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町田康さん推し!
言葉に幅があり、しかもそれが的確に使用されている。辛辣な個性とその周囲を無情に描いていてよい。
(文藝賞選評より)
現役慶応大学院生であり、漫画『踊るリスポーン』の著者・三ヶ嶋犬太朗が鮮烈の文芸デビュー!
「捨てられたものを拾うのは泥棒ではない」と嘯き、女装をして女子トイレに侵入し、捨てられた生理用ナプキンを盗む百枝菊人。女装がバレたら心の性別をたてに被害者ぶろうと思っていたところ、同じ学校の明石睦美に目撃される。彼女は百枝が自分と同じく、性別に違和感を抱いていると思い急速に接近してきた。無理解と偏見がマイノリティを利用し、共感と愛情が暴力を肯定する……。表題作「赤泥棒」に加え、文藝賞最終候補に選ばれた「青辛く笑えよ」、「普通」を唾棄する高校生が才能の塊と出会い自我を崩壊させる「寄食のダボハゼ」をおさめた短編集。
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ひ弱な悪党、という自分を映す鏡
赤泥棒がどんな悪人かと思ったら
生殖行為への畏敬を持った人だと感じた。
おそれるくせに、悪に
敢然と立ち向かうところなど持たぬ。
哀れ。そして身につまされる。
このストーリーには
人に言えない孤独な悪が複数、
並置される。
神と肩を並べるほどに
図々しいくせに、
何てひ弱なんだ。
でも、他人ごとでは
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