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幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル
ようこそ、物語のカーニヴァルへ。 本書では、ごく短い物語を、数多く集めました。 寄稿者各氏には、短いこととは別に、もうひとつお願いをしました。 「本について、または本のある場所についての物語を書いてください」 そして、二十七名の作家による短い物語が、この一本の本棚に収まりました。あなたが今いるのは、その不思議な本棚の前なのです。 どうぞごゆっくりお楽しみください。 (1行アキ) 第二回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテスト入選作品を収録。全編書き下ろしの別冊『幻想と怪奇』を、ここに再び。 【収録作家(五十音順)】 相川英輔/朝松健/芦辺拓/飛鳥部勝則/荒居蘭/石神茉莉/石原三日月/井上雅彦/植草昌実/江坂遊/織守きょうや/粕谷知世/勝山海百合/菊地秀行/北原尚彦/坂崎かおる/澤村伊智/斜線堂有紀/高井信/高野史緒/立原透耶/西崎憲/西聖/深田亨/三津田信三/木犀あこ/森青花 -
各務原・名古屋・国立
老小説家の父親の出生地、岐阜県各務原市での講演という体で小説は書き始められる。その講演では岐阜近辺出身の文人が次々に召喚され、文化的磁場としての岐阜について語られるかと思いきや、認知症が進行していく妻とのやり取りの場面が挿入される。老小説家が関心を持って接してきた遠い過去からごく最近までの文学者たちの言葉と、日常生活を営むことが困難になりつつある妻の言葉が折り重なるように記されつづけたその奥からぼんやりと見えてくるのは、齢八十代半ばに至り健康体とはいえない老小説家が、どうしようもなく疲労しつつも生きて書くことの闘いをやめようとしない姿である。 -
シン・論 おたくとアヴァンギャルド
庵野秀明の「シン・」シリーズは、「おたく」の歴史を踏まえた自覚的な「つくり直し」である。その方法と美学の出自を探る、挑発的芸術論。 戦後の「おたく」表現のフェティシズムや美学の出自は、戦時下に狂い咲いたアヴァンギャルドが、戦後、政治的にウォッシュされたものであるというのがぼくの一貫した主張だが、「シン・」シリーズは、 その美学や方法を「正しく」運用し直し、戦後おたく表現を「修正」する試みなのだ。成田亨ウルトラマンの初期デザインの採用などその際たるものだろう。しかし、それは「特撮」とか「アニメ」とか 戦後のジャンルに必ずしも閉じたものでなく、もう少し広い。その「広さ」が重要だ。 (「あとがき」より) ※本データには、図版・注釈への双方向リンクは含まれません。 -
合本 季節風(春)(夏)(秋)(冬)【文春e-Books】
重松清の傑作短篇集「季節風」シリーズ全4巻が1冊に! (春):古いひな人形が、記憶の中の春とともに、母の面影を思い起こさせる「めぐりびな」、子どもが生まれたばかりの共働きの若い夫婦が直面した葛藤と、その後の日々を鮮やかに描き出した「ツバメ記念日」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの春篇。別れと出会いに胸震わせる、春の物語12篇を収録。 (夏):転校が決まった“相棒”と自転車で海へ向かう少年たちの冒険「僕たちのミシシッピ・リバー」、野球部最後の試合でラストバッターになった輝夫と、引退後も練習に出続ける控え選手だった渡瀬、2人の夏「終わりの後の始まりの前に」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの夏篇。まぶしい季節に大切な人を想う、夏の物語12篇を収録。 (秋):同窓会で久しぶりに再会した中年5人が始めた秘密基地の集まりに、1人が息子を連れてきたいと言い出した……「秘密基地に午後七時」、男の子と、離婚する両親との最後の外食を描いた「少しだけ欠けた月」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの秋篇。ひと恋しい季節にそっと寄り添うような、秋の物語12篇を収録。 (冬):出産のために離れて暮らす母親のことを想う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた「サンタ・エクスプレス」ほか、<ひとの“想い”を信じていなければ、小説は書けない気がする>という著者が、普通の人々の小さくて大きな世界を季節ごとに描き出す短篇集「季節風」シリーズの冬篇。寒い季節を暖かくしてくれる、冬の物語12篇を収録。 -
真珠王の娘
1944年10月、英国首相チャーチルから帝國真珠ロンドン支店の早川正臣に真珠の胸飾り「ハナグルマ」が手渡された。かつてパリ万博にも出品された品の修復依頼だった。「君の祖国は、あと一年ももたない」と言われながらも日本に戻り、正臣が向かったのは、ハナグルマを唯一修復できる水野家だった。 水野美冬は真珠職人の母と二人暮らし。学徒勤労動員で浜松にある挺身工場に出発する前夜、母から重大な話を聞かされる。早世した父は実の父ではなく、本当の父は「真珠王」と呼ばれる帝國真珠の創業者・藤堂高清だという……。 時代の波に翻弄されながらも美冬は自らの運命を切り開いていく。 -
ヘルドッグスシリーズ【3冊合本版】『ヘルドッグス 地獄の犬たち』『煉獄の獅子たち』『天国の修羅たち』
関東最大の暴力団・東鞘会で頭角を現す兼高昭吾は密命を帯びた潜入捜査官だった! 彼が追う、警視庁を揺るがす重大機密とは。そして死と隣り合わせの兼高の運命は? 『ヘルドッグス 地獄の犬たち』 東鞘会の跡目争いは熾烈を極めていた。現会長の実子・氏家勝一は、子分の織内に台頭著しい会長代理の暗殺を命じる。一方、ヤクザを憎む警視庁の我妻は東鞘会壊滅に乗り出していた……。『煉獄の獅子たち』 裏社会に精通している老ジャーナリストが何者かによって殺害された。警視庁捜査一課の神野真里亜は、捜査のなかで驚愕の真実に気付く。映画原作「ヘルドッグス」シリーズ、圧巻の完結作! 『天国の修羅たち』 警察小説を超えた問題作! 映画原作「ヘルドッグス」を含む慟哭のクライムサーガ全3冊を一気読み! ※本書は2020年7月刊行の『ヘルドッグス 地獄の犬たち』(角川文庫)、2022年6月刊行の『煉獄の獅子たち』(角川文庫)、2022年8月刊行の『天国の修羅たち』の3冊を収録した合本形式での配信となります。 -
いまの音 むかしの音
卓抜な論理と感覚が、20世紀芸術の本質を明らかにする。幸福な音楽とは何か? 幸福な音とは何か? ――ピカソは、芸術とは何かをさがしまわることではなくて、何かに出会うことだといった。そうして出会った音が何か自分にとって特別なもの、特別な意味を持っているものと感じた時、その人は音楽家になるのである。決してその逆ではない。音楽についての情報を頭につめこんだ音楽家には、その出会いが困難なものになる。……昔の音をなつかしく思うのは事実である。私が音楽を選んだのはその音によってである。それがいま失われようとしているのは何故か。……私はただ昔をなつかしんでいるわけにはゆかないのである。 -
日記文学編【5冊 合本版】 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典『土佐日記(全)』『蜻蛉日記』『和泉式部日記』『紫式部日記』『更級日記』
