【感想・ネタバレ】乱歩と千畝―RAMPOとSEMPO―のレビュー

あらすじ

大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」――泣ける傑作。

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Posted by ブクログ

真面目な歴史小説かなと思いきや、結婚の話をして今日家に来てくれというところまで行ったのにお金がないから結婚式あげられないと直前で気づくような間抜けなストーリー展開もあってかなり読みやすい。最初らへんにあった乱歩と千畝にあった接点の書き方も面白い。何回でも読みたいと思うほど長いけど小気味いい小説でした
soy

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作品に出会えて、本当に幸せだった。
ここまでリアルな伝記を、痛切に訴えかけてくる人々の熱い思いを…小説で体験できる日が来るなんて思いもしなかった。

早稲田の蕎麦屋三朝庵で偶然出会った太郎(乱歩本名)と千畝。ふたりは同じ愛知五中の出身から意気投合する。当時太郎は職を転々として、千畝は金銭面が貧しく留学ができずお互い苦しんでいた。しかし食事を終え外に出ると太郎の顔に『官費留学生候補ヲ求ム』の公告が飛んでくる。そこから千畝の外交官としての道が開けたのだった…
その出会いからふたりは親交をしていき、乱歩は執筆で紆余曲折あったが小説という道で、千畝は外交という道で生き続けた。途中戦争がふたりの分かつこともあったが、やはり千畝は乱歩の人となりに救われ、乱歩も千畝の自分の意思を貫き通す生き方に救われてきた。乱歩にとっての唯一の存在が千畝で、千畝にとってもそれは同じ。打算無しでお互いを信じられる無垢の友情のかたちは、美しく羨ましいくらいだった。そんなふたりが歩んできた物語のラストに胸が熱くなったなぁ。

特に好きなシーンは2つ。
1つ目は、千畝がカナウス領事館でユダヤ人にビザを発券するなと外務大臣から禁止令が出ているのに、それを破るシーン。千畝はユダヤ人を救いたいという自らの信念と、命令に背くことで家族を路頭に迷わせてしまうかもしれないという不安とで板挟みになっていた。そんななか妻の幸子、そして当時は離縁を選択するしかなかった元妻クラウディアの、こんな言葉を思い出すー。

『この先何か迷うことがあったら、優しいと思う選択肢を取るのよ。あなたは、そういうふうにしか生きられないのだから。』

本当に偉大な言葉だなぁ。こんなに優しくて、強い言葉ってないと思う。千畝を心から理解していたクラウディアだからこそ伝えられた言葉で、幸子も彼のそんな性格を理解していてビザの発券を了承して…そんなふたりの妻に恵まれた千畝が羨ましいし、この言葉をもらえた千畝の生き様に尊敬してしまった。

2つ目は、ラストシーン。乱歩も千畝も亡くなり、千畝の息子弘樹は父の生前の功績を祝したユダヤ人支援団体主催の授与式に来ていた。そのときに当時千畝がビザを発券し、乱歩とも縁のあるバロンというユダヤ人の知り合いから、弘樹はとある小説を渡される。それはビザ発券のときに千畝から乱歩に渡った小説「The Big Bow Mystery」、そのものだった。弘樹はその小説が渡される前に、父の壮絶な人生における相談相手、親友はいたのだろうかと気を揉んでいた。そんなとき、その本をもらいをページをめくるとそこには...

『-杉原千畝
-江戸川乱歩』

の連名が…。このラストシーンには胸が熱くなったなぁ。ふたりは出会うべくして出会い、互いの道で闘い足掻き、そして別れ…それでもまた再会し、互いを鼓舞して生きてきた。作中には互いを信頼し、親友のような関係性も幾度となく描かれているが、こうしてラストにふたりの絆が小説を介して遺されていることにとてつもない幸せを感じた。やはりふたりの出会いも小説で、ラストも小説であってほしかったから、読者として嬉しかった!

