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風を織る
おちえ、危うし―― 人気時代シリーズ第4弾! 深川の縫箔(刺繍)屋・丸仙の娘、おちえが、不吉な模様の小袖を大店「出雲屋」別邸に届けると、邸内で突然五人の男に襲撃される。 同行した丸仙の職人・一居となんとか応戦するが、ふたりの前に老女が現れて――。 「出雲屋」の過去と、おちえにはどんなかかわりがあるのか。剣を愛するおちえと、武家の家を捨て刺繍の道を志す一居が真相に迫る。 『風を繍う』『風を結う』『風を紡ぐ』に続く、大好評〈針と剣 縫箔屋事件帖〉シリーズ、緊迫の第4弾! 〈目次〉 一 風花飛鳥模様 二 紅牡丹火車模様 三 白菊残陽模様 四 再びの花折枝模様 五 白無地 六 井桁模様 七 藤花下飛燕模様 八 青海波模様 装画/田尻真弓 -
ここにいるよ
中日新聞、東京新聞など連載で感動を呼んだ話題作! 痛みよ、希望よ、届け 「能登は遅れている」――いわれなき非難に押し込められる小さな声。 「比べたら、あかん」教師・小野寺は、被災地の小学校で子どもたちやその親たちが抱える、苦悩と希望に向き合い続ける。 2024年1月1日16時10分――。巨大地震が能登半島を襲った。 その時、元教師・小野寺徹平は、かつての教え子が女将をつとめる旅館に滞在していた。おとそ気分は吹き飛び、恐怖と不安の中で迎えた「最初の夜」、小野寺はこれから始まる被災地の日々を思い、心が沈んだ。 阪神・淡路大震災で家族を失い、東日本大震災で応援教師として被災地の子どもたちを励ましてきた小野寺には、能登半島で被災した人々の長い苦悩の道が痛いほど分かったからだ。 つらく苦しい非日常との闘いが始まる一方で、社会からの関心は徐々に希薄になり、過去の震災の被災地と比べられ、「復興が遅い」「無気力」と責める声すら上がる。 小野寺は再び被災地で、子どもたちと向き合う決意をする。 -
こだま標本箱
【『思い出のとき修理します』の著者が贈る、珠玉の伝承ミステリー】 古くからの言い伝えを調べる伝説収集家との出会いが、 大切な人を失った百絵の未来を変えていく――。 ****************************************** 人にしかできない癒しと再生の物語が優しく胸に響きます。 マルサン書店サントムーン店 原田里子さん ****************************************** 【著者より】 「こだま」は「木霊」と書きます。森の中に反響する音に、昔の人は木々の魂を感じたのでしょうか。 現代でも、御神木や謂れのある木など、大切に守られています。 日常のそばに、伝説は意外とあふれているのではないでしょうか。 伝説収集家の賀見社と、現実的な感覚の百絵、二人のやりとりも読みどころです。 どうして賀見社が伝説を集めるのか、身近な伝説に触れ百絵が何を得るのか、ぜひお楽しみください。 【あらすじ】 路地裏にひっそりとたたずむ「喫茶こだま」で働き始めた百絵。 雇い主の賀見社は、古くからの言い伝えを調べる「伝説収集家」なのだという。 姉の魂を連れていった井戸の神さま、 切ってはいけない呪われた木の秘密――。 賀見社のもとに舞い込むのはこの世の理では解くことのできない謎ばかり。 思いがけず彼を手伝うことになった百絵だが、 すべては、自らの切ない過去につながっていき――。 奇跡に満ちた救いの物語が、あなたの心にこだまする。 【目次】 1 幸せの香 2 水を染める色は 3 木々の声音 4 柳の下に眠る 5 神隠しの山 -
韓国ドラマ究極ベスト選 史上最高の韓流傑作は何か
韓流ブームの黎明期から現在まで韓国ドラマを見て語り続けてきた重鎮作家による究極の韓国ドラマ傑作選ガイド。「韓国ドラマの史上最高傑作は何か」をテーマに、新旧の名作を徹底解説&「おすすめベスト選」を紹介。 【本書CONTENTS】 はじめに 韓流ブームを起こした傑作はどのように作られたのか 第1章 人生を確実に変える韓国ドラマに遭遇する 『涙の女王』『おつかれさま』『二十五、二十一』他 第2章 韓国ドラマの真髄はこうして発揮される 『エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』『ムービング』『私たちのブルース』他 第3章 韓国ドラマには多種多彩な秀作が揃っている 『ジョンニョン:スター誕生』『シスターズ』他 第4章 韓国時代劇の名作が人生の深みに気づかせてくれる 『赤い袖先』『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』『オク氏夫人伝‐偽りの身分 真実の人生‐』他 第5章 韓国ドラマはまさに「笑いの天才」 『社内お見合い』『暴君のシェフ』『キング・ザ・ランド』他 第6章 韓国ドラマの史上最高傑作を探せ! 「名作&超話題作」「レジェンド時代劇」「史上最高傑作」 他 巻末特別エッセイ 韓国ドラマはどのように自分の人生に関わってきたのか COLUMN 『冬のソナタ』『王女の男』他 おわりに 韓国ドラマを作ってきた脚本家たちはどのように成長してきたか -
