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鮮明で美しく、静謐かつ余韻に満ちたレクイエム、芥川賞作家の新境地。
人生はパレード、荘厳な魂の旅路。台湾と日本、統治と戦争の歴史に及ぶ記録と記憶の軌跡――。
祖父の自死をきっかけに実家のある地元に帰った美術家の私。祖父が日本の植民地だった戦前の台湾に生まれ育った「湾生」と呼ばれる子どもだったことを知り、日本統治下の台湾について調べ、知人からも話を聞き、誘われるまま台湾を訪れることになる。祖父の自死の原因、理由を探り、自身のルーツ・アイデンティティを確かめるための台湾訪問だが、何かに導かれるように台湾先住民の系譜にある人物の葬儀に参加することになる。日本とは全く違う儀式や儀礼、風景に触れるうち、戦争や生と死・祖父の思い出・美大時代唯一の友人の死、様々なイメージが想起され喚起されていくのだった。
Posted by ブクログ 2023年02月10日
『ふと、私の首が、私の叫びとともにスポットライトの中でごとりと落とされたら、ここにいるたくさんの人たちはどうふるまうだろう、と妄想する。事実このときの私は、たくさんの人たちの前で斬首される受刑者とたいして変わらないと思えた。私が自分の作品の一部、創作活動の一部として自分の死を差し出すふるまいをしたな...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月22日
祖父が自死して、私はかつて祖父が幼い頃に住んでいたという台湾に興味を持った。
興味といっても、生前の祖父にたいする強い思いがあったわけということでもなく、自分の為でもあったのかもしれない。
昔のバイト先で台湾出身の人と一緒に飛行機で渡った台湾という地で、お葬式を通じて見てきたこと。
かつて一緒に...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月05日
主人公である芸術家が、祖父の死をきっかけに故郷に戻る。そこで祖父が台湾で生まれ日本に帰った“湾生”であることを知る。そのことから以前アルバイトで知り合った台湾出身の梅さんと繋がり、彼女の祖父の葬儀に招待される。
本書には3人の死と葬儀が描かれているが、主人公は台湾で行われた知人の祖父の葬儀にしか参列...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月06日
台湾と日本
かつて、日本が統治していた歴史がある。
その中で、湾生と呼ばれる統治時代に台湾に生まれ、第二次世界大戦後に日本に引き揚げられた日本人たちがいる。本作の主人公の祖父もその湾生の一人だった。
祖父の葬式のために、久しぶりに故郷に帰った主人公だったが、どこか雰囲気の違う葬式に戸惑った。参列...続きを読む
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