【感想・ネタバレ】地上の楽園のレビュー

あらすじ

差別も貧困も、なくならないのか?
今なお続く「在留外国人問題」に切り込む、慟哭必至の社会派巨編


在日朝鮮人帰還事業――
1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。
二人の若者がそれぞれ経験した「地獄」を描き、現代に通ずる差別の源流と、政治家・マスコミらが犯した大罪に迫る。



なんやおまえ、チョーセンやないけ――。
1959年大阪。在日朝鮮人への差別がはびこる街で、復興を遂げ平等を実現し「地上の楽園」と称される北朝鮮への「帰国運動」が過熱していた。
学問の道を志す高校生の孔仁学は、ヤクザの抗争に巻きこまれ窮地に立つ親友・玄勇太に「帰国」を勧める。
家族とともに北朝鮮へ行くことを決めた勇太だったが、帰国船内の食事の貧弱さや寝床の汚さに、「楽園」への違和感を覚え始め……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

思っていたよりずっとずっと地獄だった。
衝撃的な内容に星5ではあるのだけど、万人にはお勧めできない。
今年読んだ本の中で一番辛い内容だった。

自分は世代ではないので詳しくはないが、テレビで金日生生誕80年記念の万景峰号のニュースを見た覚えがあり、その船乗せられた物資が現地の人の少しの助けになったのだろうか…… と思いを馳せた。
その後、航行は無くなってしまい、困った人もたくさんいただろうと思うと胸が痛い。

今、北朝鮮の地方の貧困層はどんな暮らしをしているのか、知る術があまりに限られている。

作中の勇太は脱北して生き延びることができたが、北朝鮮ではあのあとソ連が解体し、支援が止まったり、大飢饉が起こったんですよね。
私の中にある差別や敵対心をなくすには、まず相手を知ることだと思った。

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2026年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『ワイルド・ソウル』といい本作といい、過去の日本の棄民政策って何なん?って言いたくなります。ま、本作では歴史的な背景もあり、「祖国への帰国」という建前があったわけなんですが。「地上の楽園」を喧伝し、「帰国」事業を推進したAと、Aの幼馴染でAの言葉を信じ、北朝鮮へ渡ったB(名前忘れた)。AとBの2人の視点から物語は進むのですが、どっちも地獄なんですな。Aはいいように使い捨てにされた末端の宣伝員に過ぎないけれど、本人の罪悪感とか後悔とか、もう計り知れないわけで。「騙したな!!」ってなかんじで、住んでいた場所を追われ、本人も自分の幸福を追求するどころではなく、ほぼホームレスのような生活を送るのです。でもでも、実際に北朝鮮に渡ってしまったBに比べたら雲泥の差で。いやもう、ディストピア。Bは両親も妻も子供も皆死んでしまって、収容所に囚われ、生きながら死んでいこうとするのですが、そこで知り合ったC(名前忘れた)とともに脱北を決意し、中国に逃れることに成功します。そしてそして、日韓ワールドカップの後に、AとBは日本で再会を果たすのです。「帰国事業」の欺瞞を白日の下に晒そう、という目的で団結し、立ち直ったA。明るい未来を感じさせる終わりで、たいへん楽しく読めました。が、楽しんでよいのだろうか、という一抹の罪悪感?のようなものをおぼえたにこでした。

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2026年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

在日朝鮮人の悲しく悲惨な戦後当時の物語
主人公たちは在日朝鮮人として、大阪で暮らす
そこでは常に差別を受け、やがて故郷への帰国を夢見る
主人公の1人はそのまま夢の国と言われていた北朝鮮に帰国するが、そこは想像を絶する地獄だった
食料は乏しく、国への批判は厳しく咎められ、まともな生活が送れない状況だっ
友達も、愛する娘も妻も、全てを失い、韓国に命からがら脱出する
一方で、北朝鮮への帰国を勧めた在日朝鮮人、日本の政治家は何の責任も取らない
この現状は世に知らしめるために、かつての主人公の友2人は老体に鞭打って立ち上がる場面でこの物語は終わる
北朝鮮の生活は今でも厳しいことは知っているが、戦後当時は想像を絶するものだっただろう
これは全て戦争から生まれたものだ
アメリカ、日本はこの責任をしっかり認識しなければならない