HACK
一般読者から、 「圧倒的な没入感」 「世界の解像度が上がる」 というレビュー続々! 今度の「マネーロンダリング」は、暗号資産(=仮想通貨=クリプト)! これが令和の冒険ミステリーだ!! 橘玲11年ぶりの書き下ろし長編。 2024年、秋。 暗号資産で得た利益への課税を逃れ、バンコクで暮らすハッカーの樹生(たつき、30歳)は、大麻ショップの屋上で日本人の情報屋・沈没男(ちんぼつおとこ)から相談を受ける。彼は、特殊詐欺で稼いだ違法資金を、ビットコインを使ってマネーロンダリングしたい、というのだ。 頭脳明晰だが退屈な日々を送る樹生は、その話に乗ることにした。彼にとってはハッキングもマネロンもクリプト(暗号資産)もすべて「ゲーム」だった。 そんな樹生は、五年前のスキャンダルで失踪した元アイドル咲桜(さら)がバンコクにいることを知り、そして彼女から連絡を受けたことがきっかけで、国際的な「陰謀世界」へと迷い込んでいく——。 樹生にとって、最初は取るに足らないゲームのはずだった。彼に近づく検察と公安の諜報機関。北朝鮮のハッカー集団ラザルス。関知せず動かないタイ警察。なぜか樹生にコンタクトを取り続ける伝説のハッカーHAL(ハル)---。 ハッキング技術を駆使した、目眩くマネーロンダリング手法と、二重三重に仕組まれた罠と裏切りで、狙い狙われるのは、10億円が500億、そして2500億円へと瞬く間に膨れ上がる北朝鮮の暗号資産マネー——。 -
時の家
第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」 ――いしいしんじ 「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」 ――松永K三蔵 ********************** 青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。 目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。 幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。 【装幀】水戸部 功 -
降りる人
〇「滑稽でもあり哀れでもある主人公が、実在の人物に思えるほど描写が自然で的確」(冲方丁/選評) 〇「名作が名作として読者の心に届く瞬間を目の当たりにできた思いで胸が熱くなった。」(辻村深月/選評) 〇「選評を書いているいまも、得がたい余韻がつづいている。」(道尾秀介/選評) 〇「淡々とした、ときにはユーモラスな語り口ながら、最後の一行まで緊張感が失われないのは、主人公の根源的な戦いを、緻密に、正確に、描いているからだ。感銘を受けた。」(森見登美彦/選評) 〇「こういう人の、こういう日々こそを、青春と呼びたい。いや、呼ばせてください。」(尾崎世界観) 心身ともに疲弊して仕事を辞めた30歳の宮田は、唯一の友人である浜野から、期間工は人と接することの少ない「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事だと聞き、浜野と共に工場で働くことに。 絶え間なく人間性を削り取られるような境遇の中、気付けば人間らしい営みを求めるようになっていく宮田だったが、実はある秘密を抱えており――。 選考委員の胸を打った、第16回小説野性時代新人賞受賞作! -
飛博(とばく)
鳩レースは、麻薬。 巨額飛び交う違法ギャンブル。 元締めのマフィアが闇ビジネスを拡大させる、真の狙いとは――? 賭け続けるしか、勝ちはない。 仁義なき賭博小説! 男のメンツと意地を賭けた、桁外れの闇賭博。 その日暮らしのしがない中年・上田安治は、テキ屋の元締めだった亡父・松吉から、違法賭博用の「レース鳩」を相続する。 松吉のコンサルタントを名乗る堂上によれば、鳩は名鳩ぞろい。プライベートクラブのレースに参加しないのならば、台湾人の楊志偉に売却してはと提案される。 博打よりも堅実な生活を求める安治は、勧められるままに鳩を売り、自らはクラブの鳩の世話をする鳩務員の職を得て、手堅く暮らしはじめる。 ところが楊の入会をきっかけに、クラブには台湾人が激増。彼らがマフィアだと知った安治は、日本人メンバーらの不審死と退会ににわかに恐怖を覚える。 だが新たな胴元による鳩レースは、開催間近にせまっていた……。 -
給水塔から見た虹は
