檬と定規」 小池真理子「逢瀬」 小林早代子「(15)→(30)」 佐原ひかり「世界を救ったことがある」 鈴木結生「世界文学物尽(ものづくし)」 高山羽根子「そこの関節からも曲がるんだ?」 田中慎弥「チャーチルと母」 月村了衛「三十年前、一瞬の光景」 中村文則「これを消してほしい」 西加奈子「30の春子」 町田そのこ「さよなら、過去」 町屋良平「ハンマークラヴィーア、バスキン・ロビンス」 三浦しをん「三十秒の永遠」 宮内悠介「アメリカの人魚」 宮島未奈「紗南ちゃんの便せん」 山内マリコ「もう三十代ではないことについて」 結城真一郎「やることなすこと」 吉田修一「おそらく彼女たちは」 米澤穂信「世界を変えた三十人とラストプリンスタンディング」 -
夕闇通り商店街
神社の境内の先に、突然見えてくるのは「夕闇商店街」。 そこは幽世と現世の境目にある、あやかしたちが営む商店街。現世との境界があいまいになったときに、心が不安定な人間が導かれたように訪れるのだという。 眉目秀麗な店主がいとなむ『コハク妖菓子店』には、いっぷう変わった名前のお菓子が並び、迷い込んだ人間たちはついお菓子を手にしてしまうのだが―― -
心獣の守護人
第30回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞の東洋宮廷ファンタジー! 二つの民族が混在する秦國の都で、後頭部を切り取られた女の骸が発見された。文官の水瀬鷲は、事件現場で人ならざる美貌と力を持つ異端の民・鳳晶の万千田苑閂と出会う。 宮廷一の閑職と噂の、文化財の管理を行う博宝局。局長の苑閂は、持ち主の心の闇を具現化し怪異を起こす “鳳心具”の調査・回収を極秘で担っていた。皇子の命で博宝局員となった鷲も調査に臨むが、怪異も苑閂も曲者で!? 優秀だが無愛想な苑閂と、優しさだけが取柄の鷲。二人はやがて国を脅かすある真相に辿り着く。 ◆◆◆登場人物◆◆◆ 【万千田 苑閂 (まちだ えんさん)】 無愛想だが非常に端正な顔立ちで、若くして博宝局の局長を務める。愛称は苑。 先住の民・鳳晶の血を引き、優れた身体能力と五感を持つ。 【水瀬 鷲 (みなせ しゅう)】 博宝局に配属された文官の青年。 心優しいがそれ以外に取柄が無く、自分に自信を持てずにいる。 -
おおぎりぼっち 大喜利百題百答
芥川賞作家でお笑い芸人の「ピース・又吉直樹」も推薦、「赤嶺総理は、面白い言葉を生み続けている。日常を掘り下げ、世界を拡張し、純性の愚かさで笑わせる。大喜利界、異端の旗手だと思う。 」ーーー。大喜利最強芸人の頭の中が丸分かり。「こんな学校はイヤだ」をテーマに赤嶺総理自身がお題をアレンジ。「こんな〝少年漫画みたいな〟学校はイヤだ」のような自作アレンジお題が100題ズラリと並ぶ、。そのお題にストイックに打ち返していく姿は、まさに大喜利100本ノック。R藤本、ザ・ギース高佐との共作のお題・回答も収録。読むだけで少し大喜利が得意になった気になれる至極の一冊。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
ちんぺろ
合言葉は、「ちゅっちゅくちゅうのちんぺろ」。 10年ぶりに実家に帰省した弓子が目撃したのは、モンスターと化したひきこもりの妹・鞠子と、彼女ひとりに支配され奴隷のように振る舞う壊れた家族の姿だったーー。 歌手、文筆、役者としてマルチに活動する北村早樹子による書き下ろし禁断小説。 未発表曲「ちんぺろのテーマ」ダウンロードコード収録! ーーまた妹が、ママに、 ばあちゃんぶん殴らせてる。 こんなのおかしいね 何で産んだの 〝誰も私を愛せないのはおまえらのせいだ〞 その呪いを時間と文字に溶かす物語に、 また生き抜く力をいただきました。(大森靖子/超歌手) ーー本当のモンスターは誰なのか。この一家はいったいどこへ向かうのか。家族間の支配と服従のおぞましさに目を背けたくなるけれどページをめくる手が止まらない。もうとっくに壊れているのに、家族という血のつながりと幻想にしがみつき、身動きが取れなくなっている。そんな彼らの恥部を容赦なく暴き、人間の欲と弱さを浮き彫りにしていく。感情を押し殺すような最終章の淡々とした語りは、この物語を書かずにいられなかった著者の執念そのものだ。こんな家族はありえない。本当にそう言い切れるだろうか。(こだま/作家) カバーイラスト=本秀康 -
