国内小説作品一覧
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-多筆名作家で、[文壇のモンスター]と呼ばれた破格の作家のユーモア短編、一口噺、アメリカン・ジョークなど全54篇を収録。 牧逸馬は谷譲次、林不忘、賴市彦、阿多羅緒兒など複数の名義で活躍。翻訳、小説、紀行文、ルポルタージュなど多ジャンルを手がけ、「文壇のモンスター」と呼ばれた破格の作家。 「牧逸馬」は現代通俗・探偵・恋愛小説や欧米コントの翻訳、「谷譲次」はアメリカでの体験に基づいた[めりけん・じゃっぷ]物や海外ルポルタージュ、「林不忘」は歴史小説や時代物で知られていく。特に林不忘名義で執筆した丹下左膳シリーズは、芝居・映画化もされ大ヒットした。父は政治ジャーナリストで教育者。兄弟もそれぞれ文学・芸術分野で活躍した。若くして米国へ渡り、大学中退後に放浪生活。多様な職業を経験し、異文化体験が創作に活かされた。 本巻には、1925年から1928年に発表された、軽妙なユーモア短編、[めりけん・じゃっぷ]物、一口噺、連作笑話、アメリカン・ジョーク集など54篇を収録。谷譲次、林不忘名義作品も混在している。英語と日本語を自在に混ぜた独特な文体で、クレオール女性や移民日本人など、異文化のズレや階級・人種など境界的存在の交錯を描き、ストーリーを語りつつ観客目線で解説もする活動弁士的な語り口は、昭和初頭のモダニズム文学にも影響を与えている。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究者で追手門学院大学准教授・佐藤貴之。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年10月31日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-「読む」解像度が上がれば「書ける」ようになる! 作家は作品をどう読んでいるのか?──プロの書き手の読み方を知ることで、小説やエッセイ、漫画からウェブメディアでの執筆まで、書く技術を向上させよう 優れた作家になるための第一歩は、優れた読書家になること。プロの書き手が行っている「分析的読み方」を学ぶことで、自分の作品を書き出す一歩が見つかり、さらに書き手としてのスキルを高めることができる──そんな「書く」ための学びとなる読書術を徹底伝授。本書は、ジャンル、ナラティブアーク、キャラクター造形、語りの視点など執筆術の使われ方をひもときながら、現代の小説やノンフィクション、詩、SNS、ブログなどの豊富な引用例を繰り返し読むことで、創作に役立つ効果的な読み方(=精読)が自然と身につく一冊である。 【本書のポイント】 ・すべての「書く」人に役立つ「読み方」がわかる ・創作理論が実際の作品にどう使われているかを学べる ・言葉にする力を育て、自作の文章に応用できる ・引用作品を多角的な視点から何度も読み込むことで、分析的読書の訓練ができる ・各章末に引用作品の考察のポイントと自作のための執筆のヒント付き
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-知る人ぞ知る、埋もれた作家唯一の創作集を含め、随筆、雑文など、貴重な全53篇を収録。 高田義一郞はこれまで「医学博士」ということ以外あまり知られていなかった。創作は少なく、医学的な随筆や通俗的な医学記事が多く、まとまった創作作品集は、本巻『らく我記』だけということで、埋もれた作家となっていた。 しかし、2015年に、彼が1929年の国立大学町都市開発初期、国立市に建築した貴重な文化住宅、旧高田邸が取り壊されることになり、邸宅の記録保存に関わる人たちによって、突然、義一郎の名前や経歴がクローズアップされるようになった。 本巻には、創作をはじめ、随筆、雑文など全53篇を収録している。勤務していた大学病院の裏話や通俗雑誌の医療相談欄の記事をおもしろおかしく評する一方、SF調の2作品、「人造人間」では、[試験管ベビー]を扱い、「人間の卵」では、[薬品で卵生化させての出産]をテーマに深刻かつユーモラスにまとめるなど、100年後の今でも考えなければならない問題をすでにこの時代に提示する鋭い洞察力にも溢れている作品も多い。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年9月26日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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3.0第二次大戦の癒えぬ傷を抱く学生たちの一夏を描く初期作品から、晩年の知的企みに満ちた意欲作まで。ひたすらに真実を求める人生の陰翳を描き出す精選六篇。生誕一〇〇年記念出版。全二巻。 今回、生誕一〇〇年を記念して、この膨大な作品群から四六判二巻本のアンソロジーを編む役割を仰せつかった者としてみずからに課したのは、できるだけ幅広い時期から選出すること、執筆時期や舞台が異なっても相通じる要素のある作品を二作ずつ組んで流れをつくり、その色合いと感触で陰と陽にふりわけることだった。最初にお届けする本書『鳥たちの横切る空』に翳り「Ombre」、次巻の『竪琴を忘れた場所』に明るみ「Lumière」と副題を付けたのはその結果である。 (堀江敏幸「空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて」より) (目次から) 洪水の終り 聖堂まで 献身 探索者 叢林の果て 鳥たちの横切る空 空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて(堀江敏幸)
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-文学史に登場しない幻の作家の代表作「俺の自叙伝」をはじめ、珠玉の滑稽小説7作品を完全収録。 大泉黒石は正統な日本近代文学史に登場しない、幻の作家である。1919年に『俺の自叙伝』を刊行すると、たちまち売れっ子作家となる。しかし、学閥的文壇に属さないため、芥川龍之介、佐藤春夫など、当時の帝大、慶応卒などのエリート作家たちから疎まれ、文壇排斥運動を起こされ、短期間で姿を消すことになる。ちなみに黒石の三男は、昭和の怪優・大泉滉で、次女・洽(あい)の娘は、アメリカの大富豪で2023年に急死した、アナ・シェイだ。 代表作「俺の自叙伝」は、ロシア人外交官を父に持ち、若くしてヨーロッパを彷徨い、ロシア革命から逃れて日本に帰国。東京の下層社会で極貧生活を送りながら旺盛な執筆活動を始める……、ドラマチックな展開が続くが、実は、この作品は「自叙伝」ではなく、「俺の自叙伝」という創作だからややこしい。 「俺の自叙伝」以外には、「剣劇役者」、「恋愛禁物会」、「裏と裏」、「砥石の袋」、「毛皮の褌」、「酸と亜爾加里」の貴重な滑稽小説6篇も収録されている。文芸評論家・志村有弘は、「黒石の滑稽小説には、落語の落ちの手法が用いられ、深い虚無思想を根底としながらも、無類の饒舌とユーモアに特色がある」と指摘している。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年8月29日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-資料価値も高い、100年前のヨーロッパ主要都市の社会風俗を日本人画家・漫画家が細かく描写した貴重な337話を収録。 近藤浩一路は、大正期に読売新聞や雑誌に漫画漫文を精力的に発表。岡本一平とともに大正デモクラシー期の漫画文化の強力な発信者である。大正4年には、日本最初の漫画家団体「東京漫画会」も結成、「漫画祭」と称する派手なイベントや展覧会を開催して、日本に「漫画」を普及させた。大正5年には東京美術学校同級生の池部鈞、岡本一平らと漫画雑誌『トバヱ』を発行し、美校出身の漫画家たちを中心に美術としての漫画を創造しようとも試みた。 本巻は、雑誌『主婦之友』大正11年1月号~大正12年11月号まで連載された、彼の代表作、『異国膝栗毛』を初めて書籍化したもの。神戸を出発してアジア経由でヨーロッパまで船旅をする紀行文。100年前のヨーロッパ主要都市の社会風俗を日本人画家・漫画家が細かく描写し、その資料的価値は極めて高い。第1回~第12回まで、全337話を収録。第1回から第4回「大阪一の美人」までは、下稽古と洋行準備の話。