あなたと私は違う。だから、一緒にいよう――。 『ふがいない僕は空を見た』『夜に星を放つ』の著者が、今を生きる人々に贈る感動作。 【各界からの反響続々!】 なんて誠実な小説なのだろう。今、この時代に、この本と出会えてよかった。――武田綾乃(作家) 白か黒かでしか断じない、この時代に絶対に有効な“あわい”の物語。――早見和真(作家) 何度も胸が潰されそうに痛かった。彼らの日々に、どうか幾重にも虹がかかりますように。――町田そのこ(作家) その人の涙のわけを知らない。分からない。けど私たちは何かを思うことが出来るから見つめながら目を逸らさずに、あなたの話を聞きたい。――山本奈衣瑠(俳優) 【あらすじ】 中学二年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。 郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。 家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。 そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。 「この団地から出て、遠くに行きたい」と。 はじめてできた友達、母とのすれ違い――。 桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。 【著者略歴】 窪 美澄(くぼ・みすみ) 1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また、同年に同作で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞、22年『夜に星を放つ』で直木賞を受賞。他の著書に『夏日狂想』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『ルミネッセンス』『ぼくは青くて透明で』などがある。 -
もの語る一手
将棋は、決断のゲームである。無数の選択肢から、一手を選ぶ。 将棋は、明快なゲームである。残酷なまでに白黒がはっきりとつく。 しかし、単純な「結果」にたどり着くまでの間に、無数の思いが凝縮されている。 だからこそ、将棋は物語の宝庫なのだーー。 超豪華執筆陣による「決断」をテーマにした傑作将棋小説アンソロジー。 青山美智子「授かり物」 「俺、東京に行く。漫画家になるんだ」 二十歳の天才棋士と同じ日に生まれた、平凡な我が子。初めて知る息子の夢に戸惑う芳枝だったが――。 葉真中顕「マルチンゲールの罠」 将棋の強さにだけは自信があった。 思い出話をきいてくれ。 あの日、俺は頼まれたんだ。 「天才」かもしれない少年を、この道場から追い出してほしいと――。 白井智之「誰も読めない」 名人戦、第五局。一日目の対局が終わり、ひと息ついた挑戦者が、 拉致された。連れ去った人物は、挑戦者に頼んだ。 ある殺人事件の犯人を見つけてほしい――、と。 橋本長道「なれなかった人」 元・天才棋士の青柳は、アマチュアとしてプロ棋戦を勝ち上がってきた段という男と対局する。彼は、青柳が三十年前に奨励会から蹴落とした相手だった。因縁の再戦を前に、二人がした約束とは。 貴志祐介「王手馬取り」 「両家の父が結婚式に来なかった」 井上家で未だに残る謎を解決するのは、元真剣師を名乗る老人で―― 芦沢央「おまえレベルの話はしてない(大島)」 奨励会員の息子を持つ男性が自己破産申請にやってきた。担当する弁護士の大島は自分も元奨励会員で事情もよく分かり、あと一歩のところまで順調に手続きが進んでいたが――。 綾崎隼「女の戰い」 「朱莉さんって銀みたいな人ですよね」 数少ない女性奨励会員として奮闘する倉科朱莉の、苦悩と成長の日々。 奥泉光「桂跳ね」 菅原香帆の日録に記された、将棋を通じた友との交歓の日々。 桂跳ねに込められた、友人の悲愴な決意とは。 -
ノー・アニマルズ
【俗世というジャングルをサバイブする男女はアニマルか。グランドホテルならぬグランド古マンション形式の物語は、混沌として続いてゆく。――桐野夏生氏】2025年に取り壊しが決まっている期限つきの“棲み処”。自ら鎖のない生活を選んだはずが、「しがらみ」となる犬を飼いたい気持ちが抑えきれない鮎美。与えられた「長男の権力」を放棄したい小学生の李一。母の恋人のことが心底気にくわず、二人を別れさせたい女子高生の羽衣。40歳目前、人生の選択を先送りする最良の方法だと考え卵子凍結を始めた有希子・・・・・・。さまざまな「欲望」を抱える7人の物語を収録。 -
ちぐはぐなディナー
人生の曲がり角は、真夏のパリの晩餐にあった。 ジゼル・アリミ賞を受賞した「反逆へ向かう女性たちを描く、一触即発の密室劇」 8月の暑い夜。パリのラスパイユ大通りにある高級アパルトマンを1組の夫婦が訪れた。エティエンヌが旧友のレミと、レミの妻のジョアルを招いたのだ。エティエンヌの妻のクローディアを交えて、4人でディナーを囲む。弁護士で自信に満ちたエティエンヌ。運動療法士で内気なクローディア。経済学の教師で社交的なレミ。IT業界で成功を収める思慮深いジョアル。それぞれの胸に秘めた思いを抱えながら、ディナーは進行していくがーー。 踏み出してみれば、なんてことのない一歩だった。 -
シスター・レイ
