【感想・ネタバレ】地上の楽園のレビュー

あらすじ

差別も貧困も、なくならないのか?
今なお続く「在留外国人問題」に切り込む、慟哭必至の社会派巨編


在日朝鮮人帰還事業――
1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。
二人の若者がそれぞれ経験した「地獄」を描き、現代に通ずる差別の源流と、政治家・マスコミらが犯した大罪に迫る。



なんやおまえ、チョーセンやないけ――。
1959年大阪。在日朝鮮人への差別がはびこる街で、復興を遂げ平等を実現し「地上の楽園」と称される北朝鮮への「帰国運動」が過熱していた。
学問の道を志す高校生の孔仁学は、ヤクザの抗争に巻きこまれ窮地に立つ親友・玄勇太に「帰国」を勧める。
家族とともに北朝鮮へ行くことを決めた勇太だったが、帰国船内の食事の貧弱さや寝床の汚さに、「楽園」への違和感を覚え始め……。

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Posted by ブクログ



『地上の楽園』



初めましての 月村了衛さん( ・᷄-・᷅ )



本当は…


『証言・北朝鮮帰国者』


これを読んでみたいと思っていました。
ひま師匠のレビューがなんか良くて…


でもね…順番があるんですって( ͡ ͜ ͡ )


まずは 『地上の楽園』が さきっ!ってね
教えて貰いました‪(  ・᷄ ᴗ・᷅ )ゝ




地上の楽園…

その言葉だけ聞くと どんなに素敵な所なんだろう…と想像してしまう。 人種差別による貧困やイジメ…将来を夢見ることもできずにいる時に そんな 楽園 が あるなんて知ったら誰でも皆 行きたいって思ってしまうのではないかしら?
自分たちの未来にも希望があるんだって
大きな夢を描くんじゃないのだろうか?



それが偽りだったとしたら…
地上の楽園 どころか……
希望を見出すこともできない 地獄だったら…



手にとって読もうとは思わなかった
北朝鮮という国が 正直 怖くて
自分は 何も知ろうとしてこなかったなぁ……

でも…
今は 読んでよかったと感じます


地上の楽園 なんかじゃなくって、
劣悪な環境…なんて生易しいもんじゃないくらいの 地上の地獄 を 知り得ることができて…



目を背けるのではなく
現実に起こったことを
知っていきたい


それが辛いことでも
きちんと学んでいこうと 思っています( ͡ ͜ ͡ )

0
2026年08月15日

Posted by ブクログ

もう凄絶すぎて言葉がない。北朝鮮帰還事業をめぐるこの世の地獄の絶望の物語。私が生まれる数年前のことなのに恥ずかしながらあまりよく知らなかった(実際のところこの本一冊だけ読んでも複雑な国家間の利権などもっと調べないと今ひとつ理解できないことはたくさんあるのだが)
国家規模の詐欺、犯罪に一個人がどうやって巻き込まれずにいられたろう。嘘八百を並べた一冊の本に狂わされる大勢の運命。闘志と不屈の男、勇太だけが救い。とはいえ彼も騙されたとはいえ愚連隊のいざこざに巻き込まれて逃げるのにちょうどタイミングがよかった帰還事業ってことで自ら進んで北朝鮮に帰国したのだけど…日本で差別や貧困に晒される人々が楽園のような母国への帰国という甘い響きに吸い寄せられるのになんの不思議もない。
これぞ作家の仕事。たくさんの人に読んでほしい。
止むことのない戦火や現在も続く独裁者の暴虐に苦しむ人々が命がけで伝えてくれる言葉に耳を傾け、そして歴史をしっかり学ばなければ。彼らの命の意味とこれからの世界への希望の灯を消し去ってしまわないように。

0
2026年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・凄絶
・むかーし読んだ「北朝鮮脱出」( 姜 哲煥, 安 赫)を思い出した。実家に置いてあるのでもう一度読んでみよう
・シベリア抑留といい、この本にある帰還事業といい、「北」の怪しさというか常識を越えた残虐さというのはいったいどこから出てくるのだろうか。