この作品がフィクションだとしても…
私はずっと乱歩と千畝の切磋琢磨しながら歩み続けた後ろ姿を忘れない。お互いがお互いの信念を負けずに、屈せず闘ってきた強さを忘れない。そしてふたりが親友であった事実を忘れない。

この男たちの熱き生き様を、友情を
ぜひ多くの人に知ってほしい。
こんなに胸が熱くなる小説に久々に出会った。
ふたりが遺した想いを無下にしないように、
私も強く生きていきたい。
つらい時代を、乱歩らしく、千畝らしく、ふたりらしく生き抜いてくれたことに心から感謝だ。
青柳碧人…次作も目が離せない!!

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

みなさまにおすすめしたい一冊
歴史を知らない人も読めば江戸川乱歩と杉原千畝に興味が湧くと思います。
人生は色々なつながりと出逢いによって生まれることを体感でき、
大正から昭和の激動を行きた人のストーリー
面白い要素もありながら歴史や生き様を楽しく学べます。
平和の尊さも感じることのできる一冊になっています

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

2人の運命的な出会いと各々の苦難の道。この前読んだ「カフェーの帰り道」の時代とのリンクも相まり想像が膨らみました。事実を織り交ぜた物語や豪華な著名人らとの交わり、伏線回収まで楽しめる奥深い歴史エンタメ。おもしろかった!あぁカツ丼食べたいっ。

〈心に残った言葉〉
"私たちはともに、信じた道を行き、迷いながら心の底から楽しみ、知り合う人に大いに恵まれ、それがゆえ時に自身の力のなさに嫌気がさす"

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

涙あり笑いありで最初から最後まで飽きずにぐいぐい引っ張っていってくれるお話。最高のエンタメ小説でした。直木賞候補の中で1番興味惹かれたので手に取ったけど、読んでよかった〜

岡本太郎の親父出てきたところ、あまりにもびっくりおもろかった。というか、諸々どこまで史実通りなの…?出てくる著名人は知ってたり知らなかったり色々だったけど、特に探偵小説界隈の知識あればより楽しい感じだったね。これやから歴史(改変)小説はやめられねえ!
中盤の怒涛の有名人登場ラッシュ、興奮しまくってた。夢野久作も絡んできた!おもろ!みたいな。あとはじめましての史実ネタ(だよね多分?)「萩原朔太郎とゲイバー」。いやなにごと?深掘り検索不可避。
とにかくいっぱい小ネタあっていいね、、!書き手も楽しんで書いてそうな雰囲気が伝わってきたよ〜
あとなにより終わり方も最高だったし。そんな締め方かあ、文句なしだなという。あまりにキレイすぎてムカつくくらい!

★夾雑、電気ブラン

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

ああ…良いわ、良い話だわ…。
もう直木賞、これで良かったわ。
これで良かったじゃない。ブレイクショットも捨て難いけどこれで良かったやん…解せん!!

とは言えこれは私の意見。大分贔屓目が入っています。
何故ならば、私は杉原千畝さんを大尊敬しているのだ!!
まさか杉原さんが主人公の小説に出会えるとは!それだけで青柳さんに土下座したい。しかも江戸川乱歩との夢のコラボ。
面白くないわけがない、と思っていたらやっぱり面白かった。

江戸川乱歩はもう今更説明も要らないので、杉原千畝さんについて少し。(知ってるわい!な方は読み飛ばして下さいね。←既に少しにするつもりが無い)

父親の希望で医大を受験するも、語学の道に進みたい為に白紙答案を出してわざと不合格になり、早稲田大学の英文学科に進みます。在学中に外務省のロシア語留学試験の存在を知って挑戦。見事合格した杉原さんは大学を中退して中国のハルビンへと渡りロシア語を学ぶ事に。
1924年に外務省に正式採用され、外交官としての人生がスタート。
39歳の時にリトアニアの首都、カウナスに新設された日本領事館に在籍する事となるのですが、もしこの時に彼がここへ来ていなかったら、約6000人のユダヤ人が命を落とす事になっていました。

杉原さんが着任したその頃、ナチスがリトアニアに隣接しているポーランドに侵攻、第二次世界大戦が勃発していました。ユダヤ人迫害の件は皆さんご存知の通りですが、ナチスを逃れ東に逃げていたユダヤ人を今度はソ連の脅威が襲い、逃げ場を失ったユダヤ人は当時中立国だったリトアニアに逃げ込んでいました。ところがなんとソ連がリトアニアを併合してしまう。
このままでは追放されてナチスの毒牙にかかってしまう。ユダヤ人に残された道は、一旦日本を経由地にしてアメリカ等の第三国に脱出する事のみでした。
その為には日本の通過ビザが必要。その為、数百人のユダヤ人が杉原さんの在任するリトアニアの領事館に押し寄せたのです。
ビザを求めて。