花鈿の後宮妃
毒を浄化することができる不思議な花鈿を持つ黄明凛は、ひょんなことから皇帝・青永翔に花鈿の力を知られてしまい、寵妃を装ってお毒見係を務めることに。実は明凜は転生者で、ここが中華風ファンタジー小説の世界だということを知っていた。小説の中で明凜の“推し”である皇帝夫妻は、主人公の皇太后に殺されてしまう。「彼らの幸せは私が守る!」そう決意し、入内したのだが……。いつまでたっても皇后は現れず、永翔はただのお毒見係である明凛を本当に寵愛!? しかも、永翔を失脚させたい皇太后の罠が二人を追いつめ――?転生妃と訳あり皇帝が心を通じ合わせる後宮物語、ここに開幕! -
小泉セツと夫・八雲
連続テレビ小説『ばけばけ』のモデルとして話題! 日本研究者で、名作『怪談』の著者・小泉八雲と、その妻となる没落士族の娘・セツの生涯は、こんなにも感動的だった! これは、苦しみに耐え抜いてきた二人が起こした奇跡の物語である。「2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、小泉八雲の妻・セツをモデルとした物語である。(中略)これからはじまるセツとハーンの物語に描かれていくように、二人は苦難を重ねてきた。だが、二人ともどんな苦難に見舞われようと、時には泣き、時には絶望し、時には世を恨みながらも――涙を拭い、未来を信じ、いつも前を見つめて、立ち向かっていった。そんな姿は、誰かが見ていて、何かに繋がり、悲しみも苦しみも、幸せに「化ける」のだと――。これからはじまるセツとハーンの物語は、そう教えてくれる」(本書「序章」より) 【目次】●序章 悲しみも苦しみも、いつか、きっと幸せに化ける ●第一章 セツの前半生――上級士族の娘からの没落 ●第二章 ラフカディオ・ハーンの前半生――流浪の果てに ●第三章 二人で奏でた時 ●第四章 ハーン亡き後のセツ ●第五章 語り継がれる夫婦の物語 -
陰態の家 夢枕獏超越的物語集
20年の軌跡を味わうオリジナル短編集 空手家の男、空飛ぶ円盤譚、傀儡師と陰態のもの…… 一冊で夢枕獏のエッセンスをすべて網羅し、 その超越的な創造力を堪能することができる、 短編集・全九編。 「踊るお人形」 シャーロック・ホームズが夏目漱石を訊ねて東京に。「人形が投げ込まれると、人が死ぬ」連続殺人事件を鮮やかに解決? 「伊右衛門地獄噺」 砂村の隠亡堀の掘立小屋に暮らす伊右衛門のもとに現れた若い男。伊右衛門は暇つぶしに、かつての女房・お岩との一幕を語り始める。 「仰向けに這う老人」 小田原の山に取材にいったあとから、身長15cmほどの小さな老人をあちこちで見るようになった。彼はいつも仰向けに転んでいる……。 「空手屋稼業」 おれは空手家じゃない。空手を売る、空手屋だ。ライブハウスで空手の芸を売っている。ある日、同僚のシンガーの顔にあざが出来たことに気づいたおれは、解決に乗り出すことにした。 「陰態の家」 傀儡屋の多々良陣内は、「怖いもの」が出るという屋敷に招かれた。「それ」は大小さまざま、首がないもの、足がないもの、身体が二つに割けているものもいるという。怪異の正体とは――。 他、「空飛円盤夢始末」「便利になったものじゃなあ」「法華悟空」「贄」を収録。 ここでしか読めない、夢枕獏短編の傑作選!
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