東京墨田区の外国人たちの相談役的存在で、「シスター」と慕われる、予備校の英語講師、能條玲。フィリピン出身の友人女性からの頼みで彼女の息子を探すことになった玲は、彼を探すうちに、ひょんなことから暴力団と外国人半グレ集団とのトラブルに巻き込まれてしまう。普段はただの一般人としてふるまう彼女だが、元フランス特殊部隊のエースという隠された経歴があった。前職の技術を活かし、暴力団と半グレたちを制圧して事件を解決に導く玲。その後も相次ぐトラブルに巻き込まれた外国人たちを助けていくうちに、玲は下町に隠された国際的な陰謀に巻き込まれていく。 -
日ノ出家のやおよろず
生きるのが下手くそな君だけど、 大丈夫、その頑張りは僕たちが見ているよ。 疲れたときほど心にしみ渡る。 『本のエンドロール』の著者が贈る、 これぞ「お粥小説」! 日ノ出楽志は一児の父になったが、 家事も仕事も上手くできない不器用な男。 唯一の取り柄はモノを大切にすることで、 人よりもずっと長く使うことができること。 楽志は知らなかった。 彼が名前をつけたモノには、心が宿っていることを。 リストラを受け、リサイクルショップに転職が決まったその時から、 楽志たち家族の人生が前に進み始める――。 読めば今日より明日がきっと楽しくなる、 心温まる感動の物語。 -
下垣内教授の江戸
ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説! 東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。 -
ヒール 悪役
プロレスに「最強」を復権させる!――かましてなんぼですよ、この世界は 日経小説大賞『散り花』に続く、美しく切ないプロレス讃歌第2章 どんな遺恨も因縁も、リングの上で白黒つける。そうでなければ夢がない。一度リングで“死んだ”男の死闘が、光を失いかけたレスラーたちの心に火をつけた―― 札幌での立花と一ノ瀬の試合。週刊リングの寺尾は、一ノ瀬が立花の狂気を引き出したと書いたが、三島の印象は違った。一ノ瀬は立花の世界に引きずり込まれたのだ。この試合で終わってもいいと思わせる快感にも似た昂ぶり。甲斐の世界が対戦相手だけでなく観客をも手玉に取り、会場全体を支配するものなら、立花は二人だけの世界にしてしまう。一ノ瀬はそれに引きずり込まれ、呑みこまれた。立花はなぜジャパンに戻ったのか。総合格闘技への出陣は意外ではなかった。もともとそのスキルはあった。しかし、立花はプロレスに復帰した。(本文より) -
箱庭クロニクル
『嘘つき姫』で鮮烈デビュー、2作目『海岸通り』で芥川賞候補。 ファンタジックな世界観と異国情緒ただよう文体で読者を魅了する、2024年最大の新人が、文芸界に風穴を開ける。 次世代の「本物」を探すみなさま、この「才能」を、見つけてください。 ~~~~~~ 手のひらのミクロコスモス。地獄の口に何度でも出くわす人生、でも私だけの天国に続く糸も確かに光り、ここにある。この物語の中に。 ーー 一穂ミチ とびきり美しい物語群の中に暗さや裏切りがあって、人間の光と影を同時に見せてくる…才能って“これ”のことね!? ーー佐伯ポインティ 孤立と連帯のあわいを揺れる不器用な人間の心。その迷宮の出口は、意外なところに開いている。 ーー千街晶之 注目作家の変幻自在っぷりが炸裂。一編一編異なる魂を持つ、驚異的な短編集。 ーー瀧井朝世 坂崎さんの紡ぐ、宝石箱がきらめくような言葉づかいに、もう、夢中です!!! ーー三宅香帆 ~~~~~~ ★収録作品★ 「ベルを鳴らして」(日本推理作家協会賞短編部門受賞作) そこにひとつの戯画がある。家一軒ほどの大きさのタイプライターだ。 「イン・ザ・ヘブン」 地獄はどこにでもある。内とか外とか関係ない。 「名前をつけてやる」 これは「バッグ・クロージャ―」これは「ランチャーム」これは「ポイ」 「あしながおばさん」 拝啓 盛夏の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 「あたたかくもやわらかくもないそれ」 ゾンビは治る。マツモトキヨシに薬が売ってる。 「渦とコリオリ」 水流は左に渦を巻いている。 邦文タイピストの少女がついた歴史を変える嘘や、禁書運動家の母親を持つ少女の始祖サンドで繋がれた絆、流行り病「ゾンビ」で親友を亡くした女性の不思議な一晩etc. 人生ベストの一編が、ここに。 -
チェーン・ディザスターズ
202X年7月。 長年危惧されていた南海トラフ地震が発生し、日本列島の太平洋側は壊滅状態に。 若き環境大臣・早乙女美来は、特に被害が大きかった愛知へ向かった。 名古屋では、地元IT企業「ネクスト・アース」がAI技術を駆使して開発した「エイド」によって、迅速な行方不明者の捜索と救助、避難所運営がおこなわれていた。 追い打ちをかけるように東京直下型地震が発生。 さらに、8月には過去最大級の大型台風が首都圏を襲う。 東京のビル群は崩れ落ち、閣僚の大半が亡くなり、緊急事態に対応するため美来が史上最年少で総理大臣に抜擢される。 しかし、絶望的な状況で、ついには富士山噴火の予兆が見え始め…… 初の女性総理・早乙女は、ネクスト・アースのCEO・利根崎に協力を仰ぎながら、日本最大の危機に立ち向かう。 崩壊に向かう日本を救うことが出来るのか――。 防災シミュレーション小説の第一人者の集大成。 -