第4回「出立の日」から第6回までが、船上とアジア寄港地の話。第7回で、いよいよフランスに到着。第9回から第10回でドイツへ移動し、第11回は、スペインとイタリアの駆け足旅行、第12回ではローマ経由でフランス・パリに戻る。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年7月25日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-「第二の漱石」とも称された、日本における医者兼作家の先駆者が描いた、傑作25作品を収録。 正木不如丘は、医者兼作家。竹久夢二、堀辰雄、横溝正史らが入院した、日本初の高原サナトリウム=富士見高原療養所の初代院長を勤めた人物で、文筆もこなし、大正末から昭和前半にかけて、文芸誌から大衆娯楽誌、大手新聞まで様々な媒体に作品を発表、「第二の漱石」と囁かれたことさえあった。さらに、徳冨蘆花の主治医を務め、最期も看取った。 本巻には、1922年~1927年頃にかけて新聞や雑誌に掲載された25作品を収録。随筆と小説がメインだが、その境目が見分けにくい作品もあり、読み進めるうちに徐々に虚実が曖昧になってゆくような構成にもなっている。 前半は、臍の手術にまつわる患者の訴えを題材にした喜劇「臍の悲」をはじめ、「すつぽんの血」、「腹中のコレラ菌」、「誤診物語」、「王手飛車取り」など、病院や患者にまつわるエピソードを披露する、不如丘が開拓した〝医者物〟と呼ばれるジャンルで、医療現場の悲喜交々を面白おかしく紹介している。 中盤~後半にかけては、作者の経験談と同一視しがたい、医業を中心テーマとしない小説や、叙情的な哀感を漂わせる作品が並ぶ。山間の因習と神秘を材にとった「神代櫻」は、どこか泉鏡花を思わせる民俗的世界観に何とも要約しがたい物語の余情を漂わせ、老医師と老馬の絆を中心に懐旧的な風景を映す「靑」など、割り切れない人情や世相を情緒豊かに描き出す筆致には、作家としての幅の広さを感じさせられる。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究者、追手門学院大学准教授・佐藤貴之。付録には、発刊当時の外箱や表紙など、当時の貴重な資料を収録する。
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-【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 日本近代漫画の礎を築いた、ストーリー漫画の先駆者が描いた大正期の傑作15作品を収録。 岡本一平は、大正期から昭和初期に朝日新聞の紙面で「漫画漫文」作者として活躍した、当時最も人気の漫画家。近代漫画の礎を築き、ストーリー漫画の原型は一平に始まると言われている。妻・かの子は歌人で小説家。一人息子の太郎は「芸術は爆発だ」という名言を残し、大阪の万博記念公園に建つ「太陽の塔」を生んだ。まさに芸術を爆発させた家族だった。 本巻は、「戀の彌次喜多」~「刀を抜いて」、「無銭不戦」、「笑いの斷片」まで15作品。一平の大正期の傑作ばかりで、自身もお気に入りの作品を収めた傑作集の趣がある。従って、当時の雑誌、新聞に発表された作品ばかりで、書き下ろしはない。 特に「戀の彌次喜多」から始まる前半の「弥次喜多」シリーズは、右→文章、左→漫画の見開き形式で展開されるユニークな作品。後に発展する紙芝居と同じ形式。脚本だが、見開きだから字数が限定される。的確な表現で会話を進め、きちんとオチも入る、一平の才能が垣間見られる。さらに「無銭不戦」は、見方によっては鋭い反戦諷刺とも理解される作品。金を貰わなければ戦わない、金があれば何でもする、という発想は、大正デモクラシーの時期とはいえ、諷刺的な傾向が強すぎ、当局には強い反戦思想と理解された。だが、後に溝口健二監督で映画化され、「刀を抜いて」についても、マキノ雅弘監督、坂本九主演で映画化(「九ちゃん刀を抜いて」)されている。 発刊当時の書籍を新たに全ページスキャンしているので、本巻はFIX形式。本文の旧字体総ルビはもちろん、デザインもそのまま忠実に再現している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、当時の月報や外箱など、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年5月30日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-日本のユーモア小説の先駆けにして第一人者。専業作家となって最初の作品集、全7編を収録。 佐々木邦は、日本のユーモア小説の先駆けにして第一人者。1926年、明治学院大学の講師や慶應大学教授を退職して、作家生活に専念する。本巻は専業作家となってから彼の最初の作品集で、長編「夫婦者と独身者」を始め、「抜目のある男」、「ケチな人の話」、「大量生産者の話」、「重役候補の話」、「理想的良人」、「日記の発心」、の計7編を収録。これらの収録作品で、邦は、深く人間の機微に触れ、健全で明るい笑いを提供する「ユーモア小説」というジャンルを確立することになる。特に「大量生産者の話」や「理想的良人」などでは、この当時で男女を平等な視点で扱い、むしろ女性が強さを発揮する。この作品を読んで、苦笑する男性、すっきりする女性、 たくさんいたことだろう。このような雰囲気に、大正時代の自由主義も感じられる。装幀・挿絵は、田中比左良。漫画漫文だけではなく、美人画、肉筆画なども手がけて、当時、人気を博した漫画家。さらに、邦が作家デビューした大正末年は、「漫画」が市民権を得る時代でもあった。邦が新しいユーモア小説のスタイルを確立したことは間違いないが、その人気を支えた側面には「漫画」の流行と定着が貢献している点も、見逃せない。発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、本全集収録以外の田中比左良の挿絵ほか、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年4月25日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-大正期を代表するユーモア&「中間読物」作家が、絶頂期に発表した貴重なユーモア作品28編を収録。 明治末から東京朝日新聞などの記者として活躍し、大正期には「ユーモア作家」として多数の記事を書いた、いわゆる「中間読物」作家の代表格。昭和になって『中央公論』から発表の場を奪われたが、「雑文」作家として活躍しながら社会批判を続けた。生方のまとまった評伝はなく、戦前に諷刺家として社会に警笛を鳴らしてきたが、今も読める著作はほとんどなく、埋もれた作家でもある。 今回、表題作「東京上り」をはじめ、第一部小説から、第二部対話、第三部警句、第四部随筆までバラエティー豊かな全28編を収録。中でも、「下女の時代」は、架空の大正20年代を舞台にした未来小説という形で当時の女性問題を諷刺する。生方は女性問題にも積極的な発言をし、日本の社会をよくするためには女性の力が必要だと考えていた。「子供と女性諸君とにうつたへて将来の時代を造るより他はないのです」と述べる。 さらに、「誰にも分りよきやうに面白くユーモラスに書いてはありますが、諸君はただ笑って読みすごすばかりでなく、この笑いの中に潜んでいる著者の赤誠と著者の社会改造の意図とをくみ出して、世に宣伝し世を改造するやうに努力あられんことを希望するものであります」と説明する。生方の諷刺ユーモアの意図は、ここにある。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、当時の月報ほか、貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年3月28日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-明治~大正~昭和の3時代に渡り活躍したジャーナリスト兼作家の、入手困難で貴重なユーモア作品20編を収録。 ジャーナリスト、評論家、作家と様々な肩書きで、明治~大正~昭和という、激動の時代に活躍した著者の、明治~大正にかけて発表された、入手困難で貴重なユーモア作品、計20編を収録。 雅号=如是閑は「にょぜかん」と読む。