『土佐日記(全)』 平安時代の大歌人紀貫之が、任国土佐から京へと戻る旅を、侍女になりすまし仮名文字で綴った紀行文学の名作。天候不順や海賊、亡くした娘への想いなどが、船旅の一行の姿とともに生き生きとよみがえる! 『蜻蛉日記』 美貌と和歌の才能に恵まれ、藤原兼家という出世街道まっしぐらな夫をもちながら、蜻蛉のようにはかない自らの身の上を嘆く、二一年間の記録。有名章段を味わいながら、真摯に生きた一女性の真情に迫る。 『和泉式部日記』 為尊親王の死後、弟の敦道親王から和泉式部へ手紙が届き、新たな恋が始まった。恋多き女、和泉式部が秀逸な歌とともに綴った王朝女流日記の傑作。平安時代の愛の苦悩を通して古典を楽しむ恰好の入門。 『紫式部日記』 平安時代の宮廷生活を活写する回想録。同僚女房や清少納言への冷静な評価などから、当時の後宮が手に取るように読み取れる。現代語訳、幅広い寸評やコラムで、『源氏物語』成立背景もよくわかる最良の一冊。 『更級日記』 平安時代の女性の日記。東国育ちの作者が京へ上り憧れの物語を読みふけった少女時代。結婚、夫との死別、その後の寂しい生活。ついに思いこがれた生活を手にすることのなかった一生をダイジェストで読む。 ※本電子書籍はビギナーズ・クラシックス 日本の古典「土佐日記(全)」「蜻蛉日記」「和泉式部日記」「紫式部日記」「更級日記」を1冊にまとめた合本版です。 -
それでも、夜をこえて
裸足で踊る。痛みのすべてを、私の自由にするために。 「指輪はやれない。教会での愛の誓いも。代わりにこれを」 愛した男に贈られたのは、血のように赤い、呪いの靴だった。 神に選ばれなくても、私たちはこの足で明日を踏みしめる。 行き場を失った4人の男女がたどり着いた「選択」の物語。 【秘密のパティオ】 連載打ち切りの危機にある漫画家・葉月。異国の地で突如始まった、認知症の老婦人との同居生活。彼女は老婦人が最期まで隠し続けた「生涯ただ一度の恋」を知る。 【バレンシアの灰】 自堕落な生活を送る寿司職人見習いの栄太。全てを失い、火祭りの夜に「元闘牛士」の男に拾われた彼は、自身の手に残る「本当の想い」と向き合う。 【裸足のペテネーラ】 不幸を呼ぶ女「ペテネーラ」と呼ばれたダンサー・美鶴。妻子ある闘牛士テオとの破滅的な愛の果てに、彼女が選んだ「答え」とは。 【光の衣装と巡礼】 夢を諦め、ガイドとして生きる竜斗。かつての親友・セバスティアンとの再会が、封印したはずの情熱を呼び覚ます。二人が選んだ結末は、希望か、それとも。 -
ここはこどものいない国
家族を捨てた「集落育ち」×家族に憧れる「工場育ち」 常識も愛し方も全く違う。それでも、そばにいたい。 2226年、人間は工場生産され、人口を完璧に管理できるようになった日本。 愛玩赤ちゃんPB生産工場で働く美奈子は、家族育ちという出生の秘密を抱えていた。母親から生まれ、手作りの料理を食べ、集落で育った美奈子は、世間からは「自然派」と忌避される存在だった。「お母さんはどうして私を産んだの。私、生まれたくなんかなかったのに」そんな美奈子の職場に、新たに後輩がやってくる。彼女は言った。「私、妊娠してるんです」その出会いが、美奈子の人生を一変させる! もしも工場で子どもが生産されたなら、もしも成長しないペットベイビーが存在したなら、出産という行為は他社からどう見られるのだろう?そんなふとした疑問から書き始めた小説です。(著者) -
浅草観音裏小路
このまま三味線にかまけて生きていきたい──花柳界の退潮に苛まれながらも、抗い逞しく生きる若い芸者たちの姿を描く傑作長編小説! 東京に残る花街(かがい)は新橋、赤坂、芳町、神楽坂、向島、浅草の六ヵ所。そのうちの浅草の観音裏界隈で芸者として生きる3人の娘たちに光が当たる。真白は地方(じかた)と言って、小唄や三味線の演奏などを担当する。25歳で結婚を理由に引退したが、7年で離婚しシングルマザーとなって出戻ってきた。母親も元芸者で、真白にとってはここ観音裏が故郷なのだ。もう一人の美鈴は立方(たちかた)と言って、踊りを担当する。真白とは同い年で、花柳界に入ったのは真白より先。でも半玉(はんぎょく)という見習い期間を経て一本立ちしたのは真白の後になる。故郷は遠く、そのせいもあってか花柳界の将来に大きな不安を抱いている。そしてきよ鈴。半玉になってまだ半年の20歳。周りからちやほやされながらも、日々踊りの修練に励んでいる。こうした3人に迫ってくるのは浅草花柳界の退潮という現実だ。昭和30年代に100軒以上あった料亭は4件に、芸者の数は600人から20人に減った。お座敷文化をどうやったら後世に引き継げるのか。3人の若手芸者の思惑が、人生が、ここ浅草観音裏界隈で交錯する……。 -
殺し屋がレジにいる
★★★★★ 「すみません」の大安売りはもうやめた! 72歳の殺し屋が、「モラハラ」「カスハラ」「介護は娘」……全部まとめてぶっとばす! ★★★★★ 口を開けば「すみません」、理不尽には「しょうがない」。 更年期に悩む52歳・榊冴子はパート先で舐められ、実家では介護要員にされかけ、冴えない日々を過ごしていた。 ある日、レジで迷惑客を撃退するド派手なジャージの老女に遭遇。山田グロリアという名の彼女の正体は、齢72にして凄腕の殺し屋だった! 「私、今からでも変われますか?」 束縛夫に軟禁された親友を救うため、冴子はグロリアに弟子入りを志願する――。 読後のスカッと絶対保証! 怒ることを諦めてきたあなたに読んでほしい、自分自身を取り戻すリベンジ・アクション! -
Cloud on the 空き家
幾千年の時を超えて、あなたと恋をしている奇跡。 生き死にの極限に迫る、著者渾身の恋愛小説。 ひと月前に兄を亡くして天涯孤独の身となったわか子は、週に三日、空き家管理の仕事をすることになった。趣味の和歌を思い浮かべながら、何かが死んでいるような腐敗臭のする家で掃除をしていると、「なびかじな……」という藤原定家の和歌がきっかけとなって不意に景色が反転し、気を失ってしまう。目が覚めると、空き家の持ち主の河原さんと見たことのない青年がわか子を心配そうに見下ろしていた。それは時間のなかを旅してきたような、不思議な感覚で――。 雲=クラウド=記憶の保存庫 若さを失うことは、少しも寂しいことではないの―― 過去の恋を思い出しながら、わか子は『源氏物語』の朝顔の君に自身を重ねてみる。 前世か先祖か幻か、わか子のなかに眠っていた女たちの記憶が動き出す。 装画:栗田有佳 装幀:大久保伸子 -
生きる演技
家族も友達もこの国も、みんな演技だろ――元「天才」子役と「炎上系」俳優。高1男子ふたりが、文化祭で演じた本気の舞台は、戦争の惨劇。芥川賞作家による圧巻の最高到達点。 かれはこの場のぜんぶを呪っている。 それを才能といってもいい。 そして演じるちからに変えている。 「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」――古川日出男(朝日新聞文芸時評) 「間違いなく、作家・町屋良平のキーとなる作品」―山﨑修平(週刊読書人文芸時評) 本心を隠した元「天才」子役・生崎(きざき)と、空気の読めない「炎上系」俳優・笹岡(ささおか)。性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事に」というこの国が許せない。互いの本音を演じあうふたりはどこへ向かうのか――? 「今この国の空気」を生きるすべての人へ問う衝撃作! 「デビューから7年のすべてを投じました」――町屋良平 -
【合本版】ヒーローズ(株)!!!
