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大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」――泣ける傑作。
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Posted by ブクログ
巨匠・江戸川乱歩と、ユダヤ人を救った外交官・杉原千畝。まだ何者でもなかったふたりは希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い…。斬新な発想で描く波瀾万丈の物語。 最初のページから穴八幡、三朝庵…懐かしい地(店)名が登場する。愛知五中から早大という同じコースを辿った6歳違いの2人の波乱に富んだ...続きを読む人生を時代背景とともに描く壮大なフィクション。同時代の横溝正史や古関裕而、松本清張らも登場し賑やかな展開で飽きさせない。2025年上期の直木賞は受賞ならなかったけど、「直木賞のすべて」で知った選考委員たちの選評は興味深く、三浦しをんと角田光代は「2人が本当に親交あったのかと信じてしまった」と。ちなみに三浦も角田も早稲田OB。 (A)
どうして江戸川乱歩と杉原千畝?と不思議に思ったら、2人は同じ高校・大学の先輩後輩という共通点があるらしい。実際に交流があったかは謎だけど、そこから物語を構築する発想が面白い。さらに乱歩と千畝以外にも、横溝正史、山田風太郎、松本清張、美空ひばりなど、同時代を生きた人物たちが躍動する《if》が詰まった夢...続きを読むのある作品だった。的に興味があった江戸川乱歩と横溝正史の関係も掘り下げていたのも良かったな。
江戸川乱歩と杉原千畝。 事実なのは年齢が6歳差で、同じ愛知県立高校出身で早稲田大学(乱歩は卒業、千畝は中退)が母校ということだけ。 この2人が交流があったということはIFの話なのだが、広く世間にも知られている実際の個々のエピソードや、当時の社会背景をうまくリンクさせて本当に知り合いだったのではな...続きを読むいかと思ってしまう。 少年の頃の面白エピソードから軍国主義にどんどん傾いていく日本の世相の中での彼らの漠然とした若い人特有の希望。 その後、特に誰もが知る、杉原千畝のユダヤ人へのビザ発給のあたりでは外務省の対応は本当に現代を生きる、戦争を知らない自分を含めた世代には理解し難く、やるせなさしかない。 さらに戦後の外務省の千畝への対応は、敗戦国であるからやむを得なかったのか? 5月の最後の空襲で燃えていく自宅を眺めている乱歩の姿。こちらの涙がこぼれてくる。 戦後、希望に満ちた若い子がどんどんでてくるのも楽しかった。 ほんの数行だけの登場の、歌が上手な「カズエちゃん」という女の子は不死鳥お嬢。おそらく。たぶん。 〜だったら約束して。この先何か迷うことがあったら、優しいと思う選択肢を取るのよ。 最初の妻のクラウディア(ロシア人)。 外交官の妻が、反ソ連と言われていた白系ロシア人というのはけしからんという上層部の理屈で離婚までする。(不本意ではあったが、千畝は離婚した方が大切な妻の命が安全だと考えた。) 最後、千畝は、妻に恵まれた(2人とも)人生だったと思いおこしていた。 ラストまでとてもよかった。 青柳碧人先生、ありがとうございました。 追記 お二人の出身高校の同窓会の集合写真に、前列左右の端と端に分かれて収まっているのを見た。(検索すると出てくる。) ちょっとだけでも交流があったのかな?などと他愛のない想像を膨らませた。
江戸川乱歩と杉原千畝、ふたりと時代を一緒に駆け抜けたような圧倒的な読後感。ふたりが出会ったいたならという設定。素晴らしい作品。
平井太郎が江戸川乱歩になる前、杉原千畝が外交官になる前からのお話。史実通りでは出会っていないかもしれない2人。フィクションだろうけど、実際に会ったかもしれない世界。 ラストにかけて、バロンさんや、横溝正史に対して書いた書評が面々たる作家に影響を与え、松本清張など知っている名前も出てきて、最後の1文に...続きを読む全てが詰まっていて涙腺が緩くなった。
おもしろかった!!!!個人的に敬愛している杉原千畝さん、そしていつか触れてみたいと思っていた江戸川乱歩さんのコラボ、これは読むしかない!と思い、読んでみたら大ヒット!!!2025ベストブックかも? 古典はあまりなかなか手が伸びず、勝手に苦手意識持ってたけど、好きな作品に出てきたことで読んでみたいと...続きを読む思えた!史実的なことは参考文献がなかったからわからないけど、夢のコラボが自然に実現していて、2人の活躍やその裏の苦悩などが多様な登場人物と共に描かれていて、読み応えがものすごかった!!出会えてよかった!文庫が出たら必ず買います! p.250 「男にとって、仕事とはなんだろうね」ため息をつくように、夫は言った。 「がむしゃらにやってやりたい仕事ができたと思ったら期待通りのものではなかった。それでも周りは出世したともてはやす。・・・・・人から見た幸せと、自分の中で納得いく姿が正離していく。 今になってようやく、あのときの平井さんの気持ちがわかった気がするよ」やっぱり、そうだったのだ。 外交官として、自分のロシア語が生かせない場所で出世することに対するもどかしさ。今までごまかしていた心情を、ついに夫は、幸子に吐き出した。 幸子の中にわきあがってきたのは、慰めたいという気持ちでも、労りたいという気持ちでもない。 いらだ 苛立ちである。 ぜいたく 「贅沢よ」 「え?」 横で夫は瞬きをする。幸子は布団の上に手をつき、半身を起こした。 