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4.5
しんどい。
寺尾五郎の38度線の北、実際にある本なんだ、知らなかった。
ヤバイやつやな。
仁学も完全な被害者だよな。
死ぬに死ねん。
切手の裏に書くっていうのは、何かの体験談で聞いたやつだ。
酷すぎる歴史の1つ。
あんまり北を批判するような事を書いたらこわいな。心に留めておこう。
でも何で1人のやつにみんな従うんやろ、意味不明。なんかあるんやろな、知らんけど。


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2026年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

月村了衛『地上の楽園』

1959年、北朝鮮への帰還事業が開始。「北は地上の楽園」「在日同胞を祖国へ」と大々的に喧伝されたこの政策により、84年までの間に実に9万人以上もの人々が日本から北朝鮮へと渡った(その多くが済州島等南部の出身者)。
現在の研究では、これが決して人道支援を目的としたものではなく、日本政府、朝鮮総連、
赤十字等それぞれの思惑、米ソの対立と日中の利害が複雑に絡み合ったいわば棄民政策であったことが明らかにされている。
北朝鮮の実状を知りながら、「人道支援」の名目で彼らは人々を帰還させ続けたのだ。

また、多くの在日朝鮮人にとって、日本社会における差別や貧困、将来への閉塞感が帰還を決意する大きな動機となったことを思えば、この歴史上類を見ない悲劇が、私たち自身とも密接に繋がっていることは想像に難くない。

北朝鮮に希望を見出した高校生・仁学は、日本社会での暮らしに苦しむ同胞を祖国へ送り出そうと、総連の活動にのめり込んでいく。一方、愚連隊に身を置き人生の袋小路へ追い込まれた彼の幼馴染・勇太は、仁学の勧めもあって家族とともに北朝鮮へ帰還する。

しかし、やがて仁学は多くの同胞を「地獄」へ送り込んだ張本人として日本で激しい非難を浴び、勇太は北朝鮮で文字どおり地獄のような日々を送ることになる…。

本書は、若き在日朝鮮人である二人の人生を軸に、この帰還事業の実態を膨大な資料に基づいて描き出したセミドキュメンタリー小説である。
描写やキャラクターがいささかステレオタイプであることは否めないが、この複雑怪奇な悲劇を見事にまとめ上げる手腕はさすが月村了衛、拍手を送りたくなりました。

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2026年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

地上の楽園

著者:月村了衛
発行:2025年10月25日
中央公論新社
初出:『中央公論』2024年4月号~2025年4月号(連載)

今年の本屋大賞へのノミネート作品発表が、2月6日、今週の金曜日に発表になるが、候補になり、大賞を取ってもおかしくないほどの傑作だった。475ページの大作である点も、書店員好みと言える。ただし、ノミネート作品予想をいろんな人がしているが、この本を挙げた人は今のところ見つからない(^o^)。昨年中に読んでいれば、間違いなくナンバーワン本。

1960年から実際に始まった在日朝鮮人の朝鮮人民共和国への帰国。北朝鮮本国の公認で行われた朝鮮総連による「帰国運動」、日本政府が閣議了解した「北朝鮮帰還」により実現したが、日本の政界では、共産党や社会党のみならず、超党派による「在日朝鮮人帰国協力会」が支援した。中心人物は自民党の鳩山一郎と小泉純也らだった。「地上の楽園」との宣伝文句に騙された在日朝鮮人や日本人妻、子たちには地獄の生活が待っていたというのは、今さら言うまでもない。

本書の注釈では、その歴史の暗部に関して「歴史的経緯を踏まえて書かれたフィクション」としている。多くの人を騙した書籍類や新聞記事なども実名で登場し、小泉純也ほか人物もそのまま出てくる。第1部に出てくる「朝鮮人帰還事業意見交換会」という東京でのイベントは創作だとしているが、言葉を変えれば、あとはみんな実際にあったこと、つまりノンフィクションに近い本ともいえるわけである。そういう意味で、この問題に関する歴史の勉強にもなった。