後に『命のビザ』と言われますが、詳しくは割愛しますがユダヤ人は通過ビザ取得の条件を満たしていなかった為に、日本政府はこれを許可しませんでした。
杉原さんは外交官としての立場と人間としての立場に苦しみながら何度も何度も、人道的問題なので許可して欲しいと電報を打ったのですが、返事は全て不可。

もしビザを出せば杉原さんは外務省から懲罰を受ける、更に自分もナチスに捕えられるかも知れない。眠れずに悩みに悩み抜いた末に、彼はビザを発行し人命を救う事を選んだのです。

うぉおおおおん!!!
なんと言う…なんと言う尊き決断!!
併合を進めていたソ連に撤退を命じられるまで、寝食も忘れて腕もパンパンにしてビザを書き続ける!(当時は手書きでした)
本来手数料が必要なのに困窮したユダヤ人の為に途中からそれも無料にする!!
嗚咽。

何故私が杉原さんを存じ上げていたかと言うと、そもそも父と『シンドラーのリスト』を観て号泣し、こんな偉大な人がいたのかと感銘を受けている私に、父がこっちも見とけと、唐沢寿明さん主演の『杉原千畝』という映画を教えてくれたからなのです。
そりゃもう嗚咽。いよいよ撤退せねばならないのに汽車に乗りながらもビザを発行するシーンで嗚咽。
珍しく父の残した名言が今も忘れられません。
「人間の真価は、こういう場面でどういう行動がとれるかで決まる」
本当にたまには良い事言う(失礼極まりない)

ああダメだ、このままでは杉原千畝さんの偉大さを叫ぶレビューになってしまう。まあ良いか。

本書は完全にifストーリーです。
もしも江戸川乱歩と杉原千畝が出会っていたら。
本書の見所はこの2人の友情物語です。海外生活の多い杉原と日本を放浪している江戸川乱歩なので実際に会うシーンは意外にも少ないです。ところがお互いの影響力は離れていても強い。ロシア語に翻訳された江戸川乱歩の小説を杉原が目にする所は胸熱。

その他にも有名な文豪が続々と登場します。
横溝正史、松本清張、鮎川哲也、そして我らが三島由紀夫!そしてそして私の好きな夢野久作!!
この辺りも文豪好きな方にはおっ!となれるポイント。
ドグラマグラを読んで乱歩が才能に舌を巻くシーンがあるのですが、確かに送り付けてた(言い方よ)

2人の人生が交互に描かれて行き、時には交差して時には離れ…
それでもお互いの存在がお互いを支えて行く。
そして迎える最終章に…感涙!!
江戸川乱歩が杉原千畝にかけた最後の言葉がもう…感涙!!(ホットケーキ焼きながら)
フライ返しをブンブン振って「その通り!!」と叫んでしまった!
フライ返しに付いたホットケーキミックスのタネが飛び散って余計な掃除をする羽目になりましたが、問題ない!(いや、ちょっと面倒臭かった)

直木賞、これで(強制終了)

最後に杉原千畝さんが覚悟を決めた時の事を後に語られたお言葉を置いて終わりにしようと思います。

「私がビザを発給する事を決めた時、仕事を失うかどうかなど気にしていなかった」

ちなみにその後、彼はロシア軍に捕まり収容所で過酷な生活を強いられた挙げ句、帰国後に外務省をクビになり、家族を養うために職を転々とする事に…
許すまじ、外務省!!
(結局杉原さんの話で終わった)

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同じ高校と大学を卒業している江戸川乱歩と杉原千畝を主人公にした近代史小説。
史実上2人の接点はなさそうなので、IF小説ではあるが、まるで実際にあったかのようなリアリティがあって、非常に面白かった。

