あらすじ
六十代の主婦・雅美は、大谷選手の書いたマンダラチャートを真似て、マス目を埋めてみる。
もし、人生をやりなおせるならば、「女性が胸を張って生きられる世の中にしたい」。
そう記した途端、雅美はマンダラチャートに飲み込まれ、中学生に戻ってしまう……。
同じくタイムスリップした、かつての憧れの人・天ヶ瀬とともに昭和の古くさい価値観を変えようと、奮闘する雅美だが……。
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Posted by ブクログ
2024/11/24リクエスト 20
面白かった。
妻を言い負かす事でストレス発散する夫!から始まり、あるあると思うことばかり。文字で読むと昭和から平成の価値観に自分も縛られてると思った。男尊女卑に嫌悪感を抱いてるのに、娘には経験してきたことしかアドバイスできない。主人公の雅美とは一回り以上違うけど、ほぼ同じ。
初恋相手の同級生、天ヶ瀬とはいい関係になりそう。言いたいことを言える関係って素晴らしいと思う。中学生に戻ったら、違う人生を選択できるかな。
Posted by ブクログ
男も女も晩年になると人生を振り返る。
そして、後悔ばかりの人生を、誰かのせいにしたくなる。
自由に生きられなかった。
誰しもそんな思いが心のどこかにある。
仕方がなかったのだ。
余裕がなかったのだから。
時間がなかったのだから。
お金がなかったのだから。
主人公は63歳女性。大谷翔平選手のマンダラチャートに触発され、自分でも目標(理想)を書き込んでいるといつの間にかタイムスリップ。たまたま同じようにタイムスリップしてきた初恋の人と共に、2度目の人生に挑み始める…
有り得ないお話だけど、コレ、本当に出来たら良いのになぁと思ってしまった。おばさんになってから気づく「あの時ああしていれば」なことを、あの時に戻って実行できたら。言い訳を考えてあきらめようとする過去を取り戻せたなら。
この本と一緒にワクワク出来て良かった。
Posted by ブクログ
私は69年生まれだけど、10歳離れた垣谷さんが書いていることがいちいち当てはまって怖い。時代背景がその頃はほぼ同じということか。親のタイプ、行動。自分の考え方の根本にあるもの、自然と刷り込まれてきたことなど。普段思っていることが物語になって文章で言い表されている感じ。読んでいて感心したり、心底笑ったり。
ちょっと立ち止まってこれまでの良かったこと、悪かったことを整理して、新しいことにチャレンジしたくなる、そんな小説だった。堪能した。
Posted by ブクログ
最高に面白かった。
まさに主人公と同じような時代に生まれた育ったので共感できた。
マンダラチャートで過去に戻れるなら
全く違う生き方をしたいと思う。
Posted by ブクログ
昔は当たり前だったことが今ではおかしいと言われることが多々ある。自分の軸をしっかり持って、世間の当たり前を疑う必要があるなと感じた。
また、人や社会を変えることは難しいが、自分を変えることはできるのではないかと思えた。
天ヶ瀬が「一生のうちでわくわくした回数が多い人間が勝ち組」と言ったあとの、主人公のセリフ「穏やかで落ち着いた暮らしが好きな人も多いじゃん」から、やはり自分が幸せかどうかを決めるのは自分の軸が必要だとあらためて感じた。
Posted by ブクログ
主人公の雅美と同年代の読者としては、彼女の置かれた状況に共感して読んだ。
63歳から中学2年の自分にタイムスリップしてしまう。
この設定に期待して読み始めたが、予想以上に面白い小説だった。
人生を繰り返すのだから失敗は回避できるはずなのに、偏差値の高い大学卒だからというバイアスに遮られる就職活動には、男女差への根深さを実感させられた。
様々ありながらも雅美の最後の台詞は、様々な葛藤に苛まれた雅美に新たな道を歩む力強さを感じ大満足な結末だった。
Posted by ブクログ
今の自分にとっても共感できる内容。
令和の時代でも、まだまだ男性社会だと感じる事が多く、結婚をして子供を産んで育てる事が女性の生き方だとされていて、アラフォーの自分はヒシヒシとその視線を感じる。
昭和ど真ん中で生きてきた母親はまさに亭主関白な父親に嫌気がさして離婚したいと言いつつお金がなくて生きていけないと嘆いている。
そんな風に後悔する人生なら離婚して再スタートしたらいいのにと思うが、ただただ愚痴を言うばかりの母親にイライラする日々。
自分は結婚して家事と子育てで終わる人生は嫌だから、結婚しないと思っているがなんだかたまらなく孤独を感じる瞬間もある。
あー、一度きりの人生難しい。
Posted by ブクログ
話題のものを取り入れるのが上手い作者さん
今回は大谷選手がやってたマンダラチャートをきっかけに人生を見つめ直す主人公のお話
昭和の就活のありえなさにいやいや冗談だと言ってくれ…とぞっとして、
自分も勤め先でお茶汲みは女性職員の仕事(つい2年前まで勤めてたとこですよ)と言われたことを思い出してたいして進歩してないな…?と更にぞっとしたりして
確かに日本の女性、声を上げるべきだとは思ってるけど、主人公のようにフェミニストかぶれとか変人扱いされるのもあるわけで
男も女も生きづらいこの国ってなんなんでしょうね?