「なーんの面白味もない人生やったなあ」――病床にある祖父の言葉が頭から離れないコンビニ店員の修司・26歳は、ある日、借りのある同僚から『ヒーローはキミだ!』という胡散臭い求人広告のアルバイトを持ちかけられた。しぶしぶ指定された場所へ向かうとあったのは、今にも崩れ落ちそうな雑居ビル。そこの会社にいたのは、初老の紳士、ホストのようなチャラ男、そしてよくわからない話をする恰幅の良い社長。いきなり任された仕事は、今をときめく人気漫画家の“お守り”? 読んだ後はきっと元気になれる、著者会心の人生応援ストーリー第2弾!全4巻の合本版で登場! ※本電子書籍は、『ヒーローズ(株)!!!』全4巻を1冊にまとめた合本版です。 -
【合本版】破滅の刑死者
普通じゃない事件と捜査――あなたはこのトリックを、見抜けるか? ある怪事件と同時に国家機密ファイルも消えた。唯一の手掛かりは、事件当夜、現場で目撃された一人の大学生・戻橋トウヤだけ――。 内閣情報調査室に極秘裏に設置された「特務捜査」部門、通称CIRO-S(サイロス)。「普通ではありえない事件」を扱うここに配属された新米捜査官・雙ヶ岡珠子は、目撃者トウヤの協力により、二人で事件とファイルの捜査にあたることに。 珠子の心配をよそに、命知らずなトウヤは、誰も予想しえないやり方で、次々と事件の核心に迫っていくが……。 「才能が光る。浮世離れしたキャラクター造形。意表を突く場面展開。僕たちの会社が制作した『SPEC』のように映像化もありえるか?」神康幸(映像プロデューサー/電撃小説大賞最終選考委員)、「僕たちは何かを賭けて生きている。読み終えた後、この物語にもっと賭けたくなりました」佐野徹夜(作家)――大推薦の声、続々! 応募総数4843作品から激賞、第25回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》に輝いた、注目のサスペンス・ミステリが合本版になって登場。 ※本電子書籍は、『破滅の刑死者』全4巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
波うららかに、めおと日和
時は昭和十一年、春。二人の恋のお話でございますーー。 フジテレビ系にて2025年4月放送開始後、なつ美と瀧昌のピュアな夫婦の純愛物語が大きな話題となり、2026年秋に続編放送も決定! 今書は2025年に放送したドラマのシナリオを、名セリフの数々もそのままにノベライズ。 なつ美と瀧昌のシーン写真を掲載&スタッフインタビューからドラマの舞台裏へご案内。 ドラマ版「波うららかに、めおと日和」の世界に浸る1冊です! ■フジテレビドラマ版(2025年4月OA)から:なつ美と瀧昌のシーンPH ■シナリオ1~10話のノベライズ ■スタッフインタビュー -
岐山の女
第一生命の「トップセールス」は、なぜ19億円もの巨額詐欺に手を染めたのか。 ベストセラー『対馬の海に沈む』著者が描く迫真のノンフィクション。 物語は、被害者宅に送られてきた「枝豆」から始まる。 2年に及ぶ取材から見えてきた「女の一生」とは――。 圧倒的な読後感に誰もが心を揺さぶられる! 大手生保でトップクラスの営業実績を挙げる一方、顧客から巨額のカネを騙し取り、89歳で刑事告発された生保レディ。動機を語らないまま、人知れず鬼籍に入った彼女の半生を気鋭のノンフィクション作家が追う。現地で著者を待ち受けていたのが「生保と地銀の闇」、そして地域社会の濃密な権力構造だった。有力地銀・山口銀行の権力者にくい込み、第一生命の金看板をバックに、地元フィクサーのインナーサークルに入り込む……。「伝説の生保レディ」の絶頂と転落を徹底的な取材で描く。 プルデンシャル生命やソニー生命など、その後もたびたび社会問題となる「生保の闇」の実態を解き明かす。 【本書の目次】 序章 枝豆 第一章 裏切り 第二章 未亡人 第三章 山口銀行 第四章 出世欲 第五章 黒神 第六章 綻び 第七章 第一生命 第八章 神足 第九章 踏み倒し 終章 先生 -
不倫に関する、ちょっとした疑問
独占欲も、結婚願望もなかったのに、なんで――? 女同士の不倫に耽る友達、凡庸な不倫にはまった私。 現代台湾から届いた、愛の矛盾に食らいつく複雑恋愛小説! 「恋以外にするべきことがたくさんある。 でも、『私』を粉々にする引力がここにある」 高瀬隼子さん激震 フェミニストを自認し、作家を目指す「私」が うっかり迷い込んだのは、落ち目の映画監督とのありきたりな不倫。 夫がいる友達は女性上司と肉体関係をもち、 心を病む父とクセの強い母は相変わらず。 「そう、結婚なんかしてる僕は、万死に値する。」 婚姻にまつわる不条理、湧き上がる怒りと孤独…… すべてを振り切り、ある行動を起こしたとき、 思いがけず手にした〝新たな景色〟とは? -
多崎礼公式ガイドブック 煌夜祭20年の軌跡
衝撃デビューからの20年を、装画全点、秘蔵の初期設定公開など弊社刊行作品紹介で辿る。著者主催のSNS煌夜祭の様子、書下ろしを含む『煌夜祭』外伝九篇をも収めた愛読者必携の一冊。 (目次より) ◇20周年に寄せて 多崎礼 ◇20年の軌跡 第二回C★NOVELS大賞発表/SNS煌夜祭について/煌夜祭質問箱 ◇『煌夜祭』外伝 SNS煌夜祭発表短篇……煌夜祭へ/人であれ/言わずが花/ありきたりな幸運を/ぼんくらな島主/泣き男/赤い炎/災禍の魔女 20周年特別書き下ろし短篇……水平線の蛇 ◇作品紹介 煌夜祭 Die Geschichten von den Achtzehn Inseln 【イラスト】山本ヤマト/六七質/凪かすみ/山影麻奈 〈本の姫〉は謳う The Princess of Books Awakens(全四巻) 【イラスト】山本ヤマト 夢の上 Because You Tread on My Dreams(全四巻) 【イラスト】天野英/アリストレーター/六七質 八百万の神に問う I ask you, I ask the Myriad Spirits.(全四巻) 【イラスト】天野英 叡智の図書館と十の謎 The Library of Wisdom and Ten Riddles 【イラスト】田中寛崇/六七質 -
良いこと悪いこと シナリオブック