史実に沿った出来事、千畝のユダヤ人亡命にビザを発給し続けたことや、乱歩のミステリー傾倒や創作、評論活動など、を巧みに盛り込み、その合間に架空のはずの2人の友情譚を挟んでいく、その整合性がミステリーでトリックを構築していく巧みさにも似ている。

と言っても核心は謎解きやSFのような異世界譚ではなく、二人の友情を中心とした、温かな人間ドラマ。
2人の奥さん、乱歩の妻隆子も、千畝の妻、クラウディアも幸子も良妻賢母で、夫婦の掛け合いがとても良い。
2人のそれぞれの友情や反目する人物との挿話もそれぞれとてつもなく素晴らしい。

横溝正史の作品に対して書いた批評文が、戦後日本の各所にいたミステリーファン達を奮起させて、次々と作家になる(松本清張、仁木悦子、高木彬光…)シーンは推理小説界のアベンジャーズアッセンブル的興奮だし、戦後乱歩と千畝の邂逅シーンで歌う彼女のカメオ出演には興奮甚だしいし。

最後のシーンで、二人の邂逅の謎が一つ解き明かされるが、この手法はミステリー作家ならでは。その謎が解けたところで溢れる感動と余韻。

昔話をミステリー仕立てにするだけの作家じゃない、すげーぞ青柳碧人

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2026年02月17日

Posted by ブクログ

巨匠・江戸川乱歩と、ユダヤ人を救った外交官・杉原千畝。まだ何者でもなかったふたりは希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い…。斬新な発想で描く波瀾万丈の物語。

最初のページから穴八幡、三朝庵…懐かしい地(店)名が登場する。愛知五中から早大という同じコースを辿った6歳違いの2人の波乱に富んだ人生を時代背景とともに描く壮大なフィクション。同時代の横溝正史や古関裕而、松本清張らも登場し賑やかな展開で飽きさせない。2025年上期の直木賞は受賞ならなかったけど、「直木賞のすべて」で知った選考委員たちの選評は興味深く、三浦しをんと角田光代は「2人が本当に親交あったのかと信じてしまった」と。ちなみに三浦も角田も早稲田OB。
(A)

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

どうして江戸川乱歩と杉原千畝?と不思議に思ったら、2人は同じ高校・大学の先輩後輩という共通点があるらしい。実際に交流があったかは謎だけど、そこから物語を構築する発想が面白い。さらに乱歩と千畝以外にも、横溝正史、山田風太郎、松本清張、美空ひばりなど、同時代を生きた人物たちが躍動する《if》が詰まった夢のある作品だった。的に興味があった江戸川乱歩と横溝正史の関係も掘り下げていたのも良かったな。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

江戸川乱歩と杉原千畝。

事実なのは年齢が6歳差で、同じ愛知県立高校出身で早稲田大学(乱歩は卒業、千畝は中退)が母校ということだけ。

この2人が交流があったということはIFの話なのだが、広く世間にも知られている実際の個々のエピソードや、当時の社会背景をうまくリンクさせて本当に知り合いだったのではないかと思ってしまう。

少年の頃の面白エピソードから軍国主義にどんどん傾いていく日本の世相の中での彼らの漠然とした若い人特有の希望。

その後、特に誰もが知る、杉原千畝のユダヤ人へのビザ発給のあたりでは外務省の対応は本当に現代を生きる、戦争を知らない自分を含めた世代には理解し難く、やるせなさしかない。
さらに戦後の外務省の千畝への対応は、敗戦国であるからやむを得なかったのか?

5月の最後の空襲で燃えていく自宅を眺めている乱歩の姿。こちらの涙がこぼれてくる。

戦後、希望に満ちた若い子がどんどんでてくるのも楽しかった。

ほんの数行だけの登場の、歌が上手な「カズエちゃん」という女の子は不死鳥お嬢。おそらく。たぶん。


〜だったら約束して。この先何か迷うことがあったら、優しいと思う選択肢を取るのよ。

最初の妻のクラウディア(ロシア人)。
外交官の妻が、反ソ連と言われていた白系ロシア人というのはけしからんという上層部の理屈で離婚までする。(不本意ではあったが、千畝は離婚した方が大切な妻の命が安全だと考えた。)


