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大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」――泣ける傑作。
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Posted by ブクログ
若き日の、杉原千畝と江戸川乱歩が、こんな出会いをするとは、発想が斬新すぎる! え?たまたま風が吹いて、乱歩の顔にかかった新聞から、とんとん話が進んできて、もう目が離せない! 杉原千畝は、歴史上、大勢のユダヤ人を救った素晴らしい外交官としか知識がなかった。 フィクションとはいえ、一人の人間として、生...続きを読むき生きと描かれていて、すごく魅力的に描かれている。 江戸川乱歩は、映像化されたものしか記憶にないが、 松田優作の「陰獣」や美輪明宏の「黒蜥蜴」が印象深い。 いつものごとく、岡本一平や松本清張、横溝正史などなど、有名著名な登場人物たちに、読んでいてほんと楽しかった。 そして、クラウディア、隆子、幸子の素晴らしい女性たちがストーリーに深みと華を添えていた。 戦前、戦中、戦後の日本をとても細かく丁寧に書かれていて、大変な時代を生きた方々だったんだと、ユーモアの中にもジンと来る本だった。 青少年が歴史を知る上でも、偉人を知るきっかけにもなる本。 大河ドラマになったら、うれしい。
江戸川乱歩という名前にだけ惹かれて購入。探偵小説が好きなので、登場人物にニヤニヤしながら読み終わった。江戸川乱歩と杉原千畝がもし出会っていたら…という一作であったが、二人の人生を通じて色々なストーリーが見れてとても爽快感のある読後だった。 読み終わった後作者が、昔話シリーズの人としり驚いた。
江戸川乱歩と杉原千畝は早稲田の先輩と後輩。調べるまでもなくこれは事実だろう。2人はそれぞれの人生の節目節目で影響しあう。その感じが絶妙。乱歩と横溝正史の関係も面白い。大正末期から戦後までの時代を生き抜いた偉人たちの若者らしい葛藤が描かれていて思いがけず、面白かった。また江戸川乱歩(平井太郎)のふざ...続きを読むけた感じや、横溝正史をコテコテの大阪のおっさんに描いたのも斬新。
良すぎた ほぼほぼフィクションなのわかってるけど、そこでこう来るか、の史実や登場人物の織り込みでストーリー巧みすぎる 自分は中高時代にミステリにハマり、江戸川乱歩の作品、初期の乱歩賞受賞作品読み漁り、大学時代に杉原千畝知り『六千人の命のビザ』を読み感銘受けていたので、なおさら琴線揺さぶられすぎてハ...続きを読むマった 江戸川乱歩や戦後昭和のミステリ状況、杉原千畝を知って読むと良い 著者、書いてて「ここでこうしたらどうだろう」と色々発想して楽しかっただろうなー
どこまでがホントでどこからがフィクションかわからないけど、知ってる作家がたくさん出てきてキャラクターもみんないきいき描かれていて作家同士の関係性も楽しく、本当にこんなだったらいいなって思いながら面白く読みました。タイトルの2人の切っても切れない深い繋がりもよかった。
『似てるんだよ。進む道は違えど、似てるんだ。だから私たちは生涯に、数えるほどしか会わなかったとしても、心が離れることはなかった』推理怪奇小説界の巨匠、江戸川乱歩にこう言わせた相手は、何千人ものユダヤ人の命を救った外交官、杉原千畝。 二人の大物たちを作者は繋いでいきます。 こんなこといったい誰が考...続きを読むえるでしょう。作者の青柳碧人さんは「みなが知る人のイメージをずらしたり、語られていない部分に想像を膨らませたりする話を作るのが好きなんです」とおっしゃる。 フィクションなのに、読者もなんの違和感もなく読み進めてしまうのは、“あり得る話”だからでしょう。 実際二人は同じ大学、 同じ中学の出身であり、中学の同窓会の集合写真に二人は写っているのですから。これは事実ですし、年齢は6歳違いますがどこかで出会っていてもおかしくないです。 物語は大正8年、早稲田大近くの蕎麦屋“三朝庵”で二人が相席するところから始まります。乱歩は職の定まらない作家志望の卒業生、千畝は外国語で身を立てたいと思っている学生。まだ何者でもなかった二人は、それぞれに夢を抱えながら、時代のうねりに翻弄されていきます。お互いを思い合いながら。 このお話を読むと、二人とも好きになります。人間的で親近感が湧きます。それぞれが抱えていた葛藤や苦悩も、読者としてはより深く二人を知る手助けになります。フィクションであっても作者は史実をなぞり、整合性を持たせた。それがページを進ませる吸引力となっています。 最後のページを読んで、本を閉じたら、本の裏表紙の挿絵を見てください。それが涙を誘います。 第173回 直木賞候補作
これは凄い。史実かどうかは置いといて、乱歩と千畝の友情。波乱万丈、壮絶、勇気、優しさなどなど盛りだくさん。登場人物も、推理・探偵小説の大家がどんどん出てくる。 そして、何よりこれは泣ける。 今年最高かな? あのマスクをあの人がもらったのはウケる!