友人による命名で、「是(かく)の如く閑」、つまり「こんなに閑」となっているが、日本新聞社→大阪朝日新聞に入社、天声人語を担当し、社会部長として、全国中等学校優勝野球大会(後の夏の甲子園)を企画創設し、大正デモクラシーを代表するジャーナリストとして進歩的、反権力的な立場で論陣を張り、戦後は最後の貴族院勅撰議員として日本国憲法の制定に携わり、実際は94歳の長寿で亡くなるまで、多忙を極めて駆け抜けた。 現在、如是閑のユーモア作品を手軽に読むことはできない。ジャーナリスト、評論家としての作品に重きが置かれ、作家としての、とくにユーモアを活かした戯曲、小説は雑文として軽視されているようだ。理由は、そのユーモアの難しさにある。 例えば、「無線電心機」では、機械文明が人間に利益を与えながら不利益を生むが、そこに思わぬ利益が起こる可能性があることを明らかにする。この文明批判的な眼力で現実を見抜く点が、如是閑の「ユーモア」となっている。 その他の作品でも、落語や講談のような直接笑いを取るユーモアではないので、多くの読者は「これがユーモア?」と感じてしまう。『現代ユウモア全集』の一巻だから、どこかに「ユーモア」はある。それを読み取るのも本巻を読む楽しみだ。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、当時の月報ほか、貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年2月28日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-大正時代、文化人ネットワークの中心にいた著者の、もっとも読み応えのあるユウモア随筆52点を収録。 文芸評論、随筆家、翻訳者、英文学者、英語教師でもあった戸川秋骨が、精力的に活躍した36歳から57歳までのもっとも読み応えのある随筆、計52点を収録。 全体は4部構成。[スケッチ]では、日常の風景を別の角度からながめ、単調な日々に新しい価値を付与しておもしろくする、まさに「ユウモア」文章のお手本となる作品が並ぶ。[追想]では、小泉八雲、夏目漱石ら恩師を中心に同時代の人々との交流を描いている。[紀行]では行く先々での出来事を秋骨流の手さばきで、貴重な思い出となる出来事へと変身させられる。[パラドクス]は、一見すると矛盾するが、そこにある種の真理があることを意味する。思わぬつながりに「なるほど」と感じることで、パラドクスとなる対象の差が大きくなると、そこに笑いが生じる。特にこの章は、現代ユウモア全集全体の面目を躍如させる章でもある。英語を生業としている秋骨が、「翻訳は不可能」、「英語なぞやるのが馬鹿々々しい」と述べる。それ自体に大きな矛盾を感じるが、ここで秋骨が述べていることは、約100年後の今も、なるほどと思ってしまうことばかりだ。 また、大正時代の雰囲気を醸しだし、「大正レトロ」の味わいを伝えると同時に、古き良き東京の様子、とくに関東大震災前後の様子を描き出した貴重な記録としても、読む価値は高い。同時に、秋骨を中心とする当時の文化人の、意外なネットワークを現代に伝える役割を担っているので、ただの「ユウモア随筆」ではない。近代文化人の隠れた精神史を明らかにする「貴重な歴史書」にもなっている。 解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、当時の月報ほか、貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年1月31日配信) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-95年ぶりに電子全集として復刊! 空想小説からエッセイ、紀行文、戯作評論まで33編を収録。日本社会主義運動の父、実は日本一のユーモリストだった。 「日本社会主義運動の父」とも呼ばれ、日本共産党委員長もつとめた堺利彦。実は彼、「貝塚渋六」のペンネームで、「日本一のユーモリスト」とも呼ばれていた。生涯で五度も投獄されている彼は、「楽天囚人」と名乗り、牢獄生活すら持ちネタとしていた。 本巻には小説(『野外劇の一幕』)、エッセイ(「猫のあくび」)、海外文学の翻訳(モーパッサン「五十五年の片恋」)、戯作評論(「火事と半鐘の関係」) をはじめ、紀行文、新聞記事批評など33編を収録。その多くが大逆事件以後から1920年頃の「冬の時代」に発表されたもの。 暗澹たる現実社会に向けられた辛辣な文章も多い一方で、堺のもう一面を象徴するのが、ある種の楽天的な理想を膨らませた空想的作品群である。この「空想」のあり方こそ、本巻のもうひとつの見所。特に「小剣が百卅五になつた時」は、公共インフラや最低限の社会保障も整わない当時に、飲み食いにも交通にも買い物にさえお金の要らない百年後の理想社会を描いている。現代の私たちが感じる幾倍もの驚きと痛快さを当時の読者に与えたことだろう。ユーモラスな口吻の奥には、不公正な世界への激烈な憤りと、貧困や圧政にあえぐ人々へのいたわりが常に覗いている。 解説文は追手門学院大学准教授・佐藤貴之。付録には、当時の月報ほか、貴重な資料を収録する。 (電子版 2024年12月27日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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-95年ぶりに電子全集として復刊! シェイクスピアの喜劇『真夏の夜の夢』から昔話「浦島太郎」、新聞連載小説『松のうち』まで、多彩なジャンル作品を収録。 昭和初期の1928年に創刊された『現代ユウモア全集』は、当時大ヒットを記録。「ユーモア小説」が大衆文学の一ジャンルとして認知されていく初期の過程で、大変重要な役割を果たした。その全24巻が95年ぶりに電子版で完全復刻。 その記念すべき第1巻は大作家、坪内逍遙。古今東西の笑いの理論にも親炙していた逍遥は、「悲哀と好笑は表裏一体、悲しみと可笑しみが縄のごとく絡まり合うのが人情あるいは世態風俗であり、それを写す小説にあっても、両者が好対照となればこそすぐれた効果を発揮する。そうした好笑の機微を理解せず、ただ『馬鹿笑ひ』できる話を求める作者読者のなんと多いことか」と嘆く。 W・シェイクスピアの喜劇『真夏の夜の夢』やN・ホーソーンの小説「ハイデッガー博士の実験」を翻案した戯曲『回春泉の試験』に始まり、昔話「浦島太郎」や「竹取物語」を翻案した舞踏劇、「読売新聞」に連載され後に単行本化された小説『松のうち』、さらには「忠義な鷹」、「チリの油壺」など海外童話を翻案した短編戯曲(13篇)に至るまで、様々なジャンルの作品を収録。 解説文は追手門学院大学准教授・佐藤貴之。付録には、月報や全集のラインアップ広告など、貴重な資料も収録する。 第1巻の巻末には雑文家・平山周吉も特別寄稿する。 ※本文は発刊当時の旧字体総ルビを再現。また、より読みやすいように、新字体バージョンも新たに追加しました。 (電子版 2024年11月29日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。
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5.0芸術的な鉱物結晶たち 長い年月をかけて自然が作り上げた、その結晶美 自然が作り出した鉱物結晶の芸術性を楽しむ「ファインミネラル」。美しい結晶となる鉱物の原石の中でも宝石にもなるようなクオリティで、近年単なる標本としてではなく、自然が作り出した芸術、アートピースとして注目される存在です。 その逸品たち約300点を紹介する本格的ガイドブックが登場! 日本随一のコレクターである著者が、圧倒的なボリュームで構成する図鑑を中心に、飾り方や見立て方などコレクションを楽しむためのコツを丁寧に紹介します。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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4.5長らく入手困難だった幻の傑作が遂に復刊!! 僕、分ったんです。人を探るということは、実は、それと同じ分だけ、自分自身を探るということが必要なんだということに。これが僕の探偵法、だったのです――1980年代、東京――東大出のイラストレーター・田原高太郎が、鬼頭家で起こった殺人事件の謎を解く。橋本治による青春ミステリーの傑作! 仲俣暁生氏「では、これから私たちは「なにをしたらよい」のか。その答えは、十年の時を隔てたこの二つの「政治小説」のなかにすでに書き込まれている。」(解説 十年の時を隔てた二つの「政治小説」――――『人工島戦記』と『ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件』より)