TVer再生回数が日本テレビレギュラードラマ歴代1位を更新した『良いこと悪いこと』(主演:間宮祥太朗×新木優子)のシナリオブックが発売! 全10話+Huluオリジナルストーリーのシナリオを完全収録。さらに、本書でしか読めない〈脚本家・ガクカワサキ×プロデューサー・鈴木将大 対談〉も掲載! ドラマの誕生秘話や放送中に話題となった伏線、なぜ主題歌に「アゲハ蝶」を起用したのか、実はこんなエンディングもあった、などの裏話が収録されており、SNSで白熱した“考察”の答え合わせもできる本として、ドラマファンには欠かせない一冊に仕上がっています。 ※紙版書籍に収録されている冒頭口絵については電子書籍版では掲載がございません。予めご了承ください。 -
特殊作戦捜査官
合成麻薬フェンタニルの脅威から日本を守れ! 世界中に広がる合成麻薬フェンタニル。その密輸組織にマトリの機密情報が流出した! 組織の幹部と目される在日中国人・夏を追う朝倉は華僑や極道の力を借り、名古屋、沖縄、そしてメキシコへ? 新章突入! 自衛官と刑事、二つの顔を持つオッドアイ捜査官・朝倉俊暉の闘いは次のステージへ。 【『オッドアイ』シリーズとは】 陸上自衛隊のエリート「特殊作戦群」の候補生として将来を嘱望されながらも、演習中の事故で左目の視力が低下し、自衛官の道を諦めた朝倉俊暉。 警察官に転身した彼は、その鍛え抜かれた肉体と洞察力を武器に数々の難事件を解決していく――。 肉体と知能を極限まで駆使する、最強の警察小説シリーズ! -
夜が明けたら
〈りっちゃんが死んだ。寒さと痛みのなかで――〉。2024年、小説誌の編集部に届いた原稿には、学生運動が過熱した半世紀前、日本中を震撼させた事件で親友を亡くした大学生ジュンの日々が綴られていた。これはフィクションか、あるいは新たな事実か。駆け出しの編集者・二階堂ルルは、当時の報道と原稿に食い違いがあることに気づき、その真相を探る。見えてきたのは、自分自身の本当の心で――。1972年、ジュンの大好きな友だちが死んだ。打ちひしがれた彼女は、一風変わった人々が集まる「幸海荘」に転がり込む。大切な人の記憶に苦しみながらも日常を取り戻していくジュンが目にした、信じようのない光景とは。ここではないどこかに居場所を求めてもがく彼女たちの、激動の青春と小さな希望の物語。 -
作家の住まいと暮らし詳説絵巻
文学・執筆空間・住まいの変遷がこの1冊でまるわかり! 古代の紫式部から、中世の鴨長明、近世の小泉八雲、明治時代の文豪たちや、現代のあさのあつこまで--。 リアルイラストで時代、作家ごとに住まいと暮らしの変遷を追える!建物だけでなく作品が書かれた時代背景を理解すれば、物語をよりいっそう楽しめること間違いなしです。 ▼こんな方におすすめ ・古代~現代の間取りや執筆空間・執筆道具の変遷が知りたい ・推し作家の生活空間や、作品が書かれた時代背景に没入したい ・自宅を仕事場とする作家の住まいをテレワーク空間の参考にしたい ・現在、保存/復元されている作家の住まいを訪れてみたい など ※建築知識2023年2月号「平安から令和時代まで 作家の住まいと暮らし詳説」の書籍化 特集時には掲載しきれなかった建物の図面や新規の事例を盛り込みパワーアップしました! -
猪之噛
東京から福岡の山奥に移住し、猟師として生活している明神マリア。 猟友会の会長・吉中剛太郎と、ここ最近感じている山の違和感について話していた。なぜか、山から獣の気配が消え去っている――、と。 ある日の帰り道、マリアは森からかつてない強い気配を感じ、身構える。 それは、この五年の猟師経験で見たこともないような巨大な猪から発せられたものだった。 後にその正体は、江戸時代から言い伝えが残る金色の猪「イノガミ」だと、剛太郎に教えられる。 過疎に苦しむ村で、恐怖と葛藤を抱えながら自然と向き合う猟師たち、そして平穏な暮らしを願う村人たち。 伝説の猪との対峙の先に見えるものとは。 手に汗握る猟師と害獣の死闘を描く、著者初の現代小説! 【著者略歴】 矢野隆 やの・たかし 1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。21年『戦百景 長篠の戦い』で第4回細谷正充賞、22年『琉球建国記』で第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。他の著書に「戦百景」シリーズ、『覚悟せよ』『琉球建国記 尚円伝』『籠城忍 小田原の陣』『匣真演義 姫賊 僑燐伝』『籠城忍 上田城攻防戦』など多数。 -
黄金と水飴のアパルトマン
〈五感のすべてを響かせる描写が素晴らしい。 時代の空気を見事に捉えたこの物語は、 まさに「いま」読んでおくべき一冊!〉 内田剛さん(ブックジャーナリスト) 僕たちは黄金をもっている。はずだった―― ここは、夢を追う若者たちの共同住宅〈アパルトマン黒猫〉。 イラストレーター、アイドル、書道家、脚本家…… 自分の黄金(たったひとつの才能)を信じるアーティストたち。 生成AIの進化に芸術が脅かされる時代、 彼らが手にした黄金は、いつまで黄金であり続けるだろうか。 夢を失ったピアニスト・梨音は、 アパルトマンの管理人になり、 芸術と真剣に向き合う住人たちと交流することで、 少しずつ変わっていく。 『後宮の百花輪』、『パンダより恋が苦手な私たち』など 好評シリーズの著者による、 芸術家たちの青春ストーリー。 -
百日と無限の夜
初めて知るのだが、母体の内部は、らせんだ。 拗れて考えて、愛して爆発して、無限へ手をのばす。 らせんだ。凄い。 ――古川日出男 女の体の全てがここにある。 自身の胎内めぐりの旅に出た女と共に 私たちにも闇の先の光が降ってくる。 これは生まれ直しの物語だ。 ――中村佑子 第一子の妊娠中、切迫早産で急遽入院を余儀なくされた「わたし」。 医師からは「三か月は出られない」という衝撃の事実を聞かされる。妊娠7ヵ月で子宮口がひらくとは、それほどの重症なのだった。 生業とする書き仕事や日常の営みを奪われ、ただすべての時間を横になって過ごす日々の中、 ある晩ひとりの女が「わたし」のもとを訪れる。彼女こそ、能作品『墨田川』に登場する女物狂い・班女。 人攫いに遭い子を失った班女を案内人に、中世・京の都から駆け込み寺、若狭のお水送り、海辺の産小屋へと、「わたし」と班女の時空を超えた道行きは続き・・・・・・。 切迫早産での入院中の日々の詳細と、 子産みと生命にまつわる夢幻の地獄めぐりを編み上げた、 かつてない出産幻想文学。 【著者略歴】 谷崎由依(たにざき・ゆい) 1978年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2007年「舞い落ちる村」で第104回文學界新人賞受賞。19年『鏡のなかのアジア』で第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。近畿大学文芸学部准教授。小説のほか、英語圏小説の翻訳を手がける。その他の著書に『舞い落ちる村』『囚われの島』『藁の王』『遠の眠りの』、訳書にジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』、ノヴァイオレット・ブラワヨ『あたらしい名前』など。 -