──それは、肩を並べて歩く、二つの男の影に見えた。 第173回直木三十五賞候補作。先日、今回の直木賞と芥川賞はともに受賞作無しとして、メディアで話題になっていましたね。 物語は創作系歴史小説とでも言いましょうか。旧制中学と大学の同窓生という繋がりをもつ『平井太郎こと江戸川乱歩』と『杉原...続きを読む千畝』 もしもこの二人が歴史上で深い交わりがあったとしたら…。 『日本の推理小説家の大家』と言われ、怪人二十面相といった後世に残る代表作を残した、作家江戸川乱歩。 『日本のシンドラー』と呼ばれ、外交官として赴任していたリトアニアの地で、迫害され続けていたユダヤ人を国外脱出させる為、何千人ものユダヤ人に『命のビザ』を発給し救った杉原千畝。 杉原千畝はアンビリバボーでも取り上げられてましたね。 近代日本史で学ぶ程度のことしか予備知識のない僕でしたが、かなり没入することができました。 『あぁ、こんな史実があったならロマンティックだなぁ』と。 巻末の締めくくりでは、込み上げるものがありましたね。 また素晴らしい作品と出会うことができたことが幸せ。 ・ ・ ・ ・ ・ 大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。 若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。 「真の友人はあなただけでしたよ」 探偵作家と外交官。若き二人が友となり……斬新な発想で描く波瀾万丈の物語──。
江戸川乱歩こと平井太郎と「東洋のシンドラー」杉原千畝は同郷で、高校、大学の先輩後輩だった。 この意外な事実のみを手掛かりに作り上げた二人の(架空の)交遊録。 作者の手にかかると、千畝の人生の重大な岐路には太郎が、太郎のものには千畝が関わっていることになっている。 本書は同時に乱歩の千畝の評伝に...続きを読むもなっていて、特に乱歩が日本のミステリー界に残した偉大な足跡は第七話だけでもそれと知れるし、乱歩の破天荒な性格や語学に長けた千畝の生きざまも生き生きと感じ取れる。 作家たるもの、見てきたような嘘をつくものだなあ。
この本はノンフィクション?と、わからなくなってしまう位、リアリティ溢れる大作。 乱歩と千畝が本当に出身校が同じというのはビックリ。あまりに生きる世界が違う人だから、今までそんな共通点を感じることかなかったので。 2人以外にも作家、歌手など有名人がこっそりと多数登場。それがさらっと出てくるので、「あれ...続きを読む?本当に関わりがあるの?」と感じてしまう。 読み終えて…二人がもしリアルに交わっていたら間違いなくソウルメイトだったのではと思う。 読者にこう思わせられるのは、青柳碧人さんの筆力なんだろうな。 そして、乱歩と千畝にまつわる本が読みたくなってしまった。
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乱歩と千畝―RAMPOとSEMPO―
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青柳碧人
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