最後、千畝は、妻に恵まれた(2人とも)人生だったと思いおこしていた。

ラストまでとてもよかった。

青柳碧人先生、ありがとうございました。


追記
お二人の出身高校の同窓会の集合写真に、前列左右の端と端に分かれて収まっているのを見た。(検索すると出てくる。)

ちょっとだけでも交流があったのかな?などと他愛のない想像を膨らませた。

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2026年01月16日

Posted by ブクログ

なんだこれは!
これは凄い。史実かどうかは置いといて、乱歩と千畝の友情。波乱万丈、壮絶、勇気、優しさなどなど盛りだくさん。登場人物も、推理・探偵小説の大家がどんどん出てくる。
そして、何よりこれは泣ける。 今年最高かな?
あのマスクをあの人がもらったのはウケる!

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

“if“の世界、同じ時代に生まれ、同じ土地の出身で、同じ大学の出身だったら、、、こんな繋がりがあったら、、、
事実は小説よりも奇なのか、
小説は事実を超えないのか。
戦争の前と後、
2人の視点から見る日本と世界。
乱歩とセンポの素敵な奥さんたち、出会った人たちの応援。「何か役になる人になる」2人の人生を辿れて読み応えがあった。
アタマの中で描きやすかったので、映像化されるといいなと思った。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

乱歩と千畝の不思議なバディもののライトミステリだと思い込んで読み始めたら、仄暗くも薄明るい歴史if小説でおもしろかった。表紙イラストは鳩山郁子さんで懐かしく感じた。

2人の出会いのきっかけとなった最初のドミノをなぜ乱歩が倒したのか、その後に描かれる彼のキャラ設定と余りにも矛盾していてそこに引っかかりつつ読んでいたが、まさにそれが最後の大仕掛けの根幹をなしていたという構成が見事だった。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

千畝と乱歩の関係がどこまでが史実なのかは分からないが、自身の評価と世間の評価が半歩ズレてやってくるような悩み多きそれぞれの人生も、二人の後世の評価がどうなったのかはキレイに解かれた謎な訳で。両極端のランポとセンポの掛け合いだけで広がっていく物語には、巧妙な仕掛けが散りばめられていて、最後まで飽きなかった。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

とても良かった。穴八幡、三朝庵から始まるところは早稲田に馴染みのある人にはたまらない。江戸川乱歩も杉浦千畝も名前だけは知ってるレベルだったか、物語で描かれた姿でどんな事をした人なのかを知る事ができた。この時代の有名人がたくさん登場し、その度にWikipediaで調べながら読み、お話が広がった。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

杉原千畝、ユダヤ人を数千人救った日本が誇りに思うべき人です。当初この物語はこのユダヤ人救出のお話がメインでそこに江戸川乱歩が絡むのかな。ぐらいにしか思ってなく正直あまり期待しないで読みました。
いい意味で裏切ってくれました。ユダヤ人救出は本当にさらっと、江戸川乱歩と千畝の友情に感動します。
また、若い横溝正史の活躍が期待以上に良い。「本陣殺人事件」連載から「獄門島」新連載!横溝正史ファンとしては涙ものの感動です。
江戸川乱歩は学生時代に乱歩全集で読んだが、最初の明智小五郎と途中から別人の探偵になるのが不可解だった。この本を読んで、”そうかなるほど”と納得できました。
これは大河ドラマにすべき、作品です。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

愛知五中!五女子、大須!
原田マハさんのアート小説のように、
史実をもとに創作された小説は、
ローカルな地名にほくそ笑みながら
親しみを持って読み進めることができた。

杉原千畝さんと江戸川乱歩さんは
同じ愛知五中出身だが実際には接点はなかったそうだ。
なのに、なのに!
あたかも史実のように不思議な縁を創り出し、
キャラクターを浮き上がらせ、読者を
ひょいと戦中戦後の時代に連れて行く。
推理小説を軸に当時の文化や社会を垣間見るのも楽しかった。

後半、あ、これは
松本清張だな、などと
想像しながら読むのも楽しかった。

表紙の装丁もすごく良くて、
本全体の持つ世界観が素晴らしい!