路草 朽花 川崎長太郎初期名作集
武田麟太郎の斡旋で1934年(昭和9年)に刊行された連作集の『路草』と三人称客観描写の中篇「朽花」を中心に据えた作品集として1937年(昭和12年)に刊行された『朽花』は、川崎長太郎が東京で文壇に連なって作家として生きていた時期の単行本。 この2冊から「初期名作集」として新たに構成したのが本書である。 単行本『路草』収録の5篇から、のちに作家本人によって、冒頭に置かれた「その一 飛沫」が割愛され、「その一 穽」「その二 隻脚」「その三 泥」「その四 路草」という四章立ての連作「路草」となっている。 「路草」は、カフェの女給である民枝と作家本人に近い存在である主人公のもつれた関係の転変、そして悲痛な破局を緊迫感あふれる筆致で描いている。 また、「朽花」は、徳田秋声の息子である徳田一穂が私娼街・玉の井の娼婦を足抜けさせようとして孤軍奮闘するさまを三人称で描く、いわばモデル小説である。 本書では、タイプの異なる2篇を収録することで、可能性を秘めた若い作家だった川崎長太郎の初期の姿を、コンパクトでありながら鮮やかな形で1冊の文庫本に収めることをめざした。 講談社文芸文庫版として著者の歿後40年の節目に刊行するにあたり、「路草」に関連して単行本に収録されながら後に割愛された「飛沫」を、「朽花」について著者が書いた短いエッセイを、それぞれ参考資料として収録することで、川崎長太郎や私小説の愛好家向けに工夫をこらしている。 -
女のいる暦
23歳で文壇デビューしながら、その後不遇の時代が続いた私小説作家の川崎長太郎。東京での執筆に見切りをつけ、小田原の実家物置小屋に棲み、創作に専念すること十数年……。 1954年に娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きるが、しばらくすると終息、そして間を置いて再び話題に……という具合の作家人生だった。 この作品は大正期後半、24歳の主人公が私小説の習作に励みながらも食べていくために子供向け読み物で糊口をしのいでいた時期に始まる。その後は27歳、29歳、31歳、33歳、35歳、すこし空いて42歳、45歳と年齢を重ねるたび、その時期に交際のあった女(カフェの女給、若い女流作家、家出した人妻、娼婦、芸者、食堂の女中)との日々を媒介にして大正末から敗戦直後に至る作家生活の周辺を回想するという仕立てで書かれている。 一見、いい気なものだという話にすぎないと感じられるかもしれないが、その筆致に甘さや虚飾はない。愛すべき人間でありながら、とうてい普通の市民としては生きられない「業」を背負ったかのような者たちが懸命に生きる姿が鮮やかに描き出されている。読後感はむしろ清々しささえ湛えているのである。 -
秘曲金色姫
秘すれば、花なり――。 そう微笑んだ彼女は、美しかった。 この世のものではあり得ぬほどに。 「パパの死体を捨てるの、手伝ってくれない?」 2021年、コロナ禍の新宿トーヨコ。 茨城を飛び出したジローは、キャイコと名乗る少女と出会い死体遺棄に協力する。 キャイコはなぜ父親を殺したのか、そしてジローはなぜ彼女を救ったのか? その答えは、遠い昔に失われたはずの能曲「金色姫」に秘められていた。 足利、豊臣、徳川。時代を超えて権力者を魅了したその舞が令和の新宿に顕現するとき、約500年にわたる祈りの物語が収束する。 気鋭のSF作家による、能楽×サスペンス×百合クロニクル、開幕! -
超人計画インフィニティ
「我は人間にその存在の意義を教えむとす。即ちそは超人なり、人間の黒き雲より来る雷光なり。」フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラ』(生田長江訳/新潮社) 二十年前、「超人」という光を目指し、孤独と虚無に満ちた引きこもり生活の中で、妄想と哲学を武器に闘った。中年を迎えた著者は再びその旅路を歩み始める。老い、貧困、そして現実の荒野を越え、真の「超人」として生きるとは何か? 中年男性よ、君たちはどこへゆく。僕のゆく道は「超人ロード」だ! 「くっ・・・・・・ダメだ。こんなスペックでは、マッチングアプリではとても戦うことができない!」 人間世界の事情に疎い脳内彼女に、俺は説明してやった。 確かに年収百万超は、俺の感覚ではかなり立派であると感じられる。だがこの人間社会では、年収百万では尊敬されないのだ。 また俺は、自分の身長がちょうどいいサイズ感であると思っている。だが一説によると、この身長の男には人権がないとされていた。 また俺の人生で誇れる数少ないことの中には、高校卒業がある。何年も登校して昼の三時過ぎまで椅子に座るという苦行を、弱冠十八歳の俺は、見事に最後までやり遂げたのだ。だが、誰もそのことを褒めてくれない。 それゆえ俺のスペックをマッチングアプリのプロフィールに書いても、それは負け戦の始まりであり、むしろ俺の存在価値をただめちゃくちゃに毀損されるだけに終わるのだ。 「しかも俺は四十を超えてて頭も禿げてるんだ! このエイジズムとルッキズムに支配された悪の世界では、俺は戦う前から敗者なんだよ!」 「そ、そんな・・・・・・だとしたら滝本さんはもう一生、恋愛ができないじゃない!」 「ああ、その通りだ! 恋愛なんてもういいんだよ・・・・・・」 「た、たいへん! 恋愛から撤退した中年男性は、すぐにセルフネグレクトに陥ってしまうらしいわよ!」 「別にいいんだ。レイ、お前がいてくれるから・・・・・・いつの日か、このアパートの布団の染みになるまで、お前とこうして適当な話をしていられれば、それで俺は幸せなんだ・・・・・・」 ――本文より -
アレアレ!