0
2026年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

思っていたよりずっとずっと地獄だった。
衝撃的な内容に星5ではあるのだけど、万人にはお勧めできない。
今年読んだ本の中で一番辛い内容だった。

自分は世代ではないので詳しくはないが、テレビで金日生生誕80年記念の万景峰号のニュースを見た覚えがあり、その船乗せられた物資が現地の人の少しの助けになったのだろうか…… と思いを馳せた。
その後、航行は無くなってしまい、困った人もたくさんいただろうと思うと胸が痛い。

今、北朝鮮の地方の貧困層はどんな暮らしをしているのか、知る術があまりに限られている。

作中の勇太は脱北して生き延びることができたが、北朝鮮ではあのあとソ連が解体し、支援が止まったり、大飢饉が起こったんですよね。
私の中にある差別や敵対心をなくすには、まず相手を知ることだと思った。

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2026年07月17日

Posted by ブクログ

丁寧な取材に基づくフィクションだが、ここまで書いておいてこのままおしまいでは寂しいですね。ここはいっちょう誰も書かなかった戦後の暗黒史を世に出してくれませんかね。

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2026年07月15日

Posted by ブクログ

北朝鮮への帰還事業の実態を初めて深く知った。衝撃だった。そこには希望とは程遠い、差別や抑圧、後悔に満ちた過酷な現実が描かれていた。留まっても、進んでも地獄。報われない人生を生きた人々の苦しみに触れ、ただただ憤り。そして私たちが当たり前と思う自由や家族との暮らし、人として尊重されることの尊さを改めて実感した。同時に、人権とは何かをあらためて考えさせられる一冊だった。

0
2026年07月01日

Posted by ブクログ

とんでもない本を読んでしまった
まさに地獄…
恐ろしい歴史を真正面から描いた覚悟の一冊だろう



在日朝鮮人が日本社会から受けるひどい差別、希望のない未来…
そんな悔しくて苦しい毎日ならば、祖国〝地上の楽園〟を信じたくもなるだろう。

差別に耐えられず帰国したのに、祖国では更にひどい差別が待っていた。
目を背けたくなるどころか、吐き気がするほどの北での暮らし。
著者はよくぞここまで書いたと思う。



高校生の仁学が『38度線の北』を読み、祖国に夢を抱きどんどんのめり込んでいく姿が苦しくて…
〝地上の楽園〟が嘘であることを、私たち読者は知っているから「冷静になって!」と叫びたい。

仁学は〝楽園〟を心の底から信じているが、多くの大人たちは疑いを持っていたようだ。
「楽園というのは嘘なのでは?」
と思いながらも船に乗る覚悟を決める人々。
ほんの僅かな希望を信じて…。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。


そして、日本政府やマスコミがグルになって帰国事業を後押ししていたという事実が、怖くて悲しい。

私たちはこの歴史をちゃんと知るべき。
辛い描写が多かったけど、その分多くを受け取る事が出来た一冊だった。

0
2026年06月12日

Posted by ブクログ

秀作です。慟哭です。
とても興味深い作品でした。

内容が重すぎるので、
好き嫌いは、ハッキリ別れるとは思いますが。

作中に登場する「○○」という街の近くに住んでいたことがあります。

ずいぶん前なので、今でもそうなのかはわかりませんが、
当時は、近鉄線の扉が プシューっと開くだけで
焼き肉の香りがする Koreaなところでした。

別に差別的な偏見で言うわけでは無いのですが、
その界隈は、歴史的にもいろいろな雰囲気を
孕んだ
所でした。
作者が描いた物語そのものが、
確かに実感出来る街でした。

無いように見えて、でも、やっぱり差別や偏見は
そこにはありました。(当時は)

○○地区と呼称される、高級住宅街もあれば
美観が異常にきれいな いわゆる同和地区もあり、
ヤカラもたくさんいらっしゃって、
「普通」の人びともたくさんいて

当時は、
管轄の警察署が、ひったくり検挙率全国ワースト記録が18年ぶりに、他に奪われたと話題になりました(笑)

自転車販売店でも、ママチャリの前カゴに、ひったくり防止のカバーは、標準装備が当たり前でした。

「月曜から夜更かし」 に出てくるような人達
たくさんいました。

 (作品の描く世界観の背景や舞台が、実感として
      わかるってことが言いたいわけで)