超空洞物語
その〈空洞〉から、すべては始まった。 天下の奇書か、物語の起源か?日本最古の大長篇「うつほ物語」の謎を、光源氏が解きあかす。 「平家物語」を全訳した著者が、一千年の日本文学史を超絶マッシュアップ。歴史を現代につなぐ驚異の新作! 京の都の政治抗争を逃れ、みずから須磨の海辺へと流寓した光源氏。詫び住まいに携えたのは父帝ゆかりの七絃の琴と、 七絃の琴の一族を描く大長篇「うつほ物語」の第一巻だった。満月の宵、徒然なるままに「うつほ」の最終場面を墨絵に描いた光源氏は、その巨大な物語の迷宮を遡り、九枚の物語絵によって読み解いていく――。日本物語文学史の豊穣なる起源を、現代に再生させる冒険の書。 -
新宿野戦病院
東洋一の歓楽街・新宿歌舞伎町。あらゆる人種が集い、あらゆる言語が飛び交うこの町の片隅に佇む聖まごころ病院。 内科・小児科、泌尿器科・性病科、美容皮膚科はあるが、外科医がおらず家族経営の病院は存続が危ぶまれていた。 そこへ、アメリカ国籍の元軍医(外科)ヨウコが降臨する。鼻腔異物、穿通性外傷、オーバードーズ、急性硬膜外血腫、墜落外傷、スタンフォードA型急性大動脈解離、眼窩低骨折、陰茎捕捉、外傷性気胸…訳ありの、しかも手に余る救急患者たちが搬送されてきて、さながら新宿野戦病院と化す。 宮藤官九郎、初めての医療ドラマ、全11話を完全収録! -
イグアナの花園
動物の言葉が分かる美苑は、植物学者で大学教授の父と、厳格な華道師範である母親と住む家の中庭やアトリエで、生き物たちの言葉に耳を傾けるのが日課だった。一方、学校では人付き合いが苦手で「空気が読めない」子として回りから距離を取られていた。ある日、目覚めると、前日まで元気だった父が急逝した事実を知らされる。そんな美苑に声を掛けたのは、父の同僚である児玉先生。大学の植物園で飼育されている子供のグリーンイグアナを育てないかと美苑に提案する。そして14年間、「ソノ」と名付けられたイグアナと共にアトリエで暮らし、充分満たされた生活を送っていたのだが、突然母から呼び出され、驚愕の通告を受ける。母の体に癌が見つかり余命は恐らく半年。その半年の間に結婚せよと言われ……。 -
紺碧の海
この男、大罪人か? 稀代の開拓者か? 生きたお宝を狙え! 絶海の無人島で鳥を撲殺し、 金を生み出す島へと変えた男、玉置半右衛門。 その壮絶な人生とは!? 八丈島生まれの留吉は、大工の棟梁をしている 同郷の半右衛門の誘いで横浜へ移り、 奉公先で商いを覚え異国語も学ぶ。 偉ぶらず、やることは大胆で、強引さのある 半右衛門に憧れていた留吉は 「半右衛門の役に立ちたい」と思い続け、 27年後ウィリアム商館で番頭を 務めるまでになっていた。 「鳥島へ行かないか?」 半右衛門に声をかけられ島へ渡ると 驚くべき光景が広がっていた。 「おい! 羽を毟るのは丁寧にしろよ。 売り物にならなくなっちまう」 品定めに厳しい商売人の留吉は 南洋開拓に命を懸けたこの男に ますます魅了されていく! 主な登場人物 ・菊池留吉 八丈島生まれ。 海を見る度閉塞感を覚えていた。 半右衛門に誘われ、横浜へ。 ・玉置半右衛門 大工の棟梁となり、 やがて八丈島と東京とをつなぐ廻船業を始める。 ・近藤富蔵 近藤重蔵の息子。流人となり、 八丈島へ。島の子に算盤や読み書きを教える。 【目次】 第一章 横浜居留地 第二章 沖の太夫の島 第三章 羽毛長者 第四章 新天地 第五章 楽園の風 -
復活
ITベンチャーを起業し、M&Aを繰り返して、企業を急拡大させた「男」が、投資案件を物色中のフィリピンで、突然命を狙われる。九死に一生を得たものの、なぜか現地の刑務所に収監され、十数年にわたり屈辱の日々を送る。そして、ついに解放された男は、日本へ帰ってきた、あの頃とは、まったく違う姿で――。 物語は、「男」の恋人だった心臓カテーテル手術の名医と、その勤務先である大病院をも巻き込み、予想だにしない展開へ。金と権力への欲にまみれた世界で繰り広げられる復讐劇はどこへ向かうのか。2020年6月より公明新聞に連載された、サスペンスタッチの小説が待望の書籍化。 東京、フィリピン、北海道。IT業界、医療界、そして劣悪な環境の刑務所。時間と空間を超えた壮大なスケールのエンターテインメント大作が誕生した。 -
季節のない街 シナリオ
山本周五郎が素材ノートを総ざらいして書いたという 『季節のない街』を原作に、黒澤明監督が初のオールカラー『どですかでん』として映画化。 それから30年――宮藤官九郎がいちばんやりたかった企画が連続ドラマ「季節のない街」となってよみがえる! その街には”ナニ”で被災した人々が身を寄せる仮設住宅があった。 ”ナニ”から12年 ―― 今なお暮らしているのはワケありの住人ばかり。 田中新助こと半助はその街の実態を報告することでお金を得ていく。 青年部のタツヤ、コンビニ店員のオカベと知り合い、 ギリギリの生活の中で逞しく生きるワケあり住人らを観察するうちに、 半助はいつしか彼らに心を寄せるようになる。 シナリオ全10話分を完全収録!! また、各話に充実の監督解説付き! -
不適切にもほどがある!