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-2021年10月~2022年3月までテレビ地上波でオンエアされたアニメ「ルパン三世PART6」を完全紹介した公式ブック! 0話~24話までの全てのエピソードや、ルパンファミリー、各話登場キャラクターの紹介、スタッフ・声優インタビューなど盛りだくさんの内容でお届けします。スペシャル企画として、第9話のシナリオを執筆した有名ミステリー作家・湊かなえ氏と、本作シリーズ構成でやはりミステリー作家である大倉崇裕氏の対談も収録! ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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-平成時代の基礎となった昭和の時代。戦争から経済大国へ、激動の昭和をもたらしたものは何だったのか。「二・二六事件」によって幕あけた狂気の時代を、壮大なスケールで捉えた感動の昭和史。『この作品は、日本人の運命と日本の針路を決定づけた「二・二六事件」から十数年間の歴史をつづったもので、執筆に五年の歳月を費やした。日本の動きだけでなく、世界史のなかの日本という視点に立って書いた。いいかえれば、ヒットラーやルーズベルトが何を考えたかによって、わたしたち日本人の運命も変わってきた。戦争を知らぬ世代にも経験してきた世代にも読んでいただきたいと思う。(三好徹)』
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気ゲームブランド「Key 」の初期作品「AIR」の製作素材が詰まった原画集です。 【あの夏の日々を、憶えていますか…】 さびしがり屋の観鈴、いつもいっしょだった美凪とみちる、元気な佳乃とポテトのコンビ。彼女たちの夏の出来事が、この一冊にいっぱい詰まっています! ・線画や影指定に加え、各シーン、イメージ段階のラフカットや未使用カットが満載!! ・販促用グッズなどに使用された、描き下ろしのヒロイン達も網羅しています。 ・ゲーム内のCGや設定資料を完全収録。スタッフコメントも入った、永久保存版資料集です。
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-言論はいかに弾圧され、口を封じられるのか。どうやって人々は生き延びるのか。 台風の如く、人々を翻弄し、敗戦に至る日本の行く末を決定した天皇機関説事件。 「昭和百年」に「合法無血のクーデター」の真相に迫る。 評伝『江藤淳は甦える』の著者による、天皇と憲法をめぐる人間ドラマ! 宮沢俊義は蓑田たちから次のターゲットとされていた。昭和十年には危うい位置に座っていたのである。美濃部の後を継いだ憲法学の少壮教授は、いかに巧みにサバイバルしたか。それは当人には棘となり、良心は痛み続け、戦後にまで尾を曳く。美濃部とは違う宮沢の「小さい」ありよう。それを他人事として批判するだけではすまされない。大なり小なりあの「小さい」ありようは当時の人々に内在していた。当時に限定することなく、いまの我々、いや私にもそれがあることを認めざるを得ない。史料を注意深く読んでいくと、その「小さい」ありようは、東京帝大出の官僚にも、政治家にも、それどころか、首相で海軍大将の岡田啓介にも、はるか上の「最後の元老」西園寺公望にも、雲の上の昭和天皇にも分有されていたのではないかとも思えてきた。けっして他人事ではないのだ。(あとがきより)
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2009年から活動してきた「後藤明生を読む会」の会員による作品集。 安亜沙(あん・あさ)1996年生まれ。美術家。個展にアンバー・ランド(Gallery PARC・京都/2019年)、ネオ人類研究(Oギャラリーeyes・大阪/2023年)など。 乾口達司(いぬいぐち・たつじ)1971年生まれ。会社員。著書に『花田清輝論』(柳原出版/2003年)、後藤明生著/乾口達司編『日本近代文学との戦い』(柳原出版/2004年)など。 甲木文武(かつき・ふみたけ)1977年生まれ。会社員。 金窪幸久(かねくぼ・ゆきひさ)1957年生まれ。元会社員。2021年永眠。 来多邨平(きたむら・たいら)1950年生まれ。元出版社勤務。 後藤忠彦(ごとう・ただひこ)1933年生まれ。後藤規矩次・美知恵の三男として、旧朝鮮・永興で生まれる。2020年永眠。 後藤明生(ごとう・めいせい)1932年生まれ。小説家。後藤規矩次・美知恵の次男として、旧朝鮮・永興で生まれる。1999年永眠。代表作に『挾み撃ち』(河出書房新社/1973年)、『吉野大夫』(平凡社/1981年)、『壁の中』(中央公論社/1986年)など。 小林幹也(こばやし・みきや)1970年生まれ。教員・歌人・近畿大学文芸学部非常勤講師。歌集に『裸子植物』(砂子屋書房/2001年)、評論集『短歌定型との戦い』(短歌研究社/2011年)など。 竹永知弘(たけなが・ともひろ)1991年生まれ。日本現代文学研究、ライター。おもな研究対象は「内向の世代」。 名嘉真春紀(なかま・はるき)1986年生まれ。出版社勤務。 松井博之(まつい・ひろゆき)1966年生まれ。2003年、「<一>と<二>をめぐる思考―文学・明治四十年前後」で第三五回新潮新人賞評論部門を受賞。2012年永眠。著書に『<一>と<二>をめぐる思考―文学・明治四十年前後』(文芸社/2014年)。 松崎元子(まつざき・もとこ)1966年生まれ。アーリーバード・ブックス代表。後藤明生著作権継承者。 安田誠(やすだ・まこと)1970年生まれ。会社員。
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5.0中学入学を目前に控えた春休み、父の転勤で岡山の県境の街に引っ越してきた巧。ピッチャーとしての自分の才能を信じ、ストイックなまでにセルフトレーニングに励む巧の前に同級生の豪が現れ、バッテリーを組むが…。入部した中学野球部で巧と豪が直面した問題、ライバル校・横手二中との試合、ときに揺らぎ悩みつつも唯一無二のバッテリーの絆。「児童書の枠を超えている」「子どもだけでなく、大人にも読んで欲しい」刊行直後から大反響を呼んだあさのあつこ不朽の名作。 ※本電子書籍は「バッテリー」「バッテリーII」「バッテリーIII」「バッテリーIV」「バッテリーV」「バッテリーVI」をあわせたセット本です。
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5.0純文学作家「色川武大」=阿佐田哲也が戦後の焼け野原を舞台に描く、本邦ギャンブル小説の最高峰! 全四篇を集めた合本版です。 【収録作品】 『麻雀放浪記1 青春篇』 終戦直後の焼け野原で、「坊や哲」が「ドサ健」「出目徳」「女衒の達」ら仕事師たちと渡り合う。(解説・先崎学) 『麻雀放浪記2 風雲篇』 いかさまがばれて関西に逃れた「坊や哲」。京都の博打寺でブウ麻雀の鬼たちと激闘を繰り広げる。(解説・立川談志) 『麻雀放浪記3 激闘篇』 肘を壊し、いかさまができなくなった「坊や哲」。闇の組織から高利の金を借りて窮地に陥る。(解説・小沢昭一) 『麻雀放浪記4 番外篇』 無頼の生活から足を洗い、勤め人となった「坊や哲」の前に、ふたたび“あの男”が現れた!(解説・柳美里)