   オブラートな言い方をすれば、
   とっても「個性的な街」 だったデス。


転勤でその街に住むことになったのですが、
会社では、そこで仕事をする者は 皆、
本部から派遣された 「人権問題担当者」から
レクチャーを受ける決まりになっていました。

関東から引っ越して、その街で仕事をする上で、
認識しておかなければならない「現実」と歴史を。


私の仕事のチームのアルバイトの男子大学生から
ある時 相談を持ちかけられた事がありました。

彼は日系三世のKoreanで、国籍をJAPANにするか?
Koreaにするかで。


とても悩んでいるのだと。

魂  SpiritスピリッツはKoreaなのだと。
Koreaのままで いたいと。
でも、就職活動を考えるとJAPANなんだと。

あの街には
そうした 魂 信条 Spiritスピリッツは
Koreanな人びとがたくさん いました。

それは 今でもそうだと思います。

この作品を読む中で
そんな事を思い出しました。ずいぶん前の事ですが



0
2026年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『ワイルド・ソウル』といい本作といい、過去の日本の棄民政策って何なん?って言いたくなります。ま、本作では歴史的な背景もあり、「祖国への帰国」という建前があったわけなんですが。「地上の楽園」を喧伝し、「帰国」事業を推進したAと、Aの幼馴染でAの言葉を信じ、北朝鮮へ渡ったB(名前忘れた)。AとBの2人の視点から物語は進むのですが、どっちも地獄なんですな。Aはいいように使い捨てにされた末端の宣伝員に過ぎないけれど、本人の罪悪感とか後悔とか、もう計り知れないわけで。「騙したな!!」ってなかんじで、住んでいた場所を追われ、本人も自分の幸福を追求するどころではなく、ほぼホームレスのような生活を送るのです。でもでも、実際に北朝鮮に渡ってしまったBに比べたら雲泥の差で。いやもう、ディストピア。Bは両親も妻も子供も皆死んでしまって、収容所に囚われ、生きながら死んでいこうとするのですが、そこで知り合ったC(名前忘れた)とともに脱北を決意し、中国に逃れることに成功します。そしてそして、日韓ワールドカップの後に、AとBは日本で再会を果たすのです。「帰国事業」の欺瞞を白日の下に晒そう、という目的で団結し、立ち直ったA。明るい未来を感じさせる終わりで、たいへん楽しく読めました。が、楽しんでよいのだろうか、という一抹の罪悪感?のようなものをおぼえたにこでした。

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2026年05月25日

Posted by ブクログ

すごかった…。途中、読むのが辛い所もたくさんあったが、一方で先が気になって読み続けた。
恥ずかしながら、こんなことがあったと初めて知った。
他の人にも勧めたい一冊。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

読むのが辛くて怖い。でも先を知りたい、とページをめくる手が止まりませんでした。
戦後の在日朝鮮人帰還事業のお話。恥ずかしながら本書で初めて知りました。
北朝鮮は「地上の楽園」というウソの情報を信じ、日本で差別に苦しんでいた在日朝鮮人たち9万3千人が北朝鮮へ渡る。しかし、たどり着いた地は、日本での貧しい生活さえ天国と思えるほどの地獄だった。死んだほうがマシ、とはこういう状況だと思わずにいられませんでした。
北朝鮮もひどいけれど、日本の政治家、メディアも加担している。そしてその責任追及はされていない。北朝鮮に送られた人たちの救済はされなかった。
情報操作の恐ろしさよ。メディアへのアクセスが容易な現代だからこそ、その発信の真偽を見極める力も私たちには必要ですね。
拉致被害者の帰国も進んでいない。
人権を守るって、誰も取りこぼさないって難しい。
でも、できることならすべての人が尊重され、自らの人生を選んで生きられる世の中でありますように。
そして、1人の政治家の名前が出ておりますが、恐らく書けなかったもっと多くの大物が関係していたことだろうと思います。よく出版できたな、と。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