主人公みたいに人生ちょっとでも良くなって終われば良いな!と思った次第です
Posted by ブクログ
雅美は旦那の事を心底嫌いになっていて、日々の暮らしに不満を抱いていた。そんな時、ひょんなことから昭和にタイムスリップした雅美。そこで同級生の天ヶ瀬も同じくタイムスリップしてると言う。2人は人生をやり直す事に…
今と違い、男尊女卑の精神が根強かった昭和。四大出の女子の就職率の低さに唖然としました。若い方が好まれ、お嫁さん候補を職場で探すなんて時代だったんですね。
それに抗う雅美が格好良かったです。天ヶ瀬との関係も良いような悪いような感じでしたが、まさか令和に戻って離婚してまで一緒に居たいと強く思っていたのは意外でした。
Posted by ブクログ
宗教のお話かと思ったらタイムスリップ⁈そうか、“大谷曼陀羅チャート”以来、目標達成シートが主流の意味に。男尊女卑は、昭和の遺物になりつつあるけど根底は変わっていないような…。「自由に生きられなかった。仕方がなかったのだ。余裕がない。時間がない。お金がなかったのだから」大変な時代だったけど仕方がないでは…「俺は、毎日わくわくする人生を送ってるヤツが勝ち組だと思う」
勝ち組にならなくてもいいけど、わくわくする日々を過ごしたいものだ。
Posted by ブクログ
様々な社会問題にメスを入れてくれる垣谷さんの最新作のテーマはズバリ男尊女卑。
冒頭から大谷翔平選手のマンダラチャート登場に面白い予感しかしない。
主人公の雅美(63歳)が大谷選手を真似て書いたマンダラチャートに飲み込まれ、タイムスリップし中学生に戻ってしまうという奇想天外な物語だが、描かれている内容はとてもリアル。
令和の今でも生きづらさは感じるが、昭和の時代に比べたら遥かにマシになったとしみじみ感じた。
共にタイムスリップした初恋の君との交流も面白い。
悲哀と爆笑と共感。
今回も垣谷節が冴え渡る。
ラスト一行が最高。
Posted by ブクログ
63歳夫との暮らしに不満しかない雅美。中学時代にタイムスリップ。すると自分と同様に移動してきた者がいた。そして成長していくと。
面白かった。昭和の女性と令和の女性の生き方。何が正解なのか。
Posted by ブクログ
大谷選手が黙秘達成のために作ったマンダラチャートを見ながらつぶやく63歳の雅美。
家事労働に子育てにパート仕事に多くの時間を費やして、何も成し遂げることなく終わりに近づいてきた人生。
今なら…と買い物メモの裏に書いたマンダラチャートを眺めていると〜
気がつけば中学生に戻っていた。
さぁ、やり直そうと、好きに生きてみようと…。
令和の時代に戻ってきた雅美が、諦めずに違う人生を選ぼうとするわくわく感が伝わってきた。
あきらめたら終わり、なんとかなると自分で道を開かないといつまでも変わらない。
タイムスリップものだが、年代がほぼ同じなので当時の家の電話しかないことや短大卒が優遇される所謂腰かけ的な時代だったことを思い出した。
特に世間体を気にする両親や大学卒の女性を好ましく思っていない会社など、それが普通で反論することなど考えたこともなかった。
誰かが声をあげていかないと何も変わらない。
いろんなことを気づかせてくれた。