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-山田太一の戦争にまつわる珠玉シナリオを集成!(すべて初活字化) 戦時中にタイムスリップしてしまう家族を描く衝撃作『終りに見た街』(2005年リメイク版)、 今まで活字化を許可されていなかった 『男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉』、 その他映画のための未発表シナリオなど全4篇+掌篇・講演を収録。 『ふぞろいの林檎たちV/男たちの旅路〈オートバイ〉』に続く 山田太一未発表・未活字化シナリオ集第2弾。 *ある日突然、戦時中の昭和19年にタイムスリップしてしまう平凡な家族。彼らは敗戦間近の食糧不足・国家総動員そして大空襲の時代を生き残ることができるのか……衝撃的な結末が話題となった『終りに見た街』は1981年に小説として発表され、翌年ドラマ化、さらに2005年にリメイクするほど山田太一自身思い入れのある作品である。今回リメイク版を初の活字化。 *鶴田浩二主演の名作ドラマ『男たちの旅路』シリーズの掉尾を飾るスペシャル版〈戦場は遙かになりて〉は、今まで待望されながらも山田太一が活字化を許可していなかった。今回初の単行本収録となる。 *中国残留孤児問題を取り上げた映画シナリオ『唐津湾夕景』(1975年)、アラブ紛争地域に住む日本人を描く舞台作品『砂の上のダンス』の映画化シナリオ(2000年代)はともに未発表作品。 *附録として掌篇「叔父さんの下町」(単行本未収録)、戦争体験を語る貴重な講演(抜粋)を収録。 編・解説 頭木弘樹 はじめに(頭木弘樹) 叔父さんの下町 終りに見た街 男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉 砂の上のダンス 唐津湾夕景 少年期の飢餓体験ーー講演「テレビとわたしーーわたしの作品を通してーー」より 収録作品について(頭木弘樹)
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3.9『ドードーをめぐる堂々めぐり』著者川端裕人が贈る、スリリングで感動的な「絶滅動物小説」! 科学記者の「タマキ」は、ゲノム研究者になった幼馴染「ケイナ」と二十年ぶりに再会した。 ステラーカイギュウ、リョコウバト、オオウミガラス、そして、ドードー鳥と孤独鳥……自然豊かな房総半島南部の町で過ごした小学生の頃から、絶滅動物を偏愛してきたふたり。 カリフォルニアで最先端のゲノム研究「脱絶滅」に取り組むケイナに触発されたタマキは、江戸時代に日本の長崎に来ていたという「ドードー鳥」の謎と行方を追う旅へと乗り出した。 〈もっと知りたいと願った。 ドードー鳥と孤独鳥の秘密を、ケイナちゃんとわたしを結びつける秘密を。〉 日本、アメリカ、欧州、そしてドードーの故郷モーリシャスへ。 やがてふたりの前に、生命科学と進化の歴史を塗り替える、驚愕の事件が待ち受けていた―― 会いに行こう! もう会えない「幻の鳥」に―― 忖度なしの〈堂々たるドードー小説〉 『ドードー鳥と孤独鳥』、堂々刊行! *美麗函入 *挿絵多数収録 ◎装幀・本文設計=山田英春 ◎装画=Dodo/Solitaire, Extinct Birds, Walter Rothschild, 1907, William Frohawk del. より
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3.0読みやすく美しい瀬戸内寂聴の現代語訳で甦る、史上最高の恋愛小説。350万部のベストセラー、寂聴訳「源氏物語」が一冊で読める!全五十四帖から再編集した入門書にして決定版。解説(高木和子)、あらすじ、主要人物紹介、主要人物系図付き。 私が源氏物語の現代語訳を手がけたのは、日本が世界に誇る最高の文化遺産であるこの千年前の傑作小説を、すべての人々に読んでもらい、日本人として生れた心の誇りを取りもどしてほしいと願ったからであった。光源氏という絶世のハンサムで、あらゆる才能を生れながらに恵まれた主人公が、次々起すラブアフェアは、二十一世紀の現代でも決して旧(ふる)くはない。どれほど文明が進んでも、人間の心というものは、千年前も今も、根本に於てはほとんど変らないし、人を愛する喜びと悩みもまた、千年をへだてても一向に変っていないからである。 ――瀬戸内寂聴
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3.9わが名は〈解錠師〉。 いかなる鍵も錠前も僕の敵ではない。 名探偵ライム、3年ぶりの新作。 ボーン・コレクター、コフィン・ダンサー、ウォッチメイカー、スキン・コレクター、そして……。 名探偵ライムに頭脳戦を挑むのは、密室に煙のように忍び込む怪人〈解錠師/ロックスミス〉。 怪人VS名探偵の興奮に満ちた現代謎解きミステリの新傑作。 〈ロックスミス〉と名乗る男が夜のニューヨークに跳梁していた。厳重に鍵のかかった部屋に侵入し、住人に危害を加えることもなく、破った新聞紙に書いたメッセージを残して去った。犯人はいかにして短時間で錠を破ったのか。犯行は無差別なのか、それとも被害者を結ぶ線があるのか。この奇怪な犯人の真の目的は何か。ニューヨーク市警からの依頼で、四肢麻痺の科学捜査の天才リンカーン・ライムが捜査に乗り出した。だがライムは警察内部の政争にまきこまれ、別件の裁判での失態を機に契約を解除されてしまった。このまま捜査を続行すれば逮捕される危険すら……。 密室を破る怪人〈ロックスミス〉VS現代の名探偵リンカーン・ライム。警察も敵に回り、犯罪組織に命を狙われながらも、名探偵はあくまで知力で戦いに挑む。そしていくつもの事件と謎と犯罪がより合わさったとき、多重ドンデン返しが華麗に発動する! ――ウォッチメイカーを思い出してるでしょ。 ――この二人は似た者同士だ。どちらも利口で、戦術に優れている。いわば闇の芸術家と呼べる点も似ている。それにどちらも機械式の装置に妄執を抱いている……。 “怪人VS名探偵”の興奮に満ちた現代謎解きミステリの新傑作。
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3.8新型コロナウイルスのパンデミックで隔離生活を強いられた16ヶ月間、イラストレーターにして作家のエドワード・ケアリーは、毎日1枚の画(え)を描き、SNSに投稿していった。偉大な作家や芸術家、歴史上の人物、小説の登場人物、さらに人間だけではなく、動物や鳥、植物や建物、風景に至るまで描きに描いた500点ものスケッチと、それにまつわる36篇のエッセイを収録。ケアリーらしさ満載のスケッチ集としても、時代を切り取るエッセイ集としても楽しめる珠玉の一冊。/解説=マックス・ポーター
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-1巻2,772円 (税込)花やかな文豪達による<新>ハムレット競演。 収録作品は以下の通り。 巻頭8ページ口絵(4色)「ハムレット」をテーマにした銅版画=描き下ろし 巻頭詩 谷川俊太郎「初夏のハムレット」=書き下ろし * 太宰治「新ハムレット」(長篇小説) 芥川比呂志「ハムレット役者」(「タイツ」「三度目の正直」「太宰治とともに」エッセイ三篇) 志賀直哉「クローディアスの日記」(短篇小説) 小林秀雄「おふえりや遺文」(短篇小説) * ランボオ(小林秀雄訳)「オフェリヤ」*詩 (ランボオの同じ詩を二人の訳者で収録) ランボオ(中原中也訳)「オフェリア」*詩 * 大岡昇平「オフィーリアの埋葬」(短篇小説) ラフォルグ(吉田健一訳)「ハムレット――或る親孝行の話」(中篇小説) 福田恆存「ホレイショー日記」(中篇小説) * 小栗虫太郎「オフェリヤ殺し」(最後に異色ミステリ二作=中篇小説) 久生十蘭「ハムレット」 ※この作品はカラーが含まれます。
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-日本テレビ系2025年10月期日曜ドラマ「ぼくたちん家」 出演・及川光博・手越祐也・白鳥玉季 話題のドラマのシナリオブック 【電子書籍特典:期間限定で都内某所に掲出された玄一・索・ほたるの名言ポスター】 脚本は本作がデビュー作となる期待の新星・松本優紀。 オリジナルストーリー全10話のシナリオを完全収録! さらに、本書でしか読めない<特集企画>を40ページ以上の大ボリュームで掲載。 ドラマの魅力を余すところなく味わえる、ファン必携の“超充実”シナリオブックです。 ●本書だけの特別企画● ぼくたちん家 メインキャスト・スペシャルトーク 及川光博、手越祐也、白鳥玉季 特別対談 松本優紀(脚本)×河野英裕(プロデューサー) インタビュー 河野英裕(プロデューサー) ★劇中に出てきた「索の婚姻届」掲載! ●ぼくたちん家● ひとりの心優しきゲイが恋をした。 恋の告白は、家を買う!? 彼らの前に現れたのは、訳ありトーヨコ中学生。 彼女のたくらみはーー 3000万円で、親を買う!? 社会の隅っこでつながる3人。 どうなる、ぼくたち!? 恋も人生も、ままならない。 それでも人は、誰かと関わってしまう。 社会のすみっこでつながった、3人の奇妙な生活。 笑って、泣いて、笑っちゃう、奇妙なホーム&ラブコメディ!