この小説のレビューでちらほら見かけたとおり、「すごい」という言葉がピッタリな本。
帯の「慟哭必至のエンタメ大作」は嘘じゃない。

北朝鮮への帰還事業、在日本朝鮮人総聯合会の悪行を無知な私は知らなかった。
知っていたとしても、帰国者がここまでの地獄を見ていたと知る人はどのくらいいるんだろう。
帰国者は、差別に苦しみながらも日本にとどまった方がどんなに幸せだったか。
こんな絶望を知ることは今の時代に生きている私には一生体験できないと思うと読めてよかった。
かなり踏み込んだテーマなのに、よくぞ書いてくれたと思う。

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2026年05月19日

Posted by ブクログ

労働力が欲しい北朝鮮と朝鮮総連、棄民したい日本政府の思惑が重なって推進された帰還事業。北朝鮮は地上の楽園であると信じて帰国事業の宣伝に邁進する高校生、地上の楽園を信じて帰国した人々を待ち受ける地上の地獄。帰国事業に翻弄された人々や当時の状況について描いた物語り。
無責任に煽りそれを総括しないマスコミと政治家の姿勢は未だに正されない。また、本書で述べられる帰国事業と拉致問題が同根であるという指摘には頷かされる。
帰国した家族から日本の親類へ送った手紙の検閲から逃れるため、切手の裏に書かれた「ここはじごく ぜったいに くるな」がリアルで恐ろしい。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

読書備忘録983号。
★★★★★。

在日朝鮮人の帰還事業ですわ。
いやはや凄いものを読んでしまった。
月村さんヤバすぎ・・・。
月村さん普及活動者としては出遅れ感満点ですがやっと読めました。予約するのが遅かった。

なにを隠そう(実は隠すものすらない)!帰還事業知らんかったです。お恥ずかしい。
1964年生まれのシンタローとしたら1959年から大量に始まった北朝鮮への帰国事業を知らんとかありえない。生まれたらすぐに「38度線の北」を読んどくのでした・・・。
あと「北朝鮮の記録 訪朝記者団の報告」も「楽園の夢破れて」も読んどかなあかんかった。洟たらししてザリガニ釣ってる場合じゃなかったわ。

さて物語。
ざっくりネタバレですので読みたくない方はご注意を!

第1部。
時は昭和34年。大阪猪飼野。今は地名として存在せず、いわゆるコリアンタウンですね。
高校生の孔仁学。「地上の楽園」を謳う「38度線の北」に感化されてしまった。
誰もが衣食住に困らず、好きな仕事に就き、安寧の暮らしが出来る楽園。
北朝鮮への帰還事業に高校生ながら熱を上げてしまった。総聯事務所に出入りして。想いはひとつ!みんなの幸せの為に!

一方、孔仁学の友だち玄勇太。
情には熱いが手が早い。愚連隊(やくざやね)の下っ端まがいの日々。
そしてあろうことか、殺人に間接的に関わってしまった!
捕まったらヤバイ。

そこに孔仁学現る!
ここに帰還事業船の乗船チケットがある。乗る?乗る?日本におったらヤバいんやろ?勇太は家族と共に北朝鮮の楽園へ!

昭和35年になり、親族を楽園に送り出し日本に残った家族らのもとに彼らからの手紙が届く。
「こちらは楽園です。こちらは楽園です。言うことないです。ところで米送ってください。着るモノ送ってください。これ送ってください。あれ送ってください。そしてこれもあれも。そしてあれもこれも。」
おかしい。何かがおかしい!

手紙に隠された暗号。
「拝啓 敬具」だったら嘘八百が書かれていると決めてあった。
「前略 草々」だったら真実が書かれていると。
手紙は「拝啓 敬具」だった。切手の裏にも「絶対に来るな。地獄だ。」と記されていた。

絶望の孔仁学。なんてことをしてしまったんだ。おれは・・・。
取り返しのつかないことをしてしまった。ララァを・・・、違います。

物語は第2部へ。
北朝鮮へ渡った玄勇太のものがたり。
壮絶のひとこと。
死屍累々とはこのことを指す。
みなまで言うまい。
以上。

終幕。
平成14年。
舞台は東京。
勇太と仁学の再会。
頼むから俺を殺してくれ、と仁学。
そう簡単に殺すか!甘えるな、と勇太。
ガンバレ仁学!勇太!

