徳田秋声の作品一覧
「徳田秋声」の「蒼白い月」「足迹」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「徳田秋声」の「蒼白い月」「足迹」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
お前の罪じゃ無い、世の中の罪だ
(田山花袋「断流」より)
人生の不条理・社会の闇と真正面に向き合い描かれた「悲惨小説(深刻小説)」または「観念小説」と呼ばれる作品のアンソロジー。あまり聞き慣れぬ作家の、大手出版社の文庫本レーベルにもなかなかラインアップされない作品をたくさん味わえる貴重な一冊だと思う。
川上眉山「大さかずき」
泉 鏡花「夜行巡査」
前田曙山「蝗売り」
田山花袋「断流」
北田薄氷「乳母」
広津柳浪「亀さん」
徳田秋声「藪こうじ」
小栗風葉「寝白粉」
江見水蔭「女房殺し」
樋口一葉「にごりえ」
性別、生まれ、家庭の経済状況……。収録
Posted by ブクログ
自然主義作家と言われる徳田秋声の作品を初めて読みましたが、なんとも評価をしづらい作品です。『黴(かび)』の主人公の笹村も、『爛(ただれ)』の主人公お増(ます)の良人(浅井)も女性の扱いが悪くて、なんだか途中途中で気の毒でならなかった。
2作品とも、深い心情が描かれる事なく、いたって淡白な語り口で進んでいきます。そして、話しの内容に盛り上がりも少なく、いきなり話しが飛んで行間を読まされる文章などは、もう少し前後の関係を書き込んであればと思いました。
このようなことを書くとダメなのかというと、
不思議と読み返してみたい気持ちもあります。おそらく、難解な漢字を多様していることと、特徴的な言葉の繰り
Posted by ブクログ
『黴』は1911(明治44)年、『爛』は1913(大正2)年に新聞連載されたもの。
日本自然主義文学の最高峰とも言われる徳田秋声の小説を、こんにちの観点からどのように評価し、位置づけるかということは、そう容易なことではない。ただ、これが「いかにも日本的な美感を代表するものの一つ」だということは想像できた。この場合の「日本的美感」は、もちろん、長所も短所もある。
この小説の構成原理には、近代西洋が追究してきた「論理性」が存在しない。状況Aがすべからくして状況Bを結実した、というような強固な原因-結果の結びつきが、「日本的美感」の核心部分には見られないようなのだ。秋声の小説では、「物語」は論理