主演・阿部サダヲ×脚本・宮藤官九郎!! 話題の“意識低い系タイムスリップコメディ”のシナリオを完全収録! 主人公・小川市郎は、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップしてしまう。 コンプライアンス意識の低い“昭和のおじさん”の市郎からは、令和ではギリギリ“不適切”発言が飛び出す。 しかし、そんな市郎の極論が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていくことに。 昭和から令和へ、時代は変わっても、親が子を想う気持ち、子が親を疎ましく想う気持ち、誰かを愛する気持ちという変わらないものもある。 妻を亡くした市郎とその一人娘、そしてタイムスリップしたことで出会う人々との絆を描くヒューマンコメディでもある。 時代とともに変わっていいこと、変えずに守るべきことを見つめ直す、宮藤官九郎脚本のオリジナルドラマ。 <収録内容> ・第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話、第7話、第8話、第9話、第10話シナリオ完全オリジナル版 <特典> ・まえがき 宮藤官九郎 ・キャストアンケート ・あとがき 磯山晶(プロデューサー) -
フェスタ
北海道浦河町で生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。 パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰の「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いない――と確信していた。 そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。 二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。 一進一退しながらも着々と結果を残していくカムナビ。 目指すは、日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇。 生産者、厩務員、調教師、馬主、ジョッキー……ホースマンたちの夢を一頭の競走馬に懸けた熱き物語。 -
乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび【電子版特典付き】
江戸川乱歩のいわくつきの未完作「悪霊」 デビュー百年を越え、いま明かされる、犯人・蔵の密室・謎の記号の正体。 そして、なぜ本作が、未完となったのか―― 乱歩の中絶作を、芦辺拓が書き継ぎ完結させる! そのうえ、物語は更なる仕掛けへ……。 1923年(大正12年)に「二銭銅貨」でデビューし、探偵小説という最先端の文学を日本の風土と言語空間に着地させた江戸川乱歩。満を持して1933年(昭和8年)に鳴り物入りで連載スタートした「悪霊」は、これまでの彼の作品と同様、傑作となるはずだった。 謎めいた犯罪記録の手紙を著者らしき人物が手に入れ、そこで語られるのは、美しき未亡人が不可思議な血痕をまとった凄惨な遺体となって蔵の2階で発見された密室殺人、現場で見つかった不可解な記号、怪しげな人物ばかりの降霊会の集い、そして新たに「又一人美しい人が死ぬ」という予告……。 期待満載で幕を開けたこの作品はしかし、連載3回ののち2度の休載を挟み、乱歩の「作者としての無力を告白」したお手上げ宣言で途絶した。 本書は、『大鞠家殺人事件』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞した芦辺拓が、乱歩がぶちあげた謎を全て解き明かすと同時に、なぜ「悪霊」が未完になったかをも構築する超弩級ミステリである。 【電子版特典】 「芦辺拓+江戸川乱歩特別対談 ~「悪霊」の九十年ぶり完結を記念して~」 (※芦辺拓書き下ろし) -
互換性の王子
「お前にしかできないことなんて、ない」――兄・実行 「あきらめたら、俺という存在はどうなるんだ」――弟・成功 順風満帆な御曹司の前に突如現れ、入れ替わろうとした異母兄。 お前は俺から、仕事も恋も奪おうというのかーー。 『犯人に告ぐ』『望み』『検察側の罪人』の著者が描く、スリリングなサバイバルレース! 入れ替わった「王子」の戦いの行方はーー。 【あらすじ】 準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)が何者かによって別荘に監禁された。 彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。 半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。 そして実行は早恵里にも近付こうとしている。 「奪われたものは、奪い返さなければ」 成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走するがーー。 異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らす、一気読み必至のエンターテインメント! 