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Posted by ブクログ 2023年08月06日
読みながら何度も死んだ父のことを思い出した。思い出を喚起する小説に出会うことがある。隠れていた過去や出来事の側面が、小説のすぐれた描写に触発されて、まざまざと蘇るような小説が。
これははまさしくそういった小説だった。
二作品が収録されているが、二つともに共通するのは喘息、きょうだいの死、風来坊の父...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月21日
弟の自殺がきっかけとなり、生きる意味について考える登場人物たち。
弟の自殺した理由がわからないまま考え悩み続ける主人公は、死んだ弟が幼い頃に残した言葉、おとなになっても苦しいままだったらどうする?という問いかけを幾度も反芻する。
主人公は、弟のその問いかけに対してはっきりとした答えは、物語の中で...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月31日
地球をめぐっている風、
それを吸って吐いて生きているこの体が、
単なる風の通り道であればいいのに。
原子の結び付きや食物連鎖や宇宙の歴史に思いを馳せると、自分がただの通過点なのを感じて、少し気が紛れるようなあの感じ。
この前に読んでいた本が、早く世界からフェードアウトしたいって本で、思いっきり共...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月28日
帯の文章に惹かれ何気なく手に取った一冊だったけれども、表現、描写が胸に迫ってくるようで、所々で涙が溢れるほどだった。
「わからないままで」の母、息子、夫のそれぞれの視点で描かれているが、それぞれの思いが痛いほど伝わってきた。
死に際しての母の思いは、私自身の母と重なり、また、私自身が自分の息子に対し...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月08日
一息一息の呼吸が文字を追うごとに感じて、登場人物たちのリアルな息が伝わって感じました。
二つの物語が収録さてれいる本作ですが、共通しているのが、死に向かっていく人間たちの心情、憂いさがダイレクトに表現されているところで、表題作の「息」は、喘息に悩む姉弟が、日々の生活で、感じる息苦しさを色濃く表現して...続きを読む
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