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六十代の主婦・雅美は、大谷選手の書いたマンダラチャートを真似て、マス目を埋めてみる。 もし、人生をやりなおせるならば、「女性が胸を張って生きられる世の中にしたい」。 そう記した途端、雅美はマンダラチャートに飲み込まれ、中学生に戻ってしまう……。 同じくタイムスリップした、かつての憧れの人・天ヶ瀬とともに昭和の古くさい価値観を変えようと、奮闘する雅美だが……。
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Posted by ブクログ
垣谷さんの小説は読みやすく一気に読めます。 今回もあっという間に読めました。 マンダラチャートって何?と思いましたが内容を見てなるほど! 私もタイムスリップしたら中学生に戻り勉強をやり直してトップの成績を取って良い高校に入りたい、と思いました。タラレバですが··· そんな夢のような気持ちにさせてくれ...続きを読むた本でした。現実は甘くない、今の生活も不満はあるけど······お互い様かな? それでも昔はこんなことあったよね? そうそう、女性は就職に不利だった、医学生も点数下げられてた。と怒りを覚えました。 今は少しでも改善できているのだろうか? パワハラ、セクハラ、色々聞くけどそれじゃ社会人を育てられない、という意見もあるし、教育の立場でも上を目指すなら熱血指導があった時代に比べると今は手ぬるい、と思ってしまうのは私だけか? いづれにせよ、とても良いテンポで読めた小説でした。
「女性が胸を張って生きられる世の中にする 」 マンダラチャートにそう書き終えた瞬間、63歳の北園雅美は中二時代にタイムスリップした…。 著者の垣谷美雨さんはこれまで「女性の生きづらさ」をテーマに数多くの作品を書かれている。集大成にも思えるこの本からは「とことん言わせてもらいますよ」と、ご本人の声が...続きを読む聞こえてくるような気がした。 「昭和ってこんなに男尊女卑な時代だったのか!」 田舎娘にとってそれが当たり前の日々で疑いもしなかった時代。東京の短大を出て、結婚、出産、年を重ねるうちに少しずつ違和感と失望感が膨らんでいく。 63歳の雅美は中学生に戻り、もう一度人生をやり直す。「結局女の人生は、自身の経済力に左右される」と考え、家族への接し方から変えていこうとする雅美に共感させられた。 初恋の人、天ヶ瀬良一が二人目のタイムスリッパーだなんて、なかなか心憎い演出だ。外見だけでなく性格も良く、雅美にとって唯一の理解者。 今後、この二人がどうなっていくのか期待度が増した。 スマホは無く、交換日記でのやり取り。ラジカセから流れてくる流行歌。雅美は歌詞に問題ありと抗議文を送る。 「声をあげなければ世の中は何も変わらない」 マスコミの影響や世間の風潮に惑わされ、人生を搾取された女性たち! 「だから私はあきらめない」雅美は四年制大学の建築学科に合格したが、彼女の前にさらなる壁が立ちはだかって… 。 2回目の人生も決して甘くない! 後半は、奮闘を続ける雅美にエールを送りながら読んだ。 天ヶ瀬を通し、男性側の人生にも触れてある本作では、生きづらいのは女性だけではないと教えてくれた。 ラストは希望を持たせる終わり方でとても良かったと思う。
共感、共感の嵐でした! 60代になった時に10代20代を振り返り、その経験からやり直せたらどんなに素晴らしいことか!決して実現することのないそれを教えてくれたのが、この本でした。 「あー、そうだったなー、あんなことこんなことあったなー」と若い時を思い出しながらも、今の現実を懸命に生きていこうと思いま...続きを読むした。
タイムスリップした辺りまでは微妙でしたが、徐々に物語にのめり込み、気付いたら2日で完読! やっぱり大好き垣谷美雨。
タイムスリップものでこんなに単純明快なものを他に知らない。 結末、大変良い。 なんか結末までの紆余曲折はいろいろ思うところがあったけど、、、そうくるか!(⌒▽⌒)! 「思慮深く聡明で努力家で、、、そして愚かで大胆な大人」なんて素敵な評価だろう! そう。この小説でタイムスリップを追体験した私も「愚...続きを読むかで大胆な大人」になりたい!!
もしも、もう一度人生をやり直せるならば、あなたはどんな人生を送りたい? 私はどうだろう? うんと勉強して世界へ飛び立つ? それとも違う誰かと結婚してみる? この本の主人公、北園雅美(63歳)の場合… 「もしも、もう一度人生をやり直せるならば、自分の人生を邪魔するものは一切合切排除してみたい」 ...続きを読む「そのためには、もう結婚はしない。もちろん子供も産まない。自分自身の人生を生きてみたい」 そんなある日、雅美は中学二年生・1973年にタイムスリップしてしまう。 令和を知る雅美が見た昭和はハラスメントの宝庫。 私も昭和生まれだから、分かる。 分かるけど、こんなに酷かったんだ! 二度目の人生を歩む雅美は、少しでも女性が生きやすい社会にしようと奮闘する。 でもこれが相当手強いんだ。 ほとんど何も変わらない。 それでも家族の中はずいぶん変わったと思う。 兄も〝男だから〟という呪縛から解放される。 中学、高校、大学、就職、と進んでいき… さぁ、どうなるんだろう? 令和に戻れる? と、色々心配… でも! とってもワクワクするラストに「やったー!」って叫んじゃった(心の中でね) 雅美の奮闘ぶりにハラハラしながら、私自身の過去を振り返ったり、今の暮らしを客観的に見ることで〝未来〟を考えるきっかけになった一冊。 面白かったです。
垣谷美雨さんの書く物語って、パート主婦の私にはとても刺さる。読んでいて、共感して、笑えて、何度も吹き出してしまった。 男性側の主張?も書かれていたのが良かった。皆、自由がほしいんだな…仕事もほしい、自由もほしい、孤独もほしいし仲間も家族もほしい… 童話の最後のようなラストでした。
面白い話でした、どうなるの?と思って読み進めました。 結果的にはハッピーエンド?なのかな。 ちょっと主人公がうざい、天ヶ瀬さばさばしていて顔もいいならいいなと思った。
いつもの如く読み応えあり。現在の生きづらさからのまさかのタイムスリップ。昭和の中学生に戻る。どの時代に行っても違う意味での生きづらさがある。やり直したとしても、その時代ならではの、当たり前の出来事がある。となると令和がいいのか。色々と考えさせられたが一番いい方向で終わった。やっぱり面白かった。
2024年出版。373ページ。表紙のイラストが何やら絶妙に...と思ったら、意図的でしたね。主人公の63歳の女性の精神だけが、何故か中学生時第の自信の身体にタイムスリップすると云う設定から始まる。女性である事の差別・苦悩、自信が無自覚に抱えている古い価値観などに苦悶しつつ。生き直しと、可能な限りの周...続きを読む囲の改善を目指すが、別人になる訳では無いので難しさも。思っていた以上に無自覚な差別が根深く、抗い術もなく挫折しそうになり...。 かなりのセクハラシーンも描かれるので、65歳男性である自分ですら腹立たしく不快感が甚だしい。これが現実として多くのシーンが存在した・し続けていると思うと、男ってモノがつくづく情けなくなるが...。 「楽しい」という本ではないが面白かった。
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