僕は、変わる。 もう一度、妻に会いに行く。 1,200kmの過酷な旅路を輝かせる、勇気と優しさの物語。 還暦を過ぎ、突如ひとり身に。 途方に暮れる男は、一念発起しフランスへ飛ぶ。 8,000人が集う、伝説の自転車イベントに参加するためだ。 完走すれば、平凡な自分も胸を張れる――。 家族の再生をかけた戦いが始まった! 〈あらすじ〉 「好きな人ができた」。 その一言で、穏やかな日々はひっくり返った。 妻に捨てられ呆然とする進は、自転車イベント〈ブルベ〉に出会う。 勝ち負けは存在しない。目指すのは、制限時間内の完走だけ。 ままならない現実から目を逸らし、無我夢中でペダルを漕ぎ続けるうち、進は決意する。 「僕は、弱い自分を変えたい」 世界中の自転車乗りが憧れる大イベント〈パリ・ブレスト・パリ〉で1,200kmを走り切り、これまでの自分と決別する。 そして、妻に会いに行く――。 -
路、爆ぜる
【小説すばる新人賞出身の気鋭が放つ、令和版ハードボイルド!】 【深町秋生さん(ミステリ作家) 推薦!】 瑞々しく、怖い小説だ。 無垢な少年を情と恐怖で絡め取る半グレ集団は生々しく、 青春を呑みこむ闇の深さに戦慄した。 【杉江松恋さん(書評家) 推薦!】 裏切られ、泥を舐めた者だけが知る、本当の優しさが描かれた小説だ。 高校3年生の椎名和彦は、バイト漬けの日々を送っていた。 鬱屈した状況から逃げ出すように、同じく暗い境遇にある中高生たちが集まる大阪・道頓堀の“グリ下”で過ごす時間が長くなっていく。 そこで出会った半グレ集団「顔役」の溜まり場に顔を出すようになり、やがて大麻入り錠剤をグリ下で売り捌くように・・・・・・。 ミナミ(難波周辺)を拠点とする「顔役」は、敵対するキタ(梅田周辺)の半グレ集団らと、ことあるごとに衝突を繰り返していた。 闇深きアンダーグラウンドな世界に否応なく巻き込まれるグリ下メンバーたち・・・・・・ 令和大阪の路上(ストリート)を活写したハードボイルド×青春群像劇! 【著者略歴】 増島拓哉 (ますじま・たくや) 1999年大阪府生まれ。関西学院大学在学中の2018年に『闇夜の底で踊れ』で第31回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『トラッシュ』がある。 -
メイクアガール 安田現象コンプリートブック
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 SNS総フォロワー数600万人超! 大人気アニメーション作家・安田現象、初の長編劇場アニメ『メイクアガール』の公式ビジュアルブック! ▽劇場アニメ『メイクアガール』 研究に行き詰まる天才発明家・水溜明と、彼が“カノジョ”として作り上げた人造人間・0号。プログラムされた感情と、そのなかで揺れ動く気持ち。2人の間に芽生えるのは恋なのか、それとも――。 超新感覚サイバーラブサスペンス! 2025年1月31日公開予定。 さらに安田現象アニメの中でも人気のキャラクター、日本人形の楓が登場する『あやかしアラモード』をはじめとした、オリジナルショートアニメも多数掲載。 安田現象監督の作品をあますことなく紹介します! <収録内容> ・『メイクアガール』ストーリーガイド ・安田現象監督インタビュー ・制作スタッフ座談会 ・キャラクターデザイン ・絵コンテ ・イメージボード ・ラフスケッチ ・オリジナルショートアニメ一覧 ほか -
孤城 春たり
直木賞作家・澤田瞳子氏初の幕末小説 借財10万両から蓄財10万両へ―― わずか7年で財政を建て直した備中松山藩の改革 【著者コメント】 幕末を書くのは今回初めて。 倒幕派、佐幕派といった対比関係でとらえられがちな時代だが、 その間に挟まれた数多の人々がいた。 彼らが激動の時代をどう泳ぎ渡っていこうとしたのか、 山田方谷を含めた当時の備中松山藩を切り取ることで描けると考えた。 激しく変化する時代の中でもがいた、ごく普通に暮らしていた 人々の姿をご覧いただきたい。 ――澤田瞳子 備中松山藩(現・岡山県高梁市)にて藩校・有終館の学頭(校長)を 務めるかたわら私塾「牛麓舎」を開き、弟子たちの指導に当たっていた 陽明学者・山田方谷は、借財10万両を抱える藩の財政を司る元締役と その補佐役である吟味役の兼務を命じられる。 倹約令、殖産興業、藩札刷新などの改革により、備中松山藩はわずか7年で 借財を返済、さらに10万両の蓄財を作るまでになった。 だが幕末の激動の波は地方の小藩にも押し寄せる。 尊皇攘夷の声が高まるなか、藩主・板倉勝静が老中筆頭だったことから、 朝敵として備中松山藩に追討令が出され……。 時代の波に揉まれながら懸命に生きる人びとを描いた、 直木賞作家初の幕末群像劇。 【主な登場人物】 山田方谷 (陽明学者/備中松山藩元締兼吟味役) 熊田 恰 (備中松山藩物頭兼剣術指南/玉島騒動で切腹) 三島貞一郎(中洲) (方谷の門弟/二松学舎創設者) お繁(福西志計子) (方谷門弟唯一の女子/岡山県初の女学校・順正女学校創設者) 新島七五三太(襄) (上州安中藩士/同志社創設者) 川田竹次郎(甕江) (漢学者/東京大学教授/東宮侍講) 河井継之助 (越後長岡藩士/戊辰戦争で戦死) 板倉勝静 (備中松山藩第七代藩主/大政奉還時の老中筆頭) -
ゴヂラ
傑作『日本文学盛衰史』に先立ち一九九六年に連載され、五年間の熟成期間を経て二一世紀最初の年末に単行本が刊行された『ゴヂラ』――。 二〇世紀末の西武池袋線石神井公園駅付近の一見平凡な住人たちが同時多発的に異様な状況に巻き込まれてしまう。 これは局所的ではなく、世界全体に同時多発的に起きている異変なのだ。 夏目漱石と森鴎外が結託して悪事を教唆し、詩人は石神井の町から出られなくない、火星人が石神井に襲来する…… あまりに逸脱した展開に、「作者からのお知らせ」までもが入りこむ。 そして、はたしてゴヂラは現れるのか? 世紀をまたいで書き上げられた怪作、初めての文庫化。 -
小説家の帰還 古井由吉対談集