いやはや凄い邪悪な一大事業だったんですね。
繰り返します。知らんかった。
朝鮮戦争の焦土復興の為に大量の人工が欲しかった北朝鮮。
なべ底不況で生活保護財政に破綻を来たしていた日本。特に在日朝鮮人はお荷物。
政治、マスコミ、すべてがグルになって謀った一大事業。
行き場の無かった朝鮮人。生き場の無かった朝鮮人。黒歴史どころか、今ですらあるあるやろと感じる。
そして純一郎の父小泉純也。「在日朝鮮人帰国協力会」の代表。いやはや黒幕やん!進次郎のおじいちゃんやで!

これはみなさん読まなあかんよ。
ノーパンから月村普及を務めてきた私としては、これは絶対におススメ。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

戦後史の大きなピースである「在日朝鮮人の帰還事業」について、これほどリアルに書かれたものはこれまでなかったと思う。
もちろんフィクションではあるが、実際に起きたことを元にしており、作中に登場して重要な役割を果たす政治家や実際にある書籍やその著者などについては実名で記してある。それらを元に調べて行けばなぜこんなことが起きたのか、体制側と反体制側で一致した思惑がなんだったのかがある程度わかってくる。
体制側でもっとも深く関わった政治家の後裔は現在の政権内部でも大物だし、帰還事業が多くの人を魅了し悲劇に追い込んだ人物が属した政治組織も細々とではあるが命脈を保っているのだ。
善も悪も描かれているが、善なる意志に基づいて行動していても結果として大きな罪を背負ってしまうことが描かれているのが特に印象に残った。
罪を背負っても罪悪感を抱かないのはサイコパスと機会主義者だが、普通の人も利益や名誉を追い求めることによって機会主義者になり、また普通の人がイデオロギーに取り憑かれるとサイコパスになることがあると思うと、後味が苦い。

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2026年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

在日朝鮮人の悲しく悲惨な戦後当時の物語
主人公たちは在日朝鮮人として、大阪で暮らす
そこでは常に差別を受け、やがて故郷への帰国を夢見る
主人公の1人はそのまま夢の国と言われていた北朝鮮に帰国するが、そこは想像を絶する地獄だった
食料は乏しく、国への批判は厳しく咎められ、まともな生活が送れない状況だっ
友達も、愛する娘も妻も、全てを失い、韓国に命からがら脱出する
一方で、北朝鮮への帰国を勧めた在日朝鮮人、日本の政治家は何の責任も取らない
この現状は世に知らしめるために、かつての主人公の友2人は老体に鞭打って立ち上がる場面でこの物語は終わる
北朝鮮の生活は今でも厳しいことは知っているが、戦後当時は想像を絶するものだっただろう
これは全て戦争から生まれたものだ
アメリカ、日本はこの責任をしっかり認識しなければならない

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

まるでノンフィクションかのような内容で、北朝鮮という国の恐ろしさがよく分かる。
帰還事業に小泉純一郎の親父が関わってるってのは初めて知った。

ネットフリックスあたりが映像化しないかな...無理か。

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2026年03月26日

Posted by ブクログ

すごい小説だった。
500ページ近いし、内容の98%が絶望と地獄なのにあっという間に読み終わった。

フィクションであってほしいとここまで思った小説はない。残念だけどほぼほぼノンフィクションという…

こんな事があった事実を知れただけでも読んだ価値があった。
忘れられない一冊になりました。

あのデブ指導者がまじで憎い。

0
2026年03月21日

Posted by ブクログ

プロローグ

とある、公園のベンチの片隅で本書を読み終えた
思わず空を見上げるとドが付くほどの晴天

一方で心は曇天且つ冷え切っている
それはまるで、北緯38度線のようだ


“北”へ送ったものと送られたものの物語が
始まろうとしている


そこに“約束の地”はあったのか!?

この壮絶な物語の扉は開け放たれた!


