濁った激流にかかる橋

濁った激流にかかる橋

1,562円 (税込)

7pt

4.0

激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。

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濁った激流にかかる橋 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    街を左右に分断する激流と、それをつなぐ改築に改築を重ねた異形の橋。それを取り巻く左岸と右岸の人々の物語。連作短編。

    帯に「寓話的都市」とある通り、この街は現実の都市には似ていない。左岸と右岸にまたがる露骨な格差、文化の違い、想像を絶する大渋滞、役所の無能、ずさんな工事、利権がらみの政治、街に支配的

    0
    2011年05月26日

    Posted by ブクログ

    笙野頼子の解説にあるとおり、濁った激流にかかる「橋」が人格化したように存在感をもち、それに翻弄されるかのような住民たちをめぐる連作短篇。橋が意志をもっているかのような描写は、まさにカフカの「橋」を連想させます。

    考えてみれば、伊井さんは『草のかんむり』でカフカ的な変身譚を書いていました。しかし、そ

    0
    2016年02月13日

    Posted by ブクログ

    激流によって二分された町、唯一架かる増殖する巨大な橋、左岸と右岸に分かれて住む市民。9つの短篇で描かれる町はどこかにありそうな町では決してない。この町は現実にある町のどのリアリティにも属さないのにもかかわらず、現実の町の全てに思い当たる部分を見出すことができる。変な頭を持つ一族、常軌を逸した恋愛譚、

    0
    2013年03月16日

    Posted by ブクログ

    笑う、漫画のようでもある、立方体の中のような話。
    一話ごとの長さがちょうどいい。角度がおもしろい。
    装丁はあまりよろしくない。

    0
    2009年10月04日

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