小説家としての新境地に至った『楽天記』の連載中の1991年2月から4月にかけて、古井由吉は頸椎間板ヘルニアにより約50日間の入院を余儀なくされる。その経験は小説『楽天記』そのものに影響を及ぼしたであろうことは予想に難くないが、直接的には連載完結後の1992年に次々と雑誌に掲載された対談において詳しく語られることになる。 本書冒頭に置かれた江藤淳との「病気について」はそのストレートな表題もさることながら、病が精神にいかに影響するかという体験を、一見嬉々として語り合っているだけのようだ。しかし、それは迂回しながら肉体というものの本質に迫ろうという試みであったろう。 次の吉本隆明との「漱石的時間の生命力」では直接的に古井の病については触れられていない。しかし、モチーフは「夏目漱石」である。非常に精神的に追い詰められた感のある文学者をめぐるやりとりである。また、漱石を扱うということで、先の江藤との対談をひそかにではあるが承けてもいる。ここでは静かに不穏な空気が満ちていくのである。 続く平出隆との「「楽天」を生きる」と松浦寿輝との「「私」と「言語」の間で」は、年少のきわめて鋭敏な感覚を持つ詩人と、胸襟を開いて会話を楽しんでいるように見える。平出とは『楽天記』という作品について、また松浦とは古井流の散文表現そのものについて、それぞれ深いところまで語っている。 解剖学者養老孟司との短い対談「身体を言語化すると……」では、身体と文学作品の関係についてテンポよく展開されている。使われる表現も平易で、とてもわかりやすい。 掉尾を飾る大江健三郎との「小説・死と再生」は、同時代を生き、かつ年齢の近いもっともすぐれた小説家同士による対話であり、まさに談論風発、小説という表現についてあらゆる角度から話そうとする試みが、読む者を元気づけてくれる。この二人の小説家が歩んだのは、けっして楽な道ではなかったろうが、振り返ってみると素晴らしい旅だったのではないかと想像できるのである。 1990年代初頭という現代日本の曲がり角において作家古井由吉の感じていたリアルを追体験できる貴重な言葉の集積として、この『小説家の帰還 古井由吉対談集』は2024年に再生するのである。 -
さかさ星
戦国時代から続く名家・福森家の屋敷で起きた一家惨殺事件。死体はいずれも人間離れした凄惨な手口で破壊されており、屋敷には何かの儀式を行ったかのような痕跡が残されていた。福森家と親戚関係の中村亮太は、ある理由から霊能者の賀茂禮子と共に屋敷を訪れ、事件の調査を行うことになる。賀茂によれば、福森家が収集した名宝・名品の数々が実は恐るべき呪物であり、そのいずれか一つが事件を引き起こしたという。賀茂の話を信じきれない亮太だったが、呪物が巻き起こす超常的な事象を目にしたことで危機を感じ始める。さらに一家の生き残りの子供たちにも呪いの魔の手が……。一家を襲った真の呪物は? そして誰が何のために呪物を仕掛けたのか? 数百年続く「呪い」の恐怖を描く特級長編ホラー。 -
第二次マンガ革命史 劇画と青年コミックの誕生
戦後、それまでの「漫画」は、手塚治虫による「ストーリーマンガ」の登場により、まったく別のものになった。これを仮に「第一次マンガ革命」と呼ぶ。 従来の風刺画・滑稽画から始まった「漫画」と、手塚の「ストーリーマンガ」とは、「コマ」があること、「ふきだしの中にセリフが書かれている」という共通点はあるが、「物語」の有無において根本的に異なっていた。 戦前からの「漫画」を引きずりながら、戦後の「マンガ」は新たな文藝ジャンルとして発展していった。手塚マンガは多くの亜流を生み、テレビアニメとも連動して、巨大産業へと成長した。 だが、やがて「手塚マンガは古い」とする勢力が現れた。彼らは自分たちの描くマンガを、手塚治虫とその影響下にあるマンガと区別するために「劇画」と呼んだ。 「劇画」が登場したのは貸本屋向けのマンガにおいである。一九五〇年代の日本は、まだ本や雑誌を買える人が限られていたので、貸本屋が隆盛だった。 貸本マンガの読者は子どもだけでなく、中卒・高卒で働いている若い労働者も大衆小説と同じように読んでいた。しかし、すでに中学生ではない彼らは、マンガを好んではいたが、「子どもっぽい」と物足りなく感じていた。描き手のマンガ家たちも子ども相手のマンガに物足りなくなっていた――ここに需要サイドと供給サイドの思いが一致し、青年を読者に想定したマンガが生まれた。その青年向けマンガの描き手が、自分たちの描くものは「劇画」だと宣言したのが、一九五九年である。 そしてこの同じ年、小学館は「週刊少年サンデー」を、講談社は「週刊少年マガジン」を創刊し、両誌ともマンガを柱とした。月刊の少年誌・少女誌もマンガが柱となっており、少年マンガ・少女マンガは隆盛を迎えていた。 それにともない、一九六〇年代も半ばになると、貸本マンガ業界が衰退していく。ごくわずかの貸本マンガの描き手だけが、一般書店で販売される雑誌へ転身できた。その代表が白土三平や水木しげるだった。彼らを積極的に受け入れたのが、手塚治虫と絶縁した「週刊少年マガジン」で、少年誌でありながら劇画の牙城となっていく。 白土と水木の二人を柱にして、一九六四年に「ガロ」が創刊された。新人の発掘にも熱心で、実験的・前衛的なマンガがこの雑誌から生まれていく。 「ガロ」に刺激されて、一九六六年に手塚治虫が創刊したのが、「COM」だった。この雑誌からも多くの新人が巣立っていく。 一方、青年がマンガを読むと知った出版社は、「青年コミック」という新たな市場を開拓した。一九六六年に「コミックmagazine」(芳文社)が最初の青年マンガ誌として創刊され、六七年に「週刊漫画アクション」(双葉社)と「月刊ヤングコミック」(少年画報社)、六八年に「ビッグコミック」(小学館)、「プレイコミック」(秋田書店)と次々と青年コミック誌が創刊された。「劇画」はこの新市場にも流れ込んだ。 手塚治虫の革命が第一の革命ならば、「劇画」は第二の革命の始まりだった。やがて「青年マンガ」「青年コミック」が市民権を得て第二次マンガ革命は成就する。(「はじめに」より抜粋) -
Sunlight
