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駄菓子屋の奥に、子どもだけの食堂開店!
激務の末にロケ先で怪我を負い、心身ともにダメージを負った楓子は憧れて入った映像制作会社を25歳で退職した。実家で無為徒食の生活を過ごした後、80歳になる祖母が営んでいた東京・下町の駄菓子屋「かすがい」を継ぐことになった。
1ヶ月経ち、「おばちゃん」と子どもたちに呼ばれるのにも慣れ、常連の子の顔と名前も覚えて来た頃、ひとりの少年の存在に気がつく。夕刻にやって来てきっちり300円分の菓子を買って帰るのだ。その理由に気がついた楓子がとった行動とは──(第一話 その名も『かすがい食堂』)。
貧困、いじめ、摂食障害など問題を抱える子どもたちのために、楓子は店の奥の台所で食事を提供することにした。肉汁のあふれるハンバーグ、もりもりごはんが進む野菜炒め、みんなで囲む寄せ鍋……!!
楽しく温かい食卓を描く全四話。
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Posted by ブクログ
凄惨な殺人現場だの、少女監禁虐待だの、おどろおどろしい本を続けて読んだので(^ ^; ちょっと「一休み」したくてチョイス。
主人公は、映像業界で働いていたが、心折れて実家に戻り、祖母の経営していた駄菓子屋をついでのんびり商売している女性。ひょんなことから、恵まれない環境で暮らす子どもとの縁ができ、何かできることを、と格安で食事の提供を始め、その和が徐々に広がっていき...というのが大きな流れ。
正直、割とありがちな設定だし、訳知りのおばあちゃんも割とステレオタイプのキャラクターとも言える。が、そんな「普遍的」であるが故に、作者の筆力や心遣いが光る、とも言える。
貧困やネグレクトなど、どうしてもテーマは重くなりがち。だが決して暗い話にも「お涙頂戴」にもなっていないのはさすが。主人公もスーパーマンではないので、常に悩む。自分が大したことをできる訳では無いし、干渉しすぎないよう自らを律している。
逆境にいる子供たちにも、それぞれ言い分があるし、子どもなりに周りに気を遣ってもいる。その様がけなげであり、また涙を誘いもする。誰も「悪い人」がいなくても、不幸というのは起きてしまうものだ、という現実。その中で生きるしかない子供たちに、温かい食事を差し出す「駄菓子屋のおばちゃん」は、問題を解決することはできなくとも、子供たちが前向きな一歩を踏み出す手助けにはなっている。確実に。
世の中、大きな理想論を広げるだけで、結局何もできない...ということの方が多いように思う。が、目の前の一食を提供する、その小さな「行動」こそが、人に「一歩を踏み出す勇気」を与えてくれるに違いない。
連作短編集の、最終話でおばあちゃんが言う「何でも一人で抱え込もうとするのが、あんたの悪い癖だ」という一言にハッとして、周りを「巻き込む」ことを学ぶ主人公。「巻き込まれた」子供たちも、目覚ましい活躍を見せる。人は、誰か他の人から「必要とされる」ことが、無条件に嬉しいものなのだ。
これから十年、二十年経っても、この駄菓子屋が「世界から貧困を無くす」ことは絶対にできまい。それでも、関わった人々の、それぞれの小さな一歩は、着実に世界を明るい方へと導く力になる、と信じたい。
Posted by ブクログ
優しい気持ちになる一冊でした!
駄菓子屋「かすがい」の雰囲気や香りが想像できる心がほっこりする物語です^^
楓子は訳あって仕事を退職し、駄菓子屋の"おばちゃん”(25)として祖母が営んでいた「かすがい」屋を受け継ぐ。
駄菓子屋「かすがい」は地元の小学生たちから愛され毎日子供たちの声が絶えない。
でもその中には問題を抱えた子もいる。
貧困家庭や親の仕事の都合、摂食障害といった様々な悩みを抱えた子供たちを楓子は「食」を通じて救う物語です。
ただ "ご飯を食べれば解決!!” のような考え方ではなく、それぞれの問題に深く入り込み考えさせられる一冊でした。
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