本章
『地上の楽園』★5
多くのブク友さん絶賛の一冊

エンタメ的に云うならば、仁学と勇太の魑魅魍魎持ち受ける慟哭必至の冒険小説

北への帰国!?帰還!?を送った者“仁学”の後悔と
帰還を選択した者“勇太”の後悔

当時は、何が正解で何が不正解なのかは、誰も知る由がなかった

ただ、送ったものの大半が地獄と知っていて送り出していたのは、事実である

当然、そこには地上の楽園と呼ばれた約束の地など存在せず、地獄の地があるのみであった


主に1959年から67年に掛けて、約93,000人が
地獄の地に送られ、重労働を課せられ散っていった


月村了衛氏初読みの作家さんであったが
よくぞ、この物語を書き上げたなと、感嘆の言葉しか出ない

読めば分かると思うが、相当な勇気がないと描けない物語だ

そんな月村氏の勇気に

天晴!

と、云いたい!



エピローグ

表紙のカバーを取ると、ソコには白黒の花びらのようなものが散っているデザインで
とても対照的で悲しげだ

少し華やかな表紙は、創られた“地上の楽園”を表し
裏には本当の姿、所謂“地獄の地”が写し出されている

上手い話には、必ず裏がある
いつの世も一緒だ

人の欲望がある限り、その同数の落し穴がある

自身もハニートラップには気をつけよう
改めてそう思った(¯―¯٥)8v♪



                      完

0
2026年02月23日

Posted by ブクログ

在日朝鮮人帰還事業。1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。大阪に暮らす二人の若者、孔仁学と玄勇太が経験する「地獄」を通して、日本人の差別感情と、政府・マスコミらが犯した大罪に迫った社会派小説。

4冊目となる月村さんの作品はやはり裏切らなかった。一気読み!フィクションと承知しながらも、実在する本や人物、知った政治家などの名前が出て来ると、今更ながらそういうことだったのかと思わされる。そして、主人公達と同時代を生きてきた自分が何も知らないことに愕然となる。拉致被害に遭った日本人がタラップを降りて帰って来たテレビ映像もだぶった。
第一部での主人公・仁学の視点で進むと思いきや、第二部は仁学の勧めで帰還船に乗船した親友・勇太の北朝鮮へ上陸後の想像を絶する過酷な暮らしぶりが描かれていた。終幕の章で年を重ねた彼らは再び日本で出会い「希望」を見出そうと動き出した。歴史上実際にあった「北朝鮮帰還事業」の真実を暴き世界に知らしめるのだ。
学校の授業で教えられないのは当然だろう。結果的には政治家や著名人、マスコミも片棒を担いでしまったのだ。歴史に埋もれた人らの苦悩が胸に迫る渾身の一冊だった。
一人でも多くの人に読んで欲しい。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

 先月、東京地裁が「国家的施策として事実と異なる情報を流布して原告らを誤信させ渡航させた」として北朝鮮政府に対して脱北者4人に賠償命じる判決出したばかり。この時も、「情報を流布した」マスコミと日本政府は頬かぶりしたまま。歴史を掘り下げ、謙虚に学ぼうという姿勢は微塵もなし。「差別を逃れて帰国したつもりが、祖国は日本以上に厳しい差別が待っていた」キタのくだりはおぞましいできごとオンパレードに目を背けたくなるが勇太の行動になんとか救われる。また、おかしい事はおかしいとハッキリ言う山崎先生「大事なんは人々が差別のない社会に幸せに生活できること」にも。ただ、今また世界中で壁が築かれ始めている。本当に同じ過ちを何度も繰り返す人間…暗い小説だけど、最後に少しだけ希望が見えた。最近、月村さん社会派の重たいテーマばかり。フィクションと断りながら政治家やら実名バンバン。大丈夫か。エール贈りたい。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

