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差別も貧困も、なくならないのか?
今なお続く「在留外国人問題」に切り込む、慟哭必至の社会派巨編
在日朝鮮人帰還事業――
1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。
二人の若者がそれぞれ経験した「地獄」を描き、現代に通ずる差別の源流と、政治家・マスコミらが犯した大罪に迫る。
なんやおまえ、チョーセンやないけ――。
1959年大阪。在日朝鮮人への差別がはびこる街で、復興を遂げ平等を実現し「地上の楽園」と称される北朝鮮への「帰国運動」が過熱していた。
学問の道を志す高校生の孔仁学は、ヤクザの抗争に巻きこまれ窮地に立つ親友・玄勇太に「帰国」を勧める。
家族とともに北朝鮮へ行くことを決めた勇太だったが、帰国船内の食事の貧弱さや寝床の汚さに、「楽園」への違和感を覚え始め……。
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Posted by ブクログ
一九五〇年代の在日朝鮮人の帰還事業で、日朝・日韓問題について書かれた本は小難しくて読者が少ない。戦後タブーとされてきた問題だからでしょう。
「そもそも何故日本に朝鮮学校があるのですか?」なんて学校の先生に質問しても教えてくれない。差別問題が絡むからでしょう。この小説を読んだ人でさえ知らないんじゃないかな。
孔仁学という少年は、朝鮮学校の中等部を卒業し、公立学校へと進学した。目的は、日本の大学で学びたいからだという。だから大学の受験資格が何としても必要だった。物語は日本人目線で書かれている本ではなくて、問題となっている地方の方たちの当初の物語の舞台になっており現実的です。長編小説ですが、問題の本質を戦前から戦後まで説明するとなると説明不足は否めない。戦後の朝鮮を「地上の天国」などという偽書を信じ帰国を勧めた仁学と、帰国した玄勇太が物語の最後にやろうとしたことが一筋縄ではいかないことは、今の日本の現状を鑑みればわかる。
帯に、「今なお続く差別の源流と流転の果ての希望を濃密に描く」と書いている。
久しぶりに興味深い本を読ませてもらったが、根が深くて苦しい!
月村了衛氏の著書は、本質を鋭く抉るところに面白さがあると思う。
上記には「地上の天国」と書きましたが、正しくは「38度線の北」です。
僕が伝えたい事は、「あなたも読んでください」と言うことだけ。あとは原稿とキャプションに書きました。
深掘りすると戦後政治の一端が見えてくる。
帯の裏表紙には「差別も資因も、なくならないのか
1959年大阪。在日朝鮮人への蔑みと暴力がはびこる街で、復興を遂げ平等を実現し「地上の楽園」と称される北朝鮮への「帰国運動」が過熱していた。高校生の孔仁学は、ヤクザの抗争に巻きこまれ窮地に立つ親友・玄勇太に「帰国」を勧める。
北朝鮮行きを決めた勇太だったが、帰国船内の食事の貧弱さや寝床の汚さに、「楽園」への違和感を覚え始め・・・・・。」
Posted by ブクログ
『地上の楽園』
初めましての 月村了衛さん( ・᷄-・᷅ )
本当は…
『証言・北朝鮮帰国者』
これを読んでみたいと思っていました。
ひま師匠のレビューがなんか良くて…
でもね…順番があるんですって( ͡ ͜ ͡ )
まずは 『地上の楽園』が さきっ!ってね
教えて貰いました( ・᷄ ᴗ・᷅ )ゝ
地上の楽園…
その言葉だけ聞くと どんなに素敵な所なんだろう…と想像してしまう。 人種差別による貧困やイジメ…将来を夢見ることもできずにいる時に そんな 楽園 が あるなんて知ったら誰でも皆 行きたいって思ってしまうのではないかしら?
自分たちの未来にも希望があるんだって
大きな夢を描くんじゃないのだろうか?
