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昭和三十四年、五粒の種を託され京都・舞鶴へ向かった少年・光太と、喘息を抱え海辺で育つ姉・皐月。昭和の漁村の営み、高度経済成長に伴う家業や相続の変化、巨大な資産の謎、そして大人になる痛みと喜び――。舞鶴湾に降り注ぐ光は、家族の記憶と人生の航路を時代を超えて照らし続ける。夢と希望を与えてくれる傑作長篇小説。
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Posted by ブクログ
始めはストーリーが支離滅裂かと思いましたが、読み切ると一族の一員になったかのように思える効果があったみたいですね
京都・舞鶴の風光明媚な環境の元で暮らす個性的な一族が、代々紡いできた昭和からの歴史を描いた小説。昭和の時代は「生きていれば儲けもの」といったぎりぎりの生き様や覚悟を持った優秀な人の行動が、それらの人々の成功を実現してきたように感じる。静かに安定を望む生き方ではなく、強い意思を持って生きた人の魅力を強...続きを読むく感じた。舞鶴には40年ほど前に1度だけ行ったことがあるが、また訪ねてみたいと思った。
大好きな宮本輝さんの最新作。 複雑な人間模様や、混沌とした社会情勢の中で、光太と皐月や彼らを取り巻く人々の繋がりが、心地よく描かれていました。みんな心根の綺麗な人たちで、まさに宮本輝さんの世界を満喫できました。 そして、いつか私も舞鶴湾を訪れてみたいと思いました。読みながらスマホで画像を検索し...続きを読むました。本当に美しいですね〜 物語は、光太の子供時代から70歳を超えた今に至る長い歳月にわたります。既に亡くなった人たちが遺してくれた思いが今を生きる人たちにしっかりと継がれていることが素敵だと思いました。
久しぶりのテルさんワールド、やっぱり心が安らぎます。金や家族の心配事とは無縁でうまくいきすぎの人生、そんなことはどうでもいいのです。心がギスギスとした時はこうして優しく包み込んでくれるテルさんの世界があり続けてくれるのですから。
地図を眺めながら読んでしまい、いつか舞鶴を訪れたいと思ってしまう。すてきな風景や風土、美味しい食べ物、つながりの強い家族、うらやましい境遇などにあふれている。
昭和から令和への人生一代記。感情の安定した朴訥とした語り口。宮本さんのお人柄もそうなのだろうか? 光太は舞鶴にやってきた。すき焼肉800gと5つの種を預かって。舞鶴には姉の皐月ちゃんがいて、なぜかというと喘息持ちで祖父母に預けられていたのだ。プロパンガスが来て、風呂に取り付けられる。 ツルばあち...続きを読むゃんの誕生日に皐月と光太は木を植える。皐月はヤマボウシ、光太はコブシ。五老ヶ岳に登る。ここからの舞鶴湾の眺めが一番美しい。父母がやってきて駅まで迎えに行く。父は新車を買うという。父は日野ルノーを購入、事務所と工場を整備して、7人雇う。 伊勢湾台風が来て、一帯は停電になり、皐月の喘息発作が治らなくて入院になったが、その日は救急車が絶えずに眠れなかった。情報が入って来ず、テレビアンテナがあっても飛ばされてしまう。伊勢湾台風で舞鶴もすごい被害に見舞われた。その後皐月ちゃんのおじいちゃんが来て、京都で高校生をやるように画策する。光太は父が皐月ちゃんと血が繋がっていないのを忘れていた。 皐月ちゃんが京都の高校に進学して、家から火が消えたようになる。大学も京都へ。だけど皐月ちゃんは父と舞鶴に帰る。大学を辞めるという。
非常に読後感が良い。舞鶴というところは私の人生の中でも光っている、思い入れのある場所なので、「湾」という題名からなんとなく舞鶴を思い浮かべたが、見事に当たった。舞鶴湾の美しさを知る人は読んで欲しい。
丹後宮津の海と山と岬の美しさと、人の繋がりの大事さがうまく溶け合って、羊羹と相続と跡取りといった生臭いところも、1人語りの中で昇華してる。子供の頃から通っていた場所がこんな大作になって嬉しいですね。
昭和34年、5粒の種と高級牛肉、そして大金を託され大阪から1人、京都・舞鶴へ向かった少年・光太は祖父母と住む異父の姉・皐月のもとへ向かう。そこは京都・舞鶴。海と空と緑の美しい舞鶴湾を舞台とした物語。 何十年ぶりの宮本輝さんの作品。高校生の時『青が散る』を読んで「大学生って楽しそうだなぁ」と思ったの...続きを読むを今でも覚えてる。 多少の起伏はあるけれど、そこまでの大事件はなく平和すぎてなかなか読み進まなかった。 昭和30年代から70年代は、今よりも生活は苦しいし、いろんなしがらみなどもあるけれど、やっぱり今より平和で羨ましくなる。 私の親と同年代の宮本さん。まだまだ、描き続けてほしいです。
美しい場所から生まれる美しい家族の話。 大きな事件が起きるわけではない。舞鶴という場所で生まれ育った主に姉弟の物語。 ここで生まれ育ったわけではないけどそんな幼少期があったような、あるいはそこに憧れを抱くような美しい記憶。 振って湧いた僥倖はシンプルに羨ましい。 これほど伸びやかに生きられたら、と...続きを読む思う。
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