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4.0昭和のあの頃、百万人の少女たちを夢中にさせた漫画雑誌があった! 1969年、人類が月面着陸をした年に出版社に就職した辰巳牧子は、経理補助として「週刊デイジー」「別冊デイジー」編集部で働き始める。 親分肌の川名編集長が率いる「週デ」は、漫画班・活版班・グラフ班に分かれて編集部員一同、日々忙しく動き回り、「別デ」を率いる小柳編集長は、才能あふれる若い漫画家たちを見出し、次々にデビューさせていた。 いつかは男性編集者に並んで漫画を担当したいと願う西口克子や香月美紀、少女漫画という縁のない世界に放り込まれ戸惑う綿貫誠治、暇さえあれば雀荘で麻雀ばかりしている武部俊彦・・・・・・。 女性漫画家たちがその若き才能を爆発させ、全国の少女たちが夢中になって読んだ“100万部時代”。編集部で働くひとりひとりの希望と挫折、喜びと苦しみに光をあて、時代の熱を描き出す大河長編! ◆著者プロフィール 大島真寿美(おおしま・ますみ) 1962年愛知県生まれ。1991年「宙の家」が第15回すばる文学賞最終候補作となる。1992年「春の手品師」で第74回文學界新人賞を受賞しデビュー。2012年『ピエタ』で第9回本屋大賞第3位入賞。2019年『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』で第161回直木賞受賞。『それでも彼女は歩きつづける』『空に牡丹』『結 妹背山婦女庭訓 波模様』『たとえば、葡萄』ほか著書多数。
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3.7【現代文学の名手が贈る心理小説の白眉】 人生を狂わせるほどの秘密ではなかった。 ――そのはずだった。 1989年5月、彩和と俊輔の結婚を祝う会が開かれた。 前の夫を若くして亡くし、必死で幼い娘を育ててきた彩和にとって、それは人生の安泰が約束された幸福な瞬間だった。 後に、俊輔の思わぬ一面を知ることになろうとは夢にも思わず――。 綻びゆく人生における、僅かな安息。 不意におとずれる、密やかな邂逅。 廻り続ける「生」への不安を克明に描ききった、原稿1100枚に及ぶ傑作大長編。 【著者略歴】 小池真理子(こいけ・まりこ) 1952年東京都生まれ。1989年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。以後、95年『恋』で直木三十五賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、11年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞、21年に日本ミステリー文学大賞を受賞。 そのほか、『無伴奏』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』『神よ憐れみたまえ』など著書多数。
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5.0国内著名作家の書き下ろしショートショート・アンソロジー。テーマは「街」。ホラー・ミステリ・ファンタジー・SF等さまざまなジャンルの書き手が、幻影の街を舞台に物語をつむぐ。第3回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテスト入選作品も収録。 ■掲載作家(五十音順) 朝松健/新井素子/池澤春菜/今井亮太/井上雅彦/植草昌実/空木春宵/太田忠司/小田雅久仁/勝山海百合/菊地秀行/北原尚彦/黒史郎/澤村伊智/澁澤まこと/高野史緒/中川マルカ/西崎憲/伴名練/久永実木彦/日比野心労/深堀骨/三津田信三/村山早紀/木犀あこ/芦花公園
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-家族小説の第一人者・庄野潤三が新人作家として出発した1949年から1954年に発表された17編を初出順に収録。 日本の家族小説の第一人者・庄野潤三の足跡を、初出順の編年体で辿る電子全集の第1巻。 デビュー作品「愛撫」から、第32回芥川賞受賞作品「プールサイド小景」まで、1949年から1954年の6年間に発表された17編を収録した。 「愛撫」は第二次大戦から復員後、大阪府立今宮小学校から大阪市立南高校の教諭になってほどない、1949年4月28歳の時に、同人雑誌「新文学」に発表された作品。きっかけは九州大学時代の友人・島尾敏雄のすすめで投稿したことによる。 のちに次兄・庄野英二の伝手で中山義秀が「愛撫」を創作合評で取り上げたことから、「群像」編集部より声がかかり、次回作「舞踏」が「群像」1950年2月号に掲載され文壇にデビューすることとなる。 そのほか単行本『愛撫』収録の「スラヴの子守唄」「メリイ・ゴオ・ラウンド」「喪服」「恋文」「会話」「流木」「噴水」に加え、単行本『プールサイド小景』に収録された「紫陽花」「十月の葉」「臙脂」「桃季」「黒い牧師」「団欒」「結婚」「プールサイド小景」も収録。 解題は監修を務める日本文学研究者で日本大学芸術学部准教授・上坪裕介氏が担当。付録として「愛撫」「舞踏」の初出掲載誌、「プールサイド小景」の冒頭浄書生原稿等を収録する。 ※この作品はカラーが含まれます。
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-本書は、世界的に見た宝石の価値に照準をあて、シリーズの蓄積を活かしながら新しい時代のスタンダードになる1冊です。多くの記事に関して英文も表記するとともに、海外のディーラーの紹介や、新しい世界的なトレンドなど、〝International〟にふさわしい『宝石の常識』として編集。宝石の4つの価値、「コレクション」「財産」「ファッション」「お守り」をベースに丁寧にビジュアル解説していくことで、宝石の世界をさらに多重的、かつ多面的に楽しめるよう構成しました。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。 また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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4.5過疎の町を揺るがす町立病院の入院ベッド全廃計画に、町と病院への強い思いを抱えて抗う、主義主張も家庭事情も様々な住民たち。新米の日本共産党町議・友川あさひは力を合わせてたたかい抜けるか。歴史が刻まれた登場人物たちの人生、若い世代の苦悩とたたかいなど深みある描写が大反響を呼んだ赤旗の連載小説が単行本に! 目次 第一章 女たちは暗闇から這い出す 第二章 勇気を奮って戸を開ける 第三章 傍聴席から愛を込めて 第四章 歴史をになう者たち 第五章 老いも若きも手をつないで 第六章 コップの中の嵐は竜巻へ 第七章 カルテには書けないこと 第八章 燎原の火 第九章 百年目
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4.0『怪談』『知られぬ日本の面影』『日本――一つの試論』。日本人も気づいていなかった日本文化の魅力・価値に気づき、世界に広めた人物、小泉八雲。 自身の生い立ちに由来するコンプレックス、葛藤にもがいていたかつての彼、「ラフカディオ・ハーン」はいかにして「日本人・小泉八雲」となったのか。日本へ渡り、日本人の生き方や文化、そして妻となる女性、小泉セツに出会い、彼の人生はヤゴがトンボとなって飛び立つがごとく変わっていく――。 アイルランド出身の著者が描く、空想と史実が織りなす魂の伝記小説。日本人とは何かという問いを、現代の私たちに投げかけます。
