【感想・ネタバレ】明治深刻悲惨小説集のレビュー

あらすじ

死、貧窮、病苦、差別――明治期、日清戦争後の社会不安を背景に、人生の暗黒面を見据え描き出した「悲惨小説」「深刻小説」と称された一連の作品群があった。虐げられた者、弱き者への共感と社会批判に満ちたそれらの小説は、当時二十代だった文学者たちの若き志の発露であった。「自然主義への過渡期文学」という既成概念では計れない、熱気あふれる作品群を集成。

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Posted by ブクログ

 お前の罪じゃ無い、世の中の罪だ
           (田山花袋「断流」より)

人生の不条理・社会の闇と真正面に向き合い描かれた「悲惨小説(深刻小説)」または「観念小説」と呼ばれる作品のアンソロジー。あまり聞き慣れぬ作家の、大手出版社の文庫本レーベルにもなかなかラインアップされない作品をたくさん味わえる貴重な一冊だと思う。

 川上眉山「大さかずき」
 泉 鏡花「夜行巡査」
 前田曙山「蝗売り」
 田山花袋「断流」
 北田薄氷「乳母」
 広津柳浪「亀さん」
 徳田秋声「藪こうじ」
 小栗風葉「寝白粉」
 江見水蔭「女房殺し」
 樋口一葉「にごりえ」

性別、生まれ、家庭の経済状況……。収録されているのは己一人ではどうしようもできぬ生き地獄を描いた、うらめしい話ばかり。雅俗折衷体の文章やリズミカルな文体がおもしろく、その心地よい調べのまま主人公が破滅の道をたどり救われぬ結末が苦しい。収録作はそれぞれ貧窮・悲憤・暴力の描写は生々しく、明治の世を題材としているはずなのに令和の現代にも通じると思えてしまうほど。

眉山「大さかずき」・花袋「断流」・一葉「にごりえ」がお気に入り。殊に「断流」のヒロイン お勝が騙され、奪われ、堕ちていく様が読んでいてつらい。つらくてたまらないが、ページを繰る手が止まらぬおもしろさだった。

本書収録作の選者 齋藤秀昭氏による解説「文学者の使命」に、本書だけでなくあらゆる文学作品を鑑賞するうえに大切な心構えとなりそうな一節が。

 (前略)文学作品をそれ自体として鑑賞するためには、文学史の常識やその構造を一度は疑ってみると同時に、己の感性を頼りにして直接作品に向き合うことが肝要のようである。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

古い小説が多いのですけれども、割かし読みにくさも感じずに読めたかと思います…社畜死ね!!

ヽ(・ω・)/ズコー

まあ、少々解釈が難しい部分もあったのですが…また機会があれば再読したい作品群でしたね!

ヽ(・ω・)/ズコー

亀さん…とかいう作品が一番印象に残りましたかねぇ…女性なら誰でも構わずについていく、抱き着いて行こうとする男性の話…(;´∀`)

実際に居たら困惑する人物ですけれどもまあ、印象には残りましたねぇ…。

さようなら…。

ヽ(・ω・)/ズコー

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2024年12月08日

Posted by ブクログ

現代語訳みたいなラジオ聞いて原話読んでみたくてがんばったけど
なんで・・・?ってゆうくらい最後に救いのないの小説集?なのかな。

『なんだったんだろう』と思うものが多くて一回読んだだけじゃ、どういう心情とか話の深さがあまり理解できてないかも。。
ラストに趣を置くものじゃないのかもしれない..。
時代の文章からかなかなか読みづらい。

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2023年11月15日

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