無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
著者は<会社という条件の中で生きる人間とその関係を描くことで>成り立っている小説を「会社員小説」と定義する。このカテゴリを見いだしたことは、文学にとってひとつの収穫だとおもう。とくに<企業や業界、そこで働く人々や事件などを扱った小説>である「経済小説」とは明確な線を引いた。この分野において登場人物は、効率的に情報を伝えるために比較的紋切り型に近いキャラクターとして使われるからだという。「会社員小説」は「経済小説」とは違い<人間を描くことが、手段ではなく目的であるような世界>―つまり、近代文学の世界の作品を指すのだとする。
具体論に入ると、まず取り上げている作品の趣味がいいなぁと感じる。会社員小説の説明に使ったのは「アレグリアとは仕事はできない」(津村記久子)であり、「泣かない女はいない」である。その際の、取り上げ方(スジの紹介の仕方、読みどころの的確さ)もすばらしい。
さらには、いわゆる「会社員」が出てくる小説ばかりではなく、カフカ「変身」やメルヴィル「バートルビー」までも「会社員小説」というハサミで切っていくことで、あらたな「読み」に挑戦している。刺激的だし、楽しい。あっぱれ、だ。
Posted by ブクログ
絲山秋子さんの「沖で待つ」が好きだ。
芥川賞を受賞されたときの文藝春秋を捨てられずにいる。
伊井直行さんの本書は、会社員小説の書評を集めたような本である。その中に「沖で待つ」を見つけたときには嬉しかった。解説を読んで、なるほどなと思う。
いつだったか、駅から会社に向かう道路を歩いているとき、同じ会社の従業員が行列になって歩いている姿を見て、みんないろんな問題抱えているだろうに、毎朝ちゃんと出勤して仕事してえらいなぁとしみじみ感じた。華々しく活躍している一部の人を除き、大抵の会社員は地味に堅実に仕事をこなして、その働きが会社の支えとなっている。会社員小説というのは、そういった会社員に寄り添う存在なのかな、と思う。働く中での良いことも悪いことも小説の中に散りばめて。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