【著者プロフィール】 雫井脩介(しずくい・しゅうすけ) 1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第四回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。2004年に『犯人に告ぐ』がベストセラーに。同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位となり、第七回大藪春彦賞も受賞した。『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『検察側の罪人』『仮面同窓会』『望み』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』など映像化された作品多数。近著に『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『霧をはらう』など。2023年、『クロコダイルティアーズ』で直木賞候補となった。 -
岡村靖幸のカモンエブリバディ
2019年から2021年に13回にわたって、NHK-FMとNHKラジオ第一で不定期に放送された音楽家の岡村靖幸がパーソナリティを務めるラジオ番組『岡村靖幸のカモンエブリバディ』の書籍化。放送された内容をもとに再構成、著者のコメントを加えて編集しました。ゲストを迎えて何かを学んだり、一緒にセッションしたり、リスナーからの質問に答えたり、さまざまな「岡村ちゃん」の学びが楽しめる1冊です。〝ボーナストラック〟として書籍のみのゲストとして小林克也さんをお迎えしました。 「ラジオ番組を一緒にやりませんかと声をかけていただいた時に、お! 楽しみができたと思いました。(中略)どういう内容にするかという打ち合わせがあり、僕がいろんなことに挑戦していく模様をドキュメンタリー調に記録できたら面白いんじゃないか、という方向に決まっていきました。(中略)繰り返し番組を聴いてもらえる方法はないかと考えていたので、この番組を書籍として残すことができることをとても嬉しく思います」――岡村靖幸「はじめに」より ■ラジオ放送時出演のゲスト 大貫妙子(ミュージシャン) 神野紗希(俳人) ライムスター・宇多丸(ラッパー) 斉藤和義(ミュージシャン) ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家) 犬山イヌコ(俳優、声優) 加賀美幸子(アナウンサー) 河合敦(歴史研究家) 満島ひかり(俳優) ■書籍のみ出演のゲスト 小林克也(DJ) ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
愛媛県新居浜市上原一丁目三番地
物語は終わる。けれど、人生は続いていく。 少年時代を過ごし、父母を見送った愛媛県新居浜市の家、劇団「第三舞台」を立ち上げた早稲田大学・大隈講堂裏。 かけがえのない〈場所〉を通して人生の物語を描く、初の自伝小説集! ・「愛媛県新居浜市上原一丁目三番地」 家族の家がなくなる前夜、僕はこの家の物語を書き始めた。 今から五十四年前に始まった、緑の家の物語を。 ・「東京都新宿区早稲田鶴巻町大隈講堂裏」 大学二年の四月、大隈講堂の裏広場に通じる鉄扉を押した。 愛媛から出てきた無名の二十歳の若者が、何者かになるために。 ・「東京都杉並区××二丁目四番地」 演劇を仕事にして四十年。六十三歳の僕は、 終の住処になるかもしれない家で、次の物語を書き始める。 作家・鴻上尚史の原点とともに、一つの時代を描く傑作小説集。 -
八月十五夜の茶屋
沖縄在住の訳者が新訳で贈る沖縄の戦後復興を描いた「社会派」作品! 上陸作戦に参加した軍政チームの米軍将校が、ユーモアを交えて描く占領初期の民衆の姿を描く。 1957年、グレン・フォード、マーロン・ブランド、京マチ子主演の映画で有名になったアメリカ映画の原作本。 「ゴトゴトと音を立てて進む帆船(ジャンク)……そのすべてが友好的に、通商だけを目的として渡って来たとは限るまい。時には、侵略者(インベイダー)を乗せて来ることもあったのではないか? 沖縄の人々は、侵略者によく対抗できたのだろうか? それとも、強要されたことをすべて受け入れる道しかなかったのか?……自分もまた沖縄の人々に差し向けられた侵略者であることに思い当たり、険しい表情になった。」(本書「侵略者」より) -
ワンダーランド急行
似ているが……ここは私の世界じゃない―― 作品初出は、コロナ禍で行動制限中の日経新聞夕刊 主人公が迷い込んだ異世界が現実を先取り? ある朝、通勤と反対方向の電車に、魔が差して乗ってしまった。山の中をさまよい、戻ってくると、誰もマスクをしていない! 今朝の会議はユーツ。こんな生活、いつまで続けるんだ……ぐだぐだ考えているうちに出てしまった下り電車は「急行」。次々と通過していく駅を見ながら40歳の野崎修作は「ろくでもない毎日からの脱出」とサボりを決める。スーツで山に登り、「日常」に戻ると……ん? 何かおかしい、街も家も会社も。どこかで聞いたような疫病が世界を分断していた。新宗教の持つ票があらゆる選挙を左右するらしい。「正義」に縛られた人たちはネット上で……ここは私のいるべき場所じゃない。私の世界へ帰るのだ。 -
花火が写る絶景撮影術