なぜ、著者が、今のタイミングでこれを書こうと考えたのか?インタビューでも答えているが、この問題に関して誰も責任を取っていないではないか、ということを言いたかったようである。朝鮮半島の2つの政府は、北も南も独立してできたばかり、日本からの帰国者を受け入れる余裕などなかった。李承晩の独裁政権である南は、はっきりと拒否し、「北送」を批判した。一方の金日成独裁政権である北は、受け入れる気がないくせに受け入れを発表し、国際的に〝成功者〟であることを示す路線をとったが、実際はそうではなく、帰国者を殆ど人として扱わず、逆らうものは次々に銃で撃ち、奴隷のように働かせ、餓死や拷問死、衰弱死、自殺などでその数を減らしていった。「終章」にあるが、拉致問題も帰国運動も根はひとつ、ということ。本質は同じである。

そして、帰国運動は日本政府や政治家たちも支援した。超党派の組織を作ったが、その中心人物が小泉純也だった。一方、拉致問題解決の突破口を開いたと日本で大変な評価を得た政治家は、時の首相である小泉純一郎だった。2世議員が地獄へ在日朝鮮人を送り込み、3世議員であるその息子が拉致された日本人を連れ戻す。根が一つであるなら、親子で行ったマッチポンプとしか言いようがない。父親がしたことの責任は、一体、誰がとるのか?

もちろん、その前に、朝鮮半島への侵略や、大勢の朝鮮人を日本に連れて、苦難の生活を強いたのは誰か?その責任を誰もとっていないし、それを隠すために帰国運動の支援をしたのである。これが著者の一番言いたかった点であろう。

**********

第1部は大阪が舞台。孔仁学という在日朝鮮人の高校生が主人公で、北尾吾郎著『38度線の北』(新日本出版社)を読み、帰国運動の重要性を感じ、人に本を貸すなどして帰国を勧めるようになった。孔一家は貧しく、学校でも町でも職場でも、えげつない差別を受けて暮らす。ただ、仁学は勉強ができたため、公立高校へ行って大学進学を目指していた。兄、妹、弟がいたが、兄も工場で働きながらそれを心から応援していた。不安定な仕事しかない父親は、覚めた目でみていた。大学を出たって差別される社会では、ろくに仕事なんかない、という具合だった。

もちろん、仁学自身も将来は帰国を希望、一家揃って北朝鮮でやり直したいと考えていた。そんな活動や姿勢が朝鮮総連幹部の耳に入り、総連の手伝いをしないかとスカウトされた。高校生でありながら、東京のイベントに招かれ、大阪での自分たちの現状などをあるがままに堂々と訴えた。彼は一躍スターとなり、帰阪すると英雄のような扱いを受けた。総連大阪本部で働き、将来の幹部候補に。もちろん、近所でも有名になった。

そんななか、兄が工場内の自己で左手の指を4本落としてしまった。僅かなお金を渡されてクビになり、もう大学へは行かせられないと仁学に詫びた。仁学は大学をあきらめ、父親の仕事を手伝ってドブさらいなどをしていたが、いよいよ帰国の第1便が出ることになり、日本では仕事がなく生きていけない兄を一足先に帰国させようと提案、総連に頼み込んで船に乗せた。

さらに、幼馴染みの一人である玄勇太が、在日のヤクザ組織と結びついている愚連隊に入り、殺人の手伝いをさせられてしまい、警察にも組織にも狙われていることを知り、勇太も帰国させることにした。勇太も仁学から北朝鮮の話を聞き、本も読んで「地上の楽園」ぶりに感激し、大喜び、大感謝で船に乗り込んだ。

ところが、兄からは全くの梨のつぶて。帰国を勧めた人たちからも、同じ。しばらくしてやっと帰国者の親族から手紙が来たが、欲しいものはなんでもあり、食べ物もなんでもあって美味しいと、その「地上の楽園」ぶりを報告しているものの、食べ物や衣類、日用品を大量に送ってくれとも書かれている。さらに、現金も。これはきっと検閲を誤魔化すために嘘の文面を書いているに違いない、本当はとても大変な生活をしているのだ、と親族は見抜いた。なぜなら、書いてあることが嘘の場合に分かる暗号のようなものを事前に取り決めしていたからだった。
(本当の話なら「前略」「草々」、嘘なら「拝啓」「敬具」と書け、など)