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3.0医学はいつになったら「本当の科学」になるのか? 「心臓発作は“ヒステリー”」 「HPV(ヒトパピローマウイルス感染症)は“女性だけの病気”」 「卵子は“精子をただ待つ無力な存在”」… 心疾患、骨、幹細胞、更年期、セックス、ホルモン、そして生殖。 長らく「男性の身体」だけを基準としてきた医学は、いつしかあらゆる領域に男性優位主義を浸透させ「非男性の身体」の声を聞くことなく発展した結果として、人間を測りまちがい、不平等を温存し、健康を害しつづけている。 この現状をいかに正し、医学と科学をいかに未来に導くべきか。医療をジェンダーバイアスから解放し、「すべての身体」を救うものにするための必読書。 [目次] はじめに:「自然な」女性 第一部 得体のしれない身体 第1章 婦人科学と女性の人生 第2章 セクシーな研究 第3章 「ウェルネス」と「エンパワメント」 第4章 潮を吹く女たち 第5章 ホルモンを解放せよ 第二部 誤解された身体 第6章 無視される痛み 第7章 心臓(ハート)のフェミニズム 第8章 骨の詩(うた)を聴け 第9章 がんとグローバリズム 第10章 精子と卵子の神話 第三部 未来の身体 第11章 フェムテックのジレンマ 第12章 クリテラシーを養おう 第13章 サイボーグであるわたしたち 第14章 人工子宮に宿るもの 心臓発作の際、女性が誤診を受ける確率は男性より55%高い。処方される鎮痛剤が同じなら、女性は男性より中毒になる可能性が高い——なぜ、こんなことになるのか? 古代ギリシャのヒポクラテス以降、白人男性の体を基準に発達してきた西洋医学。すなわち、今日私たちが使っている薬や治療法の大部分は、男性の身体のために男性が設計したものである。 男性と女性では実際にはホルモンバランスも体組成もすべてが違うにもかかわらず、私たちが学校で教わったのは、せいぜい生殖器官の違いくらいではなかったか? 社会が女性を「生殖機能」としてのみ認識してきた結果生まれた、男性基準の「医学はジェンダーニュートラル」という神話。それは女性をはじめ、男性優位社会において周縁化された人々の健康を長らく危険にさらしてきた。 本書では気鋭の社会学者が、こうした欠陥のある考え方がいかに女性、そしてトランスジェンダーやインターセックスといった「非シス男性の身体」に対する知見を不足させ、基礎研究を貧しくし、医療を個々の患者に最適ななケアから遠ざけているかという医学界の現状を示す。女性の身体が性、心臓、骨、痛みといった分野においていかに無視され、誤解され、先端医療の研究のなかで搾取されてきたか、また、家父長制的な社会文化がいかに人類全体の健康に有害であるかを解き明かす。 視野狭窄に陥ったまま発展してしまった医学を今こそ見つめ直し、その可能性を拡張するため、最新研究やデータはもちろんフェミニズム、SF、アートなどとも領域を横断しつつ「どうすれば、科学は誰にとってもいいものになるのか?」という問いを投げかける一冊。
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-没後10年に画期的な読解 吉本隆明の初期詩作品『日時計篇』には、新しく発見されなければならない世界や思考を解く鍵がひそんでいる! だれも手をつけなかった未踏の「大陸」に、精緻な解読で挑む。 テキストの対比、変転の追究により発見の喜びをもたらし、新時代を拓く概念を提示する。 「日時計」を物理的な時間の計量物としてではなく、「関数」のサンプルとして理解し、さらにそこから生き物の身体そのものが「日時計」であり、「季節体」としてあるのだという、ごくごく当たり前のことに考察が及んだときには、身体が震えるような感動をおぼえたものである。(「あとがき」より)
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3.6「性愛」「肉食」「生殖」「自死」。それはテクノロジーの、最後のフロンティア。 高性能AIを搭載し、あなたの欲望をすべて叶えるロボットは「完璧な伴侶」になりうるか? 人工で培養した肉は動物たちの権利を守り、気候変動を防ぎ、地球を救うだろうか? 妊娠も出産も、代理母すら必要ない人工子宮による生殖は本当に女性たちを社会的に救うのか? 人間にとって「満たされた、完璧な死」とは何なのか……? 科学と倫理の境界でゆらぐ、21世紀の性、食、生、死。生命倫理、暴走する資本主義、ジェンダーとフェミニズム、気候変動、管理社会、ウェルビーイング……様々な命題が複雑に絡み合う最新技術開発の最前線で、気鋭のジャーナリストがその進歩や課題、あるいは華やかなシリコンバレーの起業家たちをはじめとしたプレイヤーの虚実を5年にわたって現場取材し、21世紀の「人間性」のゆくえを考察した、グレーな近未来ガイド。 Jenny Kleeman “SEX ROBOT & VEGAN MEAT - Adventures at the Frontier of Birth, Food, Sex and Death”の完訳。
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4.2リリアン28歳、人間嫌い。自己肯定感はかなり低め、将来への希望もない。1995年、春の終わりに、そんなリリアンのもとに友人のマディソンから手紙が届く。おもしろい仕事があるので、彼女の暮らすお屋敷まで来てほしいという。それで、頼まれたのは10歳の双子のお世話係。なりゆきに任せて引き受けたけれど――子供たちは興奮すると〈発火〉する特異体質だった!? 全米ベストセラー作家ケヴィン・ウィルソンが涙と笑いで〈リアル〉に描く、ほろ苦い愛情と友情の物語。ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、USAトゥデイ紙、タイム誌、ピープル誌ほか、10の全米主要メディアが年間ベストブックに選出!
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-福永の出世作『草の花』を中心に、初めて単行本化された短篇集『塔』、学生時代に書かれた書簡など、作家・福永武彦の出発点とも言える、貴重な初期作品を完全収録。 第一高等学校3年、18歳の福永が「校友會雑誌」第355号に発表した「かにかくに」、肺病治療のため入院していた清瀬の療養所で、1949~1950年にかけて書かれた「慰霊歌」の収録2篇は、戦後に書かれた最も美しい青春小説のひとつ『草の花』(初刊版と決定版2種を収録)の原型となった作品。 収録した関連作品の中で、詩篇「戸田の春」と冊子「平野和夫君を偲びて」収録の俳句2句は、単行本、全集等未収録の貴重なもので、随筆「病者の心」は、療入所中に自身の心の推理変転を具体的に描き、『草の花』冒頭の章「冬」に繋がっていく重要作品である。 また、『草の花』「冬」の章と同じ精神的風土を表出し、福永自ら「小品」と呼ぶ4作「晩春記」、「旅への誘い」、「鴉のいる風景」、「夕焼雲」も併録。 一方、1948年に福永初の単行本と初刊が発売された『塔』からは、詩の精神を小説に定着させようとした実験的小説「塔」、「雨」、「めたもるふぉおず」を、初刊版と決定版の2種を収録。 作家・福永武彦の“文学の嚆矢”を理解する上で絶対欠かせない、ファンはもちろん、研究者も必見の第1巻である。 この作品の容量は、32.7MB(校正データ時の数値)です。 ※この作品はカラー写真が含まれます。
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5.0『危険な夏』から『いつか友よ』まで、水野竜一の魂の軌跡を辿る〈挑戦シリーズ五部作〉電子合本版! ○『挑戦シリーズ1 危険な夏』…ヤバイからおもしろい、人生ってヤツは―。死の恐怖とは無縁の竜一と復讐を誓った男・深江。頼れるのは男としての誇りだけ。巨大な企業を相手に、危険な夏を駆け抜ける。○『挑戦シリーズ2 冬の狼』…3年ぶりの日本。硝煙の臭いを漂わせて竜一が帰って来た。血に染めた心、身につけたゲリラの殺人術。姿を消した友、深江の行方を追って、獣の怒りが都会の闇を切り裂く。○『挑戦シリーズ3 風の聖衣』…地の果て、ペルー。風吹きすさぶ高山地帯。獣の血に目ざめた男たちの銃弾が、岩肌を打ち砕く! ゲリラの指導者になった「狼」竜一と、彼を追う傭兵・村沢のあくなき執念と闘い。○『挑戦シリーズ4 風群の荒野』…コマンド石本一幸がフランス外人部隊から戻ってきた。血にまみれた戦争のプロフェッショナルを連れて。硝煙と血、友情と憎悪。灼熱のジャマイカに、迎え撃つ狼(ロボ)の血がたぎる。○『挑戦シリーズ5 いつか友よ』…吹き荒れる雪。うなる銃弾。「闘え」と死者たちの叫びが響くロッキー山脈。流れついた“狼(ロボ)”竜一。父の復讐を誓う少年。2人はコマンドと化して強大な敵を追う。
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3.2何度、何度、何度くり返しても彼の死だけが変わらない星夜の学校を襲った悲劇と、くり返す夏の日。命がけの青春を、私達は生きている。運命と戦う高校生達のタイムリープ×本格ミステリ☆☆☆7月7日。部活仲間5人のささやかな七夕祭りを、謎の爆発が襲った。その爆発は、部長を激しく吹き飛ばし殺害してしまう。原因は、未来からきた少女2人。彼女らはタイムマシンをハイジャックした挙げ句、爆発させてしまったのだ。部長の理不尽な死をなかったことにすべく、彼らは協力して過去を書き換えようとする。だが、時を繰り返すたび、なぜか犠牲者は増えていってしまい──遡れるのは計7回、無限に思える選択肢。繰り返す青春の1日は、命がけだ。