辛いとか悲しいとか、そんなレベルを通り越した慟哭。もう、何だか上手く言葉に出来ない。これは、一人の人間として正面から向き合って読むべき本。
私は日本人。幼少期には「チョン」「チョーセン」といった言葉を深い意味も知らず、相手を侮辱する言葉として使っていた。歴史を知り、生まれたところや皮膚や目の色が違うだけで何が違うんだと考えるようになった。ブルーハーツの『青空』の歌詞が私に与えた影響は本当に大きい。
私は職業柄、様々な国や国籍の人たちと接する機会が多い。それでも「この人はどこの国の人なんだろう?」という先入観を完全には捨てきれない。偏見を持たないよう心掛けていても、その難しさを感じる。
この本を読み終えて改めて思ったのは、「どちらが悪い」「誰が悪い」と過去の責任だけを問い続けても、この問題は簡単には解決しないということ。差別や理不尽な扱いを受けた人たちの苦しみは、謝罪だけで終わる話ではない。そして、時は戻せない。
「楽園」を信じ、人生が変わると希望を抱いて飛び込んだ先が地獄だった。そして、その先にある耐え難いほどの慟哭。日本人である私も「ざまあみろ」などとは決して思えない。
だからこそ、一人の人間として自身のアイデンティティを持ち、相手と対話する力を失いたくない。そして、平和的な解決を心から望んでいる。

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2026年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4.5
しんどい。
寺尾五郎の38度線の北、実際にある本なんだ、知らなかった。
ヤバイやつやな。
仁学も完全な被害者だよな。
死ぬに死ねん。
切手の裏に書くっていうのは、何かの体験談で聞いたやつだ。
酷すぎる歴史の1つ。
あんまり北を批判するような事を書いたらこわいな。心に留めておこう。
でも何で1人のやつにみんな従うんやろ、意味不明。なんかあるんやろな、知らんけど。


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2026年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

月村了衛『地上の楽園』

1959年、北朝鮮への帰還事業が開始。「北は地上の楽園」「在日同胞を祖国へ」と大々的に喧伝されたこの政策により、84年までの間に実に9万人以上もの人々が日本から北朝鮮へと渡った(その多くが済州島等南部の出身者)。
現在の研究では、これが決して人道支援を目的としたものではなく、日本政府、朝鮮総連、
赤十字等それぞれの思惑、米ソの対立と日中の利害が複雑に絡み合ったいわば棄民政策であったことが明らかにされている。
北朝鮮の実状を知りながら、「人道支援」の名目で彼らは人々を帰還させ続けたのだ。

また、多くの在日朝鮮人にとって、日本社会における差別や貧困、将来への閉塞感が帰還を決意する大きな動機となったことを思えば、この歴史上類を見ない悲劇が、私たち自身とも密接に繋がっていることは想像に難くない。

北朝鮮に希望を見出した高校生・仁学は、日本社会での暮らしに苦しむ同胞を祖国へ送り出そうと、総連の活動にのめり込んでいく。一方、愚連隊に身を置き人生の袋小路へ追い込まれた彼の幼馴染・勇太は、仁学の勧めもあって家族とともに北朝鮮へ帰還する。

しかし、やがて仁学は多くの同胞を「地獄」へ送り込んだ張本人として日本で激しい非難を浴び、勇太は北朝鮮で文字どおり地獄のような日々を送ることになる…。

本書は、若き在日朝鮮人である二人の人生を軸に、この帰還事業の実態を膨大な資料に基づいて描き出したセミドキュメンタリー小説である。
描写やキャラクターがいささかステレオタイプであることは否めないが、この複雑怪奇な悲劇を見事にまとめ上げる手腕はさすが月村了衛、拍手を送りたくなりました。

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2026年06月13日

Posted by ブクログ

『祖国はすばらしいところです。まさに地上の楽園です。みんなしあわせに暮らしています。兄さんもすぐにいらっしゃい。国をあげて歓迎してもらえます。』

日本から北朝鮮へ「帰国」した在日朝鮮人からの手紙。この手紙には続きがあって-。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
取り返しがつかない。
なにもかも。
北朝鮮に来たときから-。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

あぁ、あの国の恐ろしさよ…_| ̄|○ il||li

✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

1959年大阪。成績優秀な在日朝鮮人の高校生・孔仁学。日本で大学への進学をしようとするも、朝鮮人への激しい差別や暴力が横行する街で それは現実的に叶わないことと諦めかけていた。その頃、「復興を遂げて 誰もが平等に安心安全に暮らせる社会を実現した」という北朝鮮への「帰国運動」が過熱していた。信頼する担任教師から、北朝鮮を訪れたという日本人ジャーナリストが書いた紀行本を勧められる仁学。北朝鮮の目覚しい復興の様子が描かれたその本により 仁学は「帰国運動」に力を注ぐようになる。