それが偽りだったとしたら…
地上の楽園 どころか……
希望を見出すこともできない 地獄だったら…
手にとって読もうとは思わなかった
北朝鮮という国が 正直 怖くて
自分は 何も知ろうとしてこなかったなぁ……
でも…
今は 読んでよかったと感じます
地上の楽園 なんかじゃなくって、
劣悪な環境…なんて生易しいもんじゃないくらいの 地上の地獄 を 知り得ることができて…
目を背けるのではなく
現実に起こったことを
知っていきたい
それが辛いことでも
きちんと学んでいこうと 思っています( ͡ ͜ ͡ )
Posted by ブクログ
もう凄絶すぎて言葉がない。北朝鮮帰還事業をめぐるこの世の地獄の絶望の物語。私が生まれる数年前のことなのに恥ずかしながらあまりよく知らなかった(実際のところこの本一冊だけ読んでも複雑な国家間の利権などもっと調べないと今ひとつ理解できないことはたくさんあるのだが)
国家規模の詐欺、犯罪に一個人がどうやって巻き込まれずにいられたろう。嘘八百を並べた一冊の本に狂わされる大勢の運命。闘志と不屈の男、勇太だけが救い。とはいえ彼も騙されたとはいえ愚連隊のいざこざに巻き込まれて逃げるのにちょうどタイミングがよかった帰還事業ってことで自ら進んで北朝鮮に帰国したのだけど…日本で差別や貧困に晒される人々が楽園のような母国への帰国という甘い響きに吸い寄せられるのになんの不思議もない。
これぞ作家の仕事。たくさんの人に読んでほしい。
止むことのない戦火や現在も続く独裁者の暴虐に苦しむ人々が命がけで伝えてくれる言葉に耳を傾け、そして歴史をしっかり学ばなければ。彼らの命の意味とこれからの世界への希望の灯を消し去ってしまわないように。
Posted by ブクログ
とんでもない本を読んでしまった
まさに地獄…
恐ろしい歴史を真正面から描いた覚悟の一冊だろう
在日朝鮮人が日本社会から受けるひどい差別、希望のない未来…
そんな悔しくて苦しい毎日ならば、祖国〝地上の楽園〟を信じたくもなるだろう。
差別に耐えられず帰国したのに、祖国では更にひどい差別が待っていた。
目を背けたくなるどころか、吐き気がするほどの北での暮らし。
著者はよくぞここまで書いたと思う。
高校生の仁学が『38度線の北』を読み、祖国に夢を抱きどんどんのめり込んでいく姿が苦しくて…
〝地上の楽園〟が嘘であることを、私たち読者は知っているから「冷静になって!」と叫びたい。
仁学は〝楽園〟を心の底から信じているが、多くの大人たちは疑いを持っていたようだ。
「楽園というのは嘘なのでは?」
と思いながらも船に乗る覚悟を決める人々。
ほんの僅かな希望を信じて…。:゚(;´∩`;)゚:。
そして、日本政府やマスコミがグルになって帰国事業を後押ししていたという事実が、怖くて悲しい。
私たちはこの歴史をちゃんと知るべき。
辛い描写が多かったけど、その分多くを受け取る事が出来た一冊だった。
Posted by ブクログ
秀作です。慟哭です。
とても興味深い作品でした。
内容が重すぎるので、
好き嫌いは、ハッキリ別れるとは思いますが。
作中に登場する「○○」という街の近くに住んでいたことがあります。
ずいぶん前なので、今でもそうなのかはわかりませんが、
当時は、近鉄線の扉が プシューっと開くだけで
焼き肉の香りがする Koreaなところでした。
別に差別的な偏見で言うわけでは無いのですが、
その界隈は、歴史的にもいろいろな雰囲気を
孕んだ
所でした。
作者が描いた物語そのものが、
確かに実感出来る街でした。
無いように見えて、でも、やっぱり差別や偏見は
そこにはありました。(当時は)
○○地区と呼称される、高級住宅街もあれば
美観が異常にきれいな いわゆる同和地区もあり、
ヤカラもたくさんいらっしゃって、
「普通」の人びともたくさんいて
当時は、
管轄の警察署が、ひったくり検挙率全国ワースト記録が18年ぶりに、他に奪われたと話題になりました(笑)
自転車販売店でも、ママチャリの前カゴに、ひったくり防止のカバーは、標準装備が当たり前でした。
「月曜から夜更かし」 に出てくるような人達
たくさんいました。
(作品の描く世界観の背景や舞台が、実感として
わかるってことが言いたいわけで)
オブラートな言い方をすれば、
とっても「個性的な街」 だったデス。
転勤でその街に住むことになったのですが、
会社では、そこで仕事をする者は 皆、
本部から派遣された 「人権問題担当者」から
レクチャーを受ける決まりになっていました。
関東から引っ越して、その街で仕事をする上で、
認識しておかなければならない「現実」と歴史を。
私の仕事のチームのアルバイトの男子大学生から
ある時 相談を持ちかけられた事がありました。
彼は日系三世のKoreanで、国籍をJAPANにするか?
Koreaにするかで。
とても悩んでいるのだと。
魂 SpiritスピリッツはKoreaなのだと。
Koreaのままで いたいと。
でも、就職活動を考えるとJAPANなんだと。
あの街には
そうした 魂 信条 Spiritスピリッツは
Koreanな人びとがたくさん いました。
それは 今でもそうだと思います。
この作品を読む中で
そんな事を思い出しました。ずいぶん前の事ですが
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