そう言われた孔仁学は、最初は信じなかったが段々と疑い始め、総連幹部に確かめにいく。何度も食い下がり始めると、幹部たちは態度を急に変えて、仁学のことを反逆者呼ばわりし、総連から追い出し、痛い目にあわせようとしはじめる。さらに、在日の人たちからは、彼は総連の嘘の片棒を担いだという評価になり、暴力を含めた散々な目にあうことになる。仁学は心から玄勇太をはじめ、自分が帰国を勧めた人たちにお詫びをしたいと思い、殺して欲しいとさえ思い始めた。

ここで一部は終わり、2部となる。
2分の主人公は、玄勇太。
彼の地獄のような生活が描かれる。腕っ節が強く、体力があり、正義感に溢れる彼は、なんとか生きのびていき、帰国女性と結婚をし、娘も生まれる。幸せを感じ始めた矢先、彼は役人に目を付けられ、妻子と引き離されて管理所送りになる。もう、一生出られない。もちろん、妻子も殺されていることだろう。自暴自棄になった彼は、自らの命などまったく惜しくないと思って奴隷のような生活を送っていた。ところが、あることがあり、このまま死ぬのはだめだ、この実態を世界中に知らせようと決意する。そして、脱北をはかる。

銃で撃たれながらも、豆満江を越え、中国の朝鮮族村に。脱北成功。

3部は、2000年代の日本が舞台。
埼玉県八潮市に住む孔仁学、韓国の出先機関(裏の仕事をしている)で働いてきた玄勇太、やはり脱北に成功して企業経営者として大成功した女性・高美花(大阪出身で仁学や勇太も知っている)の3人が登場し、本書で言いたい一番の本質を露わにしつつ、この問題、この歴史に関する本の出版へと話を進めていく。すなわち、本書がそれに重なってくるわけである。

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(メモ)

【第1部】

孔仁学:公立高校2年、在日、総連系
孔英哲:仁学の兄、中学卒後眼鏡工場へ、
孔哲完:父
愛淑(あいしゅく):母
孔啓子:妹

安東初子:商業高校生、在日、民団系
安東義春:初子の父、猪飼野でサンダル工場経営、済州島出身、民団系
趙道永:北送阻止工作隊、趙道傑の息子

玄勇太(ヒョン・ヨンテ):仁学の幼馴染み、中学を出てパチンコ店員、父親はいない、母は明子、妹(千代)、弟(睦夫)
克江:勇太の叔母、ホルモン焼店経営

山崎孝男:高校の社会科教師、民主的
平井:高校3年時の学年主任、差別的
新井功治:同級生、在日
金山良和:同上
古橋:担任教師
島本:級長、父は大阪府警、大阪市立大学法学部へ
稲垣:同級生、差別的なやつ、

高在基:焼肉屋経営、2階を総連に貸す在日、一家で帰国へ
善姫(ぜんき):妻
美花:娘

徐漢中:総連大阪支部帰国運動推進部会
李雲煥:天王寺第二分会長
朴京必:支部長
梁(りょう)重光:東大阪委員長
鄭元康:東大阪副委員長
韓徳銖:総連中央委員会議長

木下:旋盤工場経営、オート三輪
崔孝美:町内会、仁学の母と同年代で仲良し
星岡:乾物屋
黄花:老婆、駄菓子の行商、総連も民団も日本も朝鮮も知ったことじゃないという処世術、初子の結婚を教えてくれた
具淳次:朝鮮学校時代の先輩、皮革加工(家業)、元不良、不良から一目
松畠秀世:松畠鉄工の倅、田丸会トップ?
安田道生:田丸会、仁学が38度線の北をあげた、背の低い少年
李広志:安田道生から38度線の北を借りる
金海:金和組
高山光:田丸会幹部、金海と大げんか、最終的に秀世とともに殺される


野上良江:日本人妻、川越出身、北へは行きたくない、墜死(清津市内の招待所から飛び降り自殺)

