孤城 春たり

孤城 春たり

2,420円 (税込)

12pt

直木賞作家・澤田瞳子氏初の幕末小説

借財10万両から蓄財10万両へ――
わずか7年で財政を建て直した備中松山藩の改革

【著者コメント】
幕末を書くのは今回初めて。
倒幕派、佐幕派といった対比関係でとらえられがちな時代だが、
その間に挟まれた数多の人々がいた。
彼らが激動の時代をどう泳ぎ渡っていこうとしたのか、
山田方谷を含めた当時の備中松山藩を切り取ることで描けると考えた。
激しく変化する時代の中でもがいた、ごく普通に暮らしていた
人々の姿をご覧いただきたい。
――澤田瞳子


備中松山藩(現・岡山県高梁市)にて藩校・有終館の学頭(校長)を
務めるかたわら私塾「牛麓舎」を開き、弟子たちの指導に当たっていた
陽明学者・山田方谷は、借財10万両を抱える藩の財政を司る元締役と
その補佐役である吟味役の兼務を命じられる。
倹約令、殖産興業、藩札刷新などの改革により、備中松山藩はわずか7年で
借財を返済、さらに10万両の蓄財を作るまでになった。
だが幕末の激動の波は地方の小藩にも押し寄せる。
尊皇攘夷の声が高まるなか、藩主・板倉勝静が老中筆頭だったことから、
朝敵として備中松山藩に追討令が出され……。
時代の波に揉まれながら懸命に生きる人びとを描いた、
直木賞作家初の幕末群像劇。


【主な登場人物】
山田方谷
(陽明学者/備中松山藩元締兼吟味役)
熊田 恰
(備中松山藩物頭兼剣術指南/玉島騒動で切腹)
三島貞一郎(中洲)
(方谷の門弟/二松学舎創設者)
お繁(福西志計子)
(方谷門弟唯一の女子/岡山県初の女学校・順正女学校創設者)
新島七五三太(襄)
(上州安中藩士/同志社創設者)
川田竹次郎(甕江)
(漢学者/東京大学教授/東宮侍講)
河井継之助
(越後長岡藩士/戊辰戦争で戦死)
板倉勝静
(備中松山藩第七代藩主/大政奉還時の老中筆頭)

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    徳間書店
  • ページ数
    480ページ
  • 電子版発売日
    2024年11月29日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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孤城 春たり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    地元の「山陽新聞」に連載された山田方谷の物語。
    人の生き方の深さを感じさせられた一作だった。

    棺を蓋いて事定まる。
    変わり続ける世であればこそ、人は変わらぬ日々を送らねば。

    いい言葉を知った。

    0
    2025年07月21日

    Posted by ブクログ

     幕末の備中松山藩士・山田方谷は、優れた教育者であり、本書は彼を中心に描かれた小説。方谷を恨む熊田恰、大人としてどのような振る舞いをするべきか示した菓子屋の平次、お家再興の為、勉学の道を諦め婿をとるお繁、政に関心のない塩田虎尾、義父の方谷から家督を譲られた耕造。
     当方歴史小説ビギナーで、幕末の動乱

    0
    2025年07月21日

    Posted by ブクログ

    備中松山藩の立て直しをした山田方谷のことを、本人の語りではなく、回りの人たちの関わりから描きだすお話。第一章で熊田恰という剣の達人が方谷を斬ろうとする場面から始まる。熊田は結局、方谷の信奉者となり、物語のクライマックスでも重要な役となった。時代は海外の船が日本に来るようになり、明治へ移ろうとする頃。

    0
    2025年04月14日

    Posted by ブクログ

    見開きの登場人物の多さにのけぞったが、1話ずつ、時代が流れて行くので、いっぺんに登場することはなくひと安心。
    幕末に学問を元に人々を導いた方谷、彼に惹かれた人々が自分の人生を見つめ直し、より正しく生きていこうとする姿が爽やかに描かれる。
    これまで知らなかったか、実在の人物のようだ。実話かと思うと、ま

    0
    2025年01月23日

    Posted by ブクログ

    城郭見学で初めて備中松山城を訪れたのは50年前。それ以来何度も訪れていて好きな城郭の一つ。それで読み始めたが幕末にこんな悲しい結末を迎えたんだなぁ。

    0
    2025年01月14日

    Posted by ブクログ

    備中松山藩の幕末期の顛末を描く。
    知より剣を尊ぶ熊田恰は山田方谷を付け狙っていたが、大石や三島の諫言で方谷に準じていく。

    幕末の顛末を知る読者には備中松山藩の行く末がわかっているだけに、藩主板倉勝静が徳川幕府へ恭順していた故の顛末には悲しむべきものがあった。
    時代小説ではあまり書かれてこなかった備

    0
    2025年01月06日

    Posted by ブクログ

    幕末に学者として備中松山藩に仕え、藩政改革を断行して借金だらけだった藩財政を建て直した山田方谷を主人公にした作品と知り、読む事にしました。
    先日亡くなった童門冬二さんの『小説・上杉鷹山』のイメージで読み始めたのですがかなり違います。各章にはそれぞれ別の主人公が存在し、どちらかと言えば方谷は主要脇役と

    0
    2025年04月09日

    Posted by ブクログ

    備中高松城に行き感激した事を覚えてる。で、この小説を勘違いしてたが、幕末の松山藩の重鎮の物語だった。山田方谷と言う儒学者が主人公で、弱小の藩を建て直す才力や人柄が感銘受けた。

    0
    2025年01月28日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    政は変わっても、変わらないものがある。

    山田方谷を中心に幕末の備中松山藩の人々の姿を描く。激しく変わる世の中に義を求め続けた人たちの物語。

    すべての人が学問を治めて、勤勉に、実直に、義のために生きていければいいがそれは理想にすぎない。どれだけ学んでも、移り変わる世のエネルギーには流される。でも、

    0
    2025年10月08日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    澤田瞳子の小説『孤城春たり』は、備中松山藩の財政改革を成し遂げた山田方谷を軸に、各章で異なる人物の視点から描かれる群像劇。各章の内容は以下の通り。

    第一章「落葉」
    主人公は山田方谷に反発し、彼を討とうと画策する剣術指南役の熊田恰(あたか)。方谷を「君側の奸」と見なし、その改革を認められない恰が、方

    0
    2025年05月25日

孤城 春たり の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    徳間書店
  • ページ数
    480ページ
  • 電子版発売日
    2024年11月29日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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