仁学の幼なじみで親友・玄勇太。喧嘩っ早く 向こう見ずな勇太は、ヤクザの抗争に巻き込まれ のっぴきならない事態に追い込まれる。

仁学は、怪我で仕事を失った兄や 勇太に「地上の楽園」北朝鮮への「帰国」を進める。

家族とともに北朝鮮へ行くことを決めた勇太だったが、彼らを待ち受けていたのは「楽園」ではなく…。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

北朝鮮が決して楽園ではないことを知っている読者からしたら、仁学が「帰国運動」に熱をあげる姿をハラハラしながら読み進めることになります。周りの大人に持ち上げられ、熱心に帰国を勧める仁学に「もう、やめとけって!」って言いたくなる…。嫌な予感しかしない。

また、北朝鮮へ帰国した勇太の章では、地獄のように思われた日本での生活のほうが楽園だったのでは?と思ってしまうような過酷な日々が描かれています。人として扱われない。命は簡単に奪われる。恐ろしすぎる。
なぜ同じ人間どうし見張りあい殺しあえるんだ…。恐怖で支配するような国に明るい未来はないのだ!

やがて、北へ帰国した人達からは、検閲を逃れるように暗号のような形で「こっちはヤバいところだぞ。こちらへ来るな」といった手紙が届くように…。

帰国運動で大勢の人の帰国を手助けした仁学
北朝鮮という地獄へと渡った勇太

二人の運命は…

それは読んでくだされ!!

後に 仁学も勇太も「あの時、もっと自分のおかれた状況について学んでいれば こんなことにならなかったのでは」と悔やみます。

でも、本当にそうなのか?
仁学は悪いの?勇太が悪いの?

朝鮮人に酷い差別を行っていたのは日本人。
北朝鮮へ帰国させようと扇動したのは日本の政治家やマスコミ。それも身勝手な理由で。

私たちも この本から何かしら学ぶことがあるのかもしれません。

星をひとつ減らしたのは、北朝鮮での生活の様子が恐ろしすぎて…( •̥-•̥ )

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

フィクションの体を取った陰謀論は嫌いだけど、これはなかなか読み応えがあった。
好き嫌いは別として力作であることは間違いない

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2026年04月24日

Posted by ブクログ

興味深いし、月村了衛だから読み進むのに苦はないのだが、、、フィクションとは思えず、読んでいると辛くなってしまい半分と少し読んでやめた。つまりとてもリアルに胸に迫るということ。
労働力の欲しかった北が望郷の想いを踏みにじり、過酷な生活を強いて結果命がけで脱北した人も多数いたわけで、、、、。同情を禁じ得ない。こんな気持ちで途中でやめた本は初めてだ。

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

すごい本!重くてつらい北朝鮮帰国事業をあえて赤裸々に描いたとても苦しい本だった。現実は、もっと酷かったと思うが、それ以上は表現できなかったであろう事は、想像できる。一方で、実名の議員、団体、本などを著すことは、さぞ勇気のいる事である。ニュースなどで聞いていたものの、こんなにひどいとは、、。一党独裁は、怖い。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

ふぅ~重たい話しだった。
改めて日本人で良かったと思いました。
どんな結末になるのか気になって一気に読み終わりました。
ちょっと最後はあっけなかったかな
北朝鮮の現況が知りたくなりました。

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2026年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっしりと心にのしかかる今作。
地上の楽園とはよく言ったもので、
その希望にあふれるネーミングと
実際の出来事との落差には言葉を失うばかり。

性格の異なる幼なじみの二人の
それぞれが受けた苦しみに胸が痛んでしょうがない。
長い時間をかけ、奇跡的な再会の末に
本当の希望を紡ごうとするラストに救いを感じた。

フィクションだけど、かなりノンフィクション!

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2026年03月23日

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