自らの出身地・壱岐に戻った著者は、島民たちにインタビューを重ねる。多くの声が重なる16の短編集。 福岡から85キロ離れた小さな島、壱岐。そこで生まれた著者は、島に戻り島民たちにインタビューを重ねる。「医師の家」の運命に翻弄される者、そしてその一家をとりまく人々。フィリピンからやって来た一人の女性の淡い恋の記憶。軍人の父を持つ少女の強く、美しい生き様。島に暮らす人々に残る戦争の記憶……。日本の島の生活についての洞察は、多くの声が重なる魅力的な短編集となった。プラダ主催の国際文学賞「プラダ・フェルトリネッリ賞」を日本人で初受賞した松嶋圭のデビュー作を、英訳版でお送りする。 【目次】 Introduction 1. Sunlight 2. A Barge 3. Tug-of-War in the Moonlight 4. Knees 5. Gessekai 6. Kakizome – The First Calligraphy of the New Year 7. The Balloon 8. Mother and Child 9. The Prom 10. Fusuma – Paper Doors 11. Roppei 12. The Horizon 13. Taiki – A Big Tree 14. Stone Walls 15. Medicine Bottles 16. Flying Alone 【著者】 松嶋圭 1974年、長崎県壱岐市生まれ。精神科医。 2016年、『Conversations with Shadows』にて、第3回プラダ・フェルトリネッリ賞(プラダ主催・国際文学賞)受賞。 2018年、『陽光』(梓書院)。 -
あわいに開かれて
――記憶よ、きみはよく道の半ばで姿をくらますが、 ときに思いも寄らぬものを連れてくる。 現実と虚構のはざまに産み落とされた、詩情あふれる傑作掌編小説集 記憶の奥底を覗き込む、やわらかくて危うい――至高の41篇 日の出/黒い羽根のある沈黙/壁と壁/雪の上に/つぼみ/襞/隙間/雲か煙か/雲の狩人/光の環/風の運ぶもの/泥に泥に泥に泥に/防災行政無線/夜空に吸い込まれる/月明かりの下で/寂しげな瞳/発芽/緑に染まる/闇の奥から/風と光と海と/苔の記憶/箱に収められたもの/窓を覗く/沼のほとりで/境界線の上で/郷愁?/粉雪の舞う夜に詩人と/空き家の前で/夜の底の花/おぼろげなもの/花を咲かせる/茶色い毛並み/波紋の描くもの/暗い部屋のなかで/誰のもの?/お手紙をいただいて/黄金の光に包まれて/クリスマスのひみつ/森の人々/逃げなさい/さようなら -
「ウルトラマンタロウ」の青春
祝・放送開始50年。スタッフとキャストの奮闘を描く、新事実満載のドキュメンタリー第7弾! 1973年、円谷プロは創立10周年を迎えた。代表・円谷一の急逝という悲劇を乗り越え、熊谷健、田口成光をはじめとするスタッフは新たなヒーローの創造に邁進した。4月6日にスタートした『ウルトラマンタロウ』は、小学館の学年誌と連携したファミリー路線をさらに推し進め、低年齢層を対象とする娯楽路線を徹底した。そしてフレッシュな青春スター・篠田三郎を主役に迎えることで、シリーズの集大成とも言える番組に成長していく。底抜けに明るい名作はいかにして生まれたのか。揺るぎない評価を得た著者による決定的ドキュメンタリー! -
幻想と怪奇 ショートショート・カーニヴァル
『幻想と怪奇』シリーズ、初の創作のみの一巻は、日本作家23人の書き下ろしショートショート競作集。寄稿者への課題は「長さは八千字まで」と「過去の作家・作品に関連するものを」。著名作家による23編の多彩な作品が集結。さらに、第1回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテストの入選作品を収録。長い筆歴をもつ作家から、本書がデビューとなる作家まで、様々な才能がきらめく短い物語をお楽しみください。 【収録作家名(五十音順)】 朝松健/安土萌/荒居蘭/井上雅彦/植草昌実/奥田哲也/勝山海百合/菊地秀行/北原尚彦/久美沙織/倉阪鬼一郎/倉野憲比古/黒史郎/澤村伊智/柴田勝家/斜線堂有紀/高井信/高野史緒/立原透耶/南條竹則/西崎憲/三津田信三/木犀あこ -
小説小野小町 百夜
髙樹のぶ子さんが2020年の新型コロナ禍による緊急事態宣言中に刊行し、5万部を超えるヒット作となった『小説伊勢物語 業平』。泉鏡花文学賞と毎日芸術賞をW受賞した「日本の美の源流をたどる」小説として、次に紡がれたのは、同じく平安時代の「六歌仙」のひとり、優れた歌の才に加えて、絶世の美女としても数々の伝説が残る小野小町の一代記である。本作も『業平』に続き、日本画家・大野俊明氏のカラー挿絵が「みやび」の世界に色を添える。 能楽の演目でも重くあつかわれる観阿弥作「卒塔婆小町」が元にしたとされる伝説「百夜(ももよ)通い」。小町を恋する男に、百夜通ってくれば共寝してもいいと無理難題をつきつける。男は通いつづけ、百夜目に悲劇的な死に見舞われる。思いが叶わなかった男の恨みはやがて小町の身の上に残され、惨めに老いさらばえる――小町はなぜこのような姿に描かれ後世に伝えられねばならなかったのか。古今和歌集と後撰集に残された数少ない小野小町の実作とされる和歌をより深く翫味すれば、そこに隠された本当の小町の姿が立ち現れてくる。 小町の歌の世界はけして甘美ではない。しかし、「日本の美の源流」が「もののあはれ」、哀れから来るとなぜ言われてきたのか。五感を研ぎ澄まして、この小説の音律に身を委ね、時に声に出して読んでいけば、読後にかつて経験したことのない深い感動が待っている。「もののあはれ」が体感できる小説と言っても過言ではないだろう。 -
Row&Row
漕げよ、漕げ(ロウ・アンド・ロウ)、 あなたの舟をーー 夫婦の歪みと「再生」を高解像度で描く、デビュー30年にして到達した恋愛文学の極致。 東京の広告代理店に勤める43歳の涼子は、3歳年下で美容師の夫・孝之と結婚して13年。毎日の生活にうっすら不満を抱えつつ、表面的には凪いだ日々を送っていた。ところが、20代の美登利を美容院のアシスタントとして招き入れたことで少しずつゆらぎが生まれて......。気づかぬうちに"深い川"に隔てられた二人は再び漕ぎ寄ることができるのか? 夫婦、そして、男と女の心理を細密に描き出した傑作長編。週刊誌「サンデー毎日」の人気連載がついに単行本化!
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