「女学校に通っていたとき、「もし男に生まれていたら」ってずっと思っていたわ。男に生まれていたら、就職口の選択肢だってあっただろうし、小説を出版できる機会だって広がっていただろうって。でも先生は、裁縫と料理と言葉遣いだけを覚えたら、あとの勉強は男の人と話を合わせられるくらいの教養でいいなんて言うのよ」 あのときの悔しかった気持ち。だが今、心の中を占拠している悔しさはそれより一回り大きい。 「あなたが荷物に入れた「江戸川乱歩全集」、読んだのよ。鬱屈した、独りよがりな、気持ちの悪い心情描写。やっぱりまったく好きになれなかった。でも同時に、これを書いた人は小説家にしかなれなかっただろうな、って思ったわ。もし男に生まれていたとしても、私には到底たどり着けなかった境地。そう、私は小説家にはなれなかった」「何を言い出すんだ。平井さんに嫉妬しているのか?」 「あなたにもよ」 h 以的 興奮しつつ、夫の顔を指さす。 出まり 「私がドイツ語やフランス語を学ぶのにどれだけ苦労しているか知っているでしょう?それをあなたはやすやすと操るばかりか、英語もロシア語もペラペラで、いつのまにか私のダンスの先生と談笑できるほどフィンランド語もマスターしているじゃないですか」 「それはまあ・・・・語学は得意だから」 「あなた方には才能がある。そして、才能を生かせるステージに立っている。それなのに、ちょつと自分の納得いかない仕事だからっていじけてみせたりして。贅沢なのよ、江戸川乱歩も、杉原千畝も!」 「落ち着いてくれ、幸子」 「才能はあなたたち固有の財産よ。それを磨いてきたのもあなたたちの努力。でも、ステージに立っているのは、多くの人が応援して、支えてきてくれたからでしょう?」夫が息をのむのがわかった。 「その人たちに応えなさい。仕事というのは、そういうものでしょう?」そのとき、ドアが開いた。 「なになに、喧嘩してるの?」 節子が顔を覗かせた。弘樹がその横で目をこすっている。 探偵の三つの極意 ・粘り強く、忍耐を忘れぬこと ・あらゆる階層から情報を求めること ・けして親しい友人など持たぬこと Goodbye New York 『D坂の殺人事件』 『心理試験』 『ビッグ・ボウの殺人』 『本陣殺人事件』 横溝正史 小栗虫太郎 夢野久作 木々高太郎 鮎川哲也 仁木悦子 松本清張(森鴎外の記録)
若き日の、杉原千畝と江戸川乱歩が、こんな出会いをするとは、発想が斬新すぎる! え?たまたま風が吹いて、乱歩の顔にかかった新聞から、とんとん話が進んできて、もう目が離せない! 杉原千畝は、歴史上、大勢のユダヤ人を救った素晴らしい外交官としか知識がなかった。 フィクションとはいえ、一人の人間として、生...続きを読むき生きと描かれていて、すごく魅力的に描かれている。 江戸川乱歩は、映像化されたものしか記憶にないが、 松田優作の「陰獣」や美輪明宏の「黒蜥蜴」が印象深い。 いつものごとく、岡本一平や松本清張、横溝正史などなど、有名著名な登場人物たちに、読んでいてほんと楽しかった。 そして、クラウディア、隆子、幸子の素晴らしい女性たちがストーリーに深みと華を添えていた。 戦前、戦中、戦後の日本をとても細かく丁寧に書かれていて、大変な時代を生きた方々だったんだと、ユーモアの中にもジンと来る本だった。 青少年が歴史を知る上でも、偉人を知るきっかけにもなる本。 大河ドラマになったら、うれしい。
なんだこれは! これは凄い。史実かどうかは置いといて、乱歩と千畝の友情。波乱万丈、壮絶、勇気、優しさなどなど盛りだくさん。登場人物も、推理・探偵小説の大家がどんどん出てくる。 そして、何よりこれは泣ける。 今年最高かな? あのマスクをあの人がもらったのはウケる!
愛知五中!五女子、大須! 原田マハさんのアート小説のように、 史実をもとに創作された小説は、 ローカルな地名にほくそ笑みながら 親しみを持って読み進めることができた。 杉原千畝さんと江戸川乱歩さんは 同じ愛知五中出身だが実際には接点はなかったそうだ。 なのに、なのに! あたかも史実のように不思議な...続きを読む縁を創り出し、 キャラクターを浮き上がらせ、読者を ひょいと戦中戦後の時代に連れて行く。 推理小説を軸に当時の文化や社会を垣間見るのも楽しかった。 後半、あ、これは 松本清張だな、などと 想像しながら読むのも楽しかった。 表紙の装丁もすごく良くて、 本全体の持つ世界観が素晴らしい! 命のビザ発給のあたりは ほぼ現実の話だと察する。 読みながら情景が克明に浮かび、 勉強になったし、自分の無知をあらためて 恥じた。 映画になりそうだなー。 して欲しいなあ。 主演は誰がいいかなあ。 杉原千畝は吉沢亮かなー? 乱歩は、難しいなあ。 しばし、余韻に浸りながら 配役妄想して味わいます。
2人が出会っていたら?という設定が面白い。江戸川乱歩という方のパーソナリティに好感をもち、改めて作品を読みたいと思った。 密に繋がっているわけでもなく、活躍する場が異なるのに、時折きっかけを与える人物。そんな出会いがイイ。完全フィクションか分からないが、これだけの有名人が繋がっているシーンに立ち会っ...続きを読むてみたい。
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乱歩と千畝―RAMPOとSEMPO―
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青柳碧人
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