林宗勝:貿易会社(ナカヨド)経営、在日、「はやし」は通称で本名は「リン」、高在基の友人

・陣友会:在日朝鮮人の愚連隊が集まった暴力組織、鶴橋周辺が縄張りだがミナミにも進出
・田丸会:バックに陣友会、松畠鉄工がたまり場

・昭和22年に施行された外国人登録令により、在日朝鮮人は登録証明書の常時携帯が義務づけられた、その国籍等の欄には一様に「朝鮮」と記載された。この場合の「朝鮮」とは特定の国体を意味せず、便宜上の表記でしかない。
・昭和27年のサンフランシスコ講和条約の発効により、朝鮮戸籍登録者は正式に日本国籍を喪失した。ただし、外国人登録証明書の「朝鮮」表記を「韓国」または「大韓民国」へと変更することは可能であった。
・かつて「百済川」とも呼ばれていた「平野川」は、俊徳橋(生野区)北あたりから中本橋(東成区)あたりまで蛇行していたのでしばしば氾濫した。大正12年に改修されたが、その際に動員されたのが朝鮮人労働者。危険な重労働だったが極めて低賃金だっため、工費を安く抑えられたことが大阪市の報告書にも記されている。
・1959年12月4日、帰国第一次船出港10日前、新潟日赤センター爆破計画が発覚した


【第2部】

清田次郎:山川一家、川崎の愚連隊
曺大順(そうだいじゅん):清田の舎 *曺は曹の異字体(朝鮮半島の姓)
史(し)健二:曺の舎弟

白甲碩(ペクカプソク):茂山(ムサン)郡人民委員会事務所長
蔡昭男(チェソナム):学者志望
成妙子:帰国者、共同農場で働く、江東区枝川生まれ
成行祐(ソンヘンウ):妙子の父
喜美子:妙子の母、日本人、墨田区本所生まれ、共同農場で働く
閔碩柱(ミンソクチュ):妙子が出産した時の医師、妙子の実家の村で開業
香淑(ヒャンスク):その妻、同じく医師

英愛(ヨンエ):勇太と妙子の長女

任寧求(イムニョング):13号管理所の仲間、
申興烈(シンフンヨル):同上、管理所内の刑務所に入っていた


・核心階層
・動揺階層:最下層近く、帰国同胞
・敵対階層
*曾祖父の代まで遡る出身成分分析表に基づく選別(343P)

「帰胞(クィポ)」「在胞(チェポ)」
「パンチョッパリ」=半日本人、パン=半、チョッパリ=割れた蹄

・北朝鮮における「管理所」には「革命化区域」と「完全統制区域」があり、前者に入れられた者は、革命精神の教化が完了すれば(建前にすぎないが)釈放が認められることもある。しかし、体制、つまり金日成を批判した「政治犯」が収容される完全統制区域に釈放はない。死ぬまで罰を受けることになる。


【終幕】

兪萬薫(ユマヌン):中国の朝鮮族村にいる、訪ねた時は死亡していた
尚斗浩(サン・ドゥホ):兪萬薫の身内
裵岩伊(ペ・アミ):当時の韓国組織を仕切っていた大親分

許容極(ホ・ヨングク):蒼白初、LK商事社長(韓国の出先機関=企業舎弟)、日韓ワールドカップの利権調整

高美花:高在基の娘、脱北、韓国再王手の飲食店チェーン「サンノクス」経営、

孔仁学は、埼玉県八潮市の小さなアパートに住んでいる。

「あの時代の政治家は、要するに社会問題になっとった俺ら在日が邪魔やったんや。その問題を自分らで解決でけへんから、北朝鮮へやってしまえと。棄民政策ちゅうねん。その張本人の一人が小泉純也や」(仁学、425P)

「人々を分断する壁を建造する壁を文明がいつか打ち壊してくれる。私達はそう信じてやってきました。なのにその文明が、新たな壁を建造するのではないか。私にはそう思えてなりません。帰国運動と違うのは、この壁は政治家やマスコミによって作られたものではなく、人々が自ら作り上げるものであるという点です。この壁を壊すのは難しい」(美花、456P)

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっしりと心にのしかかる今作。
地上の楽園とはよく言ったもので、
その希望にあふれるネーミングと
実際の出来事との落差には言葉を失うばかり。

性格の異なる幼なじみの二人の
それぞれが受けた苦しみに胸が痛んでしょうがない。
長い時間をかけ、奇跡的な再会の末に
本当の希望を紡ごうとするラストに救いを感じた。

フィクションだけど、かなりノンフィクション!

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2026年03月23日

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