花火といえば、夏の風物詩のひとつですが、昨今は季節を問わず夜空を彩るようになりました。さらに、カメラ機材の進化もともなって、より多くの写真家たちから被写体として選ばれるように。本書では、機材や撮影地の選び方などの基本的な情報から、花火単体、花火のある風景の撮り方、撮影後の現像まで、花火撮影に必要なテクニックを解説します。 巻頭:作例 Chapter 1「花火撮影の準備をしよう」 Chapter 2「機材・撮影・花火の基本」 Chapter 3「花火撮影を楽しもう」 Chapter 4「絶景花火に挑戦しよう」 Chapter 5「花火写真の画像処理」 巻末:おすすめ花火大会情報 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
これでいくほかないのよ
いつまでも終わらない物語のはじまり 世界を旅してきた写真家が十年の時をまたぎ、 フォークランドと広東省で経験した驚くべき偶然とは…… (「スルメと空豆ご飯」) 職を失ったホステスとバンドマンがバーで出会い、 店長の話をきっかけに、町に団子屋を復活させようと動き出す…… (「これでいくほかないのよ」) ふとした会話と、少しのつながりから生まれる八編。 今なお斬新、最新短編集。 -------------------------------------- 【目次】 ■六十四年インパラ ■人生は野菜スープ ■スルメと空豆ご飯 ■「今日は三月十二日です」 ■エスプレッソ ■銀座化粧 ■夜景が見えます ■これでいくほかないのよ ■あとがき -------------------------------------- -
乳と蜜の流るゝ郷
『乳と蜜の流るゝ郷』は昭和9年から10年にかけて農村雑誌『家の光』に連載され、多くの読者の共感と涙を呼んだ名作です。協同組合の育成とその活動をつうじて社会的課題の解決をはかり、相互扶助にもとづく協同組合社会をめざした自伝的フィクション。 社会の安定・安心が大きく揺らいでいる現在、賀川豊彦がめざした社会とはどのようなものであったのか。協同組合の相互扶助精神を中心にドラマ仕立で展開する本書は、これからの社会のあり方を考える大きな道標となる。 (※本書は2009/9/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました) -
引力の欠落
数々の企業の上場にCFO(最高財務責任者)として関わったことで巨富を得て、半ば人生を上がってしまった行先馨。経済的には充足しつつも深い孤独を抱える彼女は、マミヤと名乗る弁護士から「人間からはみ出した方が良い」と告げられ、奇妙なペントハウスに招待される。そこでは中国を統一した「始皇帝」や、水からガソリンを精製した「本多維富」を自称する者たちが、カードゲームに興じていた。はたして彼らは何者なのか。そして人間は、欠落や孤独から解放されることで、ネクストステージへ進むことは真に可能なのか。芥川賞作家が鋭い筆致で挑む、超現実の新地平。 -
ヘビ、ハチ、ムカデは至宝を隠す
古代日本史における衝撃的な新説を説いた論文が盗まれた――。 大学教授だった亡き父の最後の論文が誰かに盗まれたと疑いを持った篠宮奈流美は、消えた父の論文の手がかりを探すため生前父と交流のあった糸魚川の郷土史家・衿角家を訪ねた。学者並みの知識を持つ青年、児嶋陸を紹介された奈流美は、父から聞いていたヘビ、ハチ、ムカデ、そして出雲大社というキーワードから消えた論文の捜索の協力を陸に求める。 果たして論文は本当に誰かに盗まれたのか、そして解き明かされる古代日本人たちが体感していた神秘とは――。 圧倒的な知識と考察で描かれる古代日本の神話と神秘に触れる本格歴史ミステリー小説。 -
カラ売り屋vs仮想通貨
元官僚の日本人と2人のアメリカ人が運営するウォール街のカラ売りファンド、パンゲア&カンパニーが、新たに3つの日本企業に照準を定めた。狙われたのは、濡れ手で粟の利益を上げる仮想通貨交換業者、グレーゾーンぎりぎりの会計手法で生き残りを画策する巨大航空会社、業界にEV旋風を巻き起こす新興電気自動車メーカー。財務諸表を徹底的に読み込み、株価を下げようとするパンゲアを、追い込まれた企業がマージン・コールで締め上げる――。金融ジャングルの勝者は、果たしてどちらか!? 「仮想通貨の闇」「巨大航空会社」「電気自動車の風雲児」三編を収録。 -
パルダリウム ハンドブック 大自然の景色を手本に作る、ガラスケースのジャングル
大自然がお手本。レイアウトの参考になる自生地写真が盛りだくさん!コケだけじゃない、パルダリウムに使える魅力的な植物はこんなにある! ガラスケースの中に小さな自然を再現するパルダリウム。苔のパルダリウムが人気ですが、使える魅力的な植物はほかにもたくさん。そんな熱帯雨林の植物たちを、実際に生息している様子がよくわかる自生地の写真で紹介。また、様々なタイプのパルダリウムの製作方法を丁寧に紹介するほか、レイアウトの参考になる現地の風景写真も収録しています。大自然の景色を手本にした、ネイチャーパルダリウムを作るための1冊! 自生地環境図鑑 熱帯植物図鑑 パルダリウムの作り方 着生/ボトル/情景 パルダリウムの手入れ法 トラブルシューティング パルダリウムの歴史、他 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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