命のビザ発給のあたりは
ほぼ現実の話だと察する。
読みながら情景が克明に浮かび、
勉強になったし、自分の無知をあらためて
恥じた。

映画になりそうだなー。
して欲しいなあ。
主演は誰がいいかなあ。
杉原千畝は吉沢亮かなー?
乱歩は、難しいなあ。

しばし、余韻に浸りながら
配役妄想して味わいます。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

2人が出会っていたら?という設定が面白い。江戸川乱歩という方のパーソナリティに好感をもち、改めて作品を読みたいと思った。
密に繋がっているわけでもなく、活躍する場が異なるのに、時折きっかけを与える人物。そんな出会いがイイ。完全フィクションか分からないが、これだけの有名人が繋がっているシーンに立ち会ってみたい。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

同じ時代を生きていたけど全く違う分野の人がもし出会っていたら…というワクワクする設定。
しかも有名人がわんさか出てきて交差していくところがまた面白かった。
自分に恥じない人生を生きぬいたんだなぁと思うと涙があふれてきました。
「赤ずきんちゃん…」は、あんまり好みじゃなかったけど、これは面白かった、

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

面白かった。最初なぜこの2人?と思ったが早稲田という共通点があったのか。そして作者の経歴も早稲田と書いてある笑
この2人以外にも大正から昭和を代表するような著名な方々が多数出てきており、小説ならではの豪華キャストになっていた。
現代史は教科書ではさらっとしか習わないので勉強にもなった。
江戸川乱歩はあまりにも有名なので知っているが読んだことはないのですごく読みたくなった。特に二銭銅貨と少年探偵シリーズは是非。
横溝正史に関しては名前と八つ墓村しか知らなかったので、同時代の探偵小説界二代巨頭だったとは知らなかった。ということは横溝正史と江戸川乱歩の流れ(?)を継いでいる金田一とコナンがゴールデンで連続して放送されてたのはエモかったんだな。
杉原千畝に関する本ももう少し読みたくなったので、今度杉原幸子さんの命のビザを読もうと思う。

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

江戸川乱歩と杉原千畝。もしもこの二人が出会っていたら。『乱歩と千畝─RAMPOとSEMPO─』は、ミステリ好き、近代史好きな人ならぜひ読んでほしい一冊。

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

良かった!
2人が友人だったらの話だが、交わるはずのなさそうな経歴の2人が実は…と思わせる内容が面白かった。登場人物もそれぞれ歴史的に有名な人達で、特に探偵小説の歴史に詳しい人は興奮もの。
私的には横溝正史との関係が興味深く、次は金田一の小説を読むべく物色中。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

歴史if小説は一ジャンルとなっていますが、近代に近づくほど組み上げるのが難しくなるのかな、という印象ですが、本作はお上手。

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2026年01月14日

Posted by ブクログ

第173回直木賞候補作品  初作家さんです

本好きじゃない日本人でも「江戸川乱歩」と言えば (怪人20面相、少年探偵団)とすぐに出てくるであろう 超有名な推理小説家
そして 杉浦千畝(すぎうらちうね)は「東洋のシンドラー」とまで呼ばれた
人道的な行いで有名な外交官
その著名な2名 6歳の年の差ではあるが、同じ早稲田大学出身、そして 旧制愛知県立第五中学校(現・愛知県立瑞陵高等学校)の出身者でもあった。
そんな二人がひょんなきっかけから出会い、そして それぞれの道を歩んでいく。
青春時代から戦時中、そして戦後へと日本だけでなく 世界のうごめく情勢に翻弄されながらも 強く生きていく二人とそして その家族たち。

フィクションではあると思うのだが(こんな展開があっても おかしくないよな)と思わせる 様々な出来事がテンポよく、面白く そして 苦しくせつない。
この作品の作家さんも早稲田出身ということで 敬意をもって執筆したのだろう。
「乱歩と千畝 RANPOとSENPO」という表題も粋で素敵だと思う。

時代小説が好きな方も 推理小説が好きな方も
ワクワクする本なので おすすめですよ。

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2026年01月14日

Posted by ブクログ

瑞陵高校四天王が2人、江戸川乱歩と杉原千畝がダブル主人公とは贅沢すぎる!(残りのうち1人はヒロアカの堀越耕平先生)各々の個人史は大体知ってるけれど、重なるところが楽しいね。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

装丁がカッコいい〜!!

そしてこの組み合わせ、天才すぎる!!

「日本の推理小説の父」江戸川乱歩と
「命のビザ」の杉原千畝
全く違う道を歩んだはずの二人が
もし出会っていたら?

史実の隙間を縫うように描かれる物語は
どこまでが本当でどこからが虚構なのか
分からなくなるほどリアルでスリリング!




ちょっと偏屈で浮世離れした乱歩と
理知的で正義感の強い千畝
この二人のやり取りがとにかく魅力的!!

大正から昭和の戦前を舞台に
二人の天才が交差したとき歴史の闇に光が差す!




私は江戸川乱歩の作品が好きなので
作中に『人間椅子』『怪人二十面相』『少年探偵団』『芋虫』などの代表する作品が登場するだけで嬉しくなりました

他にも偉大な作家や著名人が実名で登場するのも胸アツ!
歴史上の偉人が
血の通った人間として目の前で動き出し
ミステリー好きなら絶対に見逃せない
至高の歴史エンターテインメント作品でした♡

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

初めましての青柳碧人さん。こちら、直木賞ノミネート作品だったんですね、知りませんでした〜。

本屋さんでタイトルを見た時、えっ、乱歩と千畝ってあの乱歩と千畝?あの二人にどんな繋がりが?と興味をそそられ手に取りました。

乱歩とは、もちろん作家の江戸川乱歩。名探偵・明智小五郎や怪人二十面相が有名ですが、残念ながら著作を読んだ記憶はないです…。

そして千畝とは、「日本のシンドラー」とも呼ばれた外交官の杉原千畝。2015年に唐沢寿明さん主演の映画を観て初めて知り、日本人にもこんな方がいたのか、と感動しました。

物語は、大正八年、25歳だった乱歩こと平井太郎がとある蕎麦屋でたまたま相席となった19歳の杉原千畝は、愛知五中から早稲田大学へ進学した同窓生だった。

そこから二人の数奇な人生が、たまに交わり別れしつつ、紡がれていきます。

千畝のユダヤ難民のビザを発給した話は、思ったよりもさらっと描かれていましたが、そこへ至るまでの背景を知ることができて、改めて映画を見直したくなりました。

二人の奥様方が、聡明でしなやかな強さを持っていて、とても素敵な方たちでした。特に乱歩の奥様・隆子さん、あんな卑屈で奔放な旦那に、よく愛想をつかさなかったなぁと。実際の乱歩もこんな人柄だったのでしょうか?

史実としてはお二人に直接的な交流はなかったようですが、もしかしたら…なんて思わせるほどリアルで、すごくおもしろかったです。最後の伏線回収には感動を覚えるほど。

装丁もちょっとレトロでかっこいいですよね。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

アイドルオーディションで参加者がプロデューサーに言われているようなことを、杉原千畝が妻に言われていて、ちょっと押し付けがましいなと思ったけど、こういうことを言ってくれる人がいるからこそ、本人は腹を括って才能が花開くのかもしれない。知らんけど。

「才能はあなたたち固有の財産よ。それを磨いてきたのもあなたたちの努力。でも、ステージに立っているのは、多くの人が応援して、支えてきてくれたからでしょう?その人たちに応えなさい。仕事というのは、そういうものでしょう?」

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2026年01月19日

Posted by ブクログ

面白かった。
江戸川乱歩と杉原千畝、探偵小説の大家とユダヤ人を救った外交官。
同じ時代を生きた2人には、同じ中学、同じ大学の先輩後輩という接点があった。
その2人が、もし出会っていたら.....

小説家が評価されるのは作品であり、その人となりを描いた伝記物など期待していない。
高明な外交官であっても、何をしましたなんて伝記には興味がない。
しかし、この2人が出会った頃の日本はダイナミックに動いていた。そして、2人はその波の先端で大きく躍動している。
静的な伝記ではない動的な2人の躍動感は、ひどく面白い。
ダイナミックな時代を一緒に生きたように思えた。
面白かった。

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2026年01月06日

Posted by ブクログ

なかなか書けるものではない と思いつつ、なぜかあまり感情移入できず…。もしかしたら男性の方が好きな人が多いテイストかもしれない。

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2026年01月12日

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