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未知の空間、会社という迷路を彷徨う主人公。トラブル、時間、おしゃべり、女の子、コピー機。著者独特の上品なユーモアの漂う、なにか、もの哀しくも爽やかな空気の残像。会社員の日常を鮮やかに切り取った、野間文芸新人賞受賞作。サラリーマンの恋と噂と人間関係、奇妙で虚しくて、それでも魅力的な「星の見えない夜」も所収。
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Posted by ブクログ
岩井克人は『会社はだれのものか』で会社という存在の不思議さを論じています。そして伊井直行は本書(表題作を含めた中編2本)で会社員の不思議さを描いています。 カフカやピンチョンなどによる「謎」めいた作品が好きであれば気にいるでしょう。柴田元幸の解説つきで、待望の文庫化です。
伊井直行『さして重要でない一日』講談社文芸文庫版。 以前読んでいたんだけど解説が柴田元幸せんせいということで再読。 「会社員小説」という特異なジャンルを切り開いた作家の初期作品で野間文芸賞受賞作。 地の文の与える奇妙な印象はいろんなところで言われるけど、 それこそ「会社」というなんだかわからんもの...続きを読むの体内で生きている 「会社員」っつう奇妙な生物の住む環境のアレゴリーでござろうな。 一人称と三人称が溶けたような、誰の視線かわからない眼に監視されて (しかもその視線は彼の眼にすら起源している瞬間がある)動き続ける「彼」。 テキストの間から実存のうえに、不可思議な「相」が立ち現われてくる。 生々しいぬう。 こういう文体を獲得するにはそうとうな試行錯誤が必要だっただろうなと思う。 東電の社員に読ませたい本。 それにしても講談社文芸文庫は高いお・・・
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さして重要でない一日
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伊井直行
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