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Posted by ブクログ
「ねぇ、なんで勉強しなきゃいけないの?」
と子供に聞かれた時、ちゃんとした答えを言える大人はどれくらいいるんだろう。
私もこの本を読む前は、「勉強をしないと苦労するからだよ」と、あやふやな回答しかできなかった。
だが、主人公の黒羽三吾の答え方を読んで、私はやっと納得する答えを見つけたなと思った。
小学生の頃って、なぜか分からないが、親に内緒で危ない行動をしたい気持ちがある。(私は、特に何もしなかったはず…。)
だからか、息子の真司が親に内緒で冒険に出かける物語を読んで、ちょっと懐かしいなと思った。
激しく叱咤するのではなく、行動を客観的に振り返りながら、良い点・悪い点を息子自らに考えさせる、こういう怒り方も良いなと思った。
Posted by ブクログ
日本の教育制度や担任による指導の限界を探り、元教員である主人公がそれをアシストする、という物語。おもしろい。教育とは何かを考えられる。
p.52
地域差はあるのだろうが、自分が子どものころ、宿題の丸つけを親にやってもらってから提出する、というやり方はなかったように思う。教員になるために勉強しているとき、最近はこういう方法が出てきていると知ったのである。
理由はさまざまにあり、親自身に学習に参加してもらうのが大きな目的のひとつだろう。通知表の数字や教師の評価だけでなく、自分の子がなにが得意でなにが苦手かをじかに知ってもらい、親子による学習の機会を促すためである。親の負担は多少増えるが、子どもにとってもうまいやり方だと思う。
一方で、教員の負担軽減という側面も一部にはあるだろう。確認するだけなら時間も手間もかなり省ける。もっとも、きちんと見ようとすれば親による丸つけの有無にかかわらず、時間はかかるものだ。
子どものためにと使命感を持って、丁寧な仕事をしようと思えばいくらでも時間と手間はかけられるし、楽をしようと思えば手を抜くこともできる。いずれも給料は変わらない。余分にかけた手間の対価は笑顔や感謝など無形のもので、それすらないことのほうが多い。子どもの成長という、ほとんどの場合は確認のしようもない充実感、あるいは自己満足。
それが教員の仕事であり、現実でもある。
わたしを指導してくれた先輩教員も、積極的に親を宿題に巻き込む主義の人だった。
比較的早く実践していた人物かもしれない。
その理念は賛同できるものだったので、べつに楽をしたいからとかではなく、わたしもまた親に丸つけをしてもらったり、確認してもらったり、親子で取り組むような宿題を積極的に出していた。
p.56 ったのではないか。
学校からドロップアウトしたこと自体が悪いとは思えない。学校など必要のない人間もいるし、外で学ぶ方法もある。けれど彼女は、松村結梨は、自分の人生を修正する力を持てなかった。助けを求める方法を知れなかった。
教育とはなんなのか。
学習とはなんのためにあるのか。
割り算なんてできなくたっていい。電卓のほうが百倍速く、正確にやってくれる。県庁所在地なんて知らなくたって困らない。ネットですぐに調べられる。
でも、だからといって学習が不必要だなどとは思わない。学習は知識でなく、その先にある”考える力”を、究極的には“よりよい人生”を掴むためにあるものではないの
か。
なぜ自分は、日本の学校は、彼女にそれを与えることができなかったのかー。
p.254 後悔、葛藤、やり残したこと、正直それらは山ほどある。
教育とはなにかー。
教員時代に見出せなかった答えを、いまも追い求めているのかもしれない。はっきりした答えは、きっと一生かかっても見つからない気がする。けれど見つけようと試行錯誤することに意味があるのではないだろうか。
この学習塾は、その答えを見つける旅の出発点になるんじゃないか。そんな予感がしていた。
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