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-第13回電撃小説大賞《大賞》を受賞し、数多の少年少女と、少女の心を持つ大人達の魂に触れた伝説の物語『ミミズクと夜の王』をはじめとした人喰い三部作・全4作の完全版が合本版で登場! 【人喰い三部作・第一部】 『ミミズクと夜の王 完全版』~いまだ語り継がれる、電撃小説大賞から生まれた伝説の傑作~ 魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」 加筆修正の末、ある結末に辿り着いた外伝『鳥籠巫女と聖剣の騎士』を併録。 『毒吐姫と星の石 完全版』~『ミミズクと夜の王』姉妹作~ 全知の天に運命を委ねる国ヴィオン。占により下町に捨てられ、呪いの言葉を吐いて生きる姫がいた。隣国に嫁げと強いられた少女を迎えたのは、夜の王に祝福を受けた、異形の手足を持つ王子だった。書き下ろし番外編「初恋のおくりもの」で初めて明かされるある想い。 【人喰い三部作・第二部】 『MAMA 完全版』~二つ目の人喰い物語~ 魔術の才には恵まれなかったトトは、神殿の奥に迷い込んだ。そこには、数百年前に封印されたという<人喰い>の魔物が眠っていた。これは、孤独な<人喰い>の魔物と、彼のママになろうとした少女の歪んだ愛の物語。全編に亘り修正を加え、王国の末姫の回想を描いた掌編「黒い蝶々の姫君」を初収録。 【人喰い三部作・第三部】 『雪蟷螂 完全版』~三つ目の人喰い物語~ 長きにわたって続いていた氷血戦争に終止符を打つため、一つの約束がなされた。それは雪蟷螂と言われるアルテシアと敵族の族長との政略結婚だった。書き下ろし異伝「悪魔踏みの魔女」を収録。
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-浅草の一角で、町並みに溶け込むかのように佇む栗丸堂。若い主人は最近店を継いだばかりらしく、栗田仁という。精悍にすぎる容貌で、どこか危なっかしいが腕は確か。 店を応援しようと顔馴染みが紹介したのが、和菓子のお嬢様こと葵だった。可憐な容姿だが、怪しすぎる通り名に警戒する栗田。出会いはいまいちだったが、彼女との出会いが栗田の和菓子を大きく変えることになる。 思いもよらぬ珍客も訪れるこの店では、いつも何かが起こる。和菓子がもたらす、今日の騒動は? ここでは変わらぬ温かい下町の風景が残っている。にぎやかなひとときを合本版でお届け。 ※本電子書籍は、『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』全5巻を1冊にまとめた合本版です。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
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4.0※本書は以下4タイトルを収録した電子書籍合本版です。 <収録タイトル> ・『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』 ・『響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』 ・『響け! ユーフォニアム 3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機』 ・『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話』 北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくる――。少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。 ※この物語はフィクションです。もし同一の名称があった場合も、実在する人物、団体等とは一切関係ありません。
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-“塾長”のシリーズ4冊目となる「星空撮影」指南書。前作から3年が経過、機材やソフトウェアがアップデートされたことにより、撮影方法も変わりつつある昨今、スマホでの撮影方法など、ビギナーから上級者まで星空撮影に必要な技術解説を網羅、新しい撮影ジャンルについても詳しく解説します。著者のYouTubeチャンネルとも連動して、QRコードから簡単に動画にアクセス。星空撮影のすべてを網羅した1冊です。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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4.72011年のドラマ「それでも、生きてゆく」シナリオ全11話と、著者あとがき、製作陣座談会も収録した決定版! 14歳の夏、友人の文哉に妹を殺された洋貴。一方、兄の文哉が殺人を犯したことで、以降、名前を変え住む場所を転々とする日々をおくる妹・双葉。 事件から15年後、ある思いを抱え洋貴のもとを訪れた双葉は、洋貴の父から兄が8年前に医療少年院を出たと聞かされる。ともに文哉を追い、事件に向き合ううち、やがて二人は互いに惹かれあってゆくのだが――。 被害者遺族と加害者家族の双方を丁寧に描きながら、彼らの日常を掬い上げることで究極のラブストーリーとして多くの視聴者の胸を打った傑作ドラマ「それでも、生きてゆく」。全11話のシナリオ完全版と、脚本・坂元裕二×プロデューサー・石井浩二×演出・永山耕三×主演・永山瑛太&満島ひかりによる録りおろしの座談会、書き下ろしあとがき、ドラマの初期の企画書まで収録した、決定版。
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3.52022年度ニューヨーク公共図書館若獅子賞受賞作 大勢の平和的抗議者たちが特殊部隊ベルクトに攻撃され、負傷者や死者が出ている。ウクライナは事実上、非常事態となっていた……。 ボストンから来たウクライナ系米国人女性医師、チョルノービリ原発近郊出身の鉱山技術者、かつてFEMENに参加した青い髪の女性活動家、独立広場でピアノを弾く元KGBスパイの老人、そしてジャーナリストたち……。 冬のウクライナ、首都キーウで交錯する、それぞれに過去を抱えた人々の運命。激動の時代を背景に展開する喪失と希望への物語。 史実とフィクションで織りなす、圧巻のデビュー長篇小説。 (原題 I Will Die in a Foreign Land)
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3.5ジョブズ亡き後になにがあったのか? 鳴りやまぬ不協和音、上がり続ける株価―― ビジネスの豪腕クックと、デザインの天才アイブ、 アップルを託されたのは、正反対の二人だった。 ジョブズ亡き後、アップルはデザインの鬼才ジョニー・アイブと、 業務執行の凄腕ティム・クックの二人に託された。 「もうイノベーションは起こせない」と誰もがアップルの未来を悲観するなか、 社は快進撃を続け、世界最強テック企業へと成長する。 一方、社内では、カリスマ不在による歪みが時と共に表面化していた。 モノづくりと営業、現場とマネジメント、クリエイティブと数字…… アップルで起きていたのは、あらゆる職場で起きうる衝突だった。 10億人のポケットにiPhoneを滑り込ませた陰で、アップルは何を失ったのか――? 「アフター・スティーブ・ジョブズ」のすべてを語る、壮大なノンフィクション!。
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4.2ミュージカル映画不朽の名作「ウエストサイド物語」でベルナルド役を演じたオスカー俳優ジョージ・チャキリス。2021年に米国で発売され、大きな反響を読んだ自伝を字幕翻訳家の戸田奈津子が翻訳。同作は60年の時を超え、スピルバーグ監督がリメイクし、2022年2月に公開予定。
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-とあることから社会のアウトサイダーとなった著者が、バイオレンスとドラッグにまみれて堕ちていった過去と決別すべく、ひとつの区切りとして書いた半自伝的小説。 父性の否定と他者とのかかわりへのニヒリズム、人を愛することへの希求と諦観、そして何よりも自分という存在への絶望を描く。ある時代を投影する「個」の存在を書きつくした秀作である。正統派の作家性をもった新たな書き手の登場。
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-念願の公務員に採用され、京都市役所で働くことになった火乃宮祈理(ひのみやいのり)。入庁式を終えて彼女が配属されたのは、通称・陰陽課。京都の町には人間に紛れて暮らす妖怪がたくさんいて、そこは市民である彼らの生活を守る部署だというのだ。 混乱する祈理の教育係についたのは、白銀の髪に赤いシャツでガラの悪い、公認陰陽師の五行(ごぎょう)主任。妖怪の次は陰陽師……?と、訝しむ祈理は、陰陽師らしからぬ風貌の五行と、町を治める鬼や狐の親分との顔合わせに向かうことになるのだが……。 チンピラ陰陽師×マジメ女子の凸凹コンビによる、不思議な公務員生活が始まります。 ※本電子書籍は、『お世話になっております。陰陽課です』全